ビッグデータとは?基礎知識から教育分野での活用事例まで徹底解説!
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近年、教育現場でもデジタル化が急速に進み、「教育ビッグデータ」が活用されています。これは、子どもたちの学習活動から得られる様々なデータを活用して、一人一人の学びをサポートする新しい教育の形です。
従来の「一斉指導」から、それぞれの子どもの理解度や進み方に合わせた「個別最適化された学び」への転換が始まっています。今回は、ビッグデータをわかりやすく解説、さらに教育現場におけるビッグデータの利活用についてもご紹介します。
ビッグデータとは?

ビッグデータとは、従来のシステムでは処理しきれないほど膨大で多様なデータのことです。こうしたビッグデータは、私たちの日常生活の中から自然と生まれています。たとえば、以下のようなデータがその代表例です。
ビッグデータの例
- スマートフォンの位置情報
- SNSへの投稿
- オンラインショッピングの購入履歴
- 交通ICカードの利用記録
私たちの日常生活から、さまざまなデジタル情報が生まれているのがわかりますね!
これらの情報は、あまりにも多くて、人間が全部を理解するのは難しいほどです。でも、コンピューターを使えば、この大量の情報から役立つパターンや傾向を見つけることができ、分析された結果は今ではあらゆるところで活用されているのです。
AIの登場でビッグデータはどう変わった?

ビッグデータの応用をめざましく進歩させたのが人工知能(AI)の技術です。
AIは膨大なデータを高速かつ高度に分析し、人間では気づきにくいパターンや傾向を発見することができます。例えば、SNSユーザーの書き込みをAIが解析することで、単なるキーワードの集計にとどまらず、「好感」「不快感」などの感情や意図を分類し、より詳細なデータを抽出できます。

これにより、社会の動きやトレンドをミクロな視点から捉えつつ、全体像をマクロに把握することが可能になります。AIとビッグデータの組み合わせによって、「今何が起きているのか」だけでなく、その背後にある人々の感情やニーズまで理解できるようになったのです。
教育ビッグデータって何? 子どもの学びを支える新しい力
ビッグデータは、企業や政府が新しいサービスを作ったり、社会の問題を解決したりするのに役立っています。そして、このビッグデータを教育に活用しているのが「教育ビッグデータ」なのです。教育ビッグデータとは、子どもたちが学校や家庭でデジタル教材を使って学習する際に記録される、様々な学習活動の記録のことです。たとえば、問題の正答率、学習時間、つまずいた箇所、やり直しの回数など、従来では把握が難しかった細かな情報まで記録されます。
特に注目すべき点は、以下の3つです。

1. 学習の「過程」が見える
単なる成績だけでなく、どこでつまずき、どう克服したかがわかります。子どもの努力や成長のプロセスを具体的に把握できます。2. リアルタイムの把握が可能
学習中の様子をその場で確認でき、早期のサポートが可能になります。3. 客観的なデータに基づく支援
感覚や経験だけでなく、具体的な数値で学習状況を理解できます。より効果的な学習方法を見つけやすくなります。これらのデータを効果的に活用するには、学校全体でのICT環境の整備や、データの取り扱いに関する標準化が重要です。文部科学省も、全国の学校での環境整備を推進しています。
未来の教室はこう変わる!期待される教育の新しい形

では、教育ビッグデータで実際の授業や学校現場はどう変わっていくのでしょうか? 子どもたちにどのような影響を与えるのでしょうか?
教育ビッグデータの活用は、学校教育に大きな変革をもたらすことが期待されています。
個別最適化された学びの実現
- 一人一人の理解度や学習スピードに合わせた指導
- 誰もが自分のペースで確実に学べる環境の構築
教師の働き方改革
- 採点業務の自動化
- データに基づく効率的な指導計画の立案
- より質の高い個別指導の時間確保
新しい学習スタイルの確立
- オンラインと対面学習の効果的な組み合わせ
- 協働学習と個別学習の最適なバランス

