BIコンサルタントって、どんな仕事?
職種名 | BIコンサルタント |
平均年収 |
700万円前後 |
概要 |
クライアントに適正なBIの仕組みを導入して、経営課題の解決や意思決定のサポートを行う |
活かせる資格 |
統計検定、情報処理技術者試験、ORACLE MASTER、MCSEなど |
BIコンサルタントの平均年収や活かせる資格は上記のようになっています。以下では、こちらの概要についてさらに詳しく説明します。
BIコンサルタントの仕事とは?
BIコンサルタントは、クライアントの現状に応じて各企業の業務分析や適正なシステムの選定などさまざまなサービスを提供しています。ここではBIコンサルタントの仕事内容の特徴を、大きく3つに分けてご紹介します。クライアントの課題を明確化する
まずはBI導入を考えているクライアントの現状をヒアリングし、抱えている課題やプロジェクトの方向性などを明確化します。このとき「本当にBIが必要かどうか」といった前提についても分析し、クライアントの目線に立って打ち合わせを進めます。また企業によっては情報技術のレベルもさまざまなので、社員のITリテラシーや作業体制なども把握しておくことでニーズに合った戦略の方向性を決定することが大切です。適正なBIツールの提案
クライアントの現状を把握した後に、課題を解決するために必要なBIツールを提案します。BIツールとは売上や営業実績、人事や予算といったビッグデータを可視化するシステムで、これを導入することでスピーディーに現状を分析することができます。BIコンサルタントは、このBIツールをはじめとしたクライアントの事業推進に役立つシステムを選定し、経営層の効率的な意思決定をサポートします。人材育成や研修でアフターフォロー
BIの仕組みを構築するだけでなく、新入社員や中途社員、管理職など誰もがスキルアップできるようにツール活用方法の指導や研修を行うこともあります。このようなアフターフォローを行うことで、クライアントの内部でシステム運用が定着するように促します。BIコンサルタントがBIにまつわる相談から運用まで携わることで、より持続的な変革をコンサルティングすることが可能になるのです。BIコンサルタントとBIエンジニアの違い
BIエンジニアとはどう違う?
BIコンサルタントに類似する職業に「BIエンジニア」というものがあります。どちらもBIツールを活用するという点は同じですが、メイン業務が異なります。ここではBIコンサルタントとBIエンジニアの役割や業務フローについて解説します。BIコンサルタントの役割と業務フロー
BIコンサルタントの役割はクライアントの現状に適したBIの導入方法を提案し、ミーティングを重ねながら課題を解決していくというものです。まずはBIを導入したいクライアントの課題や方向性を明確にし、BIの必要性についても考えることが大切です。業務フローとしてはヒアリングの後に適正なBIツールの提案、ツール操作や運用方法の指導、戦略の練り直しなどが挙げられます。社員の技術力によってはBI導入を持続可能な状態にするための研修会を開催する場合もあるでしょう。ビッグデータを利用する企業にとってはスピード感のある判断力が重要なので、最終的にクライアントが意思決定力を向上できるようにプロジェクト全体を管理するというのがメインの仕事といえます。BIエンジニアの役割と業務フロー
BIエンジニアは各企業のデータ収集や分析を効率的に行うBIシステムを開発・設計する技術者です。具体的にはBIツールの基本設計や製造、テストの実施や実装、プロジェクトの支援といった業務フローが挙げられます。BIエンジニアが開発したBIツールを利用することで膨大な経営データからタイムリーな課題の発見や傾向分析を行うことができ、経営プロセスにおいて精度の高い意思決定や軌道修正が可能となります。近年ではBIを組織活動に取り入れたくても技術が足りないため、うまく活用できていないという企業も増えています。BIエンジニアはビッグデータに対応できる技術者として重宝されるため、ツールの基本操作やデータベースの知識を身に着けておく必要があります。BIコンサルタントに必要なスキル
BIコンサルタントはクライアントの支援を行うにあたり、BIの知識をはじめとしたさまざまな能力を要します。ここではBIコンサルタントに求められるスキルをご紹介します。情報技術分野の理解
