この記事では、2024年にフリーランスが受け取れる給付金と補助金をわかりやすく紹介します。
フリーランスが受け取れる給付金と補助金の違い
出典:行政書士さいとう経営事務所補助金と給付金のなかでは、最も審査が厳しいのは補助金です。支給金額が数億円にも上る補助金もあるため、事業計画や支出計画などの申請書類もそろえる必要があります。
それに対し、給付金は一定の要件を満たしていれば給付されることが特長。そのため、厳しい審査がある補助金と比較して、比較的多くの人が受け取れることがメリット。ただし、給付額は数万円から多くても数百万円ほどとなっています。
さらに、民間助成金と呼ばれる前払いで受け取れる助成金もあります。助成額は、数百万~数千万円ほど。補助金と同様に事業計画や支出計画なども細かくチェックされたり監査が入ったりするケースもあります。そのため、助成された事業を計画的に行う前提で申請することが重要です。
2023年までにフリーランスが受け取れた給付金
月次支援金 ※申請受付終了
月次支援金は要件を満たせば業種・地域に関わらず給付対象となる給付金です。月次支援金の内容は、以下の通りです。支援対象者 | 要件を満たしている個人事業者(フリーランスを含む)
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支援額 | 上限10万円/月 (2019年または2020年の対象月と同月の月間個人事業収入から対象月の月間個人事業収入を差し引いた額) |
申請期限 | 原則として対象月の翌月の初日から対象月の翌々月の末日 |
必要書類 | 確定申告書・売上台帳など(申請方法によって異なる) |
申請方法 | 事前確認を済ませたうえでオンライン申請 |
支援団体 | 経済産業省 |
一時支援金や月次支援金などの申請を行ったフリーランスの場合、改めて事前確認をする必要はありません。はじめて申請する方は、事前確認の期限も把握しておきましょう。
2024年にフリーランスが受け取れる補助金
2024年にフリーランスが受け取れる補助金には、さまざまな種類があります。申請する際には、早めにチェックしておきましょう。小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は対象者ごとに所定の補助を受けられる支援で、通常枠や賃金引上げ枠、創業枠といった5つの枠に分類されます。各類型の概要は以下の通りです。類型 |
概要 |
通常枠 | 小規模事業者が作成した経営計画に基づき、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓などの取組を支援する目的 |
賃金引き上げ枠 | 販路開拓の取り組みに加えて、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上の小規模事業者 |
卒業枠 | 販路開拓の取り組みに加えて、小規模事業者の従業員数を超えて事業規模拡大を実施する小規模事業者 |
後継者支援枠 | 販路開拓の取り組みに加えて、『アトツギ甲子園』でファイナリストに選ばれた小規模事業者 |
創業枠 | 産業競争力強化法「特定創業支援等事業の支援」を受け、販路開拓に取り組む目的で創業した小規模事業者 |
その他、申請スケジュールなどについては以下のようになっています。
補助金額 | 3分の2(賃金引上げ枠の赤字事業者については4分の3) |
補助率 | 50万円~200万円 |
公募期間 |
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幅広い業種のフリーランスにとって活用しやすいのが、小規模事業者持続化補助金です。事業を拡大させるために資金が必要な場合には、ぜひ申請したい補助金ですね。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、ものづくり・商業・サービスの生産性向上を促進するための補助金を指します。ものづくり補助金は約3か月ごとに公募を実施しており、14次締切については以下の日程となっています。公募開始日 | 2024年1月31日 |
申請開始日 | 2024年3月11日 |
申請締切日 | 2024年3月27日 |
補助上限 | 一般型通常枠省力化(オーダーメイド)枠:750万円~8,000万円 製品・サービス高付加価値化枠 通常類型:750万~1,250万円 製品・サービス高付加価値化枠 成長分野進出類型:1,000万~1,250万円 グローバル枠:3,000万円 |
補助率 | 2分の1~3分の2 |
