農薬散布サービスの比較4選。特徴や料金は？｜コエテコドローンナビ

農薬散布サービスとは？

ドローンの農薬散布サービスは、農業に欠かせない農薬散布を、人に代わってドローンが行うサービスです。

通常の農薬散布は、人が重量のあるタンクを背負い、圃場の中を歩いて農薬を撒きます。農業従事者の高齢化や人材不足が進む昨今、重労働で、なおかつ農薬による健康被害や夏場の熱中症などの危険性もある農薬散布は非常にたいへんです。

そのような農業課題を解決する手段の一つとして注目されているのが、ドローンによる農薬散布です。ドローンによって空中から効率的に農薬を散布できるため、作業負担の軽減や時間短縮、コストの削減、安全性の向上など、さまざまなメリットを見込めます。なお、ドローンによる農薬散布は、自分で機体を準備し行う方法と業者に依頼する方法があります。

自分でドローンを準備して農薬散布をするには、以下のような準備や手続きが必要です。

• 農薬散布ができるドローン機体の購入/レンタル（機種によってはメーカー技能認定が必要）
• 機体登録、飛行許可申請（物件投下・危険物輸送・DID飛行等）、飛行計画登録
• ドローン操縦・散布の技能習得
• 航空法など法律に関する知識習得

など

農薬散布ができるドローン機体は数十万円〜数百万円とさまざまで、ほかにも講習費用や保険、メンテナンスといったランニングコストも必要となります。ドローンを飛ばして散布作業を行うにあたっては、さまざまな専門的法律や技術を身につけなければいけません。

一方で農薬散布の代行サービスを活用すると、ドローン機体の準備から申請関連や農薬散布の作業まで依頼でき、農薬散布作業の手間や負担を大きく減らせます。

農薬散布サービスでできること

ドローンの農薬散布代行サービスでは、ドローンの農薬散布に係る一連の作業を依頼できます。圃場を事前調査した上で、畑の形や作物に合わせて、的確に散布をしてくれます。日程についても希望に合わせて柔軟に対応してくれる業者が多く、最近では作物の生育状況をAIで見える化し、適切なタイミングで作業をしてくれる業者もあります。

なお、通常は農薬については依頼者側で準備が必要なケースが多いですが、中には農薬・肥料のメーカーとタッグを組んで、圃場に合わせた散布薬剤の計画やアドバイスなどを行ってくれるところも。適切な防除ができることで、収穫量アップも見込めるでしょう。

農薬散布サービスの種類

農薬散布代行サービスには、いくつかの種類があります。まずは、通常の農薬を散布するサービスです。ほかにもドローンによって肥料（粒剤）散布ができるサービスや、水田に直播するサービスもあります。サービスを組み合わせて活用することで、より作業負担を減らせて、効率化を目指せるでしょう。

また、サービス提供者にも種類があります。業者に所属するパイロットが散布作業を行うケース、その業者が連携している他業者やパイロットに散布作業を依頼するケースがあります。

農薬散布サービスの選び方

農薬散布の代行サービスを選ぶ際は、費用やサービス内容をチェックしましょう。まず費用の相場は、1反あたり1,500〜3,000円前後のところが多く、ほかにも時期や圃場の形・場所、散布する薬剤、出張代の有無などによっても料金は変わってきます。事前に見積りを取り、料金を比較してみましょう。

またサービス内容も、使う薬剤のアドバイスをするところや、さまざまなスマート農業サービスを提供する業者もあります。受けたいと思うサービスがあれば、対応できる業者を探したり、業者に相談してみたりするのもおすすめです。

他のポイントとしては、散布実績が豊富にある業者や、事前の打ち合わせや散布後のフォローといったサポートが充実している業者であれば、安心して依頼できるでしょう。

おすすめの農薬散布サービス

ここでは、おすすめの農薬散布代行サービスを4つご紹介します。サービスの選び方部分でも紹介したように、業者によって料金やサービス内容はそれぞれです。気になるところがあれば、公式HPでより詳しい情報をチェックしてみてください。

