そんな時に検討される塾ですが、一口に塾と言ってもマンツーマン指導を提供する塾もあれば、オンライン・対面など様々。そのため、どの塾をどんな基準で選べば良いのか分からないと悩む人も少なくありません。
本記事では中学生が塾に通い始める理由や塾選びのポイント、おすすめの塾について解説していきます。
中学生が塾に通い始める理由
中学生が塾に通い始めるきっかけや目的については、ある程度傾向があります。ここでは、中学生が塾に通い始める理由を紹介します。
定期テスト対策
中学生が塾に通い始める理由として多いのが、定期テスト対策にむけて。自力で授業に付いて行けない、テストの点数が上がらない、という悩みは塾通いの大きな理由になっています。定期テストの結果は成績表に直結するため、高校受験に向けた内申点確保のためにも重要と考え、塾に通い始めることが多いようです。
定期テスト対策で塾に通う場合は、学校の教科書に沿って学習できる塾を選ぶと良いでしょう。
参考:定期テスト対策が可能なオンライン塾
高校受験対策
また高校受験対策に向けて塾に通い始める中学生も少なくありません。高校入試では中学校3年間に学習した内容全てが出題範囲となっており、その膨大な範囲を復習し、試験でアウトプットできる学力が求められます。
さらに高校受験は普段の定期テストとは問題の出題傾向が異なる上、私立高校の場合は、独自の課題や問題を出題する学校もあります。高校受験に対するノウハウを豊富に持つ塾を頼るケースが多くなると言えるでしょう。
この場合、中学2年生の2~3月から始まることの多い総復習の時期に入塾する子どもが多いようです。
参考:高校受験対策が可能な塾
勉強方法を学ぶため
一方で、勉強方法を学ぶ目的で塾に通う事例もあります。中学生になると授業内容が難しくなると同時に学習量が増えます。さらに部活や委員会などによって忙しい毎日を送ることにもなるでしょう。
家庭学習においても、少ない時間でどれだけ効率よく勉強するかが大切になりますが、子どもによっては自力での勉強が難しくなるのも確か。そのような子供は、根本的な勉強方法を学ぶことを目的に塾に通い始めます。
勉強に時間を割いているにもかかわらず成績が上がらない子どもは、適切な勉強方法を知らない可能性があります。このような場合は、成績の伸び悩みに気づいた時点で入塾を検討しましょう。
参考:中学生の家庭学習
中学生は塾に行くべきか?通うメリット
ここでは、中学生は塾に行くべきメリットを紹介します。学校との相乗効果で深く理解できる
学校の授業はクラス全体を対象にしているため、個々の生徒の理解度に合わせた指導が難しい側面があります。一方、塾では少人数制のクラスや個別指導が一般的であり、生徒一人ひとりの理解度に応じたきめ細やかな指導を受けられます。学校で理解しきれなかった単元や分野があったとしても、塾での細やかな指導を通じて、より深く理解できるようになるでしょう。また、学び残しや理解が及ばない分野を残すことがなくなるため、授業の難易度が高くなっても躓きにくくなる利点もあります。
学習習慣を身につけられる
中学生は、小学生と比較して勉強の範囲がぐっと増えます。さらに部活動にも追われる中で、自己管理する術も身に付けていかなければなりません。しかし、まだ自己管理が難しい時期でもあるため、なかなか学習習慣が整わなかったり、課題や部活動に追われる日々になってしまったりする子どもも多いでしょう。その点、塾では定期的な周期で授業が行われるため、自然と学習のリズムを形成できます。また、宿題や課題が出されることも多く、家庭学習の習慣付けにも一役買うでしょう。
参考:中学生の家庭学習
同じ目標の仲間と切磋琢磨できる
塾に通うメリットとして、同じ目標の仲間と切磋琢磨できる環境がある点にも注目したいところ。塾では、高校受験を目指す生徒たちが集まります。塾に通う子ども同士で友人関係が築かれることで、学習に対する意欲が向上し、困難な課題にも前向きに取り組む姿勢が養われるでしょう。
また、受験に関する情報交換や勉強法の共有が行われることもあり、より効果的な学習が可能になるケースもあります。
さらに受験に向けた空気感も塾ならでは。自然と自習室に足を運ぶようになったり、積極的に講師に質問しに行くようになることもあるでしょう。
参考:中学生の集団塾
中学生の学習塾選びのおすすめの選び方
実際に塾を選ぶことになった場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか。本章では、子どもに合った塾を選びのポイントを紹介します。
塾に通う目的を明確にする
