ニートから正社員になる方法は？きついのか解説

「ニートから正社員」は可能！その理由とは？

20代であれば、ニートから正社員への転職はさほど難しいことではありません。ニートから正社員が可能な理由についてご紹介します。

正社員の労働者が不足しているため

厚生労働省が発表した「労働経済動向調査（令和５年５月）の結果の概要」によると、企業の正社員労働者は2011年8月の調査以来48期連続で不足していることが分かりました。

出典：労働経済動向調査（令和５年５月）の結果の概要｜厚生労働省
 
特に人手不足といわれているのは、「運輸業，郵便業」「建設業」「医療，福祉」などの業界です。働く業界にこだわらない人は、これらの業界の求人をチェックすると転職活動がスムーズに進む可能性があります。 

正社員採用を強化している企業が増えているため

以下は、商工中金が実施した「中小企業の人材確保に関する調査」に掲載された、中小企業が「担い手不足の対策として実施している内容」のアンケート結果です。人口減少による課題解決のため、37.2%の中小企業が「正社員の採用活動の強化、採用対象層の拡大」に取り組んでいることが分かりました。
 

出典：中小企業の人材確保に関する調査｜商工中金
 
同調査では、実際に約60%の中小企業が「中途採用を行った」あるいは「行う予定である」と回答しています。

正社員への扉が大きく開かれている現在、転職活動を適切に行えばニートから正社員になるチャンスは十分にあるといえるでしょう。  

卒業後3年以内なら「新卒」として応募できるため

企業によっては、卒業後3年以内の人を「新卒」枠で採用しています。社会人経験がないニートの人も、「キャリアがないこと」「社会人経験がないこと」を気にする必要がありません。

卒業後3年以内の人を新卒枠で採用することについては、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」で推奨されています。「新卒」の定義を広げることで、企業にとっては「優秀な若手を採用するチャンスが増える」、若年層の求職者にとっては「応募できる求人の幅が広がる」というWin-Winの状態が実現しました。

ただし「卒業後3年以内の人を新卒枠で採用する」という事項については、法律で定められた決まりではありません。「新卒」の基準は企業によって異なるため、企業ごとの求人条件で詳細を確認してください。

参考：3年以内既卒者は 新卒枠で応募受付を!!｜厚生労働省

若年層の採用に積極的な企業が多いため

少子高齢化による労働人口の減少により、企業にとって優秀な若手人材の確保は非常に重要な課題となっています。志望動機や適性をきちんとアピールできれば、ニートから正社員になることは十分に可能です。

近年の就職市場は売り手有利となっており、大手や有名企業に優秀な人材が集中する傾向があります。「ニートから正社員を目指したい」という場合は、中小規模の企業やベンチャーなどにも目を向けてみましょう。
参考：正社員を目指せる求人サイト

「若手を欲しがっている企業」とうまくマッチできれば、ポテンシャルで採用が決まることもあります。

「ニートから正社員」を実現する方法

ニートから正社員になる方法として、公的サービスを利用したりプロに相談したりする方法があります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
参考：ニートから就職

公的なキャリア支援サービスで相談してみる

ニートの人が利用できる公的なキャリア支援サービスには、以下のものがあります。

• ハローワーク：就職相談・求人紹介　など
• サポステ（地域若者サポートステーション）：就業相談・面談、各種就業支援
• ジョブカフェ：職場体験・就職相談・求人紹介（原則として15歳から34歳まで）など
• キャリア形成・リスキリング相談コーナー：ジョブカードを利用したキャリアコンサルティング・セミナー・イベントなど

参考：ハローワークで転職相談

アルバイトから始めてみる

アルバイト先に正社員登用制度があれば、アルバイトから正社員になれる可能性があります。

ニートからいきなり正社員になることについて、ハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。まずは時短のアルバイトから始めて、人との関わりや業務について慣れていくことがおすすめです。

ただし企業によっては、正社員登用制度を設けていないところもあります。「アルバイト→正社員」のルートを狙う場合は、正社員登用制度の有無を確認した上で応募しましょう。

