転職活動時に貯金はいくら必要?転職活動に向けた資金準備の基本

転職活動時に貯金はいくら必要?転職活動に向けた資金準備の基本
転職活動に臨む際、すぐに次の転職先が決まれば良いですが、なかなか内定が得られず転職活動が長期化してしまうことも珍しくありません。
先に仕事を辞めてしまった場合、無収入期間が長引いてしまい貯金を切り崩す必要が出てくることもあるでしょう。
また転職活動にはスーツ代や遠征費など、何かとお金がかかるもの。
 
そこで今回は、転職活動にかかる費用や転職活動に向けて備えておきたい貯金額についてお伝えします。

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転職活動にかかるお金

まずは、転職活動そのものにどれくらいのお金がかかるのかデータを用いて紹介します。
株式会社リクナビが運営するリクナビNEXが行った『転職に関するアンケート』によると、転職活動にかかる費用の合計金額の割合は次の通りです。
 
転職活動にかかる費用の合計金額のグラフ
引用:リクナビNEXT『転職に関するアンケート』
 
転職活動を行った人のうち、約70%が10万円未満と答えています。転職活動の費用を考えるときは、「10万円」が1つの目安です。

転職活動向けて備えておきたい貯金額

ここでは、転職活動に向けて備えておきたい貯金額を解説します。
事前に準備をしておきたい貯金額は、仕事を続けながら転職活動に取り組むか、仕事を辞めてから転職活動に取り組むかによって異なります。

仕事を続けながら転職活動に取り組む場合の貯金額

仕事を続ける場合、安定的な収入は確保されています。貯金額についてはあまり心配する必要はありません。仕事を続けながら転職活動に取り組む場合の貯金額や費用の考え方についてご紹介します。

貯金額は「10万円未満」という人が多数

以下は、働きながら転職活動を行った人を対象に「転職活動の為に必要だと思う貯金(資金)について」アンケートを行った結果です。

出典:転職時に貯金はいくら必要?転職にまつわるお金の話|株式会社リクナビ
 
転職活動に必要な貯金について、「10万円未満」が40.9%で最も多い結果となりました。

在職中であれば、安定した収入減が確保されています。転職活動による出費が重なったとしても、リカバリーは十分に可能です。貯金に手を付けなくても転職活動を続けることは難しくなく、比較的低い金額となったと推察できます。 

遠方での転職活動は交通費に注意 

出典:転職時に貯金はいくら必要?転職にまつわるお金の話|株式会社リクナビ

リクナビNEXTのアンケート調査によると、遠方で転職活動をした人(Iターン・Uターン)が使った交通費・通信費は、「10万円未満」が40.9%でトップです。次いで「10~30万円未満」が25%、「30~60万円未満」が18.2%となっています。

居住地から離れた場所で転職活動を行う場合は、転職活動費に占める交通費の割合が大きくなる傾向が顕著です。
 
Uターン・Iターンでかかる費用は、現地までの距離によってさまざま。県をまたいだり飛行機や新幹線を使ったりするような転職活動になると、50万円以上のコストがかかることも少なくありません。

交通費・宿泊費などの見通しをしっかりと立て、予算を組むことが必要です。

仕事を辞めてから転職活動に取り組む場合の貯金額

仕事を辞めてから転職活動に取り組む場合は、転職活動費に加え生活費が必要です。貯金ゼロで仕事を辞めてしまうと、後悔することになるかもしれません。

仕事を辞めてから転職活動に取り組む場合に必要な貯金額の目安を見ていきましょう。

生活費の確保が必要

仕事を辞めてから転職活動に取り組む場合は、次の支出を想定しておく必要があります。
 
  • 生活費
  • 国民年金保険料
  • 国民保険料
  • 介護保険料(40歳以降)
  • 配偶者の保険料(60歳以下の配偶者がいる場合)
  • 住民税
保険料・生活費・税金は年齢や前職の収入などによって変動します。まずは自分が1ヶ月あたりどれぐらい支出をしているのか計算してみましょう。
 
