プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

プログラミング教育市場の未来予測 ~今後は予想を大きく超える成長可能性あり!~

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プログラミング教育市場はこれからどうなる?


今回、株式会社船井総合研究所(以下船井総研)では、GMOメディアと共同で、民間のプログラミング教室の市場規模の算出を行いました。

船井総研では日頃から、スクール・学習塾の経営コンサルティングをしており、またロボット・プログラミング教室の経営コンサルティングをしている関係上、過去・現在の市場規模の算出は比較的簡単でした。(現状の教室数と実際に通う生徒数を元に算出可能)

しかし、一方で未来の市場規模算出については、算出基準は非常に困難なものでした。なぜなら、現状のプログラミング教室の市場については、将来的な不確定要素が多すぎたからです。


プログラミング教育の必修化、今後の世界的なIT人材の不足、プログラミング教室数の増加など、市場の追い風になる要素が豊富に存在していたため、市場規模の予測をする上で、不確定ながらも市場が大きく成長する根拠は多々ありました。

そこで今回の市場規模の算出で重要視したのが、外部環境要因による市場の成長力以上に、教室を利用する側の「消費者・家計の都合」でした。

今回はこの「プログラミング教室市場規模」算出の根拠となった「消費者の都合」についてご説明したいと思います。

プログラミング教育はまだまだ優先順位が低い!?

現在、プログラミング教育の市場自体は大きく成長していますし、国の未来を考えても、もっと成長していくべきものだと私は思っていますが、現実的には「習わせる家庭の家計の問題」「子どもの時間の問題」で制約がかかっています。

2018年の年初時点での市場の成長を制限する要因は、「プログラミング教育の習い事としての優先順位」の問題だと我々は認識していました。


どれだけプログラミング教育が必修化され、重要性が叫ばれたとしても、他の習い事と比較された時に消費者にとって優先順位が高まらなければ、購入=選択されないわけです。

ここで現状ではプログラミング教育が金額的にも、時間的にも優先順位を落とされてしまうという現実がありました。実際に教室運営の現場でも同様の声が多数出ていました。「体験や資料請求は多いし、皆さん興味を持ってもらえているが、入会につながらない…」というわけです。

小中学生の民間の教育・習い事の数は、地域・年齢・所得差はありますが、およそ平均すると2~3つ程度です。また金額予算も家計によって当然制約が生まれます。

この学校外の教育費領域において、優先順位・参加率が高いものは、

・学習塾 (月額1~3万 中学受験・講習の場合はさらに負担が多い場合も)
・英会話 (月額1万円)
・スイミングスクールなどの運動系 (月額5,000円)


この3つが主なものとなり、これにこどもや保護者の意向によって、音楽などの芸術系やその他様々な習い事がプラスされることになります。


2015年の出生動向基本調査によれば、子どもが2~3人の世帯の比率は約70%超となりますので、上記の習い事の費用は多くの家庭では「×2~3人」分となるわけです。

つまり、学校外の習い事において、既に優先順位の高い習い事で1人あたり2万~4万円の支出をしている家庭において、さらに「プログラミング教育」の習い事によって、月謝の負担が1万円増えるという状況は、許容できる家庭数が少ないのです。

更に補足して言えば、現状のプログラミング教育の主流となっている「ロボット・プログラミング教室」の場合、入会時に数万円のロボットを購入するケースも多いですし、中には高額なタブレットの購入を義務づける(この場合タブレットのランニングコストも加算される)ものもあります。

こうした「費用負担が重い」ことが習い事としての優先順位を下げることになり、「通わせたくても金額的に難しい」という家庭が多いのです。

つまり、プログラミング教育は習い事としては、既に先行して一般化されている他の習い事の市場に大きく切り込めるだけの、金額的な要素・魅力が現状では不足しているため、人口参加率がどうしても伸び悩んでしまう(英会話教室などの半分以下)ことが予測できたのです。


また、問題は金額面だけではなく、「ども達の学校外時間」「場所が通学可能かどうか」といった、利便性の問題もありました。

他の習い事をしているこどもにとって、学校外の時間は既に予定が埋まっているケースがありますし、ロボット・プログラミング教室は、比較的通学までに時間がかかるケースが多いため、保護者が通わせるのが困難といったケースも多いのです。

上記のような金額・利便性・現状の習い事としての魅力を加味すると、習い事としての人口参加率は将来的には全国平均で最大でも5%程度(35人学級につき1~2名程度)だと予測し、今回市場規模予測をさせていただきました。

環境次第で大きく飛躍するプログラミング教育市場!

しかし、上記のような金額面・利便性などの「習い事としての優先順位」の問題により、今回の市場規模予測になりましたが、以下の条件が揃うことによって、市場規模は今回の予測の数倍になる可能性も秘めています。

1)家計負担が少ない低単価×高品質のプログラミング教室の普及
2)政権が打ち出した「情報」の大学入試導入の具体化
3)小中高生のIT技術を駆使した技術者開発者が活躍して
   世間で認知され話題となる(将棋の藤井聡太さんのような) 
    【例】学生時代で起業、アプリ開発大会で賞金を獲得、
     在学中に大手IT企業から高額のスカウトを受ける など

実際にこの3つについては、かなり高い確率で数年の内に具体化すると思いますが、2018年4月時点では、時期が不確定であったため、市場予測には組み込みませんでした。

しかし、上記のような動きが一般の消費者の目にとまるようになれば、将来は「英会話」や「スイミングスクール」に通わせる感覚で「プログラミング教室にこどもを通わせる」保護者の方が増え、市場規模はさらに大きく成長していくでしょう。

上記の3点のプログラミング教育市場の更なる成長可能性の要因については次回以降のコラムで触れたいと思います。



◇◆次回の連載に続く◆◇

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この記事を書いた人


犬塚義人 株式会社船井総合研究所シニア経営コンサルタント

教育関連のコンサルティングを担当する教育グループのグループマネージャーとして、日々教育業界の時流動向分析・学習塾やスクール企業の経営コンサルティングを担当しています。

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