さて今回のお題は「わたしの塾選び」です。中学受験ではほとんどの子どもがいわゆる進学塾(中学受験向け)に通います。この塾選びこそ、実は受験の最初のポイントといっても過言ではありません。
中学受験塾選びのポイントはズバリ3つ!
・できれば塾は通いやすい範囲で
・条件を書き出して塾を絞り込んでいく
では実際に見て行きましょう!
SAPIXとか日能研とか四谷大塚が有名だけど中学受験塾選びはどうする?
中学受験の塾といえば、パッと思い浮かぶのは四谷大塚とか日能研、SAPIXといった大手有名進学塾です(関西圏なら浜学園とかでしょうか)。
受験すると決めてから時間もあまりなかったので、親しい数人の中受先輩ママたちに「日能研とかSAPIXってどうなの」と聞いて回ると、
「小6スタートでまともに勉強していない状態で、そもそもSAPIXには入れないよ。入塾テストがあって、入塾自体がすごく難しいのよ!」
と、異口同音に言われてしまいました。
有名大手進学塾は小3の2月スタートがスタンダード。他の塾や家庭でしっかり準備しているなら小4の2月(つまり新小5)もギリギリあり。が、それまで受験を視野に入れた学習のベースがない小6スタートでは、こうした難関校向け塾は無理!とバッサリ断言されました。大手進学塾はスパイラル方式だから、たとえ入れたとしても本当に厳しいからやめたほうがいいって。ちゃんとコザル君に向いている塾を探してあげなさいよ」とこんこんと諭しました。
スパイラル方式の中学受験塾とはなんぞや?
スパイラル方式。でた!中受にありがちな「これまで聞いたこともない用語」です。
スパイラル、つまりらせん方式とは、単元を4年、5年、6年とレベルアップしながら繰り返し学習する勉強法です。
出典:SAPIX公式サイト
同じ単元が何度も、いろいろな場面で出てきます。学年が上がっても復習しつつ、らせん階段をのぼるように(とはSAPIX公式サイトにも出ている表現)レベルアップをしていきます。スパイラル式は基礎から応用へと復習を重ねながらグルグルと頂上をめざして登っていくわけですね。
このらせん階段に、途中からポイと投げ込まれたら……。そこまでのステップを抜いている状態なので、ついていくのがとても大変です。
ところが大手進学塾では、このスパイラル方式が主流の学習法な模様。つまり、スタンダードなスタートを切っていない、後から「やっぱ受験しようっと!」組は、それまでに家庭でしっかり基礎の土台を作っていない場合にはなかなか厳しい状況なのです。
当時、ひとつ年上で超難関校受験をしていた仲良しのママは、
「うちはSAPIXだけど、ざっくり言うとα(アルファクラス:超優秀な生徒たちのクラス)とアルファベットのクラスがあるの。要するにαクラスに入らないと難関校受験対策はできないってことかな」
とさらりと言うではありませんか。なんでも、αクラスに入るために、アルファベットクラスの子どもは専用の家庭教師や個別指導を受けることも珍しくないのだとか。
ひえええ、そんなとこでコザルがやっていけるわけありません。アルファベット最後のZ(注:そんなクラスはありません)に入ったとしても、学費を落とすだけの存在……いわゆる、“お客さん状態”になってしまうでしょう。
「四谷大塚は直営と準拠の塾があって、さらに直営でも校舎ごとにカラーが違うし、校舎によって難関校合格実績の差があるから、よーく調べないとだめよ。SAPIXはスパイラルが有名だけど、四谷大塚はどちらかといえば予習方式だからね」
……む、む、無理だ。
「でもさ、コザル君の場合は、そもそも難関校が得意の塾を選んでもしょうがないでしょ?希望と違うんだし……」
確かに、ママ友の言うことももっともです。とはいえ、「なんらかの塾を探さなくてはならない」のは事実。
困ったちゃんの私のために、彼女は「山ほど塾がある地域に住んでいるんだし、まずは近場の塾を調べて、それぞれの資料請求をしなよ。その上で、塾長とか教室長と面談して、一番コザル君にあいそうなところを選ぶといいよ」と教えてくれました。
小学生オンライン塾おすすめ31選【2024年最新版】中学受験対策も!
オンライン学習塾を検討するときに「本当に子どもは授業に集中できるのか?」「オンライン学習塾に通って学力は上がるのか?」と不安になることもあるでしょう。 この記事では、オンライン学習塾の種類やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。おすすめのオンライン学習塾もご紹介しますので、ぜひ塾選びの参考にしてみてください。
この記事をcoeteco.jp で読む >中学受験塾で通塾できる範囲は「30分以内」がスタンダード
ところで塾で「近場」とはどの範囲を言うのでしょうか。
そこからつまずいた「中受ド素人」の私です。
調べてみると一般的にはドア・ツー・ドアで30分が通いやすい範囲のようです。電車なら数駅、バスなら乗車時間が15分程度、玄関から塾に入るまでの徒歩もいれて30分を超えると大変になってきます。
特に高学年になると塾の終わりは21時、22時も珍しくありません。親の送迎も必要になります。
ともかく、言われた通りに調べてみると、近くに塾が山ほどありました。山ほどありすぎて、選べと言われても「どうしたらいいのだ」とわたしは右往左往するばかりです。
ここで少しだけ話が変わるのですが、当時、わたしは婚活の記事を書いており、某結婚相談所のカウンセラーに取材をしました。その方いわく「良いお相手を早く見つける方法」には4つのポイントがあるのだそう。
1:高望みをしない
2:自分をよく知る
3:絶対に譲れない条件で絞り込む
4:良さそうと思ったら実際にお会いして印象を確かめる
取材の帰り道、メモをながめながら「あれ?これはもしや?」とわたしはピピピーん!ときました。
婚活と塾選びは一緒じゃん!
