転職は今後の人生を左右する大きな転機。そのため転職活動前に退職するか否か、決断するにもかなりの勇気が必要になるでしょう。
本記事では『働きながらの転職活動』 に焦点を当て、メリット・デメリットと成功メソッドをご紹介します。
働きながら転職活動する人の割合
まずは、データより働きながら転職する人の割合をご紹介します。株式会社マイナビが20代~50代の正社員(1,500名)を対象に行った『転職動向調査2022年版』の調査によると、次のような結果になりました。
- 在職中に転職活動をした人:73.1%
- 離職後に転職活動をした人:30.4%
また2020年度の調査に比べ、2021年度は働きながら転職活動をした人の割合が5.6pt増えました。
働きながら転職活動をした人の割合が増えた背景には、新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が浸透し、出勤時間の削減やおうち時間が増加したことが挙げられます。転職活動に充てられる時間が増え、転職活動しやすい環境を得られたことが、働きながらの転職を後押ししているようです。
また選考のオンライン化が進み現地に出向かずとも選考を受けられるようになった点も、働きながらの転職活動者が増えた要因の1つと言えるでしょう。
参照:株式会社マイナビ『転職動向調査2022年版』
働きながら転職活動するのは違法?
転職活動は働きながらしても違法にはなりません。以下に示す日本国憲法第22条第1項の通り、職業選択の自由が認められているためです。ここに出てくる「公共の福祉に反しない限り」とは、他の人の人権を不当に侵害しない限り、といった意味合いです。例えば人から財産をだまし取ることを仕事にしようと考えているのであれば、それは公共の福祉に反しているといえるでしょう。何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。(日本国憲法第22条第1項)
自分のスキルや経験を生かし、より希望に合う条件で働ける会社への転職を目指すというときに、転職活動が法的な制限を受けることはありません。
参考:憲法22条に規定する職業選択の自由について|厚生労働省
働きながら転職活動をするメリット
本項目では、働きながら転職するメリットをご紹介します。経済面の心配がない
働きながら転職活動をする場合、現職からの給料が得られるため経済面で不安に感じることは少ないでしょう。転職前に離職してしまうと、収入が完全に途絶えてしまいます。
収入がないことで焦りを感じ、納得できないまま・妥協の末に次の転職先を決めてしまうケースは珍しくありません。
その点、働きながらの転職は大変ではありますが、落ち着いて転職先を吟味することができるでしょう。
職歴・実務経験にブランクが生じない
職歴や実務経験にブランクが生じない点も、働きながら転職するメリットです。長い期間ブランクを設けてしまった場合、「なぜこんなにも離職していたのか」「即戦力になるのか」とイメージダウンに繋がったり、面接官への心証が悪くなるケースもあります。
またせっかく積み上げてきた職歴も仕事から長く遠ざかってしまうと、その価値がなくなってしまう場合もあります。
仕事で得た経験や長年培ってきたスキルを活かしたい方は、転職の際にブランクを作らないことでその価値を最大化することができるでしょう。
現職を辞めない選択もできる
実際に転職活動に取り組んでみると、思うような転職先になかなか出会えないこともあります。またもう少し経験を積んでから再挑戦したいと感じる場合もあるかもしれません。そんな時、現職を辞めずに留まる選択もできます。
時期を改めて転職活動を再スタートできるのも、働きながら転職活動を進めるメリットの1つと言えるでしょう。
焦らずに企業を探せる
焦っているとよく確認せずに就職先を決めてしまいかねません。転職先が決まっても、いざ働き始めると「思っていたのと違った」と感じることも出てくるでしょう。働きながら安定収入を確保しつつ転職活動ができれば、自分の希望に合う企業をじっくり探せるメリットがあります。じっくり転職活動に取り組み、自分の希望に合致する理想の企業を見つけられる可能性を高められる選択です。
働きながら転職活動をするデメリット
当然、働きながらの転職はデメリットに感じる一面もあります。転職を検討している方は、デメリット理解も大切です。
参考:次の仕事決まっていないけど辞める
転職活動に注力できない
