中にはアルバイトや契約社員として働いていながらも、様々な理由から正社員になりたいと考えている人もいるのではないでしょうか。また転職市場の活性化の後押しもあり、今現在正社員として働いているものの、他の仕事に正社員転職したいと思っている人も多いかと思います。
今回は、正社員転職を目指す際に意識したいポイントや正社員として働くメリット・デメリットなどを解説します。
正社員とは?
法律上『正社員』に対し、定義されている要件はありません。通常、雇用期間の定めがなく、フルタイムで働く直接雇用の労働者を「正社員」と定義するケースが多いようです。
なお、フルタイムとは労働基準法で定められている労働時間の上限「1日8時間・週5日」前後であることが一般的です。
正社員のメリット・デメリット
正社員と非正規社員との一番大きな違いは、雇用と収入の安定でしょう。非正規雇用者の多くが雇用主と有期の契約を結び、時給制で働いています。
そのため、契約期間が切れると職を失ったり、体調不良や家の都合で休みが多くなると直接その月の給与に影響します。
また、社会保険などの福利厚生面でも正社員に比べて手薄な場合もあるため、そういった点で正社員になりたいと考える人は多いのではないでしょうか。
ただし、正社員で働くことにもメリットとデメリットがあります。
両方をしっかり理解した上で、正社員を目指しましょう。
正社員のメリット
正社員で働くことの最大のメリットは、雇用が安定していて毎月一定の収入が保証されることでしょう。正社員の多くが月給制、年俸制などのように基本給が固定されています。さらに基本給とは別に賞与(ボーナス)が支給される企業もあります。
勤続年数や人事評価によっては、出世してさらに昇給することも。
収入が安定しているという理由で社会的信用を得られ、ローンやカードの審査がスムーズに通るなどのメリットもあります。
また、休暇や社会保険などの福利厚生が充実しているのも正社員ならではのメリットと言えるでしょう。
会社によっては独自の休暇制度を設けたり、資格取得をサポートする制度を設けていることも。
非正規社員に対しても処遇改善の動きがあり福利厚生の拡充が少しずつ進んでいますが、まだまだ不十分と感じる人も多いのではないでしょうか。
正社員のデメリット
一方で正社員のデメリットとしては、仕事上の責任が大きくなることや転勤・異動の可能性があることなど、勤務の自由度が低くなる点が挙げられます。大きな仕事を任されることに対しメリットであると感じる人もいますが、反対にその責任を重荷と感じる人もいるでしょう。
任された仕事をこなすため、残業や休日出勤などをせざるを得ないケースも珍しくありません。
また昇格・昇進に伴い転勤や異動を命ぜられることは正社員の宿命でもあります。
就業規則によってその記載がある場合は、基本的には辞令を拒否できません。万が一断った場合はその後のキャリアに響くことも考えられるでしょう。
非正規雇用から正社員転職を目指す方法
では実際に、現在の非正規雇用からどのようにして正社員への転職活動を進めれば良いのでしょうか。具体的な方法をご紹介しましょう。
未経験歓迎求人を探す
非正規雇用から正社員になるハードルが高い理由として、転職先で生かせるスキル・経験が身に付いていない点が挙げられます。そのため、まずは未経験を歓迎している求人を探すことから始めてみましょう。
未経験歓迎の求人は、求人企業が採用後にゼロから人材を育成することを前提にしていることもあります。
その場合、これまでの職務経歴よりも面接時のやる気やポテンシャルが重視されます。その旨を念頭に入れ、しっかりと企業研究をした上で面接対策を実施しましょう。
試用期間がある求人に応募してみる
試用期間を設けている求人に応募してみるのもおすすめです。なぜなら、求人企業はあらかじめ定めた1~6ヶ月程度の試用期間を通して、業務遂行能力や社風と合うかなどを判断することから、試用期間のない企業と比べて採用枠を広く設けていることも多いためです。
求職者側としても、試用期間の中で本当にこの職場で正社員として勤めていけるかを判断できるでしょう。
正社員登用制度がある会社で非正規社員から挑戦する
中には、正社員登用制度を設けている企業もあります。アルバイトや契約社員など比較的採用されやすい雇用形態で入社し、実務経験を経た上で正社員登用される制度です。
企業としては即戦力を採用できる点がメリットとして挙げられます。一方の求職者も職場や業務に慣れた上で正社員になれる点が魅力です。
ただし正社員登用制度を実際に活用している企業はまだ少なく、また採用試験などが設けられていることもあるため、事前に確認しておくことが大切です。
経験よりも人柄重視の求人を探す
実務経験やスキルに自信がない場合、「人柄重視」と謳っている求人を探すのも1つ。世の中の多くの仕事においてコミュニケーション能力はとても大切なスキルです。
そのため、これまでの経験よりも今後の頑張りや伸びしろ、面接での印象などを重視する企業も多くなっています。
正社員から正社員転職する際の注意点
ここまで非正規雇用から正社員への転職についてご紹介しましたが、現在既に正社員で働いている人が同じく正社員での転職を考える場合はどうでしょうか。注意点として、初めに本当に転職するべきかじっくり考えてみることが大切だと言えます。
現在も正社員で就業しているなら、ある程度の固定給や賞与を得て、手厚い福利厚生の元で働いていることでしょう。
それらの待遇・環境を捨てて転職するとなると、多少なりともリスクを伴います。
転職することで待遇が今よりも悪くならないか、希望するキャリアを叶えることができるのか、現職と比較しながらじっくり検討してみましょう。
転職して正社員になる方法と正社員のメリット・デメリット まとめ
今回は、転職して正社員になりたいと考えている人に対し、実際に転職によって正社員になれる方法や正社員のメリットとデメリットなどについて解説しました。デメリットがあるとはいえ、やはり多くの人にとって正社員はメリットのある魅力的な働き方と言えるでしょう。
現在非正規雇用で仕事をしている人も正社員として働いている人も、正社員転職を目指すのであれば、理想とする正社員としての働き方が実現できるよう、自分に合った方法で転職活動に臨んでいきましょう。