「新しい職場は自分に合っていないかもしれない」「辞めたい」などの思いを抱く人も多いのではないでしょうか。
しかしせっかく掴み取った新しいキャリアの道を安易な決断で捨ててしまっては勿体ないですよね。また早期離職をしてしまうと、今後のキャリアにも思わぬ影響が発生する懸念も考えられます。
そこで今回は、転職経験者の転職直後の心情をデータを用いて解説すると共に、早期退職を防止するためのポイントと辞めたいと感じた時の対策をお伝えします。
転職後不安を感じた人の約9割が転職後1ヶ月の間に最も不安を感じた
パーソルキャリア株式会社が運営する大手転職情報サイト『doda』が行ったインターネット調査によると、「転職後、不安を感じたことはありますか? また、最も不安を感じていた時期はいつですか?」という質問では、転職者の77.4%が不安を感じたことがあり、うち9割近くの人が転職後1ヶ月の間に最も不安を感じていたとのこと。引用:doda
また不安を感じていた理由を問う設問では、次の通りの結果となりました。
本結果より、「新しい職場に馴染めるのか」という点に対し、多くの人が不安を抱えている様子が伺えます。
引用:doda
事前に企業について口コミを調べたり、企業研究に取り組んでいたとしても、本当に長く勤め続けられるかどうかは入社してみないと分かりません。
入社してからでないと、判断できないこともあるでしょう。
そのため特にまだ職場に慣れていない入社1ヶ月間は、多くの人が不安を感じるようです。
転職1ヶ月目で意識したい早期退職を防止するためのポイント
入社後しばらくは、慣れないことや知らないことも多く、思うように仕事が進まないこともあるでしょう。ちょっとしたことから不安に感じたり、辞めたいと思ってしまうこともあります。
ここでは、転職1ヶ月目で意識したい早期退職を防止するためのポイントを紹介します。
先ほど紹介したデータ通り、多くの人は入社後特に1ヶ月目は大きな不安を抱えています。
しかし意識の持ち方や行動次第で早く職場に慣れることができ、不安も解消されていくでしょう。
職場の人と積極的にコミュニケーションを図る
新しい職場に早く慣れるためには、新しいメンバーと打ち解け合えるよう積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。会話が苦手な人でも挨拶や何か教えてもらった時に感謝の言葉を伝えるなど、意識次第で取り組めるコミュニケーションはたくさんあります。
小さなことでも丁寧さを心がけ自ら挨拶したり笑顔でお礼を伝えることで「話しかけやすい人」「一緒に仕事をしていきたい人」と思ってもらうことができ、自然とコミュニケーション機会も増えていくでしょう。
分からないことは素直に聞く
入社直後は人間関係や独自のルールなど分からないことが多々あることは当然です。「前職でも同じような作業をしていたから大丈夫」といった意味のない虚勢を張ったり「人に聞くことで評価が下がりそう」といった根拠のないネガティブな考えを持ち、分からないことを自ら聞く姿勢を持たないようでは、職場に馴染むことはできません。
また分からないまま仕事を取り組んでしまっては、間違った方法で作業を進めてしまう可能性も起こり得るでしょう。さらには自身の業務に影響が出たり、職場にも迷惑を掛けてしまったりする懸念も考えられます。
分からないことを聞ける素直さも新しい職場に早く馴染むためには欠かせない要素です。
コミュニケーションの一環にもなるため、分からないことは自ら積極的に質問してみましょう。
覚えることが多く、作業がはかどらないことを理解しておく
新しい職場での仕事は、不慣れな上に覚えることも多岐に渡ります。そのため以前の職場ではスムーズに進められた作業であったとしても、思い通りに進まず落ち込んでしまったり、苛立ちを感じてしまうこともあるかもしれません。
誰しもが新しい職場ですぐに優れたパフォーマンスを発揮できるわけではありません。
特に転職1ヶ月であれば尚更でしょう。
焦らず、まずは新しい職場のメンバーと良好な関係を構築することや新しい職場に慣れることを重視しながら業務に取り組んでみてください。そして少しずつ自分の持つ能力やスキルを発揮していきましょう。
新しい職場のルールに従う
新しい会社に転職すれば、当然仕事への取り組み方や社内のルールも変わります。「前の職場ではこうだった」と以前の会社のルールに固執するのはNGです。
新しい職場の取り組みやルールの理解に努めましょう。
新しい会社のルールを受け入れる中でどうしてもやりにくさを感じようであれば、他のメンバーの業務の進め方を確認した上で、新しい方法を提案してみましょう。
転職1ヶ月で「辞めたい」と感じた時の対策
転職前に抱いていたイメージと転職後のギャップが大きいほど、現状を受け入れられず「辞めたい」という思いが湧いてくるもの。ここでは、転職1ヶ月で「辞めたい」と感じた時の対策を紹介します。
もし転職後新しい職場に馴染めなかったり、思うように仕事に取り組めず「辞めたい」と感じる人は、次に紹介する対策を参考にしてみてください。
辞めたいと感じる理由を自己分析してみる
どんな人でも新しい職場では、不安や違和感を覚えてしまうもの。さらに入社前に思い描いていた働き方と実際の自分の在り方にギャップを感じてしまい、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
そんな心情から「辞めたい」という思いが湧いてくることもあるでしょう。
しかし「思っていた働き方ができないからやめる」といった理由では、次の職場でも同じことを繰り返してしまいます。辞めたいと思った場合でもすぐ早期離職を検討するのではなく、まずは辞めたいと感じる理由を自分なりに分析してみましょう。
キャリア相談やキャリアコーチングにより、今の自分を客観的に見つめ直すことができるでしょう。
自分のキャリアに悩んだ時、「誰かに相談したい」と思ったことはありませんか。働き方の多様化に伴い、無料・有料ともにキャリア相談を受けられる場所も、キャリア相談を受ける人も増えています。 本記事では、キャリア形成に悩んだ時にキャリア相談を受けるメリットと自分に合うキャリア相談サービスの選び方、おすすめのキャリア相談サービスをご紹介します!
この記事をcoeteco.jp で読む >同僚や上司に相談する
転職後は「早く結果を出さなければ」と気持ちばかりが焦り、必要以上に業務を抱えてしまったりプレッシャーを感じてしまったりするケースもあります。また上司や同僚もあなたがどれくらい仕事をこなせるのか、どのような働き方がマッチするのか分からず、依頼する業務の調整が難しいこともあります。もし「業務量が多い」「依頼されるタスクのレベルが高い」「メンバーと馴染めずに不安」などの悩みを抱えているようであれば、同僚や上司に相談してみましょう。
相談することで思わぬ思い違いが発覚したり、意向を汲んだ対応をしてもらえることもあるでしょう。
まとめ
転職して1ヶ月は、新しい職場のメンバー・ルールにもまだ慣れず、不安を感じることも多いでしょう。しかしそれは至極当然のことであり、多くの転職経験者が体験してきたことです。“自分だけ”と思わず、まずは気持ちにゆとりを持つことが大切です。
入社後すぐに「辞めたい」と感じていた人も、新しい職場に馴染むことで不安が払しょくされ、辞めたいという感情も消失していくようです。
新しい環境に飛び込むことは、決して簡単なことではありません。
しかしそれらを乗り越えて、初めて新しい可能性やキャリアが切り拓かれていくことでしょう。