そのため、「無人航空機安全運航管理者」を取得するために必要なステップや受験料などを理解したうえで、受験したいですね。この記事では、「無人航空機安全運航管理者」の特徴や取得するメリットなどをわかりやすく紹介します。
無人航空機安全運航管理者(JUIDA)とは?
「無人航空機安全運航管理者」の資格は、JUIDA(一般社団法人 日本UAS産業振興協議会)認定のドローンスクールで講座を修了したうえで取得する必要がある資格です。筆記試験に合格することで、資格を取得できます。試験に合格すると、ドローンの運航に際して、十分な安全と法律の知識を有していることの証明になります。「無人航空機安全運航管理者」を学べるコースは主に座学となり、ドローンを安全に運航するための基本知識からリスクアセスメントまでを学習することが特徴です。多くのスクールは、4日間ほどのカリキュラムとなっているため、ある程度まとまった時間を確保したうえで受講を検討したいですね。
なお、交付される証明証には期限があるため、注意が必要です。交付日から2年後が執行期限となるため、期限内に更新手続きを行うようにしましょう。
JUIDAが選ばれる理由は、以下の通りとなっています。
- 国内で最も長い歴史をもつ無人航空機の技能証明
- 質の高いテキストを提供(バッテリー・気象・電波と無線なども網羅)
- 全国で受講可能(JUIDA認定スクールは全国47都道府県、300校以上で展開)
- 2万件を超える卒業生の実績
- 多くのJUIDAパイロットが活躍中(https://star.uas-japan.org/)
- 英語での受講も可能
- 飛行許可を受ける際の申請書類の一部を省略することが可能
無人航空機安全運航管理者(JUIDA)を取得するメリットは?
ここでは、無人航空機安全運航管理者を取得する3つのメリットを説明します。ドローンの国家資格受験に有利に働く可能性がある
ドローンの国家資格は、2022年12月に導入されました。JUIDAをはじめとした民間資格のライセンスを取得していると「国土交通省への飛行許可・承認」に関する申請が一部免除され、国家資格取得に必要な実地試験が免除になります。さらに、初学者と経験者では講習時間が異なるため、JUIDAの資格を取得していれば受講費が安くなることもメリットの1つ。国家資格が導入された後も、民間資格は廃止されず共存することが予想されています。
引用:DRONE SCHOOL PORTAL
ドローンビジネスにおいて信頼を得やすい
ドローンビジネスにおいて、クライアントが重要視するのは「安全性」です。ドローンによる事故を招かないためにも、「ドローンの資格を有した人に優先的に仕事を発注したい」と考えることが少なくありません。そのため、ドローンビジネスを始めたい人や成功させたい人なら、保有しておきたい資格の1つだといえるでしょう。
出典:国土交通省
国土交通省の調べでは、無人航空機飛行に係る許可承認申請件数は、年々右肩上がりに増加していることがわかります。平成28年度には13,535件でしたが、令和4年には約6.5倍の91,073件に増加しています。
ドローンの許可承認申請が増加するのに伴い、市場規模は飛躍的に成長しており、ドローンビジネスも激化していることが特徴です。2022年12月5日にレベル4が解禁されたことにより、幅広い産業分野にドローンを活用しやすくなりました。これによって、今後もドローンの市場規模はさらに拡大することが予想されています。
飛行許可申請が通りやすい
ドローンを飛行させるためには、国土交通省などの担当管轄へ「飛行許可申請」を行う必要があります。JUIDAドローン資格証明証を保有していれば、航空局の無人航空機飛行申請に必要な一部書式の提出を免除できることがメリットです。無人航空機安全運航管理者(JUIDA)の運営会社
無人航空機安全運航管理者の資格における運営会社は、JUIDAです。2014年7月に設立し、無人航空機の産業振興・市場創造支援に取り組んでいることが特徴です。例年、開催されている「Japan Drone Expo」と呼ばれる無人航空機の単独展示会の主催を担っていることでも広く知られています。ドローンや空飛ぶクルマなどの発展を推進するため、教育・市場創造・安全規格・国際関連の4つを柱として活動しています。JUIDA認定スクールは全国に200校以上あり、定例セミナーやフェスタなども盛んに催されています。