スキルが身に付くスクールに通う

IT業界・Web業界の職種に特化したスクールの中には、就職保証の付いたコースがあります。現場のスキルを適切に身に付けることで、IT業界・Web業界で正社員として働くことが可能です。

注意点は、スキルの習得までに時間がかかること＆スクールによっては受講費用が高額になること。

例えばエンジニアを目指す場合、一定レベルのスキルや知識を身に付けるには「300時間が必要」などと言われています。すなわち1日5時間勉強した場合でも、エンジニアに必要な知識を身に付けるには2カ月かかる計算です。

また受講費用は、トータルで60～100万円を超えるスクールが多く見られます。就職保証が付いているとはいえ、コスト＆時間の負担が大きすぎると感じる人もいるかもしれません。ただ、給付金や補助金が使えるスクールが増えているため、今の時期の受講がおすすめです。
参考：個人で使えるリスキリング補助金

就職（転職）エージェントに相談する

就職（転職）エージェントとは、就職のプロが求職者の転職活動を伴走してくれるサービスです。アカウントを作成すると求職者1人ひとりに担当が付き、書類作成から面接対策・各種交渉ごとまで幅広い支援を受けられます。

ニート歴がある人におすすめなのは、20代未経験に特化した就職（転職）エージェントです。転職エージェントが保有しているのはポテンシャル重視の求人が多いため、キャリアや実績は問われません。正社員になりたいという強い意欲をアピールできれば、ニートからでも内定を勝ち取ることは十分に可能です。
参考：ニート・引きこもり向け就職支援
参考：20代向け転職エージェント
参考：未経験に強い転職エージェント

ニートから正社員を目指す人におすすめの就職エージェント5選

ニートから正社員を目指すなら、プロのキャリアアドバイザーのサポートを受けるとスムーズです。
ここでは無職・ニートの方におすすめの就職エージェントを紹介します。

ハタラクティブ

ハタラクティブは、20代に特化した転職・就職支援サービスです。求人の約8割が未経験OKとなっており、職歴や経歴は問われません。在籍している未経験転職のプロが、書類作成から面接までフルサポートしてくれます。

ハタラクティブに登録すると、自分に合った職種を見つけるための「適性診断」からスタート。ニート歴のある人の中には、「どんな仕事を選べばよいか分からない」という人も少なくありません。適性診断を受けることでキャリアの適性が分かり、就職の方向性が見えてきます。

ハタラクティブの求人紹介には、無理な押し付けがありません。正社員経験のないニートの人も、「できる・やってみたい」と思える求人に出会えます。
参考：ハタラクティブの評判

WorX

「スキルがなくて不安」「未経験職に転職したい」とお悩みのニートの方には、WorXがおすすめです。未経験からの異業種転職に特化しており、キャリア支援だけでなくスキル支援も行っています。

200時間の独自カリキュラムが用意されているから、スキルを身につけてから就職に臨むことが可能。スキル習得後は、キャリアプランの作成や書類の添削、面接対策などのサポートを受けられます。紹介されている求人は、成長している異業種・異職種から厳選した求人のみなので、希望に合う求人が見つかりやすいでしょう。

異業種への就職・転職成功率は、なんと100％。独自のカリキュラムとキャリア支援の有効性が伺えます。
参考：WorXの評判

Re就活エージェント

Re就活エージェントでは、ニートの方々が転職・就職に続々と成功。20～29歳を対象とした転職エージェントで、紹介している求人のうち80％が20代未経験OKな企業です。研修・教育体制が充実している企業ばかりなので、ニートの方でも安心して転職・就職できます。

「就職・転職活動って何をしたらいいのか分からない」とお困りの方でも、担当アドバイザーがサポートしてくれるため、心配する必要はありません。担当アドバイザーの80％は、第二新卒転職・既卒就職経験者です。同じ目線に立って寄り添ったサポートや、実体験に基づいたアドバイスを行っています。

