(取材)営業職のキャリアプランの描き方とは?セレブリックス「SQiL Career Agent」事業責任者 梅田氏に聞く|キャリア選択の羅針盤

格差が広がる営業職市場 求められる人材になるには?  株式会社セレブリックス 「SQiL Career Agent」事業担当者 梅田 翔五氏
WebマーケティングやAIの登場などにより、ビジネスパーソンに求められるスキルや仕事内容も大きく変わってきました。営業職においても同様で、これまで通りに仕事をしているだけでは評価されなくなってしまったり、場合によっては転職先が見つかりにくくなったりしてしまうこともあるのだと言います。

とはいえ、「どうしたら求められる人材になれるのか?」は自分では見えにくく、困ってしまう方もいますよね。


そこで、今回は営業職と営業職転職のプロフェッショナル 梅田 翔五氏にインタビュー。営業支援会社大手のセレブリックスで営業職特化の転職エージェント「SQiL Career Agent(スキルキャリアエージェント)」も手掛ける梅田氏に、営業職の現況や転職、キャリアプランの描き方について、お話をうかがいました。

営業職特化の転職エージェントを立ち上げたセレブリックス 梅田氏のキャリアに迫る

—梅田さんのご経歴を教えて下さい。

私は2010年に上智大学の経済学部経営学科を卒業し、製薬会社に就職しました。いわゆるMRと呼ばれる製薬営業を4年半経験した後に脱サラし、14年間打ち込んできたブレイクダンスのスタジオを立ち上げました。その後1年半にわたってダンススタジオを運営しましたが、ダンスだけで食べていくのは難しいと思い知りました。

ブレイクダンスは本気でやってきたからこそ、やめたときの喪失感は大きなものでした。真剣にチャレンジできることをしなければ、燃え尽きてしまうような感覚があり、仕事について本当によく考えました。

そうしてたどり着いたのは、転職エージェントという仕事でした。長らくダンスの世界にいるなかで、後輩や同年代から人生や転職の相談を受けることが多かったんですよ。この仕事ならば、自分のキャラクターが活かせるのではないかと。しかも、転職は人生における一大イベントです。誰かを幸せにするために、一生懸命取り組む価値のある仕事だと思えました。

そこで人材紹介会社に転職したのですが、どうやら向いていたようで、すぐに成果を出すことができました。部署の中でも最短でマネージャーに昇進でき、3年半勤務しましたね。

その後はSaaS系のスタートアップ企業に転職。エンタープライズセールスという大企業向けの営業職に就き、1年ほどでマネージャーに昇進しました。そうして2年半勤めた後に、現在のセレブリックスに転職したという形です。現在は事業責任者として人材紹介サービス「SQiL Career Agent(スキルキャリアエージェント)」を立ち上げ、運営に携わっています。

格差が広がる営業職の転職市場。求められる人材になるには?

—転職のプロフェッショナルとして市場をご覧になってきた梅田さんの視点から、求人数の動向や人材不足感の有無、待遇面の変化など、最近の営業職の転職市場について教えて下さい。

7〜8年ほど市場を見てきていますが、以前よりも格差が大きく広がっている印象です。具体的に言うと、営業職の中でも能力が高い方は高年収・高待遇で採用されるのに対し、一方その他の方々は転職先が見つかりにくくなっていると感じます。

格差の理由としては、営業職の中にもWebマーケティングが浸透してきたこと、ITツールやAIによって生産性が高まってきていることが挙げられると思います。一昔前はお客さんのところに行って挨拶するだけの仕事もありましたが、最近はWebマーケティングに投資するほうが効率的だと考える業界や企業が増えてくるなど、大きな変化を感じます。

わかりやすい例が、MR(製薬営業)業界です。ここ10年ほどMR職の人数が減り続けているのに対し、医療業界に特化したWebマーケティング会社は大きく伸びてきているんですよ。つまり、人よりも効率的で高いパフォーマンスを期待できるWebマーケティングやAI、IT方面に投資する会社が業界内に増えているんです。

