この記事では、ドローンとラジコンの違いについてわかりやすく紹介します。
ドローンとラジコンの特徴を知ろう
ここでは、ドローンとラジコンの特徴について解説します。ドローンの特徴
ドローンにはGPSや電子コンパスなどが搭載されているため、ある程度自律飛行できることが特徴です。スマートフォンに搭載されているジャイロセンサーの技術が転用されていることも、ドローンの特筆すべき特徴の1つ。ジャイロセンサーとは、スマートフォンを縦から横に傾けた際などに画面が角度に合わせて回転する機能を指します。ドローンは、ジャイロセンサーを搭載していることで空中で安定飛行を保つことが可能になっています。
ラジコンの特徴
ラジコンは、ドローンとは異なりすべての機体の傾きなどを手動でコントロールすることが特徴です。無線で遠隔操作することで、操縦することが可能になります。ラジコンには模型の飛行機や自動車などのほかにも、農業用や工業用として活用されているラジコンもあります。ラジコンの送信機は「プロポ」と呼ばれ、ホイールタイプとスティックタイプの2種類があります。送信機となるプロポからはラジコンの複雑な操作ができるようになっており、速度やタイヤの角度の微調整などが可能になっています。
ドローンとラジコンの違い
ここでは、ドローンとラジコンの違いについて解説します。プロペラ回転
ドローンには4枚羽のプロペラがあり、それぞれのプロペラの回転方向は異なります。それぞれのプロペラが回転数を変えることによって、安定してホバリングをしたり多方面へスムーズに移動したりすることが可能になります。それに対し、ラジコンは中央とテール部分の大小2つのプロペラを回転させることが一般的です。中央の大きなプロペラを回転させることで、ラジコンは揚力を得ることが可能になります。大小2つのプロペラは、それぞれ逆方向に回転することでバランスを保っています。
操作性
一般的に、ドローンよりもラジコンの方が操作が難しいといわれています。なぜなら、自律性のあるドローンとは異なり、ラジコンはすべてを手動で行う必要があるためです。複雑な操作が必要となるラジコンは、機体の傾きなどの微調整も手動で行います。動力
ドローンの動力で最も多く採用されているのは、ポリマーバッテリーやリチウムイオンバッテリーです。これらのバッテリーが採用されたのは、容量が大きくハイパワーであることが理由として挙げられます。ラジコン用エンジンを搭載したドローンもありますが、エンジン音が騒音になりやすく、燃料切れを起こすと墜落してしまう点がデメリットだといえるでしょう。それに対し、ラジコンの動力はモーターとエンジンが搭載されています。
開発された目的と歴史
第ニ次世界大戦頃に軍事目的として開発された無人飛行機が、ドローンの始まりといわれています。しかし、当時は操縦不能となるケースがあったことから、作戦の実行には至りませんでした。その後、1980年以降からは民間でも幅広い分野でドローンが活用されるようになっています。ラジコンも軍事目的として、1870年代から開発が進めれました。1900年代に入ると、ラジコンは民間から玩具として親しまれるようになります。ビジネスシーンでも幅広く利用されるようになったドローンに対し、ラジコンはトイ用やホビー用として活用されるケースが多くあります。
操縦技術の習得方法
ドローンに関しては、高い操縦スキルを身に付けたいならドローンスクールに通うことがおすすめ。機体登録や飛行させるうえでのルールなど、講師からアドバイスを仰ぐことも可能です。気軽にドローンのスキルを習得したいなら、ドローン講習会に参加する方法もあります。また、ラジコンについては、講習会やラジコン会などが全国で盛んに開催されています。正しいルールを学ぶきっかけや情報共有の場にもなるため、ラジコンを操縦する方は積極的に参加するようにしたいですね。
ドローンとラジコンで飛行ルールに違いはある?
ドローンもラジコンも、重量が100g以上ある場合は無人航空機として扱われます。100g未満の場合でも模型飛行機として扱われ、地方自治体の条例などの規制を受けるケースが少なくありません。なお、航空法施行規則第5条の2では「重量200g未満のもの」が無人航空機と定められていましたが、令和4年6月20日に同規則同条が改正されたことにより、「重量100g未満のもの」に変更となりました。
無人航空機に関しては、以下のように定義されています。
航空法第11章の規制対象となる無人航空機は、「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの(100g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除く)」です。いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。100g以上の無人航空機は、航空法の規制対象となります。航空法の規制対象となった場合は、飛行区域が制限され飛行する際のルールも定められています。
引用:国土交通省
100g未満のラジコン等であったとしても、飛行機の飛行に影響を及ぼす行為は禁止されています。そのため、100g未満のラジコンを飛ばす際であっても、ルールを守るよう心掛ける必要があります。
航空法以外にも、道路交通法や河川法、都市公園法などさまざまな規制が設けられています。空撮を行う際には、プライバシー権や肖像権などについても理解を深めておくことが重要です。
無人航空機(ドローン・ラジコン)の飛行区域
無人航空機を飛行させる際には、以下のようなルールがあります。- 日中に飛行させる
- 目視で確認できる範囲内で飛行させる
- 人や建物との間に30m以上の距離をとる
- イベントなど多くの人が集まる上空では飛行させない
- 空港周辺では飛行させない
- 爆発物などの危険物を輸送しない
- 無人航空機から物を落下させない
参考:国土交通省
無人航空機の登録制度
2022年6月20日から、無人航空機の登録は義務化されました。つまり、ドローンだけではなくラジコン飛行機やラジコンヘリを所有している人も機体登録を済ませる必要があります。機体登録を済ませていない無人航空機は飛行させることは禁止されているため、注意しましょう。機体登録を済ませた後は、機体にリモートIDを搭載することが義務付けられています。リモートIDを搭載することで、識別情報を電波で遠隔発信することが可能になります。
機体登録の際には、書類提出かオンライン申請を行います。オンラインを利用する場合は、ドローン情報基盤システム2.0から本人確認を行いましょう。手数料を納金後に、登録記号が発行される流れとなっています。