世帯主年齢別生活費
引用:公益財団法人 生命保険文化センター

 上記は、世帯主の年代別にみた2人以上の勤労者世帯の消費支出データです。
20代の1ヶ月あたりの支出合計額は、24.16万円。また30代の場合は、27.41万円です。これらの金額を目安に、必要な生活費を想定してください。

雇用保険はすぐに給付されないことに注意

仕事を辞めてから転職活動に取り組む人は、雇用保険加入者に給付される「失業給付金」をアテにしているかもしれません。
 
しかし自己都合による退職の場合、失業給付金が給付されるのは待機期間(7日間)の翌日から3カ月後です。仕事を辞めてから転職活動に臨む場合、3カ月は無収入で暮らせるだけの貯金が必要となります。

1カ月あたりの生活費と転職活動費をあわせ、確保しておくべき貯金額を割り出してみてください。
 
ちなみに失業給付金の給付期間は、離職日の翌日から1年間です。期間内に必ず転職先が見つかるよう、計画的に転職活動を進めましょう。
 
参考:離職されたみなさまへ|厚生労働省

転職活動にかかるお金の内訳

転職活動にかかるお金はさまざまありますが、「交通費」「衣類代」「事務用品・証明写真代」は外すことができません。

転職活動にかかる費用について詳しく見ていきましょう。 

交通費

応募企業が徒歩圏内でない限り、転職活動では交通費が必要です。費用は交通手段によって異なりますが、遠方の場合は大きな出費を覚悟しなければなりません。
 
遠方で複数の企業に応募する場合は、日程を近くにまとめてホテルを取り、集中的に転職活動に取り組みましょう。宿泊費はかかりますが、遠距離を何度も往復するよりは経済的です。 

ビジネススーツ代

着古したスーツは型崩れしていたり生地がくたびれていたりするケースが多く、だらしなく見える恐れがあります。転職の採用面接では、見た目の印象も非常に重要。転職活動を始めるにあたり、多くの人がビジネススーツを新調しているようです。
 
ビジネススーツはピンからキリまでありますが、それなりの品質のものを購入しようと思えば5万円以上、小物類もそろえれば10万円程度は見ておく必要があります。
 
貯金が少ない人には痛い出費となりますが、ビジネススーツは転職後も着用が可能です。先行投資と考えれば、無駄な買い物ではありません。
 
なおリクルートスーツは学生用のスーツであるため、ビジネススーツの代替品とはなりません。リクルートスーツしかない……という人は、早急にビジネススーツを準備してください。 

事務用品代や証明写真代など

求人に応募するためには、筆記具や履歴書・職務経歴書・送付用の封筒・切手などが必要です。事務用品代や送料は大きな金額ではありませんが、転職活動が長引くとじわじわと負担が大きくなります。

また履歴書には、顔写真を添付するのがマスト。証明写真専用機械なら、800円程度から1,000円程度が必要となります。

より好印象な証明写真を望むなら、プロのカメラマンに撮影を依頼しましょう。画像補正まで丁寧に行ってもらえるため、ナチュラルに盛れた写真が完成します。写真スタジオで証明写真を撮影した場合は、2,000円から10,000円程度が相場です。

貯金がなくても転職活動を開始する方法

「貯金はないけれど、今すぐ転職したい」そんな人も多いのではないでしょうか。
本項目では、貯金がなくても転職活動を開始する方法を紹介します。

綿密な転職スケジュールを立てる

転職活動が長引くほど、交通費や事務用品代などの出費が増えます。計画的に転職活動を進めることは、転職活動費のコストカットに有益です。
 
加えて転職活動スケジュールをきちんと立てておけば、出費のタイミングも把握しやすくなります。まとまったお金が必要なときも早めに準備でき、貯金がなくてもコスト面の負担を軽減することが可能です。
 
