そろばんの部位を覚えよう
そろばんを始めるにあたって、まずは各部位を覚えるところからスタートしましょう。・枠(わく)
そろばんの周りを囲っている縁(ふち)の部分のこと。
・梁(はり)
玉(たま)を上下に分けている横棒のこと。脊(せき)とも呼ばれます。
・桁(けた)
玉を貫いている縦の軸のこと。11桁、13桁、19桁、23桁、27桁など、そろばんによって桁数は異なります。そろばん教室では、23桁のものが使われることが多いようです。
・定位点(ていいてん)
梁の上に3桁おきにある黒い点のこと。1の位、またはカンマのある桁を意味します。
・1玉(1だま)
梁(はり)の下にある玉のこと。1つがその桁の1になります。
・5玉(5だま)
梁の上にある玉のこと。1つがその桁の5になります。
そろばんの1~9の数え方
そろばんの玉を動かして、1~9の数を実際に表してみましょう。1の位で使う桁を決めたら、下記のように玉を動かします。1の数え方はりの下にある1玉の一番上の玉を1つだけ上にあげます。
2の数え方1玉を2つ上にあげます。
3の数え方1玉を3つ上にあげます。
4の数え方
1玉の4つすべてを上にあげます。
5の数え方
1玉は下におりた状態のまま、はりの上にある5玉を下におろします。
6の数え方
5玉を下におろし、1玉をひとつ上にあげます。
7の数え方5玉を下におろし、1玉を2つ上にあげます。
8の数え方
5玉を下におろし、1玉を3つ上にあげます。
9の数え方
5玉を下におろし、1玉の4つすべてを上にあげます。
なお、玉を動かすときは、ひとつずつ動かすのではなく、まとめて動かすのが基本です。4を数える時は、一番下の1玉を弾いて4つ同時に動かしましょう。
【そろばんの計算方法】足し算・引き算の場合
そろばんでの数の表し方を理解したところで、いよいよ、そろばんでの計算に挑戦。基本の足し算と引き算のやり方を紹介します。繰り上がり、繰り下がりがなく、1桁の中で計算できるものからスタートしてみましょう。5+1の場合
5の状態まずは、はりの上にある5玉を下におろして、5の状態にします。1の玉を足した状態+1なので、はりの下にある1玉をひとつ、上にあげます。すると画像の状態になり、答えが6とわかります。
9-7の場合
9の状態まずは、5玉を下におろし、1玉の4つすべてを上にあげて、9の状態にします。7を引いた状態-7なので、5玉と1玉2つを元の位置に戻します。すると、画像の状態となり、答えが2とわかります。
【そろばんの計算方法】繰り上がり・繰り下がりのある計算の場合
そろばんで最初に挫折しやすいところは、繰り上がり・繰り下がりの計算方法でしょう。ここでキーポイントとなるのが「補数」の概念です。足す数や引く数が「10に対していくつ少ないか」を考える必要があります。繰り上がりのある足し算、繰り下がりのある引き算、それぞれの基本的なやり方を紹介します。8+9の場合
8の状態まずは、5玉を下におろし、1玉を3つ上にあげて、8の状態にします。つぎに9を足します。1の位の列だけでは数え切れないため、繰り上げを行なう必要があります。ここで登場するのが補数です。
まず「10に対していくつ少ないか」を考えます。10から9を引くと1です。その1を、1の位から引きます(1玉をひとつ、下におろします)。
画像のように、1を引いて7の状態になりました。足し算の場合、足す数が10に対して足りないぶんを「1の位から引く」と覚えましょう。 その代わりに、繰り上げて10の位に1を足します(1玉をひとつ上にあげます)。
8に9を足した状態
10の位の1玉がひとつ、1の位の5玉がひとつ、1玉が2つで、答えが17とわかります。
13-8の場合
13の状態まずは、10の位の1玉をひとつ上にあげ、1の位の1玉を3つ上にあげて、13の状態にします。つぎに8を引きます。しかし、1の位だけでは、3から8を引けません。ここで、繰り下げを行なう必要があります。
