データ解析サービスの比較4選。特徴や料金は？｜コエテコドローンナビ

データ解析サービスとは？

ドローンデータ解析サービスは、ドローンによって収集された膨大なデータから価値ある情報を抽出し、ビジネスの意思決定や業務効率化を支援するサービスです。ドローンのセンサーや撮影画像、統計学、機械学習などの技術を駆使してデータから有意義な洞察を見つけ出します。

近年、ドローン技術が目覚ましい発展を遂げ、結果として私たちが得られるデータの総量は指数関数的に増えました。そして、そのビッグデータをビジネスに活かして、地形分析、農業監視、建設現場の監査などを行おうというのがドローンを使ったデータ解析の発想です。

特にここ数年では法整備が進み、データ解析のニーズが日に日に高まっています。2022年12月5日からは無人航空機の操縦ライセンス制度が開始となり、有人地帯での目視外飛行も認められるようになりました（一等資格に限る）。これによりビジネスシーンにおいて、ドローン×データの活用が現在進行形で進んでいます。

データ解析サービスでできること

データ解析サービスと一口に言っても、目的や種類は多岐にわたります。例えば、以下のようなデータが各企業で活用されています。

センサーデータ：気温、湿度、動きなど、物理的な環境を記録するデータ
画像データ：ドローンや衛星が撮影した写真やビデオなど、視覚情報を含むデータ
テキストデータ：SNSの投稿、レビュー、報告書など文字情報を含むデータ

例えば、農業を例にとってみましょう。データをフル活用する農業ビジネスは「スマート農業」とも呼ばれます。スマート農業では、気候、土壌の状態、作物の成長状況などのデータをリアルタイムで収集し、それらを分析することで農作物の栽培方法を最適化します。また、ドローンを用いて作物の成長や病害の有無を監視する取り組みも見られます。

別の例として、都市計画や建設分野でもドローンデータ解析が広く活用されています。たとえば建設現場では、ドローンによる定期的な空中撮影をすることで、プロジェクトの進捗状況をリアルタイムに確認できます。また、ドローンは難しい地形やアクセスが困難なエリアでもデータを収集できるため、短時間かつ容易に地形の3Dモデルを構築でき、三次元測量にも適しています。

このようにドローンデータ解析サービスは、幅広い領域での応用が可能であり、それぞれの分野における課題解決や業務効率化に貢献しています。

データ解析サービスの費用

ドローンを利用したデータ解析サービスの費用は、サービスの種類やデータ量、分析の複雑さなどによって異なります。小規模な空撮データの基本分析であれば数十万～数百万円、広範囲にわたる空撮データ取得、高度なアルゴリズムを使用した解析の場合は千万円を超えるケースもあります。

いずれにしてもデータ解析サービスの目的やプロセスは、企業ごとに違うため一概にはいえません。そのため費用を知りたい場合には、自社の課題解決につながりそうなサービスを探し、提供会社に直接問い合わせをするのがいいでしょう。

データ解析サービスの選び方

データ解析のゴールを一言で表すとするならば、「データの解析結果をもとに成長につながる意思決定を行う」ということです。そのため、ドローンデータ解析サービスを選定する前に行うべきは、目的の明確化です。なぜデータ解析を実施する必要があるのか、ドローンのデータ解析を通じて何を実現したいのかをはっきりさせることから始めましょう。

また、ドローンデータ解析のプロセスは特定の部署だけで完結せず、部門横断的な業務になるケースがほとんどです。関係各所の調整、予算策定、解析したいデータの洗い出しなどについても、データ解析サービスを検討・導入する前に実施しておきたいところです。

その上で、自社のビジネス環境に即したサービスを検討していきます。サービス内容や費用、システム・ツールの使いやすさ、サポート体制、サービス会社の実績などを総合的に判断します。さらに、スモールスタートで取り組めるサービスを選ぶことも大切です。たとえ小さくとも確実にPDCAプロセスをまわしながら、トライアルから本格導入までを協働で進めてくれる会社を選ぶといいでしょう。

おすすめのデータ解析サービス

データ解析サービスは自社の規模や業種、具体的な要件に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。ここではドローンを活用したデータ解析サービスを4つ紹介します。

株式会社GEOソリューションズ

出典：株式会社GEOソリューションズ

株式会社GEOソリューションズでは、以下のような事業を展開しています。​地理情報のエキスパートだからこそ、多角的な視点から情報を集めたり、分析に役立てたりすることが可能です。

• 空中写真測量
• 地図データ作成
• 現地測量
• レーザー解析

空中写真測量や地図データの作成、現地測量などにより、解析に必要なデータを作成。レーザー解析も行っており、3次元点群データから精密な地形図、断面図、地形モデルを作成しています。

圃場管理サービスAgri Field Manager（株式会社オプティム）

出典：株式会社オプティム

株式会社オプティムでは、ドローンを活用したデータ解析サービスを提供しています。そのひとつ「Agri Field Manager」は、ドローンで撮影した画像データと気象データ（気温、湿度、日射量など）を組み合わせて圃場を管理するサービスです。データ解析を通じて、病害虫判定、リスク診断、雑草検知、農薬散布を効率的かつ適切に実施できます。

取得したデータの分析・解析（株式会社JDRONE）

出典：株式会社JDRONE

株式会社JDRONEは、無人航空機による調査・解析・実験などのソリューションを提供する企業です。ドローン（回転翼機）だけでなく、無人ヘリや固定翼機なども保有しており、それらの機器を使って幅広い用途のデータ収集が可能です。高解像度の空撮や3Dマッピング、地形分析、環境モニタリングなどサービス提供領域も多岐にわたります。1989年から30年にわたり電子回路設計開発やドローン機体開発に取り組んでおり、自治体や研究機関との連携実績も豊富です。

ドローンとAIを活用した太陽光パネル点検サービス（NECネッツエスアイ株式会社）

出典：NECネッツエスアイ株式会社

NECネッツエスアイ株式会社は、ドローンとAI技術を活用した太陽光パネルの点検サービスを提供しています。人が行う撮影・目視・レポート作成を自動化でき、作業にかかる費用や時間を大幅に削減できます。さらに、情報セキュリティやインフラ整備、教育機関向けのデータ解析サービスなども幅広く行っています。

まとめ

ドローンを使ったデータ解析は、少子高齢化や人手不足を背景に近年ますます注目を集めています。すでに測量、農業、物流、防犯など多種多様なフィールドでデータ活用が進んでいます。

ただ一方で、ドローンを用いたデータ活用に興味はあるものの、「どこから始めればいいかわからない」「データを扱える人材が不足している」といった問題を抱える事業者は少なくありません。そのような場合は、今回ご紹介したようなドローンデータ解析サービスを検討してみましょう。

外部のドローンサービスを利用する際には、導入目的を明確にすることがなによりも大切です。その上で、サービスの内容やコスト、サポート体制などを総合的に判断します。これを機にドローンによるデータ収集・解析を行って、データドリブンな事業運営に着手してみてはいかがでしょうか。