転職回数が多いと不利？転職は何回まで可能なのか解説

転職は何回までOK？

転職の回数に関しては、企業の文化や風土、個人の経歴や実績など複雑な要因が関与しており、一概に「何回までならOK」とは言い切れません。ただし、一般的な傾向として転職回数が3回以上だった場合、企業の採用担当者は過去の経歴に対して慎重な姿勢を示す場合が多いようです。
 
しかし株式会社マイナビが公開している『転職動向調査 2023年版』によると、2022年転職者全体のうち、3回以上転職した経験を持つ人は48.5％と半数近い割合となりました。
 

引用：株式会社マイナビ『転職動向調査 2023年版』
 
本調査より、転職回数が多くても多くの人が転職を成功させています。
そのため一概に「転職回数が転職活動に直接悪影響を及ぼす」とは言い切れません。
 
転職回数が多くても「これまでの転職に一貫性があるのか」「転職経験の豊富さを強みにできるのか」などの要因が転職成否を分けていると言えるでしょう。

転職回数が多いとなぜ「転職で不利になる」と言われるの？

しかし転職回数が多いと「転職で不利になる」と言われるのも事実です。
ここでは、その理由を解説します。

採用してもすぐに辞めてしまうのではないか？と思われるから

転職回数が多い場合、企業側は「コミュニケーション能力が低く、チーム内で協力できない」「責任感がなく、プロジェクトを最後までやり遂げる能力がない」「採用してもすぐに退職してしまう」といった印象を持ち、人柄や忍耐力に対し懸念を抱いてしまいます。
 
また、採用活動には時間やコストがかかります。
過去の経歴から判断すると、転職回数が少なく在籍期間が長い人のほうが安心感を持って採用できるため、転職回数が多い人は不利になると言われてしまう傾向があります。

スキルが身に付いていない可能性が高いと思われてしまうから

転職回数が多いと、十分なスキルを身につけないまま次の転職に至っている可能性が高いと判断されてしまうことがあります。
このことも「転職で不利になる」と言われてしまう要因であると言えるでしょう。
 
転職回数が多い人は、職務経歴書や面接でスキルや実績のアピールに努めましょう。
特にこれまでの転職において、スキルアップを目的に一貫したキャリアを形成してきたエピソードがあれば、志望動機に織り交ぜながら自身のスキルが企業にとって貢献できるものになることを伝えましょう。

仕事への意識が低いと思われてしまう可能性があるから

転職回数が多い人は、「仕事意識が低い」「責任感がない」とネガティブな印象を持たれることもあります。
 
選考時には、仕事への意識や将来の目標を明確に伝え、責任感を持って仕事に従事する姿勢を示すことを意識しましょう。

転職回数が多い人は、転職経験を強みにしよう

転職回数が多い人は、豊富な転職経験をいかに強みにできるかが転職成否を分けると言っても過言ではありません。

下記ポイントを意識し、これまでの転職経験を強みに転換できるよう努めましょう。

様々な企業を見てきた経験をアピールする

多くの転職を経験した人は、様々な業界の会社で働いた経験や、異なる企業文化に馴染んできた柔軟性をアピールできるでしょう。
 
このような経験は、新しい環境にも柔軟に対応できる力や異なる視点から問題を捉えられる力を持っているという強みにも置き換えられます。

多様な技術・スキルを高めてきたことをアピールする

それぞれの企業で培ったスキルや経験をまとめ、転職先企業でどのように貢献できるのか伝えましょう。

この時、各スキルレベルが中途半端なものばかりの場合、何を強みにしているのか不明瞭になってしまいます。
1つ譲れないスキルを軸に、さらに多様なスキルを持ち合わせている旨をアピールすることがポイント。

例えば、エンジニアスキルを有しつつも、「前職では後輩の育成を任されていた」「前々職ではWebデザインの経験もある」となれば、エンジニアスキルに付加価値が付きます。また人事経験を強みにする人であれば、「前職で経理も少し携わっていた」「新卒だけではなくキャリア採用も担っていた」など、人事経験の強みを強化する実績があれば、評価されやすいでしょう。
参考：キャリア相談

一貫した転職ストーリーを創りアピールする

たとえ転職回数が多かった場合でも一貫したストーリーを持っていれば、面接相手にネガティブな印象を与えることはありません。
 
例えば「スキルアップを目的に転職を繰り返し、今では様々な企業で培った多様なスキルを有している」「キャリアアップを目的に、これまで転職の度に束ねるチームメンバーの数を増やしてきた」など、一貫した目的のもと転職している旨を伝えられると、面接担当者にも納得感を与えられるでしょう。
参考：転職エージェントおすすめ

転職は何回までなのかまとめ

何回以上の転職で企業の選考に影響が生じるようになるのかは、一概に断定できません。しかし一般的に3回以上の転職を繰り返している人の場合、転職回数自体にネガティブな印象を持たれ始める傾向があります。
 
しかし必ずしも転職回数が多いからと言って、転職活動で不利になることはありません。
特に売り手市場が続く転職市場においては、これまでの転職経験を武器に、一貫した転職ストーリーを伝えることができれば新たに臨む転職も内定を勝ち得ることは十分に可能です。
 
これまでにも転職経験があり、転職回数に不安を感じる場合は、まず自分自身を振り返りましょう。
そしてどのような経験やスキルがこれまでの転職の中で培われたかを整理し、アピールポイントを明確にしてみてください。

これまでの転職経験にも価値を感じてもらえるよう行動していけば、転職の成功も見えてくるでしょう。