働きながら転職するデメリットとして、転職活動に注力できない点が挙げられます。現職の業務に時間を割かれてしまい、面接などのスケジュール調整に苦戦するケースもあるでしょう。時にはじっくりと企業研究をする時間が作れず、面接に向けて準備不足になりがちです。
働きながら転職活動を進める場合は、余裕を持ったスケジュールを意識しましょう。
面接日程の調整が難しい
日程の調整が難しいのも、働きながら転職活動に取り組むデメリットです。企業によっては、面接できるのが平日の日中のみということもあります。夕方以降や土日の面接に対応していない企業を受けるときには、有給休暇を取らなければいけません。退職日と入社日の調整が必要
転職先が決まった後は、現職と退職交渉を行わなくてはいけません。思わぬ引き留めにあう・引継ぎの兼ね合いで希望時期の退職が難しいなど、思った以上に退職日が後ろ倒してしまう可能性もあります。
同時に入社日のミスマッチが起こる懸念もあります。転職先の中には、新店・新事業の新設に合わせて人員を募集しているケースも少なくありません。転職先が提示した入社日と自分の入社できる日があまりにもかけ離れていた場合、最悪採用が見送りになってしまうことも考えられます。
働きながらの転職活動を成功させる5つのポイント
本項目では、働きながらの転職活動を考えている方が押さえておくべき『働きながらの転職活動を成功させる5つのポイント』をお伝えします。事前準備を入念に行う
働きながら転職活動を進める場合、活動に充てられる時間が限られています。そのため効率良く転職活動を推進できるよう、本格的な活動を始める前に入念な準備を行いましょう。
転職活動に向けてしておくべき前準備は次の通り。
- なぜ転職をしたいのか振り返る
- 自己分析(強み・弱み)
- 職歴の棚卸
- 転職活動の情報収集
- 自身の市場価値を知る
- 希望条件の洗い出し・優先順位付け
- 働きながらの転職活動イメージを描く など
入念に前準備を行うことで転職活動がスムーズに進むだけではなく、ブレのない軸の定まった転職活動をおこなうことができるでしょう。
転職活動の期限を決める
現職と並行して転職活動をおこなう場合、経済面での焦りがない分ダラダラと続けがちです。そうならないために、予めいつまでに転職を終えたいかゴールを設定しましょう。
さらにはゴールから逆算し、いつまでに退職の申し出をするか、いつまでに転職先を決めるかなど、具体的な転職スケジュールをイメージしておくと良いでしょう。
有給休暇や仕事の休日をうまく利用する
面接は企業の営業時間中に行われることが大半です。有給休暇をうまく利用し、なるべく現職にも応募先企業にも迷惑が掛からないように対応しましょう。
どうしても調整がつかない場合は、在職中である旨を伝えましょう。応募先企業も在籍中の転職は時間の調整が難しい旨を周知しています。応募先に面談日時を相談することで、朝の早い時間やお昼休憩の時間に面接を設定してくれるケースもあります。
応募先企業の予定に合わせるばかりではなく、時には自ら面接日を提案することも大切です。ある程度スケジュールを自分でハンドリングするよう意識しましょう。
現職のメンバーに転職活動中である旨を公言しない
転職活動を進めていることが現職で公になると、周囲との関係がぎくしゃくしたり仕事にも影響が生じる可能性があります。また、あらぬ噂ばかりが独り歩きしてしまうことも考えられます。とは言え、現職の同期などに転職の相談をしたい時もあるかもしれません。そんな時は転職活動が公にならないよう、細心の注意を払いましょう。
また会社のパソコンを使用して転職サイトを検索したり、普段着ない面接用のスーツで出社したりなど、現職への配慮が欠ける行動は控えたいものです。
転職支援サービスを活用する
転職活動は、スケジュール管理や企業選定、面接対策・企業研究など想定以上に多くの工数がかかります。働きながら転職活動を進める場合、さらに多忙を極めるでしょう。転職活動を全て1人で行うには限界があります。また視野も狭まり、せっかくの有益な情報も見落としかねません。
働きながらの転職を検討している方は、転職エージェントなど転職を支援してくれるサービスを積極的に活用しましょう。転職エージェントは、忙しい転職者の代わりに希望条件に合った候補企業の選定・面接日程の調整・入社条件交渉など、多角的な支援で転職をサポートしてくれます。
1人で転職活動を進めるよりも、より効率的な活動が叶うでしょう。
参考:転職サイトおすすめ
働きながらの転職活動は会社にバレる?
