社会全体のDXが進む中、インフラエンジニアの市場価値はますます高まっています。エンジニアとして安定した収入を得たい人は、インフラエンジニアを目指すのも1つの方法です。
本記事では未経験からインフラエンジニアを目指すべき理由や、インフラエンジニアになるためにすべきこと、さらにはインフラエンジニアに向いている人の特徴をご紹介します。
未経験でもインフラエンジニアを目指すべき理由
エンジニアとして安定的に働きたい人は、インフラエンジニアを目指すのがおすすめ。「未経験者でもインフラエンジニアに転職できる」という声は多く聞かれます。未経験者がインフラエンジニアを目指すべき理由を見ていきましょう。「保守・運用」のための求人が多いため
インフラエンジニアの業務はさまざまありますが、大部分を占めるのはシステムの保守・運用に関わる業務です。若手エンジニアや経験の浅いエンジニアが投入されるケースも多く、未経験でも採用される可能性があります。保守・運用の求人が多いのは、基幹システムの安定性・可用性を確保するためです。企業の基幹システムには、1分1秒たりとも稼働を留めるわけにはいかないものがあります。保守・運用を任されたベンダーは、24時間365日体制で監視に当たらなければなりません。
参考:未経験エンジニアはやめとけ?
人員の確保が最優先されるケースでは、未経験者でも採用されることがあります。
未経験エンジニアを採用する企業が増えているため
レバテック株式会社が発表した「レバテックIT人材白書2024」によると、エンジニア未経験者の採用について「採用している」と応えた企業は41.2%、「検討中」と応えた企業は29.8%に上ることが分かりました。出典:レバテックIT人材白書2024|レバテック株式会社
すなわち企業の約7割が、エンジニア未経験者の採用に前向きであるということです。未経験であっても、企業の求めるスキルや資質を備えている人はインフラエンジニアとして採用される可能性があります。
参考:未経験エンジニアは増えすぎ?
未経験でインフラエンジニアになるためにすべきこと
「未経験でもインフラエンジニアを目指せる」とはいえ、知識やスキルがゼロの状態では就業できません。未経験からインフラエンジニアになるために必要な学習をご紹介します。参考:ITエンジニアになるには
設計について学ぶ
インフラエンジニアは、クライアントの求めるシステムを構築するため、ITインフラの設計を行うのが仕事です。インフラエンジニアを目指すなら、ITインフラの設計について専門的な知識を身に付ける必要があります。ITインフラの設計とは、実現可能なシステムを構築するための要件を適切に定義することです。
サーバー・ネットワーク・ストレージ・セキュリティの仕組みや構成を理解することはもちろん、どのように運用・保守を行うかまで見通し、最適な仕様を選択しなければなりません。
構築について学ぶ
インフラエンジニアが作成した設計書を元に、システムの構築が行われます。ハードウェアやソフトウェアを設置し、適切に稼働するよう設定することが必要です。インフラエンジニアを目指すなら、構築の手順や工程についても理解しておかなければなりません。具体的な設定作業には、以下のものが含まれます。
- サーバーの設置・電源の接続
- ネットワーク機器の設置・設定
- ストレージ機器類の設置・設定
- OSやアプリのインストール
- セキュリティ設定
ITインフラの設定後は、インフラエンジニアが動作確認のためのテストや作業についてのドキュメント作成も行います。
不安な方はインフラエンジニアを目指せるスクールに通うこともおすすめです。
運用・保守について学ぶ
運用・保守とは、構築したシステムが正常かつ安定的に動作するよう監視したりメンテナンスを加えたりする業務です。万が一インシデントが発生した場合は、インフラエンジニアが原因を追及して早急なリカバリーに努めなければなりません。以下の項目について、スキルや知識の習得が必須です。
- サーバー・ネットワーク・ストレージの監視と操作
- セキュリティ対策
- インシデント対応
- バックアップ
- 復旧作業
- システム変更 など
先述のとおり、運用・保守は未経験者でも担当しやすい業務です。未経験からインフラエンジニアを目指すなら、まずは運用・保守に関係する知識を学習しておきましょう。
未経験でもチャンスあり!インフラエンジニアに向いている人の特徴
エンジニア未経験者を積極的に採用する企業が増えている昨今、未経験からでもインフラエンジニアを目指すことは十分に可能です。ただしスキルや実績が勘案されない分、採用では「個人の資質」が重視される傾向があります。未経験からでもインフラエンジニアに向いている人の特徴を見ていきましょう。
コミュニケーション力がある
ITインフラの構築や保守・運用は、役割を決めてチームで実施することがほとんど。インフラエンジニアには、どのような人とも適切にコミュニケーションを取れる「コミュニケーション力」が求められます。特に未経験者はIT現場に不慣れな分、上司や上席に確認したり許可を取ったりする機会が少なくありません。自分1人で何でもやりたがるような人では、トラブルやミスが多発したり業務が止まったりする恐れがあります。
「実績や経験がない上、コミュニケーションに不安がある」では、採用担当者によい印象を与えることはできません。
論理的思考が身に付いている