塾には大きく分けて、学校での学習内容を復習する「補習塾」と、高校受験に向けた学習に取り組む「進学塾」の2つの種類があります。補習塾と進学塾とではカリキュラムや学習速度、授業の進め方などが違うため、事前に確認した上で子どもの学習目的に合った塾を選ぶようにしましょう。
参考:定期テスト対策ができる塾と勉強法!オンライン塾で可能なのか解説
お子さんが苦手な科目に強い塾を選ぶのも一つの手です。
参考:中学生向け英語塾
参考:中学生向け数学塾
参考:国語専門塾
塾代の総額を確認する
通塾にかかる費用は日数や科目数によって異なります。また集団授業か個別指導かなどによっても大きく変わるケースも珍しくありません。また、月額授業料以外にも教材費や施設利用料、夏季講習などの季節講習費用がかかることもあるでしょう。
年間でどのぐらいの費用がかかるのか、総額を割り出しておくことで継続的に通い続けられる塾を選ぶことができます。
あまり塾に費用を掛けられない場合は、オンライン塾を検討してみるのも1つです。
参考:中学生向けオンライン塾
立地や通いやすさを確認する
学校や部活動に忙しい中学生にとって、通塾のハードルが高くなってしまうと挫折の原因になってしまうことも。塾に通い続けるためには、自宅や学校から通いやすい立地にあるかどうかも重視したいポイントと言えます。
夜遅くまで塾で勉強することも考え、安全なルートで通えるか、保護者の送迎が必要かなどもチェックしておきましょう。
また自宅や学校付近に希望に沿う塾がない場合は、オンライン塾やオンライン家庭教師を選択するのもおすすめです。
講師の質を確認する
塾講師には専任のプロ講師もいれば大学生アルバイト講師もいます。経験豊富なプロ講師は指導実績が豊富なため質の高い授業を期待できますが、厳しく近寄りがたい印象を受ける子どももいます。また塾代が高額になることもあるでしょう。
一方で大学生アルバイト講師は子どもと年齢が近く、話しやすい、質問しやすい、といったメリットがあります。
一概にどちらが良いかは相性や子どもの性格などによって異なりますが、いずれにしろ子ども視点の指導を意識してくれる講師が在籍する塾を選びましょう。
自習室解放など学習サポートの有無を確認する
中学生は高校受験期になると、塾の自習室で勉強をすることが多くなります。自習室の開放があるか、席数は十分かなど、塾の学習環境についても確認しておきましょう。また、自習室以外に食事ができるスペースがあるか、近くにコンビニやスーパーなど軽食を購入できる環境があるかなどもチェックしておくと安心です。自習室を解放しているオンライン塾もあります。オンライン塾の場合は、塾の日以外にも勉強に取り組める環境の有無をチェックしておきましょう。
中高一貫学校に通う中学生が塾を選ぶポイント
ここでは、中高一貫学校に通う中学生が塾を選ぶポイントについて解説します。大学受験を視野に入れた勉強ができる
中高一貫学校に通う中学生は、高校受験ではなく大学受験を視野にいれたカリキュラムに対応している塾を選ぶのがおすすめです。大学受験を見据えて学習できれば、より効率的かつ有益な時間の使い方ができます。難関大学を志望している場合は、塾のレベル感や合格実績なども確認しておきましょう。大学の受験勉強を早めに始めることによるデメリットはありません。早く始めるほど他のライバルに差をつけられるため、「受験を有利に進めたい」と考えているのであれば、できる限り早めにスタートをきりましょう。
学校のカリキュラムに応じた授業をしてくれるか
中高一貫学校では、先取り学習が行われることも少なくありません。学校独自のカリキュラムに対応した授業をしてくれる塾を選ぶことで、テスト対策や補習塾として活用できます。通常の塾のコースだとカリキュラムが合わない可能性があるため、検討しているコースがあれば必ず詳細を確認しましょう。学校のカリキュラムだけでなく、自分の学力や理解度に合わせて細やかな指導をして欲しい場合は、個別指導塾や家庭教師の方が向いているかもしれません。
参考:個別指導塾中学生向けおすすめ
参考:オンライン家庭教師中学生向けおすすめ
振替えサポートが充実している
中高一貫学校は、林間学校や行事などが一般の学校よりも多いことがあります。塾の日程と学校行事が被ってしまうことがあるため、スケジュールが柔軟に変更できる塾を選ぶのがおすすめです。振替えサポートが充実している塾であれば、学校の予定はもちろん、習い事や部活動の予定とも調整しやすいでしょう。振替えサポートの有無だけでなく、授業の何時間前まで振替え対応してもらえるのか、振替えに制限はないのかも併せて確認することが大切です。
中学生におすすめの学習塾7選