働きながら転職活動をしても、会社にバレることはまずありません。ただし行動次第でバレることもあります。転職先が決まり、退職を告げるまでバレないようにするには、日頃の行動に注意しましょう。注意すべき点を以下に紹介します。- 転職についての電話を会社でしない
- 会社のパソコンやタブレットで転職情報を閲覧しない
- 同期に転職活動していることを話さない
- 普段私服で出勤しているなら、就業後に面接があるからといってスーツで出勤しない
- SNSで転職について書き込まない
現在の勤務先企業が転職エージェントや転職サイトを通した採用を行っており、転職活動していることがバレる可能性もあります。エージェントやサイトから転職活動がバレるのを防ぐには、勤務先をブロックや非公開に設定しましょう。
働きながら転職活動をする方におすすめの転職エージェント
続けて、働きながら転職活動をする方におすすめの転職エージェントを紹介します。マイナビAGENT
マイナビAGENTは、株式会社マイナビが運営するエージェントサービスです。
求職者に寄り添った転職支援と豊富な求人数が強みであり、求職者1人ひとりの希望に耳を傾け、最適な案件を紹介してくれます。
また状況に合わせたサポートを提供してくれるため、在職中に転職活動に取り組む場合であっても現職の状況を汲んだ支援を提供してくれるでしょう。
さらにマイナビエージェントには、業界に精通したアドバイザーが在籍しています。アドバイザーは専任制となり、求職者が転職を希望する業界に合わせてアサインされます。そのため、業界独自の市場を加味したアドバイスも期待できるでしょう。
在職中であっても、無理なく確実に転職を成功させたい人は、ぜひ登録をおすすめします。
公開求人数 | 70,848件 |
非公開求人数 |
14,679件 |
本社住所 |
東京都千代田区一ツ橋一丁目1番1号 |
対応エリア | 全国 |
料金 | 無料 |
運営会社 |
株式会社マイナビ |
公式HP |
マイナビAGENT |
年代:20代男性 職業:会社員(正社員) 業界:IT・メディア 職種:エンジニア・プログラマー 実務経験:1~3年
サービス利用証明済み- 経験者(実務経験あり)におすすめ
- 第二新卒におすすめ
満足度としてはかなり良かったという評価です。求人だったり他にもたくさんのことを手伝ってくださったりしてくれて安心して転職活動を行うことができたのでこの評価です。 ...続きを読む
投稿日:2024/06/24(月) 15:16
年代:30代男性 職業:パート・アルバイト 業界:IT・メディア 職種:デザイナー 実務経験:1~3年
サービス利用証明済み- 未経験におすすめ
スタッフの応対が良く、内容も高案件ばかりだったので、利用して損はないキャリアサービスだと感じた。 ...続きを読む
就職以降も今後のステップアップに繋がるものだと感じた。
投稿日:2024/07/03(水) 11:14
Green
Greenは、IT・Web業界の求人を中心に取り扱う転職サイトです。通常の転職サイトとは異なり、人事担当者から直接スカウトを受け取ることができます。また、レコメンド機能が搭載されており、自身の希望に近い条件の求人が掲載されると利用者画面に提案情報が表出します。さらに、気になる企業に興味を伝えるボタンや面接前のカジュアルな連絡も可能です。
スマートフォン1つで利用できる手軽さや、『転職をカジュアルに。』というコンセプトを掲げる気軽さから、20代・30代を中心に利用者を増やしています。
IT・Web系以外にも事務職・サービス業・土木建築など様々な業界・業種の求人が掲載されているため、IT・Web業界以外への転職を希望している人でも幅広い選択肢の中から希望に沿った求人を見つけることができるでしょう。
公開求人数 | 約31,000件 |
非公開求人数 | 非公開 |
本社住所 | 東京都港区麻布十番1丁目10−10 ジュールA 8F |