インフラエンジニアに限らず、エンジニアには論理的思考力が必須です。「筋道を立てて物事を説明できる」「問題解決のため、適切に仮説を立てられる」などの人は、エンジニア経験の不足を補う魅力があります。エンジニアに論理的思考が必要といわれるのは、複雑な問題に直面することが多いためです。論理的思考の持ち主は、問題の分析や解決が非常にスムーズ。重大なインシデントが発生したときも、適切な対応を選択できます。
また論理的思考が身に付いている人は、技術的な文書の作成も得意です。分かりやすく正確な設計書や仕様書を書ける人は、採用側にとって大きな魅力となります。
折衝力がある
レバテック株式会社が発表した「レバテックIT人材白書2024」では、企業がエンジニア採用で最も重視している経験・スキル面の要素は「折衝力」という結果が出ています。折衝力がエンジニア採用において武器になることは間違いありません。折衝力とは、利害が一致しない相手とうまく折り合いを付ける能力です。
開発現場では、クライアントとの交渉・社内外における各種調整・トラブル解決などで折衝力が求められます。どのような相手とも適切に落としどころを見つけられる人は、企業に大きな利益をもたらします。求人応募で適切にアピールすれば、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
参考:レバテックIT人材白書2024|レバテック株式会社
未経験者がインフラエンジニアになる方法
ここでは、未経験者がインフラエンジニアになる方法について詳しく見ていきましょう。参考:ITエンジニアになるには
未経験可の求人に応募する
IT業界は人手不足や企業の内製化が進んでおり、未経験者を対象とした求人も少なくありません。このため未経験者がインフラエンジニアを目指す場合には、研修制度が整った企業に応募するのがおすすめです。研修制度が充実している企業では、インフラエンジニアとしての業務に必要な知識やスキルを基礎から学べる環境が整っているだけでなく、OJTを通じて実際の業務を経験しながらスキルアップを図ることができます。未経験者に対するサポート体制が充実しているため、効率的にスキルを身につけながら、インフラエンジニアとしてのキャリアをスタートできるでしょう。
参考:プログラミング未経験
エンジニア向けスクールのサポートを受ける
プログラミングスクールの多くは転職や就職サポートを提供しており、このようなサポートを活用するのも一つの方法です。特に未経験者はスクールのサポートを利用することで、転職活動のハードルを低くし、インフラエンジニアとしてのキャリアをスムーズにスタートできるでしょう。プログラミングスクールの転職・就職サポートでは、転職活動に必要な応募書類やポートフォリオの制作を手助けしてもらえるだけでなく、面接対策や自己PRのレクチャーなど、転職活動に欠かせないノウハウを学べる機会が豊富に提供されています。
プログラミングスクールおすすめ30選【2024年最新版比較】
この記事では、おすすめのプログラミングスクールと、オンラインプログラミングスクールおすすめや選ぶときのおすすめポイントをわかりやすく比較します。ITスクールやプログラミング講座、エンジニアスクールとも呼ばれていて、IT業界への転職や副業、フリーランスを目指す方におすすめです。オンラインスクールで今年こそ一歩を踏み出しましょう!
この記事をcoeteco.jp で読む >転職エージェントを利用する
一人で転職先を見つけるのが不安という人は、転職エージェントを利用するのもおすすめです。転職エージェントの専門知識やネットワークを活用することで、自分に合った企業や地震のポジションを見つけやすくなり、転職活動を有利に進められます。転職エージェントは、求職者の希望やスキルに応じた求人情報を提供し、履歴書や職務経歴書の作成をサポートしてくれます。また面接対策やキャリア相談を通じて、自分の強みを最大限に活かせる企業を紹介してくれたり、企業との調整や交渉も代行してくれたりもするため、効率的に転職活動を進められるメリットがあります。
参考:未経験者向けIT転職エージェント
副業で経験を積む
書籍やインターネットを活用して独学でスキルを習得し、その後副業として実績を積むことで、フリーランスのインフラエンジニアとして活躍することも可能です。まずは基本的なインフラエンジニアに必要な知識、クラウドサービスやネットワーク設定などのスキルを本やオンライン教材などで学びます。基礎的なスキルが身に付いたら、副業で小規模なプロジェクトやフリーランスの仕事を受注し、こなしていきましょう。初めは小さな案件からスタートし、実績が出来てきたら少しずつ規模や報酬の大きな案件にチャレンジしていくことが大切です。
副業を通じて得た経験や実績をポートフォリオとしてまとめることで、フリーランスとして独立した際にアピールとしても活用できるでしょう。
参考:プログラミング副業でいくら稼げる?未経験・初心者向けも解説
未経験からインフラエンジニアを目指せるおすすめスクール
ここでは、未経験からインフラエンジニアを目指せるおすすめプログラミングスクールを紹介します。DMM WEBCAMPエンジニア転職
DMM WEBCAMPエンジニア転職は、手厚いサポート体制と充実したカリキュラムが特徴のプログラミングスクールです。カリキュラムは、未経験者でもわかりやすいように基礎からしっかりと学べる構成になっており、インフラエンジニアとしての基礎知識から応用スキルまでを体系的に習得できるでしょう。
