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そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
たしかにフリーランスは自分で案件を選び、スケジュールを調整できる魅力的な働き方です。しかし現実には、案件を掛け持ちしすぎて無理が生じたり、複数のクライアントとのやりとりに追われたりと、思い描いていた自由とは違う一面もあります。
そこで今回は、「フリーランスになったら、どのくらいの案件を持つべき?」「掛け持ちするときのコツは?」といった疑問を持つ方に向けて、在宅フリーランスの契約状況と掛け持ち事情を深掘り。さらに複数クライアントと契約する場合のリアルな働き方や、掛け持ちフリーランスが使っているおすすめのタスク管理ツールをご紹介します。
これからフリーランスで転職・副業を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください!
フリーランス市場の競争環境「案件倍率」10倍の現状
ギークス株式会社の「ITフリーランス案件倍率レポート」によると、特にITエンジニア領域では、案件を探すフリーランスが前年度と比較して116%と大幅に増加しています。ITフリーランス市場の直近1年間の案件倍率は以下のとおりです。

案件倍率は月平均で約9〜10倍を記録しており、たとえば2024年10~12月の四半期では9.63倍(10月9.99倍、11月10.15倍、12月8.79倍)と高水準です。つまり、1つの案件を約10人のフリーランスが取り合っている状況と言えます。
一方で、累計案件数は前年度同時期に比べて102%と微増。案件数自体は増えているものの、案件数の伸びを上回る勢いでフリーランス人口も増えており、今後は需給バランスの崩れも懸念されます。人気のある高単価案件には応募が集中しやすくなっている点にも注意が必要です。
企業のDX推進や生成AI関連などの需要は依然として強いものの、案件獲得のハードルは徐々に高くなっているのが現状です。
転職業界における求人倍率レポートでは人材、コンサル、ITが高水準
dodaの「転職求人倍率レポート(2025年2月)」を見ても、IT・通信業界は転職市場全体と比較して高い倍率となっており、人材サービスやコンサルティングと並ぶ人気・需要の高い分野です。
ITフリーランス・エンジニア向けの案件は3月~4月以降案件が増加する傾向にあるようで、企業の予算調整や業務の細分化が進むと、1件あたりの募集枠が少なくなることも考えられます。
近年では、Python・TypeScriptなどのスキルを求める企業が増えており、分野によっては案件倍率がさらに上がるケースも見られます。需要はあるものの、高単価・好条件の案件には応募が集中しやすいことから、実質的な競争率がさらに高まっているのが現状です。
稼げるフリーランスエンジニアになるには?この記事では、ITフリーランスエンジニアの年収・案件相場や独学・未経験からのなり方、在宅勤務のしやすさ、準委任契約(SES)と請負契約の違いなど、気になる情報をわかりやすくお伝えします。
2025/03/28 15:45
人気と需要が集中するIT・通信系、スキルによって競争はさらに激
ここまでの調査を踏まえると、IT系を中心としたフリーランス案件には確かな需要がある一方で、案件獲得の競争は激化していることが見えてきます。特に在宅フリーランスの場合、自宅で仕事が完結する点が大きな魅力ですが、在宅案件だけにこだわると選択肢が限られ、競争がさらに激しくなるのも事実です。
また、近年ではリモートワークの課題が顕在化したことにより、ITフリーランス領域は再度転換期を迎えています。企業側の採用方針で出社可否が条件に含まれることも増え、完全フルリモート案件が急減したと感じる方もいるでしょう。
こうした背景から、複数の案件を掛け持ちし、収入源を分散するリスクヘッジ型の働き方が注目されるようになってきました。そしてこの傾向は、IT系に限らず、ライター・デザイナー・動画編集など、さまざまな在宅フリーランスにも共通する課題です。
クライアントとの契約形態や案件の継続性は業種を問わず不安定になりがちだからこそ、1社に依存しない働き方は、多くのフリーランスにとって重要な選択肢となっています。
この記事では、おすすめのフリーランスエージェントを分かりやすく一覧で比較しています。週3日〜稼働、リモートワークなど、自由な働き方を実現。利用者別のおすすめやフリーランスエージェントを使うメリット・デメリット、よくある質問もまとめました。
2025/04/01 19:45
案件掛け持ちフリーランスのリアルな声
在宅フリーランスにとって、複数の案件を掛け持つ働き方は、リスクヘッジや収入安定のための有効な手段です。しかしその一方で、週5で稼働する中でのスケジュール管理や心身のバランスには課題もあるのが実情。実際に在宅で複数の案件を掛け持ちしているフリーランスの方々に、現在の案件数についてどう感じているかを聞いてみました。
子どもの夏休み中はセーブ、学校があるときはみっちり仕事をするペースが理想です。現在のクライアントだと、忙しいときに少し案件を減らすことはできます。出産時には完全にお休みさせてもらいました。
今はクライアントを1社に絞ったことで心が安定しています。最高4社のときは、毎日ドキドキしていました……!
2案件を受注しており、メイン案件とサブ案件に分けています。夜遅くからサブ案件に取り組むこともあり、正直無理をしている日もあります……。メイン案件はあまり裁量権が無いので、時間管理が難しいですね。
本業の繁忙期は副業をセーブするなど、自分のペースで調整できると掛け持ちでも無理のない働き方が実現できそうです。
オンラインとオフラインの両方で案件を持っています。片方は自分で立ち上げた事業なので融通がききます。
掛け持ちで広がる働き方の可能性
筆者の実体験も踏まえて、掛け持ちフリーランスの働き方の例をご紹介します。・フリーランス案件×フリーランス案件
・契約社員×フリーランス案件
在宅ワーク同士での掛け持ちも、時間や業務量のバランスを取ることで十分に可能です。実際、筆者は「フルリモートの契約社員としてメディアのディレクションを行いながら、フリーランスとして単発のライティング案件をこなす」ようなスタイルを続けていた時期もありました。
自宅で完結できるため移動の手間もなく、子育てとの両立や体力面でも負担が少なかったと感じています。案件同士の業務時間帯が被らないようにするなど、スケジューリングの工夫は必要ですが、完全在宅での掛け持ちも十分実現可能な働き方です。
・パート×フリーランス案件
筆者の体験談ではありますが、【出社あり型】の場合は、前職の経験や資格を活かせるパートを週に数日だけ行いました。在宅のフリーランス案件では資格を活かしきれなかったので、「やりがいのある働き方」としてとても満足度が高いものでした。
しかし、個人的には自転車通勤や決まった出勤時間といった身体的負担を感じる場面もあり、在宅ワークとのバランスが大事だと感じました。
実際、同じように「出社ありのパートをしながら在宅フリーランスをしている」という主婦の方も複数おり、「私も出社×在宅スタイルにしたい」と相談を受けることもあります。駆け出しのフリーランスの場合、パートの勤務時間をある程度柔軟に調整できる環境を選んでおくことで、精神的にも経済的にも安心感が得られた声も多数ありました。
タスク管理のおすすめツールは?
ここまで紹介したように、在宅フリーランスにとって複数案件の掛け持ちは、リスクヘッジや収入の安定につながる一方で、実際に継続していくにはスケジュールの最適化や自己管理が欠かせません。「今日はこの案件に集中しよう」「子どもが寝たらサブ案件に着手しよう」といったように、日々の判断力と計画力が求められるのです。
では、実際にどのようにして案件を管理しているのでしょうか?筆者のまわりで活動している在宅フリーランスに、タスク管理のおすすめツールについて聞いてみました。
Googleカレンダー