参考：Re就活エージェントの評判

ウズキャリ（UZUZ）

20代ニートから正社員を目指すのであれば、内定獲得ノウハウが豊富で優良企業の求人が多数揃っているウズキャリがおすすめです。

創業以来52,000人名以上の就職を成功へ導いてきたノウハウを活かし、完全オーダーメイドの面接対策を実施。内定率をアップできるよう、一人ひとりの経歴やスキル、弱点に合わせて効果的な面接指導を行っています。

また、大手からベンチャーまで3,000社以上と付き合いがあるため、希望に合う求人を見つけやすいでしょう。厳しい自社基準でブラック企業を徹底排除しており、「離職率が高い」「ハラスメント行為がある」「残業時間が慢性的に長い」「求人情報と大きく異なる」などの心配は無用です。その証拠に、入社後の定着率は93.6％という高い数字をたたき出しています。
参考：ウズキャリの評判

就職カレッジ

出典：就職カレッジ

就職カレッジは、20代の正社員未経験者を対象とする就職エージェントです。正社員に就職した人の約7割は「正社員経験なし」からスタートしており、ニート歴のある人でも理想の正社員転職を実現できます。

就職カレッジの魅力は、就職活動に必要なビジネスマナーや面接対策をまとめた「無料就職講座」を受講できること。ニートとして社会に出ていない期間がある人も、講座を視聴することで就職に必要なノウハウを身に付けられます。

また就職カレッジの登録者は、最大20の企業と書類審査なしで面談することが可能な点も非常に大きなアドバンテージです。面接の前には専門スタッフによる面接対策もあり、個人で就職活動を行うよりも高い面接通過率を期待できます。

就職カレッジで正社員になった人の3カ月後の定着率は、約92.2%と高め。ニート歴のある人も、正社員として長く働ける優良企業と出会えます。
参考：就職カレッジの評判

「ニートから正社員」を実現できないときの確認ポイント

ニートから正社員を目指して転職活動をしても、なかなか採用されない……ということもあるかもしれません。

何度求人に応募してもうまくいかないときは、今一度「転職活動が適切に行われているか」を確認してみることが必要です。正社員選考にパスするために、チェックしておきたいポイントをご紹介します。 
参考：ニートは就職できない？

「応募しただけ」になっていないか

書類審査や面接を通過するためには、「なぜその会社に応募したのか」「どのように会社に貢献できるのか」などをきちんと伝えることが必須です。志望動機や自己アピールが薄かったり納得感がなかったりする場合は、再度練り直してみましょう。
 
採用担当者に刺さる志望動機や自己アピールを作成する上で重要なのは、自己分析を徹底することです。過去の経験や自分自身を振り返り、「成功体験」「失敗体験」「自分の強み・弱み」「大切にしていること」「喜びを感じる瞬間」「理想の働き方」などについて書き出してみましょう。
 
自分自身を客観的に見つめて整理をしたりキャリア相談をすることで、志望動機が明確化したりアピールポイントが見えてきたりするはずです。

業界・企業研究を徹底しているか

応募企業や業界への理解が薄いと「働く意欲が低そう」などの印象を与えてしまいます。業界・企業研究を徹底し、「正社員として働きたい」という強い意欲を見せることが必要です。
 
業界・企業研究を徹底するメリットは、求人に応募する前に「自分に合うか」を見極めやすくなること。

求人票に書かれている内容は、企業実態のごく一部に過ぎません。自分で情報を取りに行くことで、企業のよい点・気になる点が明確化します。企業研究を行った上で「働いてみたい」と思える企業に出会えれば、転職活動のモチベーションもアップするでしょう。
 
またアピール力の強い志望動機を作ったり自己アピールをしたりする上でも、業界・企業研究は必須です。気になる企業が見つかったら、コーポレートサイトを詳しくチェックしたり口コミサイトを見たりして情報を収集してください。

