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プログラミング教育市場の未来予測 ~プログラミング教育業界の最大の課題 『退会問題』~

市場の“伸び悩み”の原因のひとつ「退会」問題


これまで本コラムではプログラミング教育市場の成長性・ポテンシャルなど、プラスの面について主にスポットをあててきました。

しかし、業界内には市場の成長を鈍化させる「マイナス」の面(課題など)もあります。

今回はそのマイナス面の中で、最も業界として大きな課題となっている「退会」問題についてふれたいと思います。

一般的に教育業界の市場規模や参加率を算出する時には、「現在、通学している人数」「業界に売上が上がっている市場」を計算します。

つまり「既に卒業した、退会した『元』生徒」の人数はカウントしませんし、売上も発生していないため市場規模にも影響しません(時々、市場規模や生徒数規模を大きく見せるために「累計・累積の受講者数」を市場規模データとして発表するケースもありますが、これは本来の市場規模とは異なる意味になってしまうのです)。

現在、プログラミング教育市場は急成長をしており、消費者の認知度も上がっているため、「入会者数」は業界全体として右肩上がりです。

しかし、一方で1年前、2年目から入会した生徒が、徐々に退会してしまっているケースも多いため、個々の教室の生徒数は「横這い」になっていることも少なくありません。

現在このような状況になっているプログラミング教室は全国で急速に増えています。生徒の「退会」は年度の切り替わり時期である「1月~4月」になると急速に増えていきます。

2019年の春期はプログラミング教育業界として「入会者が多い」時期であると同時に、「過去最大の退会者数が発生する」時期であることも事実なのです。

プログラミング教育業界は、まだまだ市場が未成熟であるため、この「退会」問題については、まだまだ対応が未成熟です。この問題を改善しなければ、健全な業界の成長が難しくなってしまいます。

教育業界における「退会」の考え方


このプログラミング教育業界の「退会」問題を考える前に、教育業界における「退会」の一般的な考え方をお伝えしたいと思います。

教育業界においては「生徒さんが退会する」時、我々教育業界のコンサルタントは2つのケースに分けて考えます。

1.途中退会 (不満退会)
2.卒業退会

 
1:途中退会」とは、別名で不満退会といい、顧客がスクールの内容について不満があるから退会してしまうケースです。

スクール側が顧客の期待に応えられず、価値を感じなかったために退会してしまうという意味です。

日本の教育業界において退会時のアンケートで「不満があった」と本音を書いてくれるケースも少ないため、この途中退会の基準は各社バラバラですが、一般的には「入会後1年未満で退会した場合」「クレームが発生した場合」「欠席が続いた後、退会した場合」などは、不満退会として扱うことになります。

2:卒業退会」とは、顧客としてはスクールの内容について満足しているが、個々の事情によって退会してしまうケースです。

個々の事情とは「目標は達成できた」「受験などで忙しくなった」「新年度からは塾に切り替えるから」などになり、基本的に当初の目的は達成したので、次は新しい習い事へ…というニュアンスになります。

プログラミング教育業界においては、この「途中退会」「卒業退会」、いずれのケースにおいても課題が多いのが現実です。

プログラミング教育業界における「途中退会」の問題

現在のプログラミング教育業界においては、「途中退会」が他業界と比較して、非常に「多い」のが現実です(不満で1年未満で退会してしまう人数が多い)。

一般的な習い事においては、1年未満で退会してしまう顧客の割合は10以下であることが多いのですが、プログラミング教育業界ではこの数値を大きく超えてしまっている教室が少なくありません(半年で退会してしまうケースもしばしば見受けられます)。



先生の対応が悪い…。
カリキュラムがすぐに飽きてしまう…。
続けていてもメリットがなさそう…。

理由は様々ですが、消費者にとって当初の「プログラミング教育」への期待が裏切られた状態で退会してしまうわけです。

しかし、上記のような不満退会も退会者からのアンケートでは「忙しくなったから」「塾に通い始めたから」などの別の理由になっているため、消費者の本音に気づけていないことが多いようです。

また、プログラミング教育業界は近年「入会者数」が多いため、多少の退会者が発生したとしても、その分「新規入会者」で穴埋めするという発想になってしまい、問題意識を持ちにくいというのも、この問題が改善されにくいことの理由になっています。

例をあげるとプログラミング教室の収益源が「入会金」や「ロボットや教材の販売売上」をメインにしている教室の場合、生徒がどれだけ退会しても、新しい入会者が増えれば、むしろ短期的にはその売上が上がりやすいという状況になるため、さらに退会問題に目が向けられなくなるようです。

しかし、「途中退会・不満退会」が増えていけば、中長期的には悪いクチコミが地域内・業界内に広がっていき、自社の教室、さらには業界全体にとって大きなマイナスになってしまいます。

業界として「不満退会を〇%以内に抑える」「自社の教室は最低でも〇ヵ月は継続してもらえる教室づくりをする」「自教室では〇ヵ月で△△までは習得してもらうようにする」など、継続期間目標や習得目標を立てて、教室運営をしていく必要があるでしょう。

「卒業退会」問題に対してどのように向かい合うか

こども向けの習い事にとって「卒業退会」は避けられない問題です。

こどもの成長過程で、どこかで「卒業」してしまうのは必然ですから、顧客に満足して退会してもらうこと自体は悪いことではありません。

しかし、「1年」でも長く通ってもらうことによって、教室の生徒数には大きく差が生まれますので、卒業退会について考える時には「平均在籍期間」をどのように伸ばすかを考えるのがおススメです。



プログラミング教室業界の卒業退会における主な理由は以下の3つです。

「受験準備で忙しい(中学受験層はほぼ確実)」
「塾への切り替え(小学校高学年に多い)」
「習いたい内容は習ってしまった=飽きた・目的は達成した」


この3つの内、中学受験準備による退会は、基本的に不可避です。

小学5~6年生になれば、中学受験の学習塾も他の習い事を止めるように促しますので、費用面・時間面から継続は難しくなります。これは仕方ありません。

しかし、残りの2つ「塾への切り替え」と「飽き」については、業界側の問題も大きいため、今後は改善していく必要があります。

これらのケースではシンプルに「スクールにあと1年、2年続けたくなるようなカリキュラムがない」「あと1年、2年続けて習得できるスキルやメリットが感じられないことが原因です。

続けたくならないため学習塾と比較して優先順位を下げられてしまい、退会になってしまうのです。

プログラミング教室としては、「長期的に通学することによるメリット」「習い続けることで習得できるスキル」などを、しっかりと体系化し、顧客に伝えていかなければなりません。

プログラミング教育業界に早急に必要な「退会」対策

スイミングスクールやテニススクールなどのこども向けの習い事においては、上記の「退会」について(進級の概念や大会など)のデータ算出や対策が非常に進んでいます。

より多くの顧客が長期間、満足して通い続けられるような仕組みが業界として整備されているのです。

一方でプログラミング教育業界においては、まだ市場が未成熟ですので、このあたりの領域についてはデータ算出も、体制の整備も遅れているのが現実です。

入会と退会の関係性は「バケツの水」のようなものでして、どれだけ水道の蛇口から水を入れても<入会>、バケツの底に大きな穴があいていては<退会>、バケツの中に水<生徒数>はたまっていきません。

また、途中退会・不満退会は業界の評判を悪くする可能性も高いのです。

今後プログラミング教育業界として早急に「退会」対策に取り組んでいく必要があるでしょう。

これが日本におけるプログラミング教育の成長・発展にとっても大きな意味を持つことになります。

次回のコラムではこの「退会抑止」の対策について、さらに具体的にお伝えしたいと思います。

公開日:2019.01.28

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