Googleカレンダーは、筆者の周りで最もおすすめの声が多かったツールです。
オンライン会議のスケジュール調整がしやすく、クライアントとGoogleアカウントを共有して相互に予定を可視化している方もいました。また、日程調整ツールと連携することで、会議のやりとりも自動化可能です。「ToDoリストのチェックを外す瞬間が快感!」との声も。
Chatworkのタスク管理機能

Chatworkを使っている案件では、メッセージをそのままタスクに変換する機能を活用している方が多いようです。会話によって発生したタスクをそのまま登録することでタスク漏れが防げるうえ、期限の設定も簡単です。無料プランでも十分使える点も人気の理由です。
ただし、チャット数が増えると有料プランに移行する必要がありますが、ダウングレード(有料プランを解約)したい場合はアカウントを解約しなければいけません。SNS上では「ダウングレードをしたくてもできない(アカウント作り直しは先方に迷惑がかかるため)」といった声も。
案件数の増減がある掛け持ちフリーランスの中には、有料プランを避けるために、Googleチャットなどの別のサービスと併用している方もいました。
notion

Notionはサントリーやトヨタなどの大手企業も採用するプロジェクト管理ツール。カスタマイズ性が高くテンプレートも豊富で、タスク・習慣・記録のすべてを一元化できるのが魅力です。
「Notionは難しそう」「挫折した」という声もある一方で、テンプレートを活用することで一気に使いやすくなったという方も。テンプレートはマーケットプレイスに格納されており、タスク管理はもちろん映画の鑑賞記録や習慣管理、大学の単位管理など、幅広い用途に合わせたテンプレートが紹介されています。
筆者は、Notionをプライベートでも活用しています。子どものスポーツチームで日程管理に導入したところ、指導者や保護者のみなさんに「予定を把握しやすくなった」と喜んでいただけました。
手書きノート、付箋

フリーランスに話を聞いた中には、「アナログ手帳も活用している」「アナログが一番落ち着く」といった声も一定数ありました。手帳やノートにその日の気づきを記すジャーナル的な使い方をしている方もいるようです。
また、ディスプレイが複数ある環境では「一時的なメモはやっぱり手書きの付箋が最速」と話す方もいて、デジタルとアナログを併用している人もいました。
自分に合ったフリーランス「掛け持ちスタイル」を見つけよう
フリーランスとして安定して働くためには、1社に依存せず、案件を複数持つ「掛け持ち型」の働き方もひとつの選択肢です。とはいえ、単に案件数を増やせばいいわけではなく、自分のスキルや生活リズム、心身の負荷とバランスをとりながら、柔軟に調整していくことが求められます。今回ご紹介した体験談からもわかるように、「飽きずに働けるから複数がいい」という人もいれば、「心の安定のために1社に絞りたい」という人も。掛け持ちのスタイルやベストな案件数は、人によって大きく異なります。
また、案件管理ツールをうまく活用すれば、日々の業務効率や見通しもグッとアップします。在宅だからこそ、自分の働き方は自分でデザインしていくことが大切です。
できれば案件を増やしていきたいです。複数の仕事があれば飽きずに取り組めるのもメリットだと感じます。