今回は、最新の野生生物保護サービスの特徴や選び方を解説します。
ドローンによる野生生物保護サービスに興味がある方や導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ドローン野生生物保護サービスとは?
ドローン野生生物保護サービスとは、ドローンを使用して野生生物の保護活動を支援するサービスのことです。生物学者や野生生物保護に携わる人々にとって、野生生物の種の維持や生息地の保護、生態系の回復のためのデータを収集する上でドローンは必要不可欠です。
ドローンを使うことで動物の生息環境を脅かさずに調査や保護活動ができます。また、密猟者から野生生物を守るためにドローンが使われることもあります。
ドローン野生生物保護サービスでできること
ドローン野生生物保護サービスを使用することにより、群れの大きさや実際の頭数を効率的かつ正確に測定することができます。従来は捕獲再捕獲法という、群れの中の一部の個体を捕獲しタグなどのマークをつけて放し、再度捕獲した際にマークの有無を調べることで統計学的に群れの数を推測していました。そのため、今までは正確な数は誰にもわからなかったのですが、ドローンを使い上空から監視することで、野生動物にストレスをかけることなく時間と労力も大幅に削減した調査が可能になりました。
また、野生生物の中には絶滅危惧種や珍しい生き物もおり、これらを狙う密猟者から動物を守ることもできます。赤外線カメラがついたドローンを使用することで、茂みの中や車両、不審な動きをする人物を検出し、密猟者から野生生物を守るという重要な役割も担っています。
ドローン野生生物保護サービスの選び方
ドローン野生生物保護サービスの選び方について、世界100カ国以上で活動している環境保全団体の世界自然保護基金(WWF)がガイドラインを作成しています。1つ目は、保護対象の野生生物に合った適切なドローンを使用することです。
視覚や聴覚が敏感な生物にとって、ドローンから発する光や音がストレスの原因になってしまうことがあります。それぞれの野生生物の特性に合ったドローンを選択することが必要です。
2つ目は、ドローンの発着は野生生物から離れた場所で行うことです。
こちらも1つ目と似ていますが、野生生物の近くに人間が行きドローンを飛ばすことで普段と異なる環境に慣れずストレスを感じパニックを起こしたり、想定外の行動を起こしてしまう可能性があります。
そのため、ドローンは野生生物が近くにいないことを確認した上で発着し、野生生物への負荷を減らすことが必要です。
ドローンを利用した野生生物保護サービスを選ぶ際は、世界自然保護基金(WWF)のガイドラインの上記二点を満たしているかを確認することをおすすめします。
また、サービスによって金額の幅も異なるため、事前に予算を立てておくことも大切です。補助金が使えることもあるので、現在どのような補助金があるのか調べておきましょう。
ドローン野生生物保護サービスのメリット
ドローン野生生物保護サービスには多くのメリットがありますが、効率的なデータの収集により時間とコストを大幅に削減できるのは大きなメリットと言えるでしょう。DJI Enterpriseが発信している情報によると、これまでは6日間かかった調査がドローンを使用することにより1日で完了したというデータがあります。
また、人の足だけでは広範囲且つ高低差がある場所の調査は難しいですが、ドローンを使用することで容易になります。人の気配があると警戒してしまう野生生物の調査にも向いています。
ドローン野生生物保護サービス
ここではおすすめのドローン野生生物保護サービスを3つご紹介します。それぞれサービス内容や特徴が異なりますので、ご自身のニーズに合ったサービスがあれば公式HPをチェックしてみてください。
生態調査関連業務 ドローン フライト代行(受託)(中部精機株式会社)
出典:中部精機株式会社中部精機株式会社では、ドローンで撮影した赤外線画像を解析することにより野生生物の生息域や生体調査を行なっています。
ドローンというと上空から撮影するものを想像しますが、中部精機株式会社では水中ドローンを用いた水中生物の生体調査も担っているため生体調査の幅が広がります。
ドローンを活用した自然環境関連サービス(株式会社地域環境計画)
出典:株式会社地域環境計画株式会社地域環境計画では、ドローンに赤外線カメラや360°カメラなど様々なカメラを搭載することで普段は見えなかった夜間に出没する野生生物や河川内の水温差など、自然の見える化を図っています。
生体調査はもちろんですが、生物の多様性を管理・守るためのサービスにも力を入れています。
農業(ミラテクドローン)
出典:株式会社ミラテクドローン株式会社ミラテクドローンでは、センサーやズームカメラ、赤外線カメラなどさまざまな機能を持ったドローンを揃えているのが魅力です。
ドローンによる農作物の生育や病害虫の可視化や、肥料の散布などを行うことで、農業現場における省力化に貢献しています。
補助金を利用してドローンビジネスを始める際の申請業務も支援してくれます。
まとめ
ドローン野生生物保護サービスによって、時間とコストの節約、何よりも野生生物に対して優しい方法で生体調査や保護が行われています。また、絶滅危惧種や珍しい生き物を保護することにもドローンは重要な役割を果たしています。ドローン技術の進化に伴い、これらのドローン野生生物保護サービスは今後もさらに重要性を増し、大きな責任を担っていくでしょう。
「こういうことはできるのかな?」と興味が湧いた方は、是非色々なサービスをチェックしてみてくださいね。