例えば転職活動にかかる期間を3カ月とした場合、以下のようなスケジュールを組むと効率のよい転職活動となります。
 
  • 1週目:求人サイトへの登録・転職情報収集
  • 2週間目~4週間目:履歴書・職務経歴書の作成、企業研究、自己分析、志望動機の明確化
  • 3週目:~8週目:面接対策・面接
  • 9週目~12週目:内定獲得・退社・入社準備
 
現職を退職する場合、1カ月前までに離職の意志を伝えるのがマナーです。転職先の企業から内定を受けたら、早めに直属の上司に転職する旨を伝えましょう。 

在職中に転職活動に取り組む

先述の通り、在職中に転職活動に取り組む場合、最低限の収入が保障されています。

現職が忙しい人の場合、なかなか転職活動が進まないこともあるかもしれません。しかしお金の心配をするような事態は避けられるでしょう。
最低限必要な資金さえ準備できれば、転職活動を開始できます。
参考:働きながら転職活動

ボーナス・退職金を受け取ってから退職する

ボーナスや退職金の支給が見込める場合は、退職金・ボーナスを受け取ってから退職するのも1つです。
 
実際に“ボーナス後転職”という言葉があるぐらい、ボーナスを受け取った後に退職する人は多くいます。ただしボーナスを受け取った後に退職を考えている場合は、辞表を出すタイミングには留意しましょう。辞表を出すタイミングによっては、ボーナス査定の対象外になってしまうこともあります。
 
また想定よりも退職金が少ない場合、生活費の切り詰めを余儀なくされたり、転職活動にも焦りが生じてしまいます。退職金をアテにしている人は、「思った以上に退職金が少ない」とならないよう、注意が必要です。

副業・短期バイトに取り組む

転職活動の支障にならない程度に、副業や短期バイトで一時的な収入を得る方法もあります
 
ただし、収入額や労働時間によっては、失業保険の給付が停止もしくは減額になってしまうことも。
さらに転職活動に費やせる時間も少なくなってしまいます。
 
副業や短期バイトに取り組む場合は、転職活動と手元資金とのバランスを鑑みることが大切です。

転職する・しないにかかわらず貯金は必須!

転職する・しないにかかわらず、自身の暮らしを守るための貯金は必要です。転職活動を始めるにあたり貯金がネックになっている人は、社会人の貯蓄事情を知ると貯金の重要性が分かります。

社会人の平均貯蓄額や、年代別の平均をご紹介します。

【年代別】毎月の平均貯蓄額

出典:貯蓄額の平均は?20代・30代・40代・50代・60代の年代別に解説!|役立つデータ公開中!|住友生命保険
 
上記は、住友生命(住友生命保険相互会社)が公表している、単身世帯の貯蓄額平均と貯蓄割合です。貯蓄割合は20代が最も高く、20%。次いで30代の16%となっています。
 
20代の単身者は月あたりの手取り収入が少ないため、貯蓄割合が高くなる傾向です。毎月の貯金額そのものは約3.7万円で、飛び抜けて多いわけではありません。
 
貯金がなくて転職活動に踏み出せない20代は、ひとまず約3.7万円を目安に貯金を始めてみましょう。

【年代別】貯蓄残高の平均

出典:貯蓄額の平均は?20代・30代・40代・50代・60代の年代別に解説!|役立つデータ公開中!|住友生命保険
 
上記の図は、単身世帯の貯蓄残高の平均を年代別・年収別に分類したものです。20代の平均貯蓄残高は500万円に達していませんが、年代が上がるにつれて貯蓄残高が増えていることが分かります。
 
これはすなわち、多くの人が若いうちからコツコツと貯蓄を行い、資産形成に励んでいるということ。老後資金が足りなくなるといわれる現代、将来に備えて貯蓄することは必須です。

