プログラミング教育がわかる、プログラミング・ロボット教室がみつかる

プログラミング教育市場の未来予測 ~市場の成長のカギを握るプログラミング教育の「低価格化」~

以前、当コラムでは「プログラミング教育市場が飛躍的に成長する可能性がある3つのポイント」として以下の3つをお伝えさせていただきました。

◇政府が打ち出した教科「情報」の大学入試導入の具体化
◇小中高生のIT技術を駆使した技術者・開発者が活躍して世間で認知され話題となる
◇家計負担が少ない低単価×高品質のプログラミング教室の普及


今回は3つ目の「家計負担が少ない低単価×高品質のプログラミング教室の普及」について触れたいと思います。

“月謝が高い”プログラミング教室


こどもの習い事における価格帯は、「月謝」と「その他の費用」に分けて考えることができます。まず、月々にかかる費用である月謝の相場は以下のようになります。

◆こども向けの習い事では週1回で月謝5,000円前後が平均的
◆外国人講師の英会話教室のように必要性が高く、事業者側もコストがかかる習い事の場合は月謝10,000円前後
◆小学・中学受験に特化する学習塾などの場合は、月謝が10,000~30,000円以上になることもある


つまり必要度や重要度が高い英会話や学習塾などの習い事を除けば、基本的に習い事の相場は「週1回、1時間弱のレッスンで月謝5,000円前後」となっているのです。

一方でプログラミング教室の業界の主流価格は2018年現在では、週1回で10,000円~15,000円の価格帯のスクールが多く(その分、時間数が90分以上になっているケースが多い)、時間当たりの価格は高くなくとも、月謝の価格としては習い事内では「高額」の位置づけになっています。

英会話や学習塾と比較すると、現状のプログラミング教室の必要度や重要度は高くありませんから、消費者にとっての印象はどうしても「月謝の値段が高い習い事」というイメージになってしまいます。

開始時の費用も高額になることが多い…

次に習い事にかかる「その他の費用」についてですが、「習い事開始時にかかる費用」が習い事の参加率に大きな影響を与えることになります。


習い事開始時にかかる費用」というのは、主に以下のものになります。

◆入会金
◆テキストなどの教材費
◆ユニフォームやラケットなどの必要な道具

これらの合計の金額が高ければ高くなるほど、入会時の消費者の心理的抵抗が大きくなるわけです(通わせたくても必要な出費が多いため断念するなど)。

この習い事開始時にかかる費用の一般的な相場としては、

◆全ての合計金額が10,000円未満
◆全ての合計金額が10,000~20,000円程度 (スポーツ系など、道具が必要な場合)

の習い事が主流です。

現在のプログラミング教室は、この「開始時の費用」についてもかなり高額なケースがほとんどです。

ロボット・プログラミング教室の場合は入会時にロボットの購入を義務付けられるケースも多く、その学習用のロボットの購入費用が3万円以上になることも珍しくありません。

また、プログラミング教室においても専用のパソコンやタブレットの購入が必要になってくることが多く、やはり数万円の費用が必要になります。

(スクールによっては保護者や兄弟が既にロボットやパソコン・タブレットを持っていたとしても、別途購入が必要なケースさえあり、この場合は保護者にとってはさらに負担感は大きくなります)。

この結果、プログラミング教室開始時のその他の費用は3~5万円になってしまうことが多く、この点についても、やはり「必要なコストが高い習い事」ということになってしまうのです。

費用負担の大きさが目立つプログラミング教室


これまでにお伝えした内容から現状のプログラミング教室は、

「入会時にかかる費用が他の習い事と比較して高い(数万円必要)」
「習い始めてからの月謝費用も他の習い事と比較して少し高い」


という状況であり、受験などに関わる必要性や重要性が高くない習い事の中では、圧倒的に費用負担が重くなっていることがお分かりいただけるかと思います。


1人のこどもにかける「習い事」の予算帯は家庭によって様々ですが、「1人のこども当たり3万円以上」を負担できる家庭はごく少数です。

しかし、プログラミング教室の費用負担は月謝や初期費用によって月当たり2万円弱が必要になるケースが多いため、他の習い事との費用面の兼ね合いの中で、どうしても優先順位を下げられてしまいます。

この結果「プログラミング教室に興味はある」が、実際にスクールへの入会をためらう保護者も多く、「体験会には参加しても入会には至らない」ケースが全国的に多いのが現実なのです。

この費用面でのハードルの高さが、プログラミング教育の市場成長の障害になっているのです。

市場成長のために必要なプログラミング教室のあり方


特定ジャンルの教育・習い事が普及していくためには、「裾野の広がり」が必要不可欠であり、具体的には「低年齢層からでも始められる」「所得の低い人でも始められる」などが重要です。

ロボット・プログラミング教室は、幼児や低年齢層が興味を持ちやすいようにロボットを使った教育で低年齢層の間口を広げているのが最大の強みなのですが、「所得」の視点で考えると、「ロボット・プログラミング教室」は、そもそもロボット購入の費用負担が重く、裾野が広がりにくくなっているのが現状です。


世界的にはコードドットオーグ(Code.org)のように、より幅広い世代に対して、より安価に学べる環境が整備されていますが、現在に日本のプログラミング教育市場は「限られた層のみが始められる」という、世界とは全く逆の状況になっています。

以上の問題点を解消し、これからの日本のプログラミング教育市場が更に成長するための条件は以下のようになります。

1)月謝5,000円前後、開始時の費用負担が10,000~20,000円程度で済むロボット・プログラミング教室やプログラミング教室が普及すること
2)費用負担が重くなりやすい「ロボット」に代わる、幼児・低年齢が興味を持ちやすいプログラミング教材が普及すること


より多くの消費者が安価で通学できる教室が増加すると、更に参加人口は伸びていき、結果的に市場も成長していくと思われます。

日本におけるプログラミング教育の未来図


日本における民間のプログラミング教育市場の成長において、以下の内容が整備されることが理想形だといえます。

①低年齢層でもプログラミングに興味を持てるような教材
②無料で学べるプログラミング教材
③低単価で学べるプログラミング教室
④より実践的で技術力の向上を目的とした、中~高単価のプログラミング教室


このような形で、年齢や所得やニーズ・目的に合わせた段階的な教育環境が整備されれば、日本においてもプログラミング教育市場は大きく成長していくことでしょう。

この1~2年で上記の条件に当てはまるプログラミング教室や教材が生まれてきています。

そういう意味ではプログラミング教育市場が予想以上の成長を実現する時期も、すぐそこまで迫っているのかもしれません。

これまで当コラムでは3回にわたってプログラミング教育市場を大きく成長させる3つの要因について説明をしてきました。

2018年の4月に実施した、2023年までの「プログラミング教育市場予測」においては、上記の3つの要因が与える影響を加味しておらず、あくまで「現在の延長線上」で市場規模を算出しています。

この3つの要因の内、1つ以上がこの数年以内に実現することで、私どもの市場予測を更に大きく超える市場の成長が実現すると思われます。日本におけるプログラミング教育市場の本格的な成長は、始まったばかりなのです。


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