まずBIをはじめとした情報技術全般の知識、理解が必要です。BIの仕組みを理解し、経営における意思決定プロセスの知識を学んでおくことで、クライアントの状況に適正なBI導入業務がスムーズに進むようになります。またクライアントに提案するデータ分析元の特徴や運用方法を把握しておき、「クライアントにとってBIツールを導入するメリットは何か?」を説明できることも大切です。コミュニケーションスキル
プロジェクトのメンバーや経営者と対等に話し合うコミュニケーションスキルが必要です。BI導入は経営層の意思決定スピードを上げることが目的なので、提案や指導をスムーズに受け入れてもらうためにも、わかりやすく話を伝えるスキルが役立ちます。またBIコンサルタントとしての信頼度を高めることでクライアントのパートナーに昇進できることもありますが、信頼関係を築くためにもコミュニケーションを円滑に図ることができる能力が必須でしょう。論理的思考力
コンサルティングを行うためには論理的な思考力が必須です。BIコンサルタントはクライアントのビッグデータから必要な情報を抽出したり、経営上の課題やクライアントの意向をもとに戦略を練ったりしますが、全て事実ベースで考えることで的確な方向性を導くことができます。さらにプロジェクトの背景にある市場やニーズもロジカルシンキングで捉えることが重要です。常に成果を出すことが求められるコンサルタント全般に求められるスキルでもあります。BIコンサルタントにおすすめの資格
BIコンサルタントのプロジェクトを遂行する際はBIやコンサルティングの知見はもちろん、統計学やITなどさまざまな分野の専門性を兼ね備えておくことで精度の高い支援をすることができるようになります。ここでは、BIコンサルタントの業務に役立つ「統計検定」と「情報処理技術者試験」についてご紹介します。統計検定
統計検定は統計に関する手法や活用力などを評価する試験で、日本統計学会が主催しています。1級から4級までの各水準ごとに試験が実施されており、グラフやデータの種類や解釈方法、実社会に適用する方法など基本的な統計知識に基づいて出題されます。BIを担当する方なら抑えておきたい知識を学ぶことができる試験といえます。情報処理技術者試験
情報処理技術者試験は経済産業省が認める国家試験で、IT分野の背景や原理、運用方法などITにまつわる幅広い分野を扱っています。データやシステムを取り扱うBI導入においても情報技術の基礎知識を活かすことができ、戦略立案の際に応用することができるでしょう。情報処理技術者として備えるべき能力や知見を証明することもできるので、信頼度を高めることにも繋がります。BIコンサルタントの年収
BIコンサルタントの年収は経験値や実績、階級によって500万円から1,000万円以上と振り幅が大きいですが、平均的には700万円前後であることが多いようです。所属するコンサルタントファーム内や企業で出世すると給与が上がります。たとえばコンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、ディレクター、パートナーといった順で階級が挙げられます。常にクライアントから成果を求められる実力主義の職種なので、若手の場合でも高度なスキルがあれば1,000万円以上の案件獲得にも繋がるでしょう。さらに年収を上げたいと考える場合は、大手企業のサポートが可能なコンサルタントファームへ転籍したり、自身に適正な専門領域を見つけたりといった方法でスキルアップを図るのもいいでしょう。専門性を高め、実績や信頼度を高めることが年収アップのカギです。BIコンサルタントの将来性
近年ではインターネットやECサイトの普及により、今後もますますデータ分析に関する技術が発展していくことが予想されます。また、今まではコンサルタントにデータ分析を依頼していた企業であっても、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進により、社内で分析、データの見える化に取り組むことも考えられます。今後はDX推進の流れにより、業務分析や適正なシステムの選定などを行ったり、最適なBIツールや基盤環境を提案し て課題解決を行う「BIコンサルタント」の需要が高まると言えるでしょう。