また、DMM WEBCAMPでは就職・転職支援にも力を入れており、グループや業界内でのネットワークを活かした求人紹介や個別のキャリアカウンセリングが提供されます。未経験者でも安心してインフラエンジニアとしてのキャリアをスタートできるでしょう。
なお、コースは下記3つの種類が用意されており、学習に割ける時間や目指すキャリアに応じて選択できます。
- 就業両立コース
- 専門技術コース
- 短期集中コース
いずれも転職支援に特化したコースになっているため、インフラエンジニア転職を視野に入れているのであれば、ぜひ受講を検討してみてください。
LINEヤフーテックアカデミー
LINEヤフーテックアカデミーは、LINEヤフーが運営するプログラミングスクールです。LINEヤフーが誇る技術をカリキュラムに落とし込んでいることもあり、未経験者でも即戦力として活躍できるスキルを効率的に身に付けられるでしょう。
さらに講師陣はLINEヤフーで活躍する現役エンジニア。業界の第一線で活躍するための実践的なスキルや知識を直接学べる点が大きな魅力です。さらに、バーチャル空間を活用したオンラインの自習室も解放しており、受講生同士が切磋琢磨しながら学べる環境も整っています。
加えて、学習終了後の転職支援にも力を入れており、年収アップや大手企業への転職を実現した卒業生も多数。
転職活動を行なった受講生の内定獲得率は100%を誇るだけあり、確かなスキルが身に付き、徹底した転職支援を受けられる環境が整っていると言えるでしょう。
RaiseTech
RaiseTechは、現役エンジニア監修の実務に特化したカリキュラムを提供するITスクールです。
複数のコースが用意されていますが、未経験からインフラエンジニアを目指す人に向けては『AWSフルコース』がおすすめ。全16回 (週1回/1回あたり120分)の授業を498,000円 (税込)で受けることができます。
なお指導にあたる講師は、全員現役のエンジニア。業界のトレンドや現場でのノウハウを直接教えてもらえるでしょう。
さらに、RaiseTechでは、リアルタイムで質問や相談できる環境が整っており、学習中に生じた疑問や不安を即座に解消しながら学び進めることができます。また在学中だけではなく、卒業後のサポートが充実している点も特徴の1つ。卒業後も動画コンテンツの継続視聴や技術相談も可能なため、心強さも感じられるでしょう。
未経験者がインフラエンジニアとして転職する際の注意点
ここでは、未経験者がインフラエンジニアとして転職する際の注意点についても見ていきましょう。研修制度が充実している会社を選ぶ
入社時の基礎研修では業務に必要な基本的な知識を習得できますが、それだけでは不十分です。未経験者がインフラエンジニアとして転職先を選ぶ際には、入社初期に実施される研修だけでなく、スキルアップやキャリアアップを目的とした研修を継続的に提供している会社を選びましょう。技術の進歩が速いIT業界では、最新の技術やトレンドに対応するための継続的な学習が求められます。最新のクラウド技術やセキュリティ対策に関する研修、リーダーシップやプロジェクトマネジメントのスキルを磨くための研修など、スキルアップ研修やキャリアパスに応じて専門的なトレーニングを提供している企業は、社員の成長を重視しており、長期的なキャリア形成に役立つでしょう。
下請けや孫請け会社を避ける
未経験者がインフラエンジニアとして転職する際には、下請けや孫請け会社を避けましょう。一般的に未経験者も携われる運用や保守といった業務が主となり、エンジニアとしてのスキルアップの機会が限られていることが多いためです。下請けや孫請け会社は、業務内容がルーチンワークに偏りがちで、新しい技術や知識を学ぶ機会が少ないため、キャリアの発展が難しくなります。またクライアントの要求に応じて長時間労働や休日出勤が頻繁に発生することもあり、労働環境が厳しいことが多いため注意が必要です。
参考:SESはやめとけ?
必要なスキルを身に着けておく
未経験者がインフラエンジニアとして転職を目指す際には、未経験可の求人であっても、最低限の知識を身につけておきましょう。知識レベルや学習意欲が評価され、採用に有利に働く可能性があります。具体的には、ネットワークの基本概念やサーバーの管理、クラウドサービスの基礎知識、基本的なスクリプト言語(例えば、PythonやShellスクリプト)などが挙げられます。これらのスキルを面接時にアピールすることで、学習意欲や基礎的な技術力を評価してもらえるだけでなく、実際の業務においても早期に戦力となるための助けとなるでしょう。
参考:プログラミングの勉強
未経験からインフラエンジニアをめざすなら基本スキルを習得しよう
インフラエンジニアは、ITインフラの設計や構築・運用・保守を担当するエンジニアです。サーバーやネットワーク・ストレージについての幅広い知識が求められますが、人材不足に悩む企業は少なくありません。未経験者の採用に積極的な企業が増えている昨今、未経験でもインフラエンジニアとして採用される可能性は十分にあります。これからインフラエンジニアを目指す人は、まずネットワークやサーバーの設計・構築・保守・運用について学習してください。基礎がマスターできたら、比較的難易度の低い「運用・保守」関連の求人に応募していきましょう。