少年野球「キャッチャー」の役割と向いている子の特徴|求められる能力と練習法

少年野球「キャッチャー」の役割と向いている子の特徴|求められる能力と練習法
野球には9つのポジションがあり、それぞれに求められるプレーや資質は異なります。とくに「グラウンド上の監督」と位置づけられるキャッチャーには数多くの役割があり、それを遂行するためのスキルが欠かせません。キャッチャーの役割や必要な能力、さらにはこのポジションならではの技術を高めるための練習法を取り上げ、おすすめの野球教室も紹介します。

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少年野球の「キャッチャー」について

キャッチャーは「グラウンド上の監督」と呼ばれるほど、チームの守りにとって重要なポジションです。NHKスポーツの特集記事のなかで、千葉ロッテマリーンズで活躍した里崎智也さんは「味方からも相手チームからも全員に見られるポジションですから、常に堂々としていなければなりません」 と、キャッチャーに求められる振る舞い方を語っています。

キャッチャーの役割

里崎さんは同記事で、キャッチャーの中心的な役割を「一番大切な仕事は、ピッチャーのボールを受けること」と位置づけ、こう続けます。

「バッテリーを組むピッチャーの持ち味は何か、今日のコンディションはどうなのか、今この瞬間の心理状態はどうなのか。ピッチャーがいいパフォーマンスを発揮できるように、全力でリードすることが一番です」

キャッチャーは捕球時にボールが体に当たることも多く、相手選手と交錯することもあります。そのため、プロテクターやマスク、レガーツなどの防具の着用が認められています。

キャッチャーに求められる能力

「週刊ベースボール」オンラインの記事で、1990年代のヤクルトスワローズ黄金期を支えた名捕手、古田敦也さんはこう語っています。

捕手の仕事とは投手を助けて、チームを勝利に導くことです。そのためには、まず投手に信頼されることが大事。それには技術が高くないといけません

古田さんは「高いレベルのリードに至るまでにはある程度の経験が必要となり、それを若手捕手に望むのは酷」とした上で、だからまずは「ワンバウンドは絶対に止める」「ランナーは必ず刺す」「カバーリングは怠らない」といったスキルの必要性を述べています。

キャッチャーに向いている子どもの特徴

ランナーを刺すための肩の強さに加え、明るさと冷静さ、さらには野球への情熱簡単にはくじけない心の持ち主がキャッチャーに向いていると言えるでしょう。 キャッチャーは「グラウンド上の監督」と位置づけられるポジションです。ピッチャーのみならず、野手全体に指示を送りながら、チームの雰囲気をコントロールする役割を担います。

社会人野球選手を経て、小・中学生の指導に携わり、次男を侍JAPANアンダー12代表へと育てた宇野誠一さんは、「ヤキュイク」の記事の中で指導者がキャッチャーを選出する際の基準についてこう話しています。

捕手に一番求めて欲しい点は『しっかり声が出ること』です。声と言ってもただガムシャラに出す声ではありません。チームメイトに対し指示の声が出せることが大切です。また、キャッチャーは捕るだけではなく、内野のカバーリングも頻繁に行うポジションです。頭の回転が速く、チームメイトへの気遣いができる性格の子どもが向いているといえます。それができる子であれば身体は小さくても構いません」

少年野球「キャッチャー」の練習方法 - 構え方・捕球・スローイング

キャッチャー特有の動き方として、ホームベースの後方に位置し、構え、捕球、スローイングという一連のプレーがあります。それぞれはとても基礎的な技術です。

しかし、その正しい動きを適切にレクチャーできる指導者はほとんど見当たらないと、元中日ドラゴンズの捕手、木俣達彦さんは自身のWeb野球教室の中で指摘しています。

キャッチャーの専門的な動きを的確に学ぶには、専門的な指導者がいる野球教室へ通うことが有効な手段となりそうです。

構え方

最近の小学生は和式トイレの使用経験が少ないこともあり、ひざを折り立てて腰を落とす姿勢が苦手と言われています 。そのため、その姿勢に慣れ、徐々にキャッチャーに適したしゃがみ方を身につけていくことが重要となります。