ビジネスマナーを守っているか

就職活動は、ビジネスマナーに乗っ取った行動が必要です。応募書類の書き方・提出法方について、マナー違反をしていないか確認しましょう。
 
例えば履歴書は、「3カ月以内に撮影した正面向きの写真を貼る」「学歴や職歴は新しい順に記載する」などのマナーがあります。郵送の場合は封筒の表に採用担当者の部署名、担当者名を記載し、左下に「履歴書在中」と書くことも大切です。
 
小さなミスが重なると、採用担当者によい印象を与えにくくなります。書類の内容を精査されないまま、書類審査で落とされてしまうかもしれません。 

面接対策は十分か

書類審査には通るのに、面接で落ちてしまう……という人は、面接対策の見直しが必要です。
 
まず面接は、第一印象が非常に重要。

面接に行くときは、清潔感を重視してください。しわ・汚れのないスーツを着用し、だらしない印象を与えないことが大切です。採用担当者には大きな声であいさつをし、相手の目を見てはっきりと返答することも忘れてはいけません。普段あまり大きな声を出さない人は、家で発声練習をしておくのもおすすめです。
 
また面接で聞かれたことには、ポジティブな言葉で答えましょう。ニート期間については必ず聞かれることとなりますが、具体的かつ端的に答えることを意識してください。
 
ニート歴があると分かっていても面接をしてくれる企業は、応募者の「これから」に期待しています。過去の事情をネガティブに長々と語るのではなく、「今後どのように働きたいか」をポジティブに伝えることが大切です。

ニートから正社員を実現しやすい職業

人手不足といわれている業界は、未経験可・経験不問の求人が多く見つかります。スムーズに正社員になりたい人は、求人の多い業界に目を向けてみるのがおすすめです。

ニートから正社員を目指しやすい業界をご紹介します。 

サービス

サービス業は、顧客へ特定のサービスを提供する仕事です。販売員・ホテルや旅館のスタッフ・ショップ店員・ガソリンスタンドスタッフなどが該当します。
 
サービス業は人手不足に悩む企業が多く、求人が豊富。サービス内容によっては、顧客と積極的なコミュニケーションが不要なものもあります。顧客対応マニュアルが充実しているところも多く「人と話すのが苦手……」という人でも入職しやすい仕事が見つかります。 
参考：サービス業に強い転職エージェント

建設

建設業界の中でも、土木作業員・塗装工・鉄筋工などは未経験からでも入職しやすいといわれています。求人母数は常に多く、職種の選択肢は豊富です。
 
建設業界は「現場で働きながら覚えていく」のが一般的。先輩や同僚によるOJTが充実しているので、土木建築作業に不慣れな人も心配はいりません。自分が携わったインフラや施設は形として長く残るので、達成感ややりがいを感じやすい仕事です。
 
注意点は、いずれの仕事も体力勝負であること。求人票や面接で仕事内容をきちんと確認し、納得した上で入職しましょう。 
参考：建築・建設業界に強い転職エージェントおすすめ

運搬・包装

運搬・包装業とは、積卸作業・引越作業・倉庫作業などを行う仕事です。工場のピッキング作業員や引越作業員、バックヤードの品出し担当などの仕事があります。
 
いずれの仕事もマニュアルがあり、手順に従って作業すればOK。作業内容はほぼ決まっているため、1度覚えれば仕事に慣れるのは難しくありません。人手が足りていない企業なら、職歴のブランクについても不問とされるケースは多いでしょう。
 
仕事場が工場や倉庫なら、顧客対応はありません。コミュニケーションが苦手な人でも、黙々と働けます。ただし工場・倉庫のピッキングも体力が求められるため、体が慣れるまではきついと感じるかもしれません。

ニートから正社員まとめ

若年層の採用に積極的な企業が多い昨今、ニートから正社員になることは難しくありません。公共の就職支援サービスや就職・転職エージェントを活用して、正社員就職を目指しましょう。

おすすめは、今すぐに正社員就職に向けて動き出すこと。ニートでも正社員になれるとはいえ、職歴のブランクは短いほど有利です。フリーター向け就職エージェントなどを利用し早急に就職活動を始めて、正社員の内定を勝ち取りましょう。