足し算と同じように補数の概念で、「10に対していくつ少ないか」を考えます。10から8を引くと2です。その2を、1の位に足します(3+2=5なので、5玉を下におろし、1玉はすべて下にさげます)。
画像のように、引き算の場合は足し算とは逆に、引く数が10に対して足りないぶんを「1の位に足す」と覚えましょう。
その代わりに、繰り下げて10の位から1を引きます(1玉を下にさげます)。実際に下げてみた状態が下の画像です。
13から8を引いた状態すると、1の位の5玉がひとつだけとなり、答えが5とわかります。
そろばんを勉強するメリットは「暗算力」
そろばんを学ぶメリットは「暗算力」が身につくことです。そろばんの練習を重ねていくと、だんだん頭の中でそろばんの玉を動かして計算する「イメージ力」がついてきます。
暗算の名人ともなると、16桁の暗算ができる人もいます。算数/数学だけでなく、科学や物理などの学習でも生かせます。日常生活で計算が必要な場面でも役立つスキルとなるでしょう。
参考:そろばんの級
また、日本医科大学の河野貴美子氏の研究によると、そろばんの有段者が暗算をしているときには右脳が活発になっており、創造性や直感力を磨くためにも役立つといわれています。
そのほかにも、そろばんを動かす指の動きが脳の活性化につながったり、記憶する力や集中する力、物事を注意深く観察する力など、そろばんを学ぶことでさまざまな力が育まれることが期待されています。
そろばんが学べるおすすめ習い事教室4選
ここでは、数の概念を身につけられ、脳の発達にも良い効果があるといわれているそろばんを楽しく学べる、おすすめの教室を紹介します。①よみかきそろばんくらぶ
オンラインでそろばんを学べるのはよみかきそろばんくらぶです。少人数制もしくはマンツーマンで先生のリアルタイムの指導を受けられます。自宅にいながら、教室にいるかのようなやりとりが可能です。双方向で授業が進むため、意欲的に取り組みやすいでしょう。
また先生は子どもの手元を見て、そろばんを正しくはじけているかチェックしながら進めます。端末を2台用意するといった工夫で、より手元を見えやすくすることも可能です。
通常の授業に加え、月1回のオンライン検定があるのもポイント。学習状況や現時点での実力を確認することで、モチベーションアップにつながります。
・よみかきそろばんくらぶ
対象:幼児クラスは3歳~、小中学クラスは幼児クラス修了者もしくは小学生
コース&料金:グループ個別コース4,400円、セミ個別コース8,800円、完全個別コース18,700円 ※別途月事務費1,100円(1科目、週1回)
②おおぞらパス
かじつそろばん教室が運営しているオンラインそろばん教室がおおぞらパスです。3~7分の動画を見ながら自分のペースで学習を進められます。動画教材は何度でも見放題のため、理解できるまで何度でも復習可能です。
Google Classroomを利用したシステムで、子どもの学習進度にぴったりの個別指導が提供されるのも特徴。必要な教材も学習の進み具合に合わせて全て届くため、保護者が用意する手間もありません。
単に計算を解くだけでなく、日常生活とつなげて考えられるように指導する点はおおぞらパスならでは。身につけたそろばんのスキルを、算数だけでなく生活のあらゆる場面で活用できるようになることを目指します。
・おおぞらパス
対象:年齢制限なし ※そろばんの「上の玉1つで5」を認識できることが目安
コース&料金:3,980円
③未来こども教室 そろばん教室
子どもたちにとって「将来本当に役立つ能力」を身につけさせることを目的に、そろばん・書道教室・プログラミング教室など、幅広い種類の教室を展開する「未来こども教室」。そろばん教室は現在、東京都内に約50教室を展開しており、14級の子から1級を目指す子まで、さまざまなレベルの生徒が一緒に受講しています。小学1年生でそろばんを始め、わずか2年半で1級を取得、現在段位に挑戦している子も。
