高校留学のデメリットは4つ

• 英語が話せないから友人が作りづらい
• 日常生活のスタイルに慣れるまでが大変
• 費用の負担が大きい
• 学業におけるデメリット

英語が話せないから「友人が作りづらい」

高校時代といえば、多くの人が部活動や文化祭・体育祭といった行事でたくさんの仲間をつくります。勉強がもっとも重要ではあるのですが、同時に10代のスクールライフでは友だちや仲間と過ごす時間こそ「何より大切」と感じることが多いものです。

しかし、英語がそれほど話せない状態で留学をすると、最初はなかなか友だちができません。これは思っている以上に、不安や不満、寂しさ、そしてストレスにつながります。

海外では、たとえ拙い英語でも積極的に話しかければ友だちになる「きっかけ」は作れます。とはいえ、最初は相手の言っていることも聞き取れず、コミュニケーションをとるのが難しいことでしょう。

学校生活で友人が作れないと、なかなかスクールライフを楽しめません。そこからホームシックになるケースも少なくありません。

大学生や社会人での留学では、それまでにある程度は自分の人生経験があり、友だちや仲間との関係もできあがっています。目標も明確であることが多く、友だちができづらい環境でもなんとか踏ん張れる「理由」があります。

高校留学は、ケンカや悶着を起こしながらも仲間をつくっていくプロセスを、現地の外国語環境の中で経験するまでに時間がかかります。英語が話せなければ、そもそも「悶着」にもならないし、つながるきっかけも作りづらいからです。

青春を謳歌する、生き生きとした元気でパワフルな時代に、慣れ親しんだ環境から言葉も通じない世界でのギャップに悩み、「友だちもなかなかできない、自分が思い描いていた留学生活とはまったく違う……」と戸惑うことは少なくないのが現実です。

日常生活のスタイルに慣れるまでが大変

高校留学ではホームステイが主流です。

朝食は「シリアルを自分で出して食べて片付ける（食洗機に入れる）」とか、日曜日は家族全員で教会に行く、といった各家庭のルールに慣れるまで、何をしてよいのか、参加するべきなのかもわからずに困惑するのも、よくあることです。

家族との距離感の取り方も、「MomとDadと呼んでね！」とフレンドリーな家庭もあれば、「名前で呼んでちょうだい」と長期滞在するゲストとして迎え入れる家庭もあり、それぞれ異なります。
 
当たり前といえば当たり前ですが、どこの国にも、どの地域にも、さらにはどの家庭にも、それぞれの習慣やスタイルがあります。留学生はそれに対応していかなくてはなりません。

その「対応力」こそ、後々に大きな力となるのですが、実際に経験する真っ只中では、なかなか厳しいと感じることも多いでしょう。

費用の負担が大きい

航空券など渡航費をのぞき、もっとも負担の少ない「公立高校・ホームステイ」でも年間約30,000ドルくらいはかかります。

私立高校を選べば倍以上かかるケースもあります。為替による変動はありますが、高校留学1年間の費用はすべて含めると300万から500万円程度はかかると思った方がよいでしょう。

ただし、国や自治体による助成金、高校などの交換留学プログラムなどを利用することで、負担はかなり軽減されます。

学業におけるデメリット

高校時代の留学では、年齢も若く環境になじみやすいメリットがあり、英語の習得も早いケースが多いようです。

ただ日本の高校とはカリキュラムも大きく異なります。帰国時に英語力はアップしたけれど、他の教科で遅れをとる可能性は少なからずあります。海外の教育水準が低いとは限りませんが、日本の教育環境が高いのも事実です。

また、英語が話せない・聞き取れないために授業についていけずに、結果として学業のレベルが英語習得以外はダウンする可能性もあります。

高校留学のデメリット「コミュニケーションがとれない」問題

高校留学で最もよくある問題のひとつが「コミュニケーションがとれない」ということです。言葉が通じなければ、意思疎通が難しいのは当然のことです。

最初のうちは、たどたどしい英語でも積極的に話そうとする気持ちがあればがんばれます。

しかし、長期留学では次第に「ホストファミリーと話しても通じない」「話しかけても反応が薄くなってしまった」と感じたり、「授業でグループ活動をするときに誰にも声をかけてもらえず、先生も特に助けてくれない」といった経験をすることがあり、落ち込んでしまうこともあります。

特に欧米での留学では、自分から話しかけて「言葉にしないと伝わらない」ということを心しておく必要があります。相手が「留学生だから英語が苦手かもしれない」と配慮してくれることを期待しすぎないようにしましょう。

スクールで親しくなった友だちとスポーツ観戦に行ったり、学校のカフェで賑やかに過ごしたり、週末にショッピングモールや映画に行ったりするような留学生活を夢見がちですが、それをすぐに実現するのは難しいです。

大切なのは、英語でのコミュニケーションに積極的に取り組み、自分から話しかけ、たとえ相手にされなくても落ち込まない姿勢です。

高校留学のデメリットは本当にデメリットなのか？

ここまで留学の課題について説明してきましたが、費用の負担を除けば、他のデメリットは結局のところ自分次第です。

特にコミュニケーションの問題は大きなハードルですが、それを克服することで得られる経験は非常に価値があります。英語力だけでなく、さまざまな国の人々と外国語でやりとりし、関係を築く力が身につけば、就職活動や今後の人生で大いに役立つことでしょう。

デメリットは常にメリットの裏返しです。自ら「デメリットを裏返す！」意欲で向き合えば、それはとても大きな糧になるはずです！

高校留学のデメリットをメリットに！

とにかく話してみよう！

英語を正しく話すことにこだわらず、単語を並べるだけでも相手には十分伝わります。

日本でも「どこ？東京タワー」や「いくら？このバッグ。わたし欲しい」といった片言の日本語で外国人から話しかけられた経験があるかもしれませんが、おおよそ何を伝えたいのか理解できます。

つまり、正しい文法を気にするよりも、日常的な単語を100や200覚えて、どんどん使ってみることが大切です。そうすれば、相手の返答を聞きながら徐々に「フレーズ」へと進化していくでしょう。

ひとりの時間も「良し」と考えよう

留学中に「ひとりぼっち」や「家に帰りたい」と感じることがあるかもしれませんが、その時間を有効に活用しましょう。

たとえば、英語の本を読んだり、学校の宿題に集中したりするのも良い方法です。

また、ホストファミリーに頼んでショッピングモールまで送ってもらい、ひとりで買い物を楽しむ時間を作るのも良いでしょう。ひとりで過ごすことは「孤独」ではなく、自分の成長につながる貴重な時間です。

デメリットを知って高校留学を判断しよう

高校留学は貴重な経験を得られる一方で、いくつかのデメリットも存在します。

異なる文化や言語に適応することは多くの生徒にとって大きなチャレンジであり、学業や生活においてストレスを感じることもあります。

また、家族や友人との距離が生まれることで、孤独感やホームシックに悩むこともあります。さらに、留学には費用がかかるため、経済的負担も見逃せません。

留学を検討する際には、これらのデメリットについても十分に理解し、バランスの取れた判断をすることが重要です。