対応エリア | 全国47都道府県 |
料金 | 無料 |
運営会社 | 株式会社アトラエ |
公式HP | Green |
doda
dodaは、総合人材サービス事業を展開するパーソルキャリア株式会社が運営する転職サイトです。
転職サイトの中では知名度が高く、多くの転職希望者が利用しています。公開求人数も20万件を超えており、幅広く色々な求人に目を通したい人におすすめです。
さらにdodaはエージェントサービスとも一体化しています。エージェントサービスに申し込むことで、無料で転職市場に精通した専門スタッフによる伴走型の転職支援を受けられます。他にもスカウトサービスも行っているため、自分で案件を探さなくても自身のレジュメを読んだ企業からのスカウトを受け取れます。
効率的に転職活動を進めたい人や、自分の知らない企業の求人にも積極的に目を通したい人にはピッタリのサービスでしょう。
公開求人 | 200,757件(2023年6月現在) |
非公開求人 | 調査中 |
本社住所 | 東京都千代田区丸の内2-4-1; 丸の内ビルディング 27F・28F |
対応エリア | 全国47都道府県+海外 |
料金 | 無料 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
年代:20代男性 職業:会社員(正社員) 業界:サービス 職種:営業
サービス利用証明済み- 未経験におすすめ
- 経験者(実務経験あり)におすすめ
- 新卒におすすめ
- 第二新卒におすすめ
- 女性におすすめ
面接に臨む前に想定される質問や企業が大事にしていること、重視していることを共有いただき、大変ありがたかったです。 ...続きを読む
投稿日:2024/02/13(火) 18:20
年代:20代女性 職業:無職・求職中 業界:物流・運送 職種:管理職
サービス利用証明済み- 未経験におすすめ
- 新卒におすすめ
- 第二新卒におすすめ
第二新卒や未経験の業界・業種に転職しようと考えている方でも簡単ではないが求人数は多いのでお勧めできる。 ...続きを読む
カウンセリング・面談は頻度高く行っていただけるので、積極的にサポートを受けられると思う。また、求人・案件が豊富なので自分に合った求人が見つかりやすい。
投稿日:2024/02/29(木) 16:06
会社を辞めてから転職活動を始めるメリット
働きながら転職活動をすれば、経済的な心配がなく余裕を持って転職先を探せます。焦って自分に合わない企業を選択してしまう失敗にもつながりにくいでしょう。一方、会社を辞めてから転職活動に専念することにも、以下のようなメリットがあります。
- 選考対策に時間をたっぷり使える
- スケジュール調整が無理なくできる
- 仕事のストレスがなくなる
特に今の職場で大きなストレスを抱えている場合には、早い段階で辞めた方が精神的な負担が軽くなるでしょう。気持ちがすっきりすることで、自分に合う転職先を見つけやすくなるかもしれません。
会社を辞めてから転職活動を始めるデメリット
仕事を辞めれば転職活動に集中できますが、その一方で「早く転職先を決めなければ」という焦りは生まれやすくなります。具体的なデメリットも見ていきましょう。- お金が減っていく
- 焦りが生まれる
転職するために退職する場合は自己都合退職です。自己都合退職では雇用保険の失業給付をすぐに受け取れません。約3ヶ月はこれまでの貯金を切り崩しながら生活することになります。仕事を辞めて転職活動に専念したいなら、使っても大丈夫な資金が少なくとも生活費の3ヶ月分あることを確認してからにしましょう。
働きながらの転職活動まとめ
今回は働きながらの転職活動について、メリット・デメリットと成功メソッドをお伝えしました。メリット・デメリットの理解が転職結果を左右することもあります。
そのためメリット・デメリットについて理解を深めた上で、本記事で紹介した転職成功メソッドを参考に転職活動を始めましょう。