既にリモートワークに取り組んでいる人がいる一方で、リモートワークという働き方に憧れているオフィス勤務者もまだ多いのではないでしょうか。
しかし「どんな職種でリモートワークできるのか?」「自分はリモートワークに向いているのか?」など疑問に感じ、リモートワークに向けて一歩踏み出せない人もいるかと思います。
そこで今回は、リモートワークしやすい職種を紹介すると共にリモートワークのメリットや向いている人を解説します。
リモートワークが普及している職種
まずはリモートワークが広く普及している職種を紹介します。「リモートワークしたい!」と考えている人は、既にリモートワークが定着している職種の中から仕事を探してみることをおすすめします。
クリエイター系
クリエイター系の中でもWebデザイナーやWebライターのようにインターネットを介して取り組める仕事は、リモートワークとの相性も良く、案件が豊富に見つかるでしょう。他にもイラストレーターや動画編集者なども、リモートワークしやすい職種です。
未経験からでもスキルを学べば小さな仕事から請け負うことができ、副業としても始められるでしょう。
参考:クリエイティブな仕事
IT系
プログラマーやシステムエンジニアといったIT系もリモートワークしやすい職種の1つ。最近では高いIT知見・スキルを有する人材の需要が高まっており、エンジニアファーストな働き方が整いつつあります。
しかしIT系と言っても多様な職種があり、全ての職種においてリモートが可能なわけではありません。また在籍する企業や仕事の発注先によって在宅を認めていないケースもあるでしょう。
さらにリモートワークをするとなると、それなりのプログラミング知識が求められます。
IT系職種でリモートワークに取り組みたいと考えている人は、そもそもリモートワークできる仕事なのか、リモートワークが認められている企業なのかを調べておくことが大切です。
また自力でトラブルを解決できるレベルのプログラミング知識・スキル、さらに自発的に業務に取り組む姿勢も持ち合わせておかなければならないことを理解しておきましょう。
参考:ITエンジニアになるには?
参考:IT業界はやめとけ?
マーケティング系
マーケティング系の仕事は、調査や分析、さらにはデータから導き出した数字をもとに企画を策定したり、サービス・商品が広く認知され購買されるよう宣伝に取り組む仕事です。個人事業主として1人で一貫して請け負うケースもありますが、多くの場合各工程を組織内で分担します。
現場で身体を使う作業ではないため、マーケティング系もリモートワークしやすい職種と言えるでしょう。
またメンバー同士で業務を分担するため、簡単な作業であればマーケティング未経験でも取り組むことができます。
一方でメンバー同士、密なコミュニケーションが求められることもあるでしょう。
参考:Webマーケターになるには?
人事系
人事系にも、リモートワーク可能な仕事があります。採用担当や研修担当は、オンラインで面接や研修を実施することでリモートであっても業務に取り組めるでしょう。また、労務管理や従業員の評価なども、ツールやソフトウェアを活用すればリモートでも十分対応できます。しかし企業に属する人事担当者の場合、求職者や在籍社員と直接面談しなければならないこともあるでしょう。
任される業務や所属する企業によっては、完全リモートワークが難しいこともあります。
教育系
近年塾やスクールのオンラインサービスが普及し、塾講師や語学教師といった教育系の職種もリモートワークできる仕事が増えています。講師は、ビデオ通話や専用の学習プラットフォームを通じて、生徒や受講生にオンラインレッスン・授業を提供します。
日本のみならず世界中の学習者と繋がりを得られるやりがいのある仕事です。
リモートワークができない職種
さまざまな職種においてリモートワークが普及している一方で、リモートワークをすることができない、難しいという職種も存在します。ここでは、リモートワークができない職種について見ていきましょう。リモートワークができない職種には、以下のようなものがあります。
- 接客業
- 製造業
- 医療・福祉
- 公務員
- 運転に関わる仕事
- 大工
- 研究・開発業
- 修理・点検業
- 現場スタッフ(結婚式場、葬儀場)
ポイントとなるのは、オンラインに対応できるかという点でしょう。どれほど技術が発達しても、直接モノや人と対面したり、手で触れることでしか働けないという職種の場合、リモートワークが難しいということになります。
リモートワークとテレワークの違い
リモートワークとよく似た言葉として、テレワークがあります。テレワークもリモートワークと同じく「オフィスから離れた場所で働く」ことを意味し、「tele(=遠くの)」と「work(=働く)」を組み合わせた造語です。テレワークとリモートワークはどちらも同じ意味を指しますが、国や自治体において「会社へ出勤しない働き方」は「テレワーク」の名称で統一されています。なお総務省の定義によると、テレワークには「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」に分類できます。
参考:テレワークの推進|総務省
リモートワークのメリット
本項目では、リモートワークのメリットを紹介します。場所に囚われず仕事に取り組める
リモートワークの最大のメリットは、場所に制限がない点です。自分の生活スタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になるでしょう。