大幅賃上げに取り組む事業者については、従業員の数に応じて補助上限額を100万~1,000万円まで引き上げる特例があります。ただしこちらは新型コロナ回復加速特例の申請する場合や、各申請枠の補助金額の上限額に達しない場合、再生事業者、常勤従業員がいない場合は活用不可となっています。
申請する際には、GビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。フリーランスがものづくり補助金を申請するためには、生産性を向上させるための設備投資やシステム構築などを行う必要があります。
ただし、申請するために必要な事業計画書は、個人で作成するのは難しいケースが少なくありません。申請を検討している場合には、外部の専門家に事業計画書の作成を依頼しても良いでしょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は中小企業や個人事業主がITツールを導入した際に利用できる補助金です。ITツールを導入する事業によって通常枠・セキュリティ推進枠・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)に分かれており、それぞれ補助内容が異なります。IT導入補助金の概要は以下のとおりです。
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補助率 | 2分の1~4分の3(または5分の4※小規模事業者) | ||||
申請期限 | 通常枠 ・3次締切分:2024年5月20日 ・4次締切分:2024年6月19日 インボイス枠(インボイス対応類型) ・4次締切分:2024年4月30日 ・5次締切分:2024年5月20日 ・6次締切分:2024年6月3日 ・7次締切分:2024年6月19日 インボイス枠(電子取引類型) ・3次締切分:2024年5月20日 ・4次締切分:2024年6月19日 セキュリティ対策推進枠 ・3次締切分:2024年5月20日 ・4次締切分:2024年6月19日 複数社連携IT導入枠 ・2次締切分:2024年6月19日 |
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必要書類 | 本人確認書類、事業継続確認書類、事業実績報告など |
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申請方法 |
オンライン申請 |
都道府県や市町村による支援金
全国各地の都道府県や市町村では、さまざまな支援金の給付やフリーランスを応援するセミナー・イベントなどが開催されています。効率的に情報収集をしたいなら、J-Net21を活用してみましょう。出典:J-Net21
J-Netには、以下のような情報が掲載されています。
- 課題別情報
- 支援情報ヘッドライン
- 業種別開業ガイド
- 中小企業のためのSDGs活用
- メルマガ(無料)による情報提供
フリーランス給付金・補助金のメリット
給付金・補助金のメリットとしては、まず第一に返済義務がないことが挙げられます。銀行からなどの借り入れなどで難を逃れる場合もあると思いますが、こちらは借り入れた金額に利子をつけて返済しなければなりません。給付金・助成金などは事業を行った後に報告書などを求められる場合もありますが、その手間を考えても得をすることが多いでしょう。また、申請を行なう際には売上高を確認したり、事業計画や支出計画を立案したりといった作業が必要となる場合もあります。これらは時間がかかって一見デメリットのようにも見えますが、自身の事業を再確認することに繋がる良い機会にもなります。
フリーランス給付金・補助金のデメリット
要件を満たして申請をすることで一定額が支給される給付金・補助金ですが、何かデメリットはあるのでしょうか。デメリットとしては、まず申請しても給付金・補助金を確実には受け取ることができないという点が挙げられます。どのような給付金・助成金があるのか調べるのにも時間がかかりますし、申請に向けて準備をしたり実際に書類を作成したりするのには更に時間がかかります。その結果としてお金を受け取れないとなると、そこに費やした時間が全て無駄になってしまうのです。
そのため、まずはその給付金・助成金が自分に合っているものかを確認しましょう。また、給付金・助成金の申請を成果報酬で代行してくれる業者もあります。どのくらいの金額を支払うかにもよりますが、自分で準備して時間を取られるよりは良い場合もあるので、特に書類作成が苦手という方は検討してみても良いでしょう。
また、確定申告などでお世話になっている税理士さんがいる場合は、給付金・助成金について一度相談してみるのもおすすめです。フリーランスエージェントに相談にのってもらうことができる場合があるので、確認してみるのも良いでしょう。