続いて、ここまでに紹介したポイントを踏まえた上で、中学生におすすめできる塾を紹介します。通塾目的や子どもの傾向などに合わせて、通塾を検討してみてください。通学の時間がない方には中学生向けオンライン塾もおすすめです。
家庭教師のトライ
家庭教師のトライは、小中高校生向けの家庭教師サービスです。
完全マンツーマンで子どもの要望に合わせて希望に応じたオーダーメイドの学習プランを設定、確実に実力アップを目指せます。
中学生に向けては、定期テスト対策から高校受験対策まで幅広く対応。
受験対策では豊富な実績と過去データから志望校にフォーカスしたカリキュラムを組み、効率良く志望校合格に向けたサポートをしてくれます。
キミノスクール
キミノスクールは、中学生、高校生、浪人生対象に全国6カ所の校舎とオンラインで学べる学習塾です。
完全1対1の個別指導を提供するにもかかわらず、定額料金で授業を好きなだけ受けられます。さらに受講科目数や季節講習での追加料金が発生しないため、他の塾に比べて総額の塾代を押さえられる点も魅力。
また、授業のない日にも勉強する時間が設けられているため、勉強習慣を身に付けていきたい中学生におすすめです。
家庭教師の銀河
家庭教師の銀河は、オンラインと対面の両方で指導が受けられる家庭教師サービスです。
手厚いサポートに定評があり、子どもの希望に応じた授業を希望した分だけ受けられる他、授業日以外にも毎日宿題が提供され、添削・フィードバックまで対応してくれます。
全コース一律の料金設定で、中学生向けには勉強の習慣づけを目的とした中学生コースと、内申点対策と入試対策の高校受験コースがあります。
授業の反復学習からしっかり指導してくれるため、勉強に苦手意識を持っている子どもにもぴったりです。
東進オンライン学校
東進オンライン学校は、自宅で学習できるオンライン学習システムを提供する学習教材です。
東進ハイスクールと四谷大塚の実力講師陣による質の高い授業をインターネットを通じて受講できる点が大きな特徴であり、動画授業を通じて勉強に興味を持つ子どもも多いとか。
中でも国語・理科・算数は、平均点ではなく90点台を目指す指導が行われており、全体像を掴める授業や本番レベルの設問解説などが行われています。どんな問題にも対応できる実践力が身に付くため、高校受験に向けても必要な基礎学力を養っていくことができるでしょう。
また、東進オンライン学校は、主要5教科を全学年・全範囲同一料金で学習できます。
無学年式で全分野学習できるにもかかわらず、料金は3,278円/月(12ヶ月一括払い時)と非常にリーズナブル。しっかり教材に取り組めば、高いコストパフォーマンスを期待できるでしょう。
スクールIE
スクールIEは、やる気スイッチグループが運営するオンライン家庭教師です。先生1人に対して生徒1人もしくは2人に限定された個別指導が提供されおり、独自の性格診断を行った上で相性の良い講師がアサインされます。
中学生向けには、次のようなコースが用意されています。
- 高校入試対策コース:各都道府県や私立高校の傾向に合わせて受験対策を実施する総合コース
- 難関高校入試対策コース:各高校の難問に対応するため、中学校の内容を早期に完成させ、通常の倍以上の本番対策時間を確保するコース
- 定期テスト対策コース:在籍する中学校に合わせた定期テスト対策を行うコース
- さかのぼり(学びなおし)学習コース:学力診断テストの結果から、本当に必要な単元に集中した復習を行い短期間で学習成果を創出するコース
- 各種検定対策コース:推薦入試・一般入試を有利に進めるため各種検定(英検®・漢検・数検など)対策を行うコース
目的に合った指導を受けられるため、目標に向かって効率的な学習に取り組めるでしょう。
ITTO個別指導学院
ITTO個別指導学院は、講師1名に対して生徒1〜3名という少人数制の授業を実施している個別指導塾です。よりきめ細やかな指導を求める場合は、1対1の完全マンツーマン指導も提供しています。定期テスト対策や受験対策はもちろん、英検などの資格試験対策を行っている点も注目したいポイント。
さらに、保護者への学習サポートも手厚く、定期的な面談や保護者専用サイト「スクレポMYページ」の提供なども実施しています。学習状況や今後の学習方針について都度相談できるため、勉強や進路の悩みも即座に解消できるでしょう。
他にも定期テスト3週間前から利用できるテスト対策のための授業や一問一答形式の教科書準拠の無料月例テストなど、成績向上に向けてコミットできる環境が用意されているため、着実に成績アップを目指せるでしょう。
創英ゼミナール
創英ゼミナールは、東京都と神奈川県を中心に展開する完全個別指導専門の学習塾です。神奈川県内、東京都全ての教室を直営で運営しており、これまでに15万人以上もの生徒を指導してきた実績を誇ります。
