この記事では、2022年にフリーランスが受け取れる給付金と補助金をわかりやすく紹介します。
給付金と補助金の違いとは?

補助金と給付金のなかでは、最も審査が厳しいのは補助金です。支給金額が数億円にも上る補助金もあるため、事業計画や支出計画などの申請書類もそろえる必要があります。
それに対し、給付金は一定の要件を満たしていれば給付されることが特長。そのため、厳しい審査がある補助金と比較して、比較的多くの人が受け取れることがメリット。ただし、給付額は数万円から多くても数百万円ほどとなっています。
さらに、民間助成金と呼ばれる前払いで受け取れる助成金もあります。助成額は、数百万~数千万円ほど。補助金と同様に事業計画や支出計画なども細かくチェックされたり監査が入ったりするケースもあります。そのため、助成された事業を計画的に行う前提で申請することが重要です。
2022年にフリーランスが受け取れる給付金
事業復活支援金
フリーランスが最大50万円を受け取れるのは、事業復活支援金です。事業復活支援金の内容は、以下の通りです。支援対象者 | 2021年11月~2022年3月のいずれかの月間売上が新型コロナウイルスの影響で30%以上減少している人 |
支援額 | 売上高減少率50%以上:個人50万円 売上高減少率30~50%:個人30万円 |
申請期限 | 2022年1月31日~5月31日 |
必要書類 | 確定申告書・売上台帳など |
申請方法 | 事前確認を済ませたうえでオンライン申請 |
支援団体 | 経済産業省 |
2021年における一時支援金や月次支援金などの申請を行ったフリーランスの場合は、登録確認は必要ありません。そのため、比較的スムーズに申請しやすい給付金だといえるでしょう。
2022年にフリーランスが受け取れる補助金
2022年にフリーランスが受け取れる補助金には、さまざまな種類があります。申請する際には、早めにチェックしておきましょう。事業再構築補助金
事業再構築補助金は、通常枠・大規模賃金引上枠・卒業枠・グローバルV字回復枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠の6種類の枠が用意されています。このなかでも、フリーランスが利用しやすいのは、通常枠・緊急事態宣言特別枠・最低賃金枠の3種類です。なお、通常枠の補助額は以下の通りとなっています。
従業員数 | 補助額 |
20人以下 | 100万~4,000万円 |
21~50人 | 100万~6,000万円 |
51人以上 | 100万~8,000万円 |
補助率は3分の2となっており、6,000万円超は2分の1と設定されています。なお、申請する際には、以下の要件を満たしている必要があります。
- 2020年4月以降の連続する6カ月間のうち任意の3カ月の合計売上高が10%以上減少している
- 2020年10月以降の連続する6カ月の合計売上高がコロナ禍以前の同3カ月と比較して、5%以上減少している
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金には、一般型と低感染リスク型ビジネス枠の2種類があります。それぞれの受付開始時期や補助金額などは、以下の通りです。
内容 | 一般型 | 低感染リスク型 |
締め切り | 2022年2月4日 | 2022年3月9日 |
補助金額 | ~50万円(共同申請では500万円) | ~100万円 |
補助率 | 3分の2 | 4分の3 |
対象者 | 常時使用する事業員が20人以下の法人・個人事業主の方 | 常時使用する事業員が20人以下の法人・個人事業主の方 |
用途・対象物 | 販路拡大や時間短縮化などに活用するサービスなど | ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等 |
取り組み例 | チラシ作成・Webサイト作成・商談会への参加・店舗改装等 | 飲食業の間仕切りの設置・予約制とするためのシステム導入・テイクアウト可能にするための商品開発 |
建築業や観光業など、幅広い業種のフリーランスにとって活用しやすいのが、小規模事業者持続化補助金です。事業を拡大させるために資金が必要な場合には、ぜひ申請したい補助金ですね。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、ものづくり・商業・サービスの生産性向上を促進するための補助金を指します。ものづくり補助金の内容は、以下の通りです。公募開始日 | 2022年2月16日 |
申請開始日 | 2022年3月15日 |
申請締切日 | 2022年5月11日 |
補助上限 | 一般型通常枠:750万~1,250万円 一般型回復型賃上げ・雇用拡大枠:750万~1,250万円 一般型デジタル枠:750万~1,250万円 一般型グリーン枠:1,000万~2,000万円 グローバル展開型:3,000万円 |
補助率 | 2分の1~3分の2 |
なお、申請する際には、GビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。フリーランスがものづくり補助金を申請するためには、生産性を向上させるための設備投資やシステム構築などを行う必要があります。
ただし、申請するために必要な事業計画書は、個人で作成するのは難しいケースが少なくありません。申請を検討している場合には、外部の専門家に事業計画書の作成を依頼しても良いでしょう。
都道府県や市町村による支援金
全国各地の都道府県や市町村では、さまざまな支援金の給付やフリーランスを応援するセミナー・イベントなどが開催されています。効率的に情報収集をしたいなら、J-Net21を活用してみましょう。
J-Netには、以下のような情報が掲載されています。
- 支援情報ヘッドライン
- 新型コロナウイルス関連(都道府県別)
- 新型コロナウイルス関連ニュース
- 中小企業のためのSDGs活用
- メルマガ(無料)による情報提供
給付金・補助金のメリット
給付金・補助金のメリットとしては、まず第一に返済義務がないことが挙げられます。銀行からなどの借り入れなどで難を逃れる場合もあると思いますが、こちらは借り入れた金額に利子をつけて返済しなければなりません。給付金・助成金などは事業を行った後に報告書などを求められる場合もありますが、その手間を考えても得をすることが多いでしょう。また、申請を行なう際には売上高を確認したり、事業計画や支出計画を立案したりといった作業が必要となる場合もあります。これらは時間がかかって一見デメリットのようにも見えますが、自身の事業を再確認することに繋がる良い機会にもなります。
給付金・補助金のデメリット
要件を満たして申請をすることで一定額が支給される給付金・補助金ですが、何かデメリットはあるのでしょうか。デメリットとしては、まず申請しても給付金・補助金を確実には受け取ることができないという点が挙げられます。どのような給付金・助成金があるのか調べるのにも時間がかかりますし、申請に向けて準備をしたり実際に書類を作成したりするのには更に時間がかかります。その結果としてお金を受け取れないとなると、そこに費やした時間が全て無駄になってしまうのです。
そのため、まずはその給付金・助成金が自分に合っているものかを確認しましょう。また、給付金・助成金の申請を成果報酬で代行してくれる業者もあります。どのくらいの金額を支払うかにもよりますが、自分で準備して時間を取られるよりは良い場合もあるので、特に書類作成が苦手という方は検討してみても良いでしょう。
また、確定申告などでお世話になっている税理士さんがいる場合は、給付金・助成金について一度相談してみるのもおすすめです。フリーランスエージェントに相談にのってもらうことができる場合があるので、確認してみるのも良いでしょう。