無人航空機安全運航管理者(JUIDA)の対象年齢
対象年齢が20歳以上とされていましたが、2021年7月に規約が変更となり18歳以上が対象年齢となっています。受講時に18歳を超えていることが条件となるため、チェックしたうえで受講を検討しましょう。無人航空機安全運航管理者(JUIDA)に必要な技能・知識
無人航空機安全運航管理者の資格を取得するためには、以下のような技能や知識が必要です。- ドローンの機体の仕組み
- ドローンに関する法律
- ドローンの安全な飛行方法
- ドローンのリスクハザードに関する知識
- リスクに対する安全管理の手法
講習では、「リスクに対してどのように安全管理を行うか」を重点的に学習します。ドローン飛行にはどのような危険が潜むかを考え、受講者同士で話し合うことで、より安全にドローン飛行できるようになるでしょう。
また、受験するためには「操縦技能証明保有者」である必要があります。操縦技能証明証もJUIDA認定スクールで取得する必要があるため、あらかじめコースを受講しておきたいですね。
さらに、スクールによっては「赤色と緑色の識別が可能であること」や「日常会話を聴取できること」のように、色覚や聴覚、言語についても受験資格を設けているケースがあります。
無人航空機安全運航管理者(JUIDA)の受験料・入会金
会員 | 入会金 | 年会費 | 受験料 |
正会員(個人) | 50,000円 | 10,000円 | 200,000~250,000円程度 |
正会員(団体) | 100,000円 | 120,000円 | 200,000~250,000円程度 |
準会員 | 5,000円(学生は免除) | 5,000円 | 200,000~250,000円程度 |
賛助会員 | 50,000円 | 50,000円 | 200,000~250,000円程度 |
公共会員 | 無料 | 無料 | 200,000~250,000円程度 |
スクールによって幅がありますが、コースにかかる費用は40,000~400,000円ほどです。一般的なスクールでは、200,000円前後の受講料となっています。コースを受講しなければ資格受験はできないため、受講料が実質の受験料だといえるでしょう。
JUIDA指定テキストや機体レンタル料がコースの費用に含まれるかは、あらかじめ確認しておくことが重要です。
受講料のほかにも、年間5,000円のJUIDA年会費や16,500円(税込)の無人航空機安全運航管理者証明証交付申請手数料などがかかります。
無人航空機安全運航管理者(JUIDA)の試験はどこで受けられる?
多くの場合は、各都道府県に試験会場が設けられています。しかし、ドローン検定のように47都道府県に試験会場がないケースもあるため、気になる場合はドローンスクールに入会する際に問い合わせておきたいですね。JUIDAとDPAの違い
JUIDAと間違えやすい協会のなかに、DPAがあります。DPAとは、「ドローン操縦士協会」の略称です。DPAは2016年に設立し、ドローン操縦士の技術認定ライセンスの構築やドローンに関する教育事業などを積極的に行っています。JUIDAと同様にDPAにも認定スクールがあり、認定スクールのカリキュラムを修了すればDPAのライセンスを取得することが可能です。JUIDA認定スクールが全国に279校を超えていることに対し、DPA認定スクールは全国で53校です。
地方に住んでいる方にとっては、全国各地にスクールがあるJUIDA認定スクールの方が通いやすいでしょう。しかし、飛行実技の技術に特化しているのはDPA認定スクールであるため、取得したい技術や資格に合わせてスクールを選択したいですね。
まとめ:無人航空機安全運航管理者(JUIDA)に挑戦してみよう!
ビジネスシーンや趣味など、あらゆるシーンでドローンを運航する際に、無人航空機安全運航管理者の資格を保有しているとメリットが多くあります。ドローンビジネスの市場規模は急拡大しており、今後も需要が高まることが予想されます。「無人航空機安全運航管理者を受験したい」と考えたときには、高い飛行スキルや確かな知識を学べるドローンスクールを選んでみましょう。