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プログラミング教育市場の未来予測 ~プログラミング教室と卒業退会 『“飽き”対策のありかた』~

卒業退会=「お客様が満足して退会している」といっても?

これまで2回にわたり当コラムでは、プログラミング教室業界の退会問題について触れました。
今回のコラムでは「卒業退会」について解説をしていきたいと思います。

前々回のコラムの復習になりますが、退会には「卒業退会」「途中退会」があります。

「卒業退会」とは生徒や保護者がある程度の期間、教室に通学し、一定の目的や成果を達成したため、満足して退会する状況を指します。

「受験・合格」という明確な期限が決まっている学習塾と異なり、幼児や小学生向けの習い事の場合は、この「卒業退会」するタイミングが各教室・家庭によってバラバラになります。

卒業退会自体は基本的に「満足して」退会しているケースが多く、お客様からのクレームになることはほとんどないのですが、見方を変えると「飽きて」退会してしまっているというのが現実です。

教室側のカリキュラムやレッスン内容、目標設定次第では、本来は「あと1年」「あと2年」通学してもらえるはずなのに、教室側の努力や工夫が足りずに「もうお腹いっぱいです」と退会してしまっているともいえるのです。

プログラミング教室の在籍期間はどのくらい?


プログラミング教室業界にとって、この「卒業退会」=「満足してしまう」「飽きる」問題は、重要なテーマになっているといえます。

まだ業界全体で集計した正確なデータはありませんが、現場の感覚として現在のプログラミング教室業界の受講者の平均在籍期間はおそらく1年~2年程度だと思われます。

中にはロボットづくりが大好き!という少数の生徒が3年以上通学していますが、大多数の生徒は1年~2年、もしくはそれ未満の期間で退会していると思われます。

こども向けの習い事において、平均在籍期間が1年~2年というのは非常に短く、教育としても経営としても、あまり良い成果を出せているとはいえません。

教育の視点から見ても「1年で身に付くスキルや能力がどの程度のものか?」ですし、経営の視点から見れば、毎年生徒の大多数が入れ替わってしまい、生徒数が安定しないという問題があるのです。

このような「卒業退会の早さ」=「プログラミング教室の在籍期間の短さ」=「教室に飽きてしまう期間の早さ」は、現状のプログラミング教室業界の下記のような構造に原因があります

以下より他のこども向けの習い事と比較しながら、プログラミング教室の卒業退会についての問題点を上げてみましょう。

<飽きてしまう原因1>カリキュラムやレッスンが単調・演出が弱い

現在、多くのプログラミング教室が単一の教材や言語を使用するレッスン体系をとっていますが、その結果、こども達が飽きるのが早くなります。

どれだけロボットやアニメの作りや動き方、課題を複雑化しても、「似たようなこと」「同じようなこと」の繰り返しであり、その次の課題やテクニックに魅力を感じません。

本来は、使用できる教材や言語を多様化する、もし、単一の教材だけだったとしても、その後のカリキュラムを魅力的に見えるように工夫することが大切です。

スイミングスクールの場合、クロールや平泳ぎ、背泳ぎなどの泳法でのバリエーションがある上に、25メートル、50メートルなど、泳げる距離などの憧れ・目標設定ができるようになっています。

例えレッスン内容が単調だったとしても、「あんな風になれる」という憧れがあれば、こども達はワクワクして練習します。

プログラミング教室においても「飽きさせない日々のカリキュラム」や、「次からのレッスンにワクワクしてもらう演出」が必要です。

<飽きてしまう原因2>得られる成果が曖昧で目に見えにくい


こちらは主に保護者目線になりますが、プログラミング教室の場合、保護者から見て明確な成長や成果が実感しにくいこと、役に立ちそうな成果が感じられにくいことも退会の原因になります。

プログラミング教室の多くが「プログラミング思考」「論理的思考力」を売りにしていますが、これらは明確に数値化できるものではなく、非認知スキルと呼ばれる能力になります。

入会当初は「うちの子もプログラミングができるようになった!」と喜んでいたとしても、1年間似た作業を繰り返していれば、「この習い事はそろそろいいかな…」と思ってしまいます。

どれだけロボットプログラミングで複雑な課題をクリアしたとしても、それがどんな役に立つかもわからないからです。非認知スキルは一定ラインを超えると成長の状況がわかりにくいのです。

英会話スクールの場合、英検などの明確な資格があるだけでなく、徐々に英語で話す文章が長くなり、単語量が増えていくことが明確にわかります。書道教室なども、上達が作品という形で目に見えてわかるため、「もう少し続けさせてみよう」という心理にもなりやすいのです。

プログラミング教室においても、保護者に納得してもらえるだけの成長・成果の見える化が求められます。

<飽きてしまう原因3>目標設定がない

プログラミング教室業界には「資格」や「試合」「大会」「発表会」などの明確な目標設定がなく、ただ目標設定なくレッスンを消化するだけになりがちです。

基本的にこども向けの習い事の場合、こども達や保護者何らかの目標を持たせてあげることが大切になります。この目標は「資格」などの実益につながるものや、「憧れ」などでもいいのです。

日本古来の習い事の多くは「級・段位」が設定されています。これはこども達や保護者に成長の軌跡を見せるだけでなく、わかりやすい目標設定として機能しています。

級や段位がない習い事、例えばピアノ教室やバレエ教室の場合、年に1回の「発表会」を重視しています。これはドレスや衣装を着ての「晴れ舞台」を用意することで、憧れの舞台に立つという目標を持たせているのです。

プログラミング教室業界においても、上記のような目標設定機能を取り入れていくことが大切です。

<飽きてしまう原因4>将来の大きな可能性とつながっていない


本来、プログラミング教育の最大の強みのひとつは「将来、プログラミング関連の仕事にも就職が可能」という、将来に直結した習い事である点です。

しかし、現状のプログラミング教室の多くは、小学生向けのカリキュラムのみ。初期のプログラミング言語のみ。本人がどれだけ希望しても、発展的な知識やスキルの習得ができないケースがほとんどです。

これは、まだ日本市場において「プログラミング教育が将来の実益につながる」という感覚が浸透していないことが大きな原因ですが、教室側のカリキュラム構成にも問題があるといえます。

「将来、IT関連の仕事につきたい」と考え始めた意欲的な小学生たちの多くは、今のプログラミング教室に通っていて「この教室では将来の役に立たない」ことに気づいてしまい退会につながっている状況なのです。

スポーツ関連の多くの習い事においては、「選手」「プロ」になるための上位コースやスクールが用意されており、更に高みに上がるための道筋が整備されています。

また、その道筋に乗った先輩の姿を見て、子ども達が憧れ、頑張れるという構図が出来上がっています。

プログラミング教室業界においても、中学高校まで通えるカリキュラム、仕事や実益につながるような環境づくりが求められてくるでしょう。

プログラミング教室の発展はこれから!

これまで説明しましたように、プログラミング教室は業界として成立した年月が短いため、教室の運営体制そのものが未成熟です。

「成長市場」という言葉が独り歩きしてしまい、教室数は増えたものの、内容としては「まだまだ…」という教室が多いのも実情です。

しかし、逆に言えば、上記のような課題を克服したスクールがこれから増えてくることで、プログラミング教室業界の市場は更に大きく成長することも可能です。

その変化の中で、「プログラミング教室業界から有名な事業家が生まれた」「プログラミング教室自体がドンドン大きくなった」などの、様々な目に見える変化も生まれ、それが市場の成長に、より良い影響を与えることもあるでしょう。

今後のプログラミング教室業界の成長を楽しみにしています。

公開日:2019.03.29

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