前述の宇野さんは「ヤキュイク」の記事の中で、キャッチャーの正しい構え方を紹介しています。ポイントは、フットワークを高めるためにかかとを少し浮かせ、投手に対して正対して構えること。その構えから両足を交互に斜め前へと伸ばす(右足は右斜め前へ、左足は左斜め前へ伸ばす)動作を繰り返すことで、その子にとって動きやすい腰の高さを見つけることができるそうです。

捕球

捕球をする際にはいくつかポイントがありますが、特にひじを軽く曲げること、そしてミットを止めるイメージを持つことが大切です。

このようなキャッチングの感覚を習得するために、宇野さんが「ヤキュイク」でレクチャーしているのが、ピッチャーが投げたボールをあえてキャッチせず、ホームベースの中央を狙って落とすトレーニングです。外側からミットを出し、内側に傾けてボールに落下させることで、適切な捕球イメージをつかむことができるといいます。

スローイング

プロ野球の試合ではもちろん、小学生の試合でも、チャンスを広げるため一塁から二塁への盗塁を狙うシーンが多々見られます。

その際、キャッチャーに求められるのが二塁へのスローイングです。肩の強さも大切ですが、捕球からスローイングまでの動作をスピーディーに行うことも欠かせません。そのためにも、軽やかなステップワークが必要です。

宇野さんは「ヤキュイク」の記事の中で、ボールを捕る直前に素早く左足を前に出す練習を繰り返すことを推奨しています。

一方、小学生では、二塁にノーバウンドを投げるのは難しいでしょう。宇野さんは「ワンバウンド、ツーバウンドになっても構わない」としたうえで、「自分の頭の高さより上に向けて投げない」ことを心がけるようにと、指摘しています。

おすすめの子ども向け野球教室6選

野球教室もスクールによって特徴は様々です。例えば、野球指導員が個々のスキルに合わせてプログラムを組んでくれるスクール、元プロ野球選手が監修したメニューをもとに野球を楽しませながら子どもたちの技術を高めてくれるスクール、各プレーにおける正しい知識と努力の仕方をレクチャーしてくれる教室などなど。所属チーム以外にも、一人ひとりの課題や目標に応じてレベルアップを目指せる環境がたくさんあります。おすすめの教室を紹介します。

①ベースボールスクール ポルテ

「ベースボールスクール ポルテ」は、厳しい研修を受けたプロの野球指導員が、子どもたちの特性に合わせた効果的なプログラムを組みます。短時間でも十分な上達が見込め、より効率よく時間を使うために「打撃の日」「守備の日」というように一つに集中して練習することもあります。

キャッチャーにおいては、攻守両面における技術をバランスよく伸ばしていくことができそうです。

練習を行うのは週に1回。平日の放課後に実施するので、週末での活動が中心となる少年野球チームとの掛け持ちが可能です。

・ベースボールスクール ポルテ
対象:3歳~12歳
コース&料金:週1回 (受講日は会場によって異なります)|7580円/月 など
※詳しくは教室にお問い合わせください

②フルスイングベースボールスクール

2018年に開講した「フルスイングベースボールスクール」。元プロ選手の井出正太郎さんがアドバイザーを務め、カリキュラムの監修も行っています。

野球の楽しさを子どもたちに感じてもらうことをテーマに掲げ、練習では遊びながらも自然と野球に必要な技術が向上していくようなメニューを導入。初心者から野球チームに所属している経験者まで、男女問わず幅広いレベルの子どもたちを受け入れています。

コーチ陣の一人は「仲間がいなければ野球はできない」と、「チームワーク」の大切さも強調します。「グラウンド上の監督」であり、ゲームメーカーでもあるキャッチャーにとって、相手を思いやる気持ちやコミュニケーション能力は必要不可欠な要素と言えるでしょう。

・フルスイングベースボールスクール
対象:3歳〜小学6年生
コース&料金:週1回(受講日は会場によって異なります)|6300円/月 など
※詳しくは教室にお問い合わせください

