水中ドローンサービスの比較3選。特徴や料金は？｜コエテコドローンナビ

水中ドローンサービスとは？

水中ドローンサービスは、水中環境の監視、海洋調査、水産業における資源管理、水中インフラ監視など、水中ドローンを使って水中での無人監視が可能になるサービスです。遠隔操作や自動ナビゲーション機能を持ち、水中のさまざまなデータを収集することができます。

水中ドローンサービスでできること

水中ドローンサービスでは、多岐にわたる監視活動が可能です。同じ水中ドローンでもさまざまなことが出来るため、今回はその活動について細かくご紹介します。

海底の地形調査

水中ドローンが海底の地形を詳細にマッピングし、地質学的な特徴や地形変化を捉えます。これは海洋学の研究、海底資源の探査、または海底ケーブルやパイプラインの敷設計画に役立ちます。

水質検査

水質の化学的・生物学的な特性を分析することで、汚染のレベルや海洋生態系の健全性を評価します。

生物のモニタリング

海洋生物など水中に生息する種の行動、繁殖パターン、移動ルートなどを観察することができます。種の保存や水産資源の持続可能な管理に繋がります。

沈没船や水中構造物の調査

歴史的な沈没船や破損した橋梁、ダムなどの水中構造物の調査を行い、これらの構造物の状態を観察し、安全性や保存状態を確認します。

環境監視

海洋汚染源を特定し、環境破壊の兆候を検出することで、環境保護活動に貢献します。具体的には、油漏れ、化学物質の流出、プラスチック汚染の追跡などが含まれます。

魚群の追跡

魚群の動きや分布を追跡し、漁業資源の評価や持続可能な漁獲計画の策定に利用します。

水産養殖場の監視とメンテナンス

養殖場の状態や魚の健康を監視し、病気の早期発見や養殖環境の最適化に役立てます。また、似た事例として水族館や水産試験場などの大型水槽の監視にも利用可能です。

水中パイプラインやダムの点検

水中インフラの損傷や劣化を検出し、修理やメンテナンスの必要性を評価します。これにより、事故の予防やインフラの寿命延長に繋がります。

このように水中ドローンは高精度なカメラ等の観測機器と水中の圧力にも耐えうる機体によって、海洋環境の保護やインフラの安全管理、および経済活動の支援に大きく貢献しています。

水中ドローンサービスの導入効果

水中ドローンサービスを導入することで、人間のダイバーには困難な深海域や、狭所など危険な環境での作業を安全に行うことができたり、カメラやセンサーを使った高精度なデータ収集が可能だったりと導入効果はさまざまです。

具体的には主に以下のような効果が期待できるでしょう。

• ダイバーによる潜水調査にかかる費用を削減し、人手不足の問題を解消する
• 無人機（ドローン）を使用することで、人命のリスクを低減し、安全性を高める
• ダイビング撮影に比べてブレが少なく、安定した映像の撮影をする
• コストが低いため、個人や中小企業でも導入が比較的容易にできる
• 点検や調査の精度と正確性の向上
• 従来の水中調査方法と比較して、大幅なコスト削減が可能

水中ドローンサービスの選び方

水中ドローンサービスを選ぶ際には、目的や用途に適したドローンを選ぶことが大切です。

水中映像撮影が目的の場合、4K動画の記録に対応した水中ドローンが良いでしょう。他にもブレ補正機能により波や海流の影響を抑えたり、高出力ライト搭載のものを選ぶことで暗い夜や深海でも遠くまで撮影が可能になります。

環境調査や水質調査などが目的の場合、アームなどのアタッチメントパーツがある方が良いでしょう。海底の生物や海水、沈殿物などを採取・回収できます。また、邪魔な岩や沈没船の船体などを動かす調査も見込めます。

調査海域によっては水深300mを超える深海に潜ることもあるでしょう。潜水可能深度の確認もしっかりと行いましょう。潜水可能深度を超える潜水を行なってしまうと、機体に損傷が入る可能性があります。安全を考慮する意味でも怠らないようにしてください。

他にも金額などは業者によってさまざまです。予算と目的に合わせてサービスを選ぶようにしましょう。

おすすめの水中ドローンサービス

ここからは、おすすめの水中ドローンサービスをご紹介します。

水中ドローン（Youcan Robot）

出典：Youcan Robot

Youcan Robotの水中ドローンは、高性能なレンズを備え、長時間にわたる使用が可能です。自動調光機能や自動方向修正機能をはじめとするインテリジェント機能を装備しており、最大100メートルまでの潜水が可能です。

また、深度ロック、手ぶれ補正、仰俯角の調整などの機能も実現しています。コンパクトな水中ドローンのため持ち運びやすく、水中探検や水中作業を即座に開始できる利便性があります。

ダイビングやフィッシングといったマリンレジャー、水中撮影、水中探査点検、漁業、船舶、科学研究など、幅広い分野での活用が可能です。

水中ドローン調査・販売（ジュンテクノサービス）

出典：ジュンテクノサービス
使用ドローン：FIFISH V6 PLUS、FIFISH W6、FIFISH V6S

水中自動走行型のロボットカメラや小型のROV（遠隔操作潜水ロボット）などの水中ドローン製品の販売と、これらを活用した調査や撮影サービスを提供しています。現在は、建設コンサルティングや海事コンサルティングを行うクライアントと共に、日本国内のインフラ構造物の点検、管路の検査、ダムの岸壁調査、会場や海中設置物のチェック、定置網漁港などの維持管理サービスを行っています。

また、水中ドローン・ロボットのための潜水実験施設となる室内コンテナプールの利用サービスも実施しています。

ROV（産業用水中ドローン）「MOGOOLシリーズ」（JOHNAN株式会社）

出典：JOHNAN株式会社
使用ドローン：MOGOOLシリーズ

ROVの「MOGOOL」シリーズのエントリーレベルからハイエンドまで、幅広い製品ラインナップを取り揃えており、お客様の使用環境に最適なモデルを選定・販売しています。強力なスラスター（推進器）と高いトルク性能を備えているため、強い水流にも対応できる堅牢な設計が特長です。また、カメラと高解像度のソナーで水中の様子も満遍なく把握できます。

導入事例として、船のアンカー点検やマグロの定置網観察、水中インフラ施設点検などで活躍しています。

まとめ

さまざまな活用方法がある水中ドローンは、今ではいたるところで活用され、人々の生活に根付きつつあります。これから私たちが見かける機会も増えてくるのではないでしょうか。

また、水中ドローン操縦には民間資格（水中ドローン安全潜航操縦士）が存在します。使用する場所によっては、官公庁や管理団体に申請を行う必要があり、注意が必要です。より上手く利用するために資格取得を目指すのもおすすめです。（※2023年現在、水中ドローンの使用を制限する法律はなく、操縦に資格は必須ではありません）

水中ドローンサービスは、さまざまな産業や研究領域で応用可能であり、その安全性やデータの精度、コスト効率の高さが大きな強みです。目的やコストを踏まえた上で、上手に向き合っていけると良いですね。