転職活動の期間の目安は？スケジュールの流れやポイントを詳しく紹介

転職活動期間の平均は？

求職者の転職活動の期間は以下の通りです。

転職期間の平均は3カ月

厚生労働省が公表した『令和２年転職者実態調査の概況』によると、転職者が具体的に転職活動を始めてから、直前の勤め先を離職するまでの期間のうち、割合の多い順として次のような結果となりました。
 

• 1ヶ月～3ヶ月未満：28.8％
• 転職活動期間なし：23.6％
• 1ヶ月未満：18.3％

 
転職期間なしを含め、1ヶ月以内に転職活動を終えている人は全体の約40％にも上りました。
おおよそ2人に1人の割合でスピード転職を成し遂げている実態が伺えます。
 
一方で何らかの苦戦を強いられ、転職活動が長期化したケースも一定の割合を占めていることが分かりました。転職期間が3ヶ月以上だったと回答した人の割合は、約28％となっています。
おおよそ3.5人に1人は、転職期間が長期化したようです。
 

引用：厚生労働省『令和２年転職者実態調査の概況』
 
本調査より、転職期間は3ヶ月を目安にすることが妥当と言えるでしょう。

状況によっては転職期間が長期化するケースも

一方で現職が忙しい、年齢的に厳しいなどの理由によって、転職活動の期間は人によって大きく変動することもあります。

3カ月は1つの目安ではありますが、転職期間が6カ月・1年以上と長期化するケースも珍しくありません。
そのため転職期間を意識しすぎないことも大切です。転職期間を意識しすぎるあまりに、妥協した転職や納得感の低い転職になってしまっては本末転倒。

3ヶ月を目安にしつつ、個々の状況に合わせ目標にする転職期間を定めていきましょう。

転職期間3ヶ月を目指す転職スケジュール

続いて、転職活動の期間を3ヶ月とした場合のスケジュールをご紹介します。
特に初めて転職活動に臨む人は、次の紹介するスケジュールを参考に転職活動に取り組んでみてください。

【STEP1：約2週間】経歴＆スキルの棚卸・転職希望条件の整理

まずは自身の経歴を振り返ったり、スキルや経験の棚卸から始めてみましょう。
自身を振り返ることで、何を強みに転職活動に取り組むべきかが明確になります。
また同時に自身の市場価値についても把握できるため、転職活動の軸も定まってくるでしょう。
 
さらにその上で自身の転職希望条件を整理します。
そうすることで、希望にマッチする求人をスムーズに探すことができるでしょう。

【STEP2：約2週間】条件にマッチする求人を探し、応募する

続いて自身の希望条件にマッチする求人を探し、応募しましょう。

転職期間を長期化させないためには、複数社の選考を同時に進めることがポイント。
ただしこの時、現職の仕事の予定なども加味しながら無理のない範囲で応募していくことが大切です。
無計画に応募を重ねてしてしまうと、企業研究する時間が確保できなくなってしまったり、選考の調整が難航してしまうこともあります。
 
転職活動に割ける時間を考えながら、いくつかの企業に応募していきましょう。

【STEP3：約1ヶ月】選考に臨む

書類選考通過後は、いよいよ選考に臨むフェーズです。
ただ選考の場に足を運ぶだけではなく、企業に合わせた自己PRや企業研究など入念な準備をした上で選考に臨みましょう。
 
企業としてもマッチ度の高い人材は、何としても採用したいもの。
そのため、企業の採用意向度が高いほど選考もスムーズに進むでしょう。
 
ここで不採用が続いてしまうと、転職期間が長期化してしまう可能性が高まります。
なかなか次のステップにつながらないと感じる場合は、またSTEP１に戻り自己分析や企業の選定から見直してみましょう。

【STEP4：約1ヶ月】退職・入社準備

内定を勝ち取れた後は、退職・入社準備を行います。

ここでは内定から退職までおおよそ1ヶ月ほどの期間を設けていますが、ポジションや担う業務によってはもう少し長く引き継ぎに期間がかかることもあるでしょう。退職後も良好な関係を続けるためにも、最後まで責任を持って仕事に取り組みましょう。
 
また同時に入社準備も進めていく必要があります。
もし退職から入社まで期間が空くようであれば、転職先企業や業界について調べておくのも良いでしょう。
また必要スキルを磨いておくのも1つ。入社に向けて気持ちを高めておきましょう。

転職期間の長さに影響を与える要素

転職期間の長さに影響を与える要素は次のようなものがあります。

求人への応募方法

極力短い期間で転職活動を終えたいと考えているのであれば、求人への応募方法にも工夫が必要です。
例えば、1社ずつ結果が出るまで次の企業に応募しないような方法では、選考期間が間延びしてしまいます。現職の忙しさにもよりますが、複数の企業の求人に五月雨式に応募し、各企業の選考を平行して進めるほうが転職期間を大幅に短縮できるでしょう。

また複数社の選考を同時に進めることで、各企業の風土や条件を比較しやすくなります。
可能であれば、転職活動に取り組む時は複数社の選考を同時に進められるよう、応募方法も工夫しましょう。

企業側のスケジュール

企業側のスケジュールによって転職期間が長期化することも珍しくありません。
応募者が多い企業や繁忙期間中の企業、採用担当者が忙しい企業などは、合格していても次の面接が決まるまで期間が空くことがあります。また複数回選考ステップを設けている企業も内定が出るまで時間がかかるでしょう。

