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空撮や設備点検など、様々なシーンで活用されている「ドローン」。ドローンは農業の分野でもよく活用されていますが、最近では「土壌分析」を効率的に行う目的でも利用されています。土壌分析を適切に行えば、土壌の状態を客観的な数値で把握することができ、収量の安定化やコスト削減などにつながります。
近年、ドローンによる土壌分析サービスを利用する企業が増えていますが、どのような点を比較して選べば良いのか、分からないという方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、最新の土壌分析サービスの特徴や選び方について解説します。ドローンを活用して土壌分析サービスを行いたい方や、企業が実施している土壌分析サービスの内容を知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
（この記事の監修者）株式会社ナイルワークス 取締役COO
田中 克憲氏 2015年1月創業。高精度・完全自動飛行の農業用ドローンの設計・開発・製造、生育診断技術・栽培技術の研究開発、農業クラウドサービスの開発・販売を手掛ける。主要サービスは近接センシングと画像解析AIによる⽣育分析サービス「Nile Bank」、農作業マッチングサービス「ブリッジブースト」等。
近年、ドローンによる土壌分析サービスを利用する企業が増えていますが、どのような点を比較して選べば良いのか、分からないという方も多いのではないでしょうか？
そこで今回は、最新の土壌分析サービスの特徴や選び方について解説します。ドローンを活用して土壌分析サービスを行いたい方や、企業が実施している土壌分析サービスの内容を知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
田中 克憲氏
土壌分析サービスとは？
ドローン土壌分析サービスとは、農地全体の土壌成分やムラを高精度に測定および推定するサービスのことです。ドローンを利用して、効率的な農業管理や施肥計画策定を実現することを目的としています。広大な農地に対して土壌分析を手作業で行う場合、夏の暑い時期ともなると相当きつい作業となり、身体への負担が大きいと言わざるを得ません。従来の土壌分析では、土壌採取点が圃場内の数点に限られることから、限られたサンプルだけで圃場全体を説明せざるを得ませんでした。また、場所によっては土壌の採取が難しいケースがあります。
ドローンによる地上からの土壌分析サービスを利用すれば、少ない負担と作業時間を短縮しながら圃場全体の土壌の分析作業を進められるでしょう。
土壌分析サービスでできること
土壌分析サービスを利用すれば、様々なやり方でデータを有効活用できるようになります。たとえば、ドローンで撮影した空撮画像から圃場内の土壌含水率分布を推定したり、土中に含まれる栄養状態を確認したりすることが可能です。また、ドローンで定期的な土壌分析を行うことで、栽培で問題が発生した際の原因を早期に発見でき、栽培トラブルを予防できるため、作物の収量が増加するメリットを得られます。
土壌分析サービスの利用場面
土壌分析サービスは、土壌分析を効率化したいときや、分析の精度を高めたいときなどに利用するのがおすすめです。土中に含まれる養分を数値で把握できれば、施肥量の過不足を客観的に把握できます。その結果、施肥量の調整作業等も容易に行えるようになるでしょう。また、土壌分析を行う土地が広くて人の手で行うのが難しい場合も土壌分析サービスを利用するのがおすすめです。土壌分析サービスを利用すれば、土壌分析の負担を軽減でき、さらに詳細な分析も実施しやすくなります。
土壌分析サービスの選び方
土壌分析サービスを導入する際には、ドローンの安全性と性能の2点を必ず確認する必要があります。土壌分析サービスを利用する前には、どのような実証実験を経たのか、安全に利用できるかを確認するようにしましょう。また、ドローンの性能を確認することも非常に重要です。ドローンは農業用や水中用など様々な種類がありますが、必ず農業用のドローンを選ぶようにしましょう。併せて、どのような用途で使えるドローンなのか、飛行時間・飛行スピードなどの性能面の確認も必要です。
おすすめの土壌分析サービス
ここでは、おすすめの土壌分析サービスを4つご紹介します。それぞれサービス内容や特徴が異なるため、気になる土壌分析サービスがあれば、ぜひ公式HPをチェックしてみてください。アグリ・アシストサービス（ナイルワークス）
株式会社ナイルワークスでは、近接センシングと画像解析AIを活用した生育分析を行っています。センシングドローンを用いるメリットは、広範囲の農地でもスピーディーかつ詳しく観察できることです。ドローンで撮影した画像はAIで解析され、穀物・野菜などの生育状態から病害の検出にまで活用できます。
分析結果は、デジタル農業プラットフォームである「NileBank」に集約可能。各種データを一元管理できるだけでなく、センサーデータ(水温・地温・水深)・衛星データ・気象・作付品種・土壌などのさまざまなデータからシミュレーション連携することもできます。
AI技術で未来をシミュレーションすることにより、資材選定などの栽培計画に活かせるでしょう。さまざまな土壌パターンでのシミュレーションに対応しているため、状況に応じた豊かな土壌づくりや環境負荷の軽減に貢献できます。
圃場解析（コードデザイン）
株式会社コードデザインは、マルチスペクトルカメラを利用した圃場解析事業を実施。農地での試験飛行や、マルチスペクトルカメラを搭載したドローンを使って作物の生育調査テストなどを行いました。
また、ドローンで取得したデータを活用し、農薬散布や肥料散布、ドローンによる空中散布などにも活用することを目指しています。
ドローン調査サービス（株式会社PCER）
自然環境や生活環境、水質や土壌の分析などを行っている「株式会社PCER」。株式会社PCERはドローンを活用した調査も積極的に行っています。たとえば、広域の植生の状況をドローンで撮影し、撮影した画像を解析して植生図を作成したり、地上から確認が難しい場所での鳥類の営巣状況を確認したりなど、様々な調査を行っています。
土壌水分調査（農業・園芸総合研究所園芸環境部土壌環境チーム）
丸森町の丸森中央集団転作組合は、ドローンを活用した土壌水分の把握技術の開発を進めている「農業・園芸総合研究所園芸環境部土壌環境チーム」の協力を得て、ドローンで撮影したた土壌表面の画像から土壌表層水分を判断することができました。
調査で使われたドローンは、高度100mをGPSで事前に設定したルート通りに自動で飛行し、約15㏊の土壌の画像を短時間で撮影できたとのことです。今後もドローンを応用した技術を活用し、様々な方法で活用することが期待されています。
まとめ
土壌分析サービスは、ドローンを利用して効率的な農業管理や施肥計画策定を実現できます。少ない負担で土壌の分析作業を進めることができ、分析の精度をさらに高めることも可能です。ドローンを活用した土壌分析サービスを行いたい方は、今回ご紹介した土壌分析サービスをチェックしてみてくださいね。