失職したら「生活防衛費」が頼りになる

生活防衛費とは、緊急用のお金です。もしものときにすぐ使えるよう、株式や債券ではなく現金で保有しておく必要があります。
 
現在転職しようかと迷っている人も、いきなり失職してしまうリスクはゼロではありません。突然収入が断たれたときに路頭に迷わないよう、自分自身を守るお金が必要です。
 
生活防衛費は「月あたりの生活費×3~6カ月」が一般的。焦って転職活動を行う必要がない人は、「月あたりの生活費×3~6カ月」分の貯金が貯まってから動き出してもよいかもしれません。

おすすめの転職エージェント

スムーズな転職活動を目指す人は、転職エージェントへの登録がおすすめです。転職支援実績豊富なキャリアアドバイザーの転職サポートを受けることにより、転職活動の効率アップやスピードアップ・内定獲得率のアップを実現できます。

ここからは、貯金を減らさずにスピーディーな転職を実現できる、おすすめの転職エージェントをご紹介します。

マイナビAGENT


マイナビAGENTは、業界大手株式会社マイナビが運営する転職エージェントです。
数ある転職エージェントの中でも手厚い支援に定評があり、オリコン顧客満足度調査では、2年連続で満足度総合NO,1に選ばれた実績を誇ります。
また、取り扱い案件は、非公開求人を含め約8万件と豊富な数を誇ります。そのため、希望にマッチする案件がきっとみつかるでしょう。

他にもマイナビAGENTには、グループサービスに業界・職種に特化したエージェントサービスも展開しています。
グループサービスでは、各業界・職種に精通した専任のキャリアアドバイザーが転職を支援してくれるため、業界や職種を絞っている人はグループサービスの利用を検討してみるのも良いでしょう。
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doda


dodaは、さまざまな人材サービスを手掛けるパーソルキャリア株式会社が提供する転職エージェントです。
業界の中でもトップクラスの求人数を誇るだけではなく、非公開求人も豊富。そのため、豊富な選択肢の中から希望にマッチする求人を選べるでしょう。

また、dodaは、転職エージェントと同一アカウントで転職サイトとして利用することも可能です。
さらにスカウトを受け取れるように設定しておくと、企業の担当者からスカウトを受け取ることもできます

大手サービスだからこその充実した機能が魅力であるため、転職が初めての人はまず登録しておきたいサービスと言えるでしょう。
dodaはこちら

Re就活エージェント


Re就活エージェントは、既卒や第二新卒、フリーターなど、20代の転職支援に特化した転職エージェントです。

運営会社は、学生の就活支援を提供する株式会社学情です。人材サービスの中でも若年層の就職・転職支援に特化しているため、若手の転職支援に関するノウハウは業界随一
もちろん、未経験業界や職種への転職支援にも精通しているため、未経験の領域に挑戦したい人やキャリアチェンジを希望する人にもおすすめです。

なお、在籍するキャリアアドバイザーは、8割ほどが既卒就職した人や第二新卒転職経験者。20代であれば、同じ視点に立った手厚いサポートも期待できるでしょう。
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転職活動に必要な貯金額 まとめ

転職活動に必要な貯金額は、仕事を続けながら転職活動に取り組むか、仕事を辞めてから転職活動に取り組むかで異なります。
 
仕事を続けながら転職活動に取り組む場合は、転職準備に必要な金額を試算しましょう。
資格取得を目指す場合やスキルアップのためにスクールに通う場合は、必要資金が高額になりがちです。予め必要資金を試算した上で、計画的に資金準備を行いましょう。
 
仕事を辞めてから転職活動に取り組む場合は、最低でも生活費3ヶ月分の貯金が必要です。さらに面接準備のための資金や万が一のケガや事故への備えなども加味した上で貯金額を決めましょう。
 
余裕のある転職活動にするためにも、十分な額の貯金は必須と言えます。
資金不足により焦りが生じ、“思い描く転職を実現できなかった”となってしまっては本末転倒です。
 
納得できる転職活動にするためにも、計画的に貯金・資金準備をした上で転職活動に臨みましょう。

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