③カツスポーツアカデミー 野球教室

「カツスポーツアカデミー野球教室」では、野球が好きな小学生はもちろん、すでに野球チームに所属している子どもたちの技術向上をサポートしています。

リクエストによっては、未就学児から高校生、さらに親子向けにマンツーマンや3名までのセミプライベートクラスによる個別指導も実施。子ども一人ひとりの目標や課題を見極めながら、きめ細かな指導を行っています。

トレーニングのなかで特に目を引くのが、基礎練習の徹底です。ボールの取り方、投げるフォーム、バットの振り方など、野球をするうえで基本となる技術を個々のレベルや特性に合わせてアプローチします。

それぞれのプレーにおける正しい知識と努力の仕方のレクチャーに長けており、キャッチャーに欠かせない捕球やスローイングのスキル向上も十分に見込めそうです

・カツスポーツアカデミー 野球教室
対象:小学生
コース&料金:月曜日クラス、金曜日クラス|月謝 1万4300円/週1、 2万2000円/週2、チケット制 1万1000円/5回(1回で2コマ使います)
※詳しくは教室にお問い合わせください

④ジュニアバッティングスクール

打撃のスキルやピッチャーとしての投球術など、昨今は学ぶ内容や目的に特化した野球スクールも少なくありません。

所属する野球チームの全体練習において、ややおろそかになりがちなのがバッティングのトレーニング。チームメイトの数が多ければ多いほど、バッターボックスに立つ時間よりも待ち時間のほうが長くなるでしょう。

そんな打撃に関する練習不足を解消させつつ、技術を高められるのが「ジュニアバッティングスクール」です。選手一人ひとりの課題に寄り添い、経験豊富なコーチが基礎から丁寧に指導してくれます。少人数制・個別指導型を導入しています。

指導では「コーチの見本・解説→生徒の実践・改善点の検討→コーチの見本・解説」を何度も実施。これをくり返すことで、子どもたちは体でバッティングを覚えていきます。

・ジュニアバッティングスクール
対象:小学1生~中学3年生
コース&料金:8360円/月 など
※詳しくは教室にお問い合わせください

⑤ジュニアピッチングアカデミー

バッティングに特化したスクールがあるように、ピッチングを専門的に学ぶことのできるスクールもあります。

「ジュニアピッチングアカデミー」では、プロのコーチが安全で、安定したフォームを基礎から丁寧に指導してくれます。小中学生のころから正しい投げ方を身につけることは、肩や肘への負担軽減につながり、将来のケガ予防を実現します

トレーニング中は、個々のレベルや成長具合に合わせてピッチングフォームを指導。その上で、小学生からは「コントロールをよくしたい」「球速を上げたい」、中学生からは「変化球を投げたい」というリクエストが多く寄せられるそうです。

ちなみにコーチによると、「生徒はピッチャーが多いですが、内野手や外野手でも、負担がかからない投げ方を知りたい人も多いです」とのことです。

・ジュニアピッチングアカデミー
対象:小学1年生~中学3年生
コース&料金:8360円/月 など
※詳しくは教室にお問い合わせください

⑥B-PARK オンラインコーチ

「B-PARK(ビーパーク)オンラインコーチ」は、元プロ野球選手からスマートフォンやタブレットのアプリを通じて指導を受けられるオンラインの野球スクールです。

レッスンでは「Lesson Note」というアプリを使用します。保護者が子どものスイング、ピッチング、捕球体勢などのシーンを動画で撮影して送信すると、データをチェックしたコーチは線や矢印を書き込み、音声も加えて細かく改善点を伝えてくれます。アプリ内のチャット機能で質問や相談をすることもできます。

・B-PARK オンラインコーチ

対象:年長~中学3年生
コース&料金:回数券コース|3300円/1回、8800円/3回、1万3200円/5回、2万2000円/10回など、定額コース|6600円/月、3800円/月 など
※詳しくは教室にお問い合わせください

まとめ

1チーム9人の選手で試合を行う野球において、キャッチャーというポジションは重要な役割を担います。所属チームでの練習ではチームメイトとの連携やピッチャーとの呼吸を合わせつつ、キャッチャーならではの動き方やスキルについては、個人的に野球教室に通うことで伸ばすのもよいでしょう。

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