実際転職した人の中で年収が下がった人はどのぐらいの割合でいるのか、また年収が下がった理由は何だったのか。
何もわからない状態では、不安ばかりが先行し動けなくなってしまいますよね。
今回はそんな不安を抱える人に向けて、転職で年収が下がる理由や転職後の年収減額を防ぐためのポイントなどを解説します。
転職で年収が下がる人は一定数いる
マイナビ株式会社が行った『転職動向調査 2023年版』によると、2022年の全年代転職者のうち、転職後の年収が下がったと回答した人は全体の18.6%という結果でした。転職者の中で2割弱の人が転職前よりも年収が下がっている実態が分かりました。
引用:マイナビ株式会社『転職動向調査 2023年版』
年齢層別で見ると、30代が17%台で一番少なく、50代では24%と年齢層が上がるとともにその割合は上昇する傾向が見られます。
一方で転職後の年収が上がったと回答した人は全体の39.5%で、2019年以降3年連続で上昇、年収が下がった人も前年の23.5%から4.9%減少していることから、転職を機に年収が上がる人が徐々に増えていることが分かります。
転職で年収が下がる理由
実際に転職後の年収が転職前よりも下がってしまう人が2割弱という事が分かりましたが、具体的に年収が下がるのはどういった理由からでしょうか。本項目では、転職で年収が下がる要因を解説します。
経験がない業界や職種にジョブチェンジした
まずは、これまでとは違った業界や職種にジョブチェンジをした場合です。未経験者の採用は教育や育成に時間やコストがかかることから、即戦力採用に比べて年収が下がる傾向にあります。
また職種は同じでも、業種・業界によって年収の相場が異なるため、年収水準の高い金融や製薬業界などから異なる業界に転職した場合も、年収が下がってしまうケースがあるでしょう。
参考:未経験に強い転職エージェント
ライフワークバランスを重視した
「ハードワークで家事をする時間がない」「通勤時間がかかって子どものお迎えに間に合わない」などの理由から、プライベートと仕事のバランスを取ることを優先しワークライフバランスを重視した転職も、年収が下がる要因になるでしょう。なぜなら、プライベートの時間を無理なく取れる仕事は、労働時間が短く負荷のかかりにくいものが多いからです。
ただし、年収が下がってもプライベートが充実することで幸福度が上がることもあります。そのため決して悪いことばかりとは言えません。
想定より自身の市場価値が低かった
転職前の実績が必ずしも転職先で同様に評価されるとは限りません。自分のキャリアや経験が思ったほど評価されず良いポジションに付けなかった、役職が下がってしまった、などの理由から年収が下がることも要因として考えられます。
“自分の想定よりも市場価値が低い” という事態を避けるためにも、キャリア相談などでカウンセリングを受けたり自己分析をしっかりしておくことをおすすめします。
市場価値を高めるためにプログラミングスクールなどで学習することもいいでしょう。
会社都合により転職を余儀なくされたから
会社の業績悪化などによって転職を余儀なくされた場合は、生活が懸かっているため時間的にも心情的にも余裕がなくなってしまいます。そのため、「とにかくどこでもいいから就職したい」という気持ちになってしまうかもしれません。そういった場合は、冷静に条件面を吟味することも困難です。「いざ入社してみると年収が大幅に下がってしまった」という要因にも十分なり得るでしょう。
特に50代、60代は給与水準が高く、会社からの人員削減の対象となる可能性も高まります。
同時に高年齢の転職は難易度も高まるため、思うような年収を得られないケースも多いでしょう。
年収を下げないために転職活動で意識すべきこと
とはいえ、できることなら転職後も現在の年収レベルはキープしたいと考える人が多いでしょう。続いて、転職後も年収を下げないために転職活動で意識するべきことをお伝えします。
転職エージェントを活用し給与交渉を依頼する
転職エージェントは、無料で求人情報を提供してくれることはもちろん、カウンセリング・自己分析・応募書類の添削・面接練習など、様々なサポートを提供してくれる頼もしいサポーターです。転職先企業との間に立ち給与交渉をするのもエージェントの役割です。
もちろん100%年収が上がるわけではありません。
とは言え、なるべく希望を叶えられるように転職エージェントに希望金額などを相談しておくと良いでしょう。
自身のスキル・経験が活かせる業界・職種を選ぶ
転職によって年収が上がるポイントとして、これまで積み上げてきたスキル・経験が転職先で生かせることにあります。そのため、まずは自己分析を行い、自分の強みや生かせるスキル・経験を洗い出すことが大切です。
冷静に自分のスキルや経験を棚卸することによって、自身の市場価値を把握することができ、面接でのアピールポイントもより具体的になるでしょう。その上で、自分の経験スキルが評価されやすい業界・職種を選ぶようにしましょう。
多角的に転職情報を収集する
転職活動をする上で、多くの人が情報を収集する際に活用するソース先として転職サイトや転職エージェントが挙げられます。転職活動をする上で頼もしい味方である転職サイト・転職エージェントですが、多くの人が同時に閲覧していることもあり、条件の良い求人には多数の応募が集まってしまうことも。
また、求人票だけでは見えてこない情報もあるでしょう。
より良い転職活動のためには、転職サイト・転職エージェントだけではなく、例えば気になった企業のホームページ・SNS・ハローワークなど様々な方法で転職情報を集めてみることをおすすめします。
思わぬ掘り出し情報を見つけることができるかもしれませんよ。
転職で年収が下がる理由と転職後の年収減額を防ぐポイントまとめ
転職活動をする上で、誰もが気になる“年収”。転職によって年収が下がる人が一定数いる事実を考えると、年収を下げないためにはしっかりと検討・準備をしておく必要があると言えるでしょう。
ただし、転職後すぐに年収が下がってしまったとしても、転職先でしっかり実績を積むことで結果的に年収アップにつながることや、年収が下がったとしても生活全体の満足度が上がることもあります。
そのため、事前にしっかりと自己分析をした上で自分の中で重視したい転職条件などを見極めることが何より大切です。