収穫支援サービスの比較4選。特徴や料金は？｜コエテコドローンナビ

収穫支援サービスとは？

収穫支援サービスは「農作業や農業経営をサポートする有償のサービス」として定義されています。「農業現場への人材派遣」「農作物の生育状況計測」などが代表的であり、ドローンを使って農薬や肥料の散布を行ったり、穀物・野菜等の⽣育分析から病害検出までモニタリングするサービスです。最新のセンシング技術とドローンによって農業効率を上げることが目的です。

農業の生産現場では「農作業の効率化と収穫量を最大化したい」という声が聞かれますが、効果的な対処法は農家によって異なります。トラクターやコンバインなどの利用で効率化できている作業もありますが、まだまだ農家の手作業による仕事が多く、広大な圃場すべてを同じ品質で管理するには体力的にも精神的にも課題が多いと言わざるを得ません。

そこで注目されているのが、農業分野におけるセンシング技術とドローンの活用です。センシング技術とドローンを用いた収穫支援サービスでは、農薬・肥料散布や圃場の生育状態の病害のモニタリングなどの農地の広範囲な観察を⾼速かつ詳細に実施できます。自分の圃場に合った収穫支援サービスを利用すれば、農作業が効率化されるだけでなく生産の安定化にも繋がります。

収穫支援サービスでできること

収穫支援サービスでドローンを利用することで、圃場の必要な箇所にだけ農薬・肥料の散布をしたり、種の播種を任せたりすることが可能です。

例えば、ドローンによる農薬散布を依頼した場合、従来の噴霧器による防除作業では2時間以上かかっていた作業が30分程度で済むようになります。時間効率が上がるほか、重い噴霧器を背負って作業する必要がなく、体力に不安を抱える方におすすめです。

ドローンを遠隔操縦することで一定以上の距離を保ったまま散布を完了させることができるので、散布者が農薬にふれる危険性が格段に少なくなり、散布者の安全性が高まるといえます。

さらに、ドローンによって圃場のデータを収集し、過去に蓄積した収穫データや気象情報などを元に農作業を効率化してくれるICT技術や撮影した画像のAI解析をフル活用したサービスもあります。

このようなサービスでは、ドローンの空撮によって病害虫による被害範囲を特定したり、生育状況を判断して施肥タイミングや量、灌水頻度をアドバイスしたりしてくれます。

収穫支援サービスの選び方

まずは、収穫支援サービスでドローンを利用する目的を、以下の2つのうちどちらなのか明確にしましょう。

• 圃場のデータ収集と生産体制の改善
• 農薬や肥料散布など作業の効率化

データ収集・生産体制の改善を行いたい場合は、あらかじめ「どの作物に対して」「どのような課題があるのか」「どのように改善していきたいと思っているのか」を洗い出しておき、収穫支援サービスを提供している業者に「どのように改善してもらえるのか」をヒアリングしてみるのがおすすめです。

農薬や肥料散布など作業単位での効率化をしたい場合は、費用や工数を確認し費用対効果の高いサービスを選択する必要があります。ドローンを使った農薬・肥料散布サービスを依頼する際には、ライセンス取得に向けた飛行講習の受講やドローン利用のための飛行許認可申請なども不要になるため、気軽に依頼することが可能です。全体の手間を踏まえたうえでサービスを選択してください。

また、生産体制の改善と作業の効率化を同時に行いたい場合は、オールインワンで解決してくれるサービスを選びましょう。

おすすめの収穫支援サービス

ここでは、おすすめの収穫支援サービスを4つご紹介します。いずれの収穫支援サービスも機能や特徴が異なりますので、気になったものがあれば公式HPを確認してみてください。

アグリ・アシストサービス（ナイルワークス）

出典：株式会社ナイルワークス

農業用ドローンを用いた農作物の収量・品質の安定化を提案しているのは、株式会社ナイルワークスのアグリ・アシストサービスです。東京都産業労働局による「令和元年度未来を拓くイノベーションTOKYOプロジェクト」に採択され、3年3ヵ月かけて生育調査システムを開発してきました。

センシングドローンによる農地の観察は、広大な農地でもスピーディーかつ詳しい調査が可能。撮影画像をAI解析することで、穀物・野菜などの生育状態から病害の検出まで、多岐にわたる作物の解析ニーズに対応できます。

ドローンは完全自動飛行なので、農薬などの散布も、操作タブレットの開始ボタンを押すだけで離陸から着陸まで全自動で実施可能です。

DJアグリサービス（ドローンジャパン）

出典：Drone Japan

Drone Japanはドローンで田畑をセンシングし、農作物の生育状況・施肥料・収量などの解析や、収穫物の搬送や除草・土壌改良支援を行うDJアグリサービスを提供しています。圃場の状況の整理のほか、人の手による作業を減らしたい方におすすめです。

農作物生育分析（ドローン活用）（日立ソリューションズ）

出典：Hitachi Solutions

日立ソリューションズは、ドローンにより農作業の現場の情報を収集し、圃場図・生産履歴・気象データと組み合わせて農作物の品質・収量の向上策を策定してくれる農作物生育分析というサービスを提供しています。効率的な農作物の生産を希望する方におすすめです。

Agri Assistant（オプティム）

出典：OPTiM

オプティムは、ドローンによる播種・施肥・防除を行ってくれるサービスを提供しています。地域や作物に合わせて適正な時期に作業してもらえるため、労力とコストの削減をしつつ、収穫量や品質を向上させたい方におすすめです。

まとめ

ドローンでの収穫支援サービスでは、圃場の分析から農作業の効率化まで多岐におよびます。農業の生産現場でのドローンの利用は農作業者の負担を大幅に減らし、よりよい生産体制の構築に役立ちます。とくに、体力に不安を感じる方の役に立つことでしょう。日々の農作業に対し課題を感じている方は、ぜひ収穫支援サービスでのドローン利用を検討してみてください。