 DAC株式会社

出典：DAC株式会社

茨城県水戸市に拠点を置くDAC株式会社では、ドローンスクール(DSIドローン・ビジネススクール茨城)の運営だけに留まらず、ドローンに関する様々な事業を展開しています。スクール所在地が農業分野の専門学校であることから、農薬散布に関するコース展開や、請負事業も積極的に行なっています。農業分野でドローンの活用・利用をご検討の方は、ぜひご相談ください。

農薬散布・肥料散布・生育診断（ばあどドローン）

出典：株式会社NEXT MOTION ばぁどドローン「農薬散布・肥料散布・生育診断」

株式会社NEXT MOTIONのばぁどドローンでは、ドローンによる農薬・肥料散布や生育診断を行ってくれます。農林水産航空協会の認定を受け、実績も豊富なオペレーターが操縦・散布してくれるため、安心して依頼できるでしょう。料金は1aあたり250円（税込み）となっています。

ドローン農薬散布代行（Med-Bridge）

出典：株式会社Med-Bridge「ドローン農薬散布代行」

3人1組という手厚い体制で確実な農薬散布をしてくれるのは、株式会社Med-Bridgeです。平地から急斜面の農地にも対応できるほか、農薬の老舗・野矢商店と業務提携をしているため、農薬の選定についても依頼できます。料金は1反あたり1,600円〜（税別）です。

ピンポイントタイム散布（オプティム）

出典：株式会社オプティム「ドローン適期防除サービス ピンポイントタイム散布」

デジタルやAIを活用し、作物の生育状況に合わせて最適な時期に散布をしてくれるのは、株式会社オプティムによるピンポイントタイム散布です。農薬散布以外にもドローンによる打込条播や圃場管理などのサービスも提供しています。農薬散布は1haあたり13,500円〜となっています。

ドローン(菱田技研工業株式会社)

出典：菱田技研工業株式会社「産業用ドローン事業」

依頼内容に最適なドローンを求めているのであれば、菱田技研工業株式会社がおすすめです。自社で産業用ドローンの開発を行っているため、ご依頼の課題と飛行予定地に合ったドローンの提供が受けられます。同社で開発したドローンは、安定した飛行を長時間行えるので、広い範囲の農薬散布が可能です。

ドローン リモセン連動散布（ドローンジャパン）

出典：ドローン・ジャパン「DJあぐりサービス」

ドローンで田畑をセンシングした結果や解析データをもとに、ドローンを用いて農薬散布作業を行います。センシングは、作物の生育状況の解析や、施肥・収穫適期の判断、収穫量予測にも役立つでしょう。105,000haのセンシング＆解析実績をもとに、高い精度でデータ収集・分析を実施。センシング用ドローンと農作業ドローンを連動させてサポートしています。ドローンで空撮した情報から、圃場マップを作成したり管理手法を提案したりすることも可能です。

ドローンによる省力化・効率化(株式会社ならのう)

出典：株式会社ならのう

株式会社ならのうが提供するドローンサービスでは、農業用ドローンAGRAS MG-1による農薬や肥料の散布防除を行っています。ドローンに関する知識はもちろん、農薬や肥料に関する知識も豊富なオペレーターが、圃場に適した防除薬剤や散布時期を提案。ドローンによるサポートだけでなく、 農作業の省力化・効率化に向けて、農業経営サポートや商品の普及・販売も行っています。

作業請負（アイアグリ株式会社）

出典：アイアグリ株式会社「スマート農業」

アイアグリ株式会社は、ドローン散布の作業請負サービスを提供しています。農薬散布を熟練のスタッフに一貫して依頼できるのが、サービスの特徴です。水稲をはじめとする多様な作物に対し、適切な機体・方法で、防除や追肥を実施しています。ドローンをご自分で操縦したい依頼者に対しては、ドローン教習から現場導入まで、フルサポートすることも可能です。

まとめ

農作物の収穫量確保などのために欠かせない農薬散布。しかし、高齢化や人材不足が進む農業の現場でこなすのは大変です。

そこでおすすめなのが、業者が機体の準備から必要な申請や手続き、散布までを請け負ってくれる、ドローンによる農薬散布代行サービス。作業負担を大きく軽減でき、薬剤による健康被害や熱中症の危険性も抑えられるのもメリットです。

最近は請け負う業者も増え、さまざまな料金設定・サービス内容から選べるようになりました。導入を検討したいという方は、ぜひサービスを確認してみてくださいね。