先生が数字を読み上げて全員が一斉にそろばんを弾く、いわゆる読み上げ算はやらず、生徒一人ひとりを個別に指導。間違えたところを講師がピンポイントで教える指導スタイルとなっています。
あいさつや返事といった礼儀作法も大切にしており、けじめのある動作ができるよう「心の教育」も同時に指導しています。
・未来こども教室 そろばん教室
対象:年中~小学6年生
コース&料金:小学生コース(4070円/月)、キッズコース(2420円)、ほか入会金や維持費など
※詳しくは教室にお問い合わせください
④そろタッチ ウィズダムアカデミー
民間学童「ウィズダムアカデミー」の約30種類のラインナップにある「そろタッチ」は、iPadのアプリを使って「そろばん式暗算」を習得する最新の学習法。アプリには、歌やゲーム、ランキングなど子どもを夢中にする要素がいっぱいで、自分のペースで楽しみながら、効率的にハイレベルな暗算力を身につけることができます。
毎日の学習は翌日のランキングに掲載。全学習者を対象とした順位以外にも、レベル別や種目別、早朝に特化した「はやおき」などのランキングがあり、子どもたちはさまざまな角度から上位を狙えるので、目標を見つけ、チャレンジする習慣が身につくのも特徴です。
「努力すれば成長できる」と実感でき、より幅広い分野へのチャレンジに発展していくことが期待できます。
・そろタッチ ウィズダムアカデミー
対象:年長~小学生(教室によって異なります)
コース&料金:レギュラー会員(8800円/月)、レッスン会員(9900円/月)、ほか入会金など
※詳しくは教室にお問い合わせください
⑤珠算教室 ウィズダムアカデミー
民間学童「ウィズダムアカデミー」に用意されている習い事のひとつで、頭ではなく体を使って、スポーツ感覚で学べるそろばん教室。15級から9級までは「基礎編あたらしいしゅざん(暁出版)」、8級以上は全国に普及している全国珠算教育連盟(全珠連)の検定用テキストを使用し、それぞれのペースでテキストをこなしながら1級を目指していきます。
ウィズダムアカデミーの珠算教室では、数字の感覚、そろばんの感覚を体にしみこませるために、とにかくひたすら問題を解いていくことを重視。一斉授業ではなく、先生が個別にピンポイントでわからないところを教えてくれるので、ひとりで机に向かってコツコツやり抜く力も伸ばすことができます。
・珠算教室 ウィズダムアカデミー
対象:年長~小学生
コース&料金:レギュラー会員(6600円/月)、レッスン会員(7700円/月)、ほか入会金など
※詳しくは教室にお問い合わせください
⑥かじつ(佳日)そろばん教室
「かじつ(佳日)そろばん教室」は東京都杉並区にある、未就学児から中学生までを対象にした珠算塾。塾長の髙橋佳朗先生と根岸秀成先生は、2人とも珠算・暗算検定で最高段位の10段、そろばん大会で日本一の座を獲得した腕前の持ち主で、生徒一人ひとりに寄り添った指導を行なっています。
本格的な指導に加え、練習結果のデータを活用した「最大効率の上達メソッド」を採り入れているのが特徴。生徒が早く、確実に上達するために、独自に開発した「そろばんデータポータル」のシステムを活用しています。
得意・苦手な問題、直近4カ月の点数の推移などがひと目で分かるように個人レポートが発行され、生徒だけでなく保護者とも共有することで、効率良く弱点を克服し、力を伸ばすことが可能です。
・かじつ(佳日)そろばん教室
対象:年齢での縛りはなく、条件を満たせば何歳でも受講可能
コース&料金:8800円/週1回、1万2100円/週2回、1万4300円/週3回、ほか入会費、オプション代など
※詳しくは教室にお問い合わせください
まとめ
そろばんを学ぶと、暗算力が鍛えられるほか、右脳が活発になることで創造性や直感力が磨かれたり、観察力や記憶力、集中力など、さまざまな力が育まれると期待されています。まずはそろばんの基本的なやり方を覚えるところからスタートし、楽しみながら上達していきましょう。