運輸路調査サービスの比較3選。特徴や料金は？｜コエテコドローンナビ

運輸路調査サービスとは？

運輸路調査サービスは、ドローンを活用して交通路や輸送経路、インフラなどの状況を調査し分析するサービスです。ドローンを用いることで、従来の調査方法ではアクセスが難しかった場所や、広範囲の地域を短時間でカバーできます。

このような運輸路調査の目的としては、安全性の確保と維持管理の効率化などが挙げられます。定期的な調査により構造物の早期劣化や損傷を発見し、事故や災害のリスクを低減することが可能です。

また、取得したデータを活用することで、メンテナンスや修繕が必要になる時期を予測したり、将来的なインフラ拡張計画を策定したりするのにも役立ちます。ドローンは人手が少なくても調査をすることができ、人による作業が減るため安全性の面でも優れています。

運輸路調査サービスでできること

日本の高速道路や橋、水道設備などのインフラ設備の多くは、高度経済成長期前後に整備されました。そのため現在では、建設から50年以上経過している施設が増加しており、いかにして維持・管理・修繕していくのかは喫緊の課題となっています。

【建設後50年を経過している施設の割合】


他方、自治体における技術系職員は減少傾向にあり、地方では少子高齢化の傾向も顕著です。そのような背景から、不具合が起きてから対策を行う「事後保全」から、問題が起きる前に対策を行う「予防保全」へとインフラ管理の軸足が転換しつつあります。

そこで注目されているのが、ドローンを活用した運輸路調査サービスです。道路の表面に生じた亀裂や、橋の支柱の損傷など、目視では発見が困難な個所もドローンであれば点検ができます。低コストかつ効率的に運輸路調査ができるドローンは、この社会課題を解決するひとつの手立てとして期待されています。

運輸路調査サービスを利用するメリット

運輸路調査サービスのメリットをまとめると、以下のようなものが挙げられます。

・劣化や損傷を早期に検出できる
・コスト削減と効率的な点検作業ができる
・メンテナンスと修理計画の策定に役立つ
・調査員の安全確保につながる
・災害時などのような緊急事態にも迅速に対応できる

問題の早期検出、コスト削減、修繕計画の策定などはすでに見てきたとおりですが、緊急時対応に優れている点もドローンを使った運輸路調査サービスのメリットのひとつです。日本は地震や土砂崩れなどもともと災害の多い国であり、近年はそれに輪をかけて激甚化の傾向が強まっています。

それにともなって、災害対応策としてのドローン活用が注目を集めています。自然災害などの緊急事態が発生した際、ドローンを用いて運輸路調査を行うことで被害状況を速やかに把握したり、復旧作業の優先順位付けをしたりするのに役立ちます。

運輸路調査サービスの選び方

運輸路調査サービスを検討する際には、まず導入の目的を明確にすることが大切です。「どのような課題を解決したいのか」を最初の段階で把握しておくことで、自社にあったサービスを選ぶことができ、サービス提供会社への相談もしやすくなります。

そのうえで、サービス提供者の技術力や実績、コスト、サポート体制などを比較検討しましょう。サービス名として「運輸路調査」を謳っていない場合でも、顧客に応じてサービスのカスタマイズを行っている企業は少なくありません。

ドローン路調査、3Dマッピング、運輸路評価、交通インフラ診断など、「自社のやりたいことをドローンで実現できるか」幅広い選択肢を視野に入れながら検討することが大切です。

おすすめの運輸路調査サービス

ここでは、実証実験や運用がスタートしている運輸路調査サービスを3つ紹介していきます。

水面ドローンによる水路の点検サービス（株式会社KANSOテクノス）

出典：株式会社KANSOテクノス

株式会社KANSOテクノスによるこのサービスでは、水中ドローンを活用して水路や河川の状態を調査できます。

5台のカメラを搭載した水面ドローンが水路を通り、水中や壁の状態を撮影します。撮影画像からひび割れや摩耗、堆砂などを把握でき、異常の早期発見につながります。

AI管制プラットフォーム（株式会社トラジェクトリー）

出典：株式会社トラジェクトリー

株式会社トラジェクトリーのAI管制プラットフォームは、ドローンを自動制御し、広範囲のインフラ点検を可能にするシステムです。

AIを活用した飛行ルートの自動生成、リアルタイムの監視などの機能を備え、複雑で時間がかかる作業を効率的に行えます。大規模なインフラ点検では、このような自動制御システムがあると大幅な時間削減と精度の向上が見込めます。

SkyHubTMS（株式会社NEXT DELIVERY）

出典：株式会社NEXT DELIVERY

物流は日本の大動脈ともいえる大切なインフラです。一方で、働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が設けられる「2024年問題」が社会課題となっています。SkyHubTMSでは、ドローンを活用することで物流分野の課題解決に取り組んでいます。

配達代行、オンデマンド配送、医薬品配送などさまざまなシーンでの活躍が期待されており、2023年12月には日本で初めて「レベル3.5」（条件付きで道路や鉄道などを横断できる）でのドローン配送事業を実施しました。

まとめ

運輸路調査サービスは、交通路や輸送経路、インフラの状況を調査・分析するサービスです。ドローンを活用することで、構造物の劣化や損傷を早期に発見でき、適切かつ効率的な運輸路評価が可能になります。また、メンテナンスや修繕時期の予測、将来のインフラ拡張計画策定にも役立ち、コンプライアンスの徹底や作業者の安全確保にもつながります。

労働力減少を背景として、物流やインフラ設備の点検・保守を行う人材不足は日に日に深刻になっています。そのため、ドローンを使った運輸路調査サービスは今後より一層、注目を集めていくでしょう。