しかし実際には、働きながらでも転職を成功させている人もいらっしゃいます。
転職は今後の人生を左右する大きな決断。
転職活動に取り組むであれば、どのような状況下であっても納得できる結果にしたいもの。
そこで今回は働きながら転職活動に取り組む場合のメリット・デメリットや成功の方法をお伝えします。
転職活動は働きながらする?辞めてからする?
働きながら転職活動に取り組む場合も、辞職してから活動に取り組む場合も、それぞれメリット・デメリットがあります。「どちらかが正解である」ということはなく、転職の目的やどのように転職活動に取り組みたいのかによって選択すべき取り組み方は異なります。
株式会社ビズヒッツが転職経験のある男女500人を対象に行った「転職活動に関する意識調査」によると、「あなたは働きながら転職活動をしましたか?辞めてから転職活動をしましたか?」という問いに対しては、次の結果となりました。
- 働きながら転職活動をした:51.4%
- 辞めてから転職活動をした:48.6%
また「自分の経験上、働きながら転職活動したほうがいいと思うか、辞めてから転職した方がいいと思うか?」という問いに対しては、次のような結果となりました。
- 働きながら:74.2%
- 辞めてから:25.8%
経験を踏まえて上で「働きながら転職活動をしたほうが良い」と回答した人は、7割以上を占める結果となりました。
実際に転職活動に取り組む際は、働きながらと辞めてからが半数ずつではあるものの、実体験を踏まえた後で振り返ると、多くの人が「働きながら転職活動をしたほうが良い」と感じたようです。
働きながら転職活動に取り組むメリット
では具体的に、働きながら転職活動を進めるメリットをご紹介します。安定した収入を確保できる
働きながら転職活動に取り組むメリットとして、安定した収入を確保できる点が挙げられます。早く転職したいが故に、無計画に仕事を辞めてしまうと、無収入期間が生じることになります。
無収入期間が長引くほどに貯金を切り崩して生活しなければならなくなり、生活費や転職活動費への懸念や不安も大きくなってくるでしょう。
目先の収入確保が目的になってしまい、焦って転職先を決めてしまうことにもなりかねません。
その点、働きながら転職活動を行う場合は、次の仕事が決まるまでの間も安定した収入が続くため、経済的な不安を感じることは少ないでしょう。
転職活動を中止することができる
辞職をしてしまうと転職活動が思うように進まない場合でも、「今の会社にとどまる」という選択肢が取れなくなってしまいます。一方で働きながら転職活動に取り組む場合、「希望にマッチする転職先が見つからない」「市場価値を高めてやり直したい」などの事態に陥った時、転職活動を中止するという選択を取ることができます。
改めて環境や状態が整ったベストなタイミングで転職活動を再開できるため、より理想に合う転職先が見つかるでしょう。
ブランクを作らず転職できる
働きながら転職活動に臨む場合、退職後すぐに新しい企業に転職できるため、経歴にブランクができません。ブランクを作ってしまうと、ブランク期間ができた理由とブランク期間中に何をしていたのか、理由や期間中の様子を問われることもあるでしょう。
転職活動に集中するために退職したとしても、後先考えずに退職したのではないかと思われるケースもあります。
特にキャリアアップを目的に転職活動を始める場合、ブランクはマイナス要因とみなされる可能性があります。
転職活動を有利に進めるためには、働きながら転職活動に取り組みブランクを作らないことを意識しましょう。
働きながら転職活動に取り組むデメリット
反対に働きながら転職活動に取り組む場合、デメリットに感じる面もあります。転職活動に時間を割きにくい
働きながら転職活動に取り組む場合、辞めてから転職活動を進める場合と比較して、活動に費やせる時間が限られてしまいます。転職活動は、応募から内定まで非常に多くの工数がかかります。
思うように時間を割けず、応募企業の選定ができない・企業や業界の情報収集や研究が不十分・面接対策に時間が取れない、などの課題が出てくることもあるでしょう。
情報や対策が十分でないが故に、ミスマッチ企業にエントリーしてしまう、選考が思うように進まない懸念も考えられます。
退職から入社までの手続き・引き継ぎが発生する
無事に応募企業から内定を勝ち得た後は、前職から転職先の企業にスムーズに移行できるよう手続きや日程調整を進めなければなりません。働きながら転職活動に取り組む場合、退職に向けて様々な手続きや引き継ぎを行う必要があります。
場合によっては、転職先の企業が希望する入社時期に合わせられないこともあるでしょう。
また前職から転職先の企業に移行する際は、数日から数週間の期間を要します。
そのため、即日入社を歓迎する求人の場合、すぐに入社できる応募者が選考で優遇される可能性も考えられます。
面接できる日程が限られてしまう
働きながら転職活動に取り組むとなると、面接や選考を組める日程も限られてしまいます。思うように面接のスケジュールを組むことが出来ず、選考期間が長引いてしまうこともあるでしょう。
他の候補者が先に選考を終えてしまった場合、内定の席が埋まってしまうことも起こり得ます。
また仕事の都合で面接日程の変更を余儀なくされるケースもあるでしょう。
働きながら転職活動に取り組む際は、事前に面接や選考を組める日程が限られてしまう旨を伝えておきましょう。
働きながら転職活動を成功させる方法
続けて働きながらの転職活動を成功させる方法をお伝えします。本項目で紹介する方法を意識して、転職活動に取り組んでみてください。
転職エージェントを活用する
働きながら転職活動に取り組む際は、ぜひ転職エージェントの利用を検討しましょう。転職エージェントでは、登録すると1人ひとりにキャリアアドバイザーが付き、転職活動の支援を受けられます。
キャリアアドバイザーとのヒアリングの内容を基に、応募企業を選定してくれます。
また履歴書の添削やエントリー先の企業の特性を捉えた面接対策も行ってくれるため、選考通過率が高まり効率的に活動を推進できるでしょう。
さらに転職エージェントでは、面接時に聞けなかった質問や待遇の交渉なども代行してくれます。
働きながら転職活動に取り組む人にとって心強いパートナーとなるでしょう。
ゴールから逆算したスケジュールを立てる
働きながらの転職活動は、だらだらと活動が続いてしまうケースもあります。そのため、「いつまでに転職先を決める」とゴールを定め、ゴールから逆算しながらスケジュールを組み立てていきましょう。
スケジュールを組む際は、現実的かつ余裕を持たせることがポイントです。
タイト過ぎたり、無理・無茶なスケジュールを組んでしまうと、焦りや挫折に繋がってしまいます。
毎日どのくらい転職活動に時間を割けるかを考え、無理のない転職活動計画を立てるようにしましょう。
有給休暇を活用する
働きながらの転職活動を成功させるためには、有給休暇の使い方も1つのポイントになります。面接や選考日に有給を充てる、退職手続きや引き継ぎに向けて有給休暇を確保しておくのも良いでしょう。
有給休暇を有効に活用するためにも、転職活動に取り組む際は有給休暇の残数を確認しておくと安心です。
まとめ
働きながらの転職活動は、決して簡単なことではありません。しかし、転職まで収入が途絶えない点やブランクを作りにくい点などのメリットがあり、実際に転職を経験した人からも「働きながら転職活動したほうが良い」という声が多く挙がっています。
働きながら転職活動に臨みたいと考えている人は、まずデメリット面をしっかり理解しましょう。
そして本記事で紹介した『働きながら転職活動を成功させる方法』を意識しながら、活動に取り組んでみてください。
忙しい中でもポイントを抑えて転職活動に取り組むことで、きっと納得できる成果を得ることができるでしょう。