教育ビッグデータとデジタル化された学習環境によって、子どもたちはより自主的に、かつ効果的に学ぶことができるようになります。同時に、教師は創造的な指導や個別支援に時間を使えるようになり、教育の質の向上が期待できると言われています。
でも、ちょっとこれだけだとわかりづらいですね。
具体的な事例をひとつ、ご紹介しましょう。
教育ビッグデータの利活用〜横浜市の事例〜


横浜市では、2024年6月から一人一台端末を活用した学習ダッシュボード「横浜 St☆dy Navi」の運用をスタートしました。約26万人の児童生徒の学習データを集積・分析し、教育内容の充実を図る取り組みです。
システムの中核となる「はまっ子デジタル学習ドリル」では、教職員全体で児童生徒の進捗状況を共有でき、校内や市内全体の学力状況も把握できます。
子ども側の視点から見ると、「はまっ子デジタル学習ドリル」の自動採点機能を活用しながら自主的に学習を進められます。進みの早い子も遅い子も、自分のペースでしっかり学ぶことができそうですね。
自身の健康状態も記録でき、データも蓄積されるので体調管理にも役立ちますし、先生に直接話しにくい心身の不調や悩みについても、このシステムを利用して伝えられるようになっているそうです。
なお、個人情報の取り扱いについては、保護法令に基づき利用目的や管理・運用を明確にし、教育上必要な範囲に限定しています。
教育のデジタル化における先進的な取り組みとして、今後の展開が注目されています。
ビッグデータと子どもの好奇心―広がる世界と狭まる世界

さて、教育ビッグデータに触れてきましたが、ふたたび「ビッグデータ」についてのお話に戻りましょう。
私たちの日常生活で、ビッグデータとAIは既に身近な存在となっています。たとえば、インターネットでの検索履歴や閲覧情報を基に、個人の興味や関心に合わせたおすすめ情報が次々と表示されます。
具体的な例を見てみましょう。「最近お疲れ気味なのよね」と感じて、疲労回復の記事を読んだり、ストレッチ動画を見たり、元気が出る食べ物を探したりすると、まるで私たちの心を読むかのように、「即効性のあるサプリメント」や「リラックスできる入浴剤」の広告が表示されるようになります。
このような仕組みは、大人にとっては便利な機能かもしれません。しかし、成長過程にある子どもたちにとって、この「興味に基づくリコメンド」には注意が必要です。
たとえば、こんな素晴らしい学びの連鎖があります。
クジラに興味を持って図鑑を見る |
↓ |
図鑑での発見から、他の海洋生物にも関心が広がる |
↓ |
水族館で実際の生き物に出会い、感動する |
↓ |
飼育員の話から、海洋生物と温暖化の関係を知る |
↓ |
そこから「地球温暖化って何だろう?」という新たな疑問が生まれる |
このように、子どもたちの「これって何だろう」「もっと知りたい」という好奇心から、自然と視野が広がっていくプロセスは、成長期において非常に重要です。
確かに、ビッグデータを活用したマーケティングは、ビジネスの観点からは効果的な手法です。しかし、それが子どもたちの情報との出会いを制限してしまうとすれば、大きな課題といえるでしょう。
私たち保護者には、子どもたちの情報世界が狭くならないよう見守る役割があります。意図的に異なる視点や新しい話題を提供し、子どもたちの意識を広げ、知的好奇心を育むサポートをしていく必要があるでしょう。
終わりに
教育ビッグデータの活用は、子どもたちの学びを大きく変えようとしています。データとAIを活用することで、一人一人の子どもの特性や学習状況をより深く理解し、適切なサポートが可能になります。
もちろん、データやテクノロジーはあくまでもツールであり、最終的に重要なのは、教師や保護者による温かい支援です。
これからの教育では、テクノロジーと人間の関わりのバランスを取りながら、子どもたちの可能性を最大限に引き出していくことが求められています。
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