中でも「創英のセレクトシステム」と呼ばれる自由度の高い受講システムが特徴的であり、生徒は自分の都合に合わせて曜日・時間・科目・カリキュラムを自由に選択できるとのこと。
そんな創英ゼミナールは、2024年に創業25年目を迎える老舗の個別指導塾でもあります。
高校入試の特徴を徹底的に研究し、全教科個別指導での対策講座を行ってることから、高校受験第一志望合格率は脅威の91.7%を誇ります。
神奈川・東京エリアで高校受験対策のできる塾を探しているご家庭は、ぜひ創英ゼミナールも選択肢の1つとして利用を検討してみてはいかがでしょうか。
中学生が安い塾に通う際の注意点
家計負担が少なく続けやすいのが安い塾の強みですが、いくつかの注意点を把握したうえで通うことをおすすめします。大手塾に比べてサポート内容が薄い
費用の安い塾は、最低限のサポートに絞ることでコストカットしていることがあります。充実したサポート体制の塾を選びたい場合、不満を感じるかもしれません。とはいえ、自走力の高い中学生やサポートを必要としない中学生の場合は、マイナスポイントにはならないでしょう。自分がどのようなサポートを必要としているかを明確にし、マッチする学習塾を選ぶことが大切です。
授業料は安いものの、年会費や施設維持費、季節ごとの講習費用などが割高に設定されている塾もあるため、注意してください。
プロ講師が少ない可能性がある
安い塾は、人材費を抑えるために最低限の人数しか講師を雇っていない可能性も。そのため、希望する日時に個別指導を受けられなかったり、希望する講師を選択できなかったりするかもしれません。経験の少ないアルバイト学生が講師をしているケースもあり、授業の質が低い可能性もあります。講師の質を確認したい場合は、無料体験や相談でチェックしてみましょう。
施設が簡素
安い塾の場合、施設や備品を簡素にしてコストカットを行っていることがあります。見学や無料体験の際に、自習室の有無や設備をチェックしてみましょう。受験前や講習時には1日塾で過ごすこともあります。施設が古すぎたり使いにくかったりすると、勉強に集中しにくい原因になりかねません。具体的には、授業スペース、自習室、休憩スペース、エントランス設備、教室外の設備を実際に目で見て確認することが大切です。広さや使いやすさ、使用時間などを細かくチェックしましょう。
中学生が塾に入る時期はいつ?学年ごとに解説
具体的にいつから塾に通い始めるべきか悩む人もいるでしょう。ここでは、中学生が塾に入る時期について、学年ごとに解説します。
参考:高校受験!塾はいつから通う?
中学1年生
中学1年生は新しい環境に慣れる時期であり、学校の授業についていくためのリズムや基礎を固めるのに最適と言われています。この時期に塾に通い始めることで、定期的な学習リズムが形成され、学校の授業内容をしっかりと復習する習慣が身に付くでしょう。特に難関校を目指す場合など、1年生の時から高い内申点を獲得しておきたいと考えるのであれば、正しい学習法を学べたり勉強習慣が身に付いたりする塾の利用は必須。しかし、まだ中学の生活リズムに慣れていない場合もあります。新しい中学の生活リズムに慣れ始めたころから、通塾を検討し始めましょう。
中学2年生
中学2年生は、中弛みが発生しやすい時期です。また、授業の内容もぐっと難しくなるため、成績の低迷が見られた時は早めに通塾を検討し始めましょう。また、堅調に成績を維持できている場合であっても、高校受験を見据え早いうちから通塾を開始するのも1つです。
中学2年生から塾に通うことで、中学1年生の学習内容を復習し、理解不足を補えるようになります。さらに、受験を見据え長期的な学習計画を立てることが可能になり、高校受験に向けて余裕を持って勉強に取り組めるようになるでしょう。
中学3年生
部活動に注力している場合は、中学3年生から通い始める子どもも少なくありません。ただし、中学3年生から塾に通う場合、基礎的な学習や弱点克服に割ける時間が限られているため、早めに対策を始めたいところ。遅くても中学3年生の夏休み頃には塾に通い始め、受験に向けた基盤を整えていきましょう。
また、これまでの学習で苦手な分野がある場合は、早い段階で塾に通い始めて基礎固めを行っておくことをおすすめします。
部活動などで定期的な塾通いが難しくても、季節講習などで都度弱点克服に取り組むのも1つです。
早い段階で中学生向けの塾に通って受験の準備をしよう
今回は中学生が塾に通いはじめる理由や塾選びのポイント、おすすめの塾などを詳しくご紹介しました。これから塾通いを考えている中学生や保護者の方は、ぜひ本記事記事を参考に最適な塾を見つけてください。