ドローンは、小回りが効き、立ち入りが困難な場所でも迅速に行くことができる、上空から広範囲の映像を撮影できることなどから、今後さらなる事故・災害時の活用が期待されています。
災害や事故は予測不可能で、発生時の迅速かつ効果的な対応が不可欠です。今回は、最新の事故・災害対応サービスや選び方を解説します。
事故・災害対応サービスとは?
事故・災害対応サービスとは、自然災害や事故が発生した際に、被災地の状況を把握し、迅速かつ効率的な救助、復旧作業を支援するためのサービスです。こうしたサービスでは、被災地の空撮を行い、状況をリアルタイムで把握するためにドローンが重要な役割を担っています。自然災害や事故が発生した発生した際には、初動での状況把握と対応の検討、本部から現場への指示出し、支援物資の運搬など、さまざまなことを行わなくてはなりません。事故・災害対応サービスは、ドローンの利点を活かし、特に危険が伴うため人間が入れないような場所で、映像を撮影しリアルタイムで共有したり、物資の運搬を担います。
事故・災害対応サービスでできること
事故・災害対応サービスでできることは、以下の通りです。事故・災害時の状況把握
災害が発生した際に迅速に被災地の全体像を把握するために使用されます。ドローンは人間が近づくのが困難な場所、地上から見えない範囲も含めて、広い範囲の被災地を短時間で撮影可能です。リアルタイムで映像を共有することで、災害対策チームは迅速に対応を判断することができます。事故・災害時の救助支援
川などでの水難事故が発生した際には救助支援にドローンが活用されます。要救助者の捜索はもちろん、ドローンによって救命胴衣やロープなどの物資を運ぶこともできます。事故・災害時の物資輸送
道路が寸断されるなどで孤立した集落にも、ドローンであれば医薬品や食料などの救援物資を届けることができます。また、実際に災害や事故が起きてからではなく、避難訓練でもこうしたサービスを提供しています。災害時にドローンがどのように活用できるのかを把握できるので、災害が発生した際に慌てず速やかに行動できるようになるでしょう。
事故・災害対応サービスの選び方
事故・災害対応サービスの選び方における重要なポイントは、以下の4つです。- 対応エリア
- 目的
- 実績
- 料金
1つ目は、事故・災害対応のドローンサービスは、該当するエリアに対応しているかどうかです。提供エリアはサービスによって異なりますので、まずは確認しましょう。災害発生時には、迅速な対応が求められます。そのため、被災地に迅速にアクセスできるかどうかも重要な要素です。
2つ目は、目的にあっているかどうかです。状況把握、救助支援、物資輸送など、目的に適したサービスを選ぶことが大切です。また、熱感知カメラや夜間飛行能力など特定の機能が必要な場合、それを提供できるサービスを選ぶ必要があります。
3つ目は、事故・災害対応の実績があるかどうかです。災害対応の実績が豊富なサービスは、信頼性が高く、実際の災害状況での安定したパフォーマンスが期待できます。過去の実績や災害に対する専門知識を有しているかどうかも確認しましょう。
4つ目は、予算に合う料金かどうかです。ただし、最も安価なサービスが必ずしも最良とは限りません。目的や実績などからサービスの価値を考慮して選ぶことが大切です。
事故・災害対応サービスのメリット
ドローンによる事故・災害対応サービスのメリットには次の4点が挙げられます。- 迅速な対応
- 正確な情報の収集
- 安全な作業環境の確保
- 効率的な資源配分
1つ目は、迅速な対応が可能になることです。ドローンは広範囲の被災地を短時間で把握することができるため、災害対応の初期段階での迅速な行動が可能になります。
2つ目は、正確な情報が収集できることです。高解像度カメラや熱感知カメラを装備したドローンを使用することで、正確かつ詳細な情報を収集し、被災地の状況をより正確に把握することができます。
3つ目は、安全な作業環境を確保できることです。ドローンであれば、危険な地域やアクセスが困難な場所に人員を派遣することなく、安全に情報を収集することが可能です。
4つ目は、効率的な資源配分が可能になることです。被災地の状況を正確に把握することで、必要な資源や人員を効果的に配分し、救助・復旧作業を効率的に進めることができます。
主な事故・災害対応サービス
ここでは事故・災害対応サービスを3つご紹介します。どのサービスも事故・災害対応を提供されていますが、それぞれサービス内容や特徴が異なります。気になる事故・災害対応サービスがあれば、公式HPをチェックしてみてください。docomo sky広域災害対策パッケージ(NTTドコモ)
災害が発生した際、リアルタイムでの状況把握に必要なものをトータルで提供してくれるサービスです。ドローンの機体はもちろん、通信や電波シミュレーション、他拠点映像伝送もパッケージになっています。トライアル版と購入版があります。トライアル版では飛行計画の策定・申請、飛行データ提供・飛行レポート作成なども含まれています。
災害調査(ミラテクドローン)
被災地の状況を広範囲に確認したい、人間が立ち入るのが難しい場所を確認したい際におすすめのサービスです。撮影した映像はリアルタイムでオンライン中継されます。ミラテクドローンでは、ビニールハウスの被害調査や空港連絡橋破損調査などの豊富な災害点検実績があり、想定されるさまざまな機材を用意してすぐに出動できる体制を整えています。
災害救助 医療・生活用品運搬(クリーク・アンド・リバー)
クリーク・アンド・リバーでは、災害時の救助支援や物資輸送サービスを提供しています。救助支援では、川や湖での水難事故での救助支援、物資輸送では、道路が寸断された地域、山の急斜面など人への負担がかかる場所への医療・生活用品の運搬など、さまざまな実績を有しています。
まとめ
災害や事故発生時におけるドローンの活用は、今後さらにその重要性を増していくと予測されます。ドローンは、広範囲の状況把握や救助支援、さらには人間が立ち入ることが難しい場所への物資輸送など、多岐にわたる分野で活躍します。人員を危険な環境に派遣することなく、リスクを最小限に抑えつつ効果的な対応を行うことが可能です。特に、災害時における迅速な判断と行動は、救命活動や復旧作業の効率を大幅に向上させます。ドローンによるリアルタイムでの情報収集と分析は、救助隊の安全を確保しつつ、被災地における対応の質を飛躍的に向上させるでしょう。