コザルは現状、そんな高いところをめざせるレベルではない。(本人にやる気はあるけれど、急に勉強の鬼と化しても、成績がドカンと上がることは期待できないのが中学受験!)それならば、条件をリストアップして優先順位をつければいいのか!
その条件にひっかかった塾を、しらみつぶしに見学&体験&面談をして決めればいいんだ!
参考:おすすめの中学受験学習塾
条件が決まれば早かった中学受験塾選び
さて、我が家が塾選びにあたって絞り込んだ条件は以下の通りです。1:歩いていける(徒歩20分程度、自転車なら10分程度以内)
2:小6スタートを歓迎してくれる
3:超難関校向けではなく中堅、それ以下の受験にも力を入れている
4:スパルタではない
5:受験に無知な親に優しい対応
おまけ:できれば受講料はお安めならありがたい……
絞り込んでも5つも条件があるのだから、結婚相談所だったら「もう少し条件をゆるやかにしないとお相手がなかなか見つかりませんよ」などと言われそうなところです。
それでも、個人経営の塾もいれて5つほど連絡をし、うち4つは実際に面談をしました。先生と実際にお話をすると、かなり塾のスタンスがわかるのは事実。営業だけがうまく、授業がビミョーな場合もあるため鵜呑みにはできませんが、全体の雰囲気はつかめます。
(1つ目の塾にて)
うちの子の成績もわからないうちから、まるで難関校も合格するような言い方ってちょっと信頼できないな……。
(2つ目の塾にて)
「真剣にやらないお子さまはウチに来なくてけっこうです」と断言するって、きっと自信あるんだろうけど……親子ともに、この手のスパルタ教育は合わないな。
最終的に選んだのは、わが家から一番近い、徒歩10分以内の中堅進学塾でした。実はこの塾、夏休みに理科実験を行っており、コザルは小2、小3のときに、数日間だけ通ったことがあります。「すでに知っている場所」という安心感もあったのか、本人も「あそこがいい」と決めました。
余談ですが、前述の難関校志望のママから「通塾の時間を計算して数値化してみると、それだけの時間をかける価値があるか、塾選びのときに冷静に判断しやすいよ」とアドバイスを貰っていました。
片道10分の塾に通えば、コザルは片道30分かけて塾に行く子たちよりも、1年で7,680分=128時間も余裕ができるではありませんか!もうひとつの塾は片道でバスを使い、30分ちょっとはかかります。小6スタート組としては、1分1秒も惜しい。7,680分は大きいぞ!
近いのがよろしいうえに、子どもも気に入っている、というわけで、実のところ塾を探し始めてから約2週間で、エイヤッと「もう、ここでやってみよう!」と塾を決めたのでした。
小学生オンライン塾おすすめ31選【2024年最新版】中学受験対策も!
オンライン学習塾を検討するときに「本当に子どもは授業に集中できるのか?」「オンライン学習塾に通って学力は上がるのか?」と不安になることもあるでしょう。 この記事では、オンライン学習塾の種類やメリット・デメリットを分かりやすく解説します。おすすめのオンライン学習塾もご紹介しますので、ぜひ塾選びの参考にしてみてください。
この記事をcoeteco.jp で読む >他の家はどうやって中学受験塾を選んだのか?
今回の記事は、あくまでもわたし個人の「塾選び」について振り返ったものです。あまりにパーソナルすぎて参考にならないかもしれませんので、次回は周囲の中学受験ママたちに協力してもらい、「塾選び」についてのアンケート結果を公開いたします!中学受験の勉強は、ほぼほぼ塾の指導をもとに進んでいきます。それだけに中学受験における塾選びは本当に大切なポイント。他のご家庭がどんな塾を、どんな理由で選んだか、リアルな声をお届けします。お楽しみに!
あなたが知らない中学受験の世界|東京圏の有名塾、実際の口コミは?噂を信じすぎるのは危険!
こんにちは。コエテコライターの大橋 礼です。6年生になる直前「オレは受験する」と唐突に中学受験を宣言した次男コザル(仮名)。今回は周囲のママ・パパたちがどのような塾をどうやって選んだのか、アンケート結果をもとにご紹介していきます!「悪評(うわさ)を鵜呑みにするのはNG」など、リアルな本音も飛び出しましたよ。
この記事をcoeteco.jp で読む >
なんでよ、ウチの子もやる気出してるし、もしかしたら、そーいう塾に入れたらドカーンと伸びるかもしれないじゃない!