また海外や地方に住んでいる人も自身のスキルを発揮し、会社に貢献できるようになります。
ワークライフバランスの向上
リモートワークは、ワークライフバランスの向上に寄与する働き方でもあります。自宅で働くことできれば、通勤の時間を家族と過ごす時間に充てられるようになるでしょう。旅行先で仕事に取り組むこともできます。
このようにワークライフバランスの向上を図れるのも、リモートワークのメリットと言えます。
リモートワークのデメリット
メリットがあればデメリットもあるもの。ここでは、リモートワークのデメリットについても見ておきましょう。コミュニケーション不足
リモートワークのデメリットの一つとして、コミュニケーション不足が挙げられます。オンラインで繋がっているとはいえ、出社時のように目の前の相手と気軽に会話をすることは難しく、チームで連携を取らなければいけないにもかかわらずコミュニケーションが不十分になるケースが相次いでいます。アフターコロナにおいてリモートワークから出社へ回帰する企業は少なくありませんが、野村総合研究所が2023年12月に公表した調査によると、出社回帰の理由として「出社したほうがコミュニケーションを円滑に取れるため、自主的に出社を増やしたから」が28.2%で2位になっています。リモートワークにおけるコミュニケーションの難しさが浮き彫りになった形と言えるでしょう。
参考:野村総合研究所ニュースリリース
従業員の業務の進行管理の難しさ
リモートワークのデメリットとして、管理者の立場から見て、従業員の業務の進行管理が難しいという点も挙げられます。出社すれば従業員は見える範囲で働いているため、適切な業務の進行管理ができます。しかしリモートワークでは従業員の姿が見えなくなってしまうため、たとえば仕事をせずにサボっている人、反対に働きすぎてしまっている人などがいても、なかなか気づきにくくなってしまうのです。
これを解決するためには、従業員の労働時間を適切に管理する仕組み作りを導入する必要があります。厚生労働省では労働時間を適正に把握するためにガイドラインを設けており、会社や管理者が労働基準法の範囲内で適正に監督することの必要性が示されています。
参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|厚生労働省
リモートワークに向いている人
続いて、リモートワークに向いている人を紹介します。リモートワークが魅力的とは言え、誰でもリモートワークという働き方がマッチしているわけではありません。
自己管理能力に長けている人
仕事とプライベートのバランスを保ちながら適切に業務・時間配分できる人でないと、リモートワークは難しいでしょう。また自主的にコミュニケーションを取り、タスクの進捗や状況を周囲に伝える能力も必要です。
一定レベル以上のスキル・経験を持っている人
リモートワークでは、隣に誰か指導・指示してくれる人はいません。クライアントや上司からの説明をもとに1人で業務に取り組めるスキル・経験が求められます。
リモートワークは自由度が高い働き方である一方、競争率も高い傾向にあります。そのためスキルや経験が乏しい人は、なかなか採用されないこともあるでしょう。
リモートワークをしたいと考えている人は、周囲から認められるほどの実績や経験の積み重ねが必要です。
疑問を自己解決する能力が高い人
リモートワークでは、チームメンバーとのコミュニケーションがオフィス勤務より制限されがちです。しかし自分で問題を解決できる力があれば、リモート環境でも遅れを取ることなく業務を推進していくことができるでしょう。1人でも業務を推進していける力や課題を解決できる力があれば、チームメンバーからも高い評価を得られるでしょう。
ITリテラシーの高い人
リモートワークに取り組む際は、コミュニケーションツールやプロジェクトの管理ツールなどを適切に使いこなせるほどのITリテラシーが必要です。反対に「ほとんどパソコンを触ったことがない人」「リモートワーク環境を自身で整備できない人」はリモートワークに取り組むことは難しいでしょう。
リモートワークに向いていない人の特徴
最後に、リモートワークに向いていない人の特徴についても見ておきましょう。指示があるまで待つだけの人
自分からは率先して行動しない人、いわゆる「指示待ち人間」は、リモートワークには向いていません。リモートワークは目に見えない相手と適切にコミュニケーションを取ったり、足りないことは何かを考えて自主的に行動することが求められます。このため、指示待ち人間にとってはアイドルタイムが長くなってしまい、結果的に生産性が低下してしまうのです。
テキストコミュニケーションが苦手な人
リモートワークにおいて、多くの場合にテキストコミュニケーションが活躍します。テキストコミュニケーションとは、たとえばチャットやショートメッセージなど、テキストによる非対面によるコミュニケーションのことです。テキストコミュニケーションにおいては、お互いの業務に支障が出ないよう配慮しながら、しかし必要な要件を適格に、確実に伝達するスキルが求められます。目に見えない相手に対して配慮の欠けるテキストコミュニケーションしかできない人は、リモートワークに不向きであると言えるでしょう。
リモートークできる職種まとめ
リモートワークできる職種は多岐に渡ります。リモートワークできるようになると、好きな場所で仕事に取り組むことができるようになるため、住まいの地域問わず自身のスキルを広く発揮できるようになるでしょう。
ぜひ自身に最適な職種を見つけ、柔軟な働き方を実現しましょう。