転職期間を短縮したいのであれば、「採用担当者に〇月までには転職したい」と理由を添えて伝えておくと配慮してもらえることもあるでしょう。なお、内定までの目安期間や選考回数は募集要項に記載されていることもあります。応募前に確認しておきましょう。

退職時の交渉

前職から引き留めに遭い、スムーズに退職できないケースもあるでしょう。
この場合、転職活動自体は終了しているものの、次の会社に移るまで時間を要してしまいます。なるべく早期の退職を希望するのであれば、人事部門や上長に早い時期から相談しておきましょう。

とは言え、前職を退職する際は、円満退職が理想です。
引き継ぎや挨拶もままならぬうちに退職してしまった場合、不備などにより思わぬトラブルが発生することもあります。トラブルの内容によっては、退職時期が延びてしまうこともあるでしょう。
円満に退職できるよう、退職が決まったら引き継ぎや挨拶など、スケジュール立てて退職準備を進めましょう。

転職期間を長引かせないためのコツ

ここでは、転職期間を長引かせないために意識したいポイントを紹介します。

転職支援サービスを活用する

転職活動を長期化させないポイントの1つとして、転職支援サービスを活用することが挙げられます。
転職市場が活性化する昨今において、キャリアカウンセリング・転職サイト・転職エージェントなど、求職者の転職活動を支援するあらゆるサービスが提供されています。
 
転職活動と一口に言っても、取り組まなければならないことは多岐に渡ります。
全てを自分で対応するとなると、無理が生じてしまう場合もあるでしょう。また転職についての悩みを相談できる相手を見つけておくことも、転職活動をスムーズに進める上で大切なこと。
 
転職支援サービスから受けられる支援内容は、様々です。
自分に合ったサービスを活用することで、最短距離で転職を成功させられるでしょう。

転職の目的を明確にしておく

また転職の目的を明確にしておくことも大切です。
 
転職の目的がしっかりと定まっていないと、活動軸にブレが生じてしまいます。
手あたり次第な活動になってしまう懸念も考えられます。
結果的に「採用担当者に入社意欲が伝わらない」「自分に合わない求人に応募してしまう」なんて事態も起こり得るでしょう。
 
転職期間が長期化しそうであれば、再度転職の目的を見直し、転職軸を定め直しましょう。

自身の市場価値を把握しておく

転職活動において、意外にも自身の市場価値を正確に把握できている人は少ないもの。
多くの人は自身の価値を市場価値より高く見積もっているとも言われています。
 
転職活動においてアピールすべき点は、過去の成果・実績ではありません。
企業からは「入社後どのような成果を創出できるか」が注目される旨を理解しましょう。
そして企業が期待する成果を創出できるスキルを持っているかが応募すべきか否かの分かれ目となります。
 
求人情報の多くは、入社後に担ってもらう業務・期待する成果・働きぶりが記載されています。これらの情報と、自身の持つスキルをすり合わせながら応募する企業を選びましょう。
 
また自身の市場価値を把握する方法としてスカウト型転職サイトに登録するのも1つです。スカウトを送付してくれる企業やスカウトに掲載された案件情報を基に、自身の市場価値を客観的に把握できるでしょう。

転職期間を短く！転職活動開始におすすめのタイミング

ここでは、転職期間の短縮化を叶える転職活動開始におすすめのタイミングを紹介します。

25歳以下は「4月入社」に照準を合わせよう

25歳以下の求職者は、4月入社に照準を合わせることをおすすめします。
その理由は、4月に入社すると、新卒社員と同じ研修を受けられることが多いため、改めてしっかり研修を受けた後に入社できるメリットがあります。また4月は、新しいメンバーを受け入れる環境や体制が整っているため、入社日から慌ただしく新しい業務・環境に馴染まなければならない状況も起こりにくいでしょう。

このように手厚い研修を受けられたり、受け入れ態勢が整った状態で入社できるため、25歳以下は4月入社に照準を合わせ1月頃から転職活動をスタートしましょう。

求人が増えるのは2・3月、8・9月

1年間のうち、求人が増えるのは、多くの企業が新年度に向けて人員確保に動き出す2・3月、もしくは中間期や上半期に入る前の8月・9月頃。
求人数が多い時期に転職活動をスタートすることで、より多くの求人情報に触れることができるでしょう。
またこの時期は、企業も事業計画に則り人員を増やそうと採用活動への意欲も高まる時期。とんとん拍子に内定まで選考が進むこともあるでしょう。

ただし、求人数が増える時期はライバルとなる求職者の数も増える時期です。
応募しようか迷っている間に募集が締め切られてしまうこともあるため、気になる求人を見つけたら早めに応募するようにしましょう。

転職活動に必要な転職期間 まとめ

転職活動に必要な転職期間は、年齢や職種によって必要となる期間は多少前後しましが、一般的に3ヶ月が目安と言われています。
 
転職に臨む前には、自身の年齢や転職を希望する業界を踏まえ、目標とする転職期間を定めましょう。
ゴールから逆算し転職スケジュールを組み立てていくことで、転職期間を長期化させないスムーズな転職活動を実現できるでしょう。