たしかに緊急時はヘリコプターの利用も可能ですが、この場合、着陸場所を用意しなければなりません。ドローンであれば、通常難しい地域や地形の場所でも輸送を可能にし、活躍します。
この記事では、ドローンを利用した最新の緊急医薬品輸送サービスの特徴や選び方を解説します。
緊急医薬品輸送サービスとは?
緊急医薬品輸送サービスとは、緊急時、医療機器や医薬品が必要な地域に、ドローンに物資を乗せて届けるサービスのことです。ここでいう緊急時とは、自然災害や人災、あるいは簡単に病院に行くことができない遠隔地などに住む人が体調悪化した場合を指します。ドローンを活用して、通常陸路で到着するには時間がかかりすぎる場合や、陸路で行くことが難しい地域、またヘリコプターの着陸場所を確保できない狭い場所などに速やかに、そしてもれなく輸送します。
とくに災害時には、災害の影響で人が立ち入ることができない状態になる土地もあります。自動車が通れないような狭い道、あるいは高所などにも対応します。災害が起きた地域では二次災害への対策も必要です。人が立ち入ることで、その分巻き込まれる危険は高まりますが、ドローンに輸送を任せることで人への被害を限りなく少なくすることにもつながるのです。
緊急医薬品輸送サービスでできること
緊急医薬品輸送サービスを利用すると、災害時など人が簡単に立ち入ることができない場所、場面で網羅的に医薬品や医療機器の輸送が可能になります。使用するドローンの種類によっては、重量のある荷物でも、安全かつ迅速に数十キロ離れた場所へも輸送できます。
医薬品や医療資材、医療機器は人命に関わる重要な物資です。いつ起こるかわからない災害や、どんな地域に医薬品が必要か常に検討し、予測する必要があります。いざ災害が起きてから、サービスの利用を検討するのでは間に合わない可能性も高いです。事前に利用の検討も必要でしょう。
また、緊急時、人命救助には72時間のデッドラインがあります。72時間を超えると、重傷を負った被災者が助かる確率は急激に低下します。医薬品や医療資材は人命救助にも大きく影響しますので、ドローンを使って素早く輸送することで、災害時の救助にも役立ちます。
緊急医薬品輸送サービスの利用場面
まず緊急時とは、人災や自然災害などが起きた場合が考えられます。他にも、近くに病院がないような遠隔地で傷病者が出た場合も含まれます。自動車やヘリコプターなど従来の輸送方法では大幅に時間がかかってしまったり、着陸場所が確保できず断念せざるを得ないような場所に、ドローンですばやく輸送します。
とくに緊急を要する場面ではより迅速かつ安全に、品質を保った状態で輸送を行うニーズにドローンが応えます。
人が立ち入ることが難しい場所や、人が立ち入ることで危険を伴うような場面でも、ドローンであれば輸送が可能です。医薬品や医療資材が届くことで、緊急時の人命救助にも繋がります。
緊急医薬品輸送サービスを利用したい場合は、災害に備えてサービスを提供する会社に事前に問い合わせておくのが良いでしょう。
緊急医薬品輸送サービスの選び方
緊急医薬品輸送サービスといっても、サービスを提供する会社によってその内容は少しずつ違っています。災害救助に特化しているサービスもあれば、定期的に遠隔地へ医薬品を届けるサービスもあります。利用を検討する場合は、どのような場面で、どの程度の頻度で利用したいかをまず明確にしましょう。
また、その目的に合わせて使用するドローンを決定する必要があります。ドローンについてはサービスを提供する会社に問い合わせるのが一番ですが、ドローンにもそれぞれ特性があり、適材適所で使い分ける必要があることも知っておきましょう。
もちろんコストや契約期間、その他の細かい契約内容を事前に確認しておくことも重要です。
おすすめの緊急医薬品輸送サービス
ここでは、おすすめの緊急医薬品輸送サービスを3つご紹介します。どのサービスがどんな場面を得意としているのか知ることから始めましょう。細かい契約内容や費用などは、公式サイトをご確認のうえ、直接サービスを提供する会社に問い合わせてみてくださいね。
物流サービス(KDDIスマートドローン)
出典:KDDIスマートドローンKDDIスマートドローンでは、物流サービスを実施しています。モバイル通信を利用し、機体を制御する運行管理システムを導入しているのが特徴です。遠隔飛行でも安全に飛行を可能にしました。また、自動配送もできるほか、目視外補助者なしの飛行にも対応しています。
すでに、2022年3月には東京都との災害協定を締結しており、KDDIスマートドローンを利用して、災害発生時にはドローンを自立飛行させて緊急物資の輸送を行います。
災害救助(クリーク・アンド・リバー)
出典:クリーク・アンド・リバークリーク・アンド・リバー社では、ドローン事業を拡充しています。災害時を想定した訓練も定期的に行い、万が一に備えています。
大雨やゲリラ豪雨によって引き起こされた水難事故を想定して消防隊と共同で水難救助の訓練を行っているほか、大型ドローンを使用した医薬品運搬の実証実験も行っています。
これは緊急時を想定し、陸上輸送が困難な場面で、15kgの医薬品を搬送する実験です。帰還や着陸もすべて全自動で、中身の品質も維持した状態での運搬に成功しています。
docomo sky医薬品配送パッケージ(NTTドコモ)
出典:docomo skyNTTドコモが提供する「docomo sky」では、ドローンを利用した医薬品配送、そのほか物資配送に対してトータルでサービスを提供しています。
ドローンの提供だけでなく、飛行ルートのシミュレーションや賠償責任保険、ドローンに関する研修など、知りたいこと、必要なことがすべて詰まったサービスです。
また緊急時に対応しているのはもちろんのこと、定期的な配送も行っています。定期的な利用があることで、緊急時に安心してサポートを受けることもできるでしょう。
ホームページには、提供内容も細かく記載されているので、導入を検討する場合は確認してくださいね。
まとめ
自然災害、人災ともに緊急を要する災害時には、医薬品や医療資材、医療機器の輸送はより素早く、的確に、そして安全に行わなければなりません。緊急医療品輸送サービスを利用すれば、災害時のサポートも万全です。医療に関する物資の輸送は、人命にも直接関わってくることですので、より安心してサポートを受けられるサービスを見つけてください。
まずは、サービスを提供する会社に詳細の契約内容や、見積もりを依頼してみましょう。