もちろん、Webでは代替できない、人の行動変容を引き起こせる交渉力を持つ営業職は、ニーズが高まっています。ただ、それだけのスキルを持つ人材は、そう多くありません。だからこそ、スキルの有無による格差も、大きく広がってしまうのだと思います。

—交渉力の有無を自分で判断したり、伸ばしたりするのは難しい気がします。

カギとなるのは、自分自身の強み・弱みを把握することです。

ひとくちに営業職と言っても、一般消費者向けか法人向けか、新規か既存か……というように、属性によって細分化されます。そして、属性次第で求められる能力は大きく変わってきます。

営業職特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」では、営業職を細分化。求められるスキルを細かく言語化して可視化している。


ですから、まずは取り組んでいる営業で求められるスキルに、自分の特徴をどう適応させるかを考えることをおすすめします。その上で、交渉力の伸ばし方を考えていくといいでしょう。見極めていった結果、「どうしても自分の強みが生きない」と感じたときは、その営業から離れてしまうのも一つの選択肢です。

—自分の特徴と現職がマッチしているかどうかは、自分でわかるものなのでしょうか?

正直言って、9割の方は難しいでしょう。僕たち転職エージェントは、毎日求職者や企業さんとお会いしているので、全体を俯瞰して見ることができます。しかし、通常は自分の仕事や会社以外見る機会がありませんよね。いまの仕事が自分に合っているかどうか、比較できる軸がないんです。

だからこそ、僕たち転職エージェントがサポートし、強みや弱みを客観的に整理する。そこに価値が生まれると考えています。

転職サービスを最大限活かすには、本音を話すことが大切

—営業職の方が転職サービスを選ぶ際は、どういったポイントを重視すべきでしょう?

ご自身の目的とサービスの特徴がマッチしているかは大切です。例えば、「自分の市場価値を知りたい」ぐらいの温度感であれば、まずはスカウトサービスに登録してみるという感じですね。スカウトが来た会社のラインナップを見るだけでも参考になるはずです。

本格的に転職を考えている方で、なおかつ初めての転職の場合は、ぜひ転職エージェントをご活用ください。初めての転職は手持ちの情報が少なく、自分ひとりで進めるのはなかなか危険です。

ただ、転職エージェントもさまざまで、僕たちのように営業職特化など専門性を売りにしているところもあれば、求人数の豊富さが強みのところもあります。このあたりも、ご自身の目的に照らして選ぶのが良いでしょう。手前味噌ですが、営業職の方であればSQiL Career Agentが圧倒的におすすめですよ。

—転職に対して本気度が高い方が、転職サービスを最大限活かすための心得を教えてください。

1つ目は、本音を話すことです。求職者の方の中には、転職サービスに対して本音を話さない方もいらっしゃいますが、本音がわからないと価値観にマッチする求人を紹介できなくなってしまいます。

2つ目は、エージェントの話をすべて鵜呑みにしないこと。いわゆるクリティカルシンキング(批判的思考)ですね。世の中には330〜400万もの企業があり、僕たちもすべてを知っているわけではありません。提供される情報には、どこか偏りがあるはずです。

だからこそ、僕たちをうまく使って情報収集をしつつ、その情報が本当に正しいのかを、ご自身でもしっかり調べるようにしてください。

—営業職の方が転職活動で失敗しがちなパターンはありますか?

よく聞くのは、年収だけですべてを決めてしまうパターンです。最初の半年〜1年ほどは我慢できても、やりがいや人間関係から続けるのがしんどくなってしまう人が多いんです。もちろんお金は大切ですが、さまざまな面からトータルで考えたほうが失敗しにくくなります。

ほかにも、例えば外資系の生命保険のような売上と給料が連動するタイプの営業に行ってしまって、年収が大きく下がってしまうケースもありますね。このタイプの会社は、よほど自信がある方でなければ続けることが難しいので注意が必要です。

社会の不確実性が高い時代。持っておくべきは状態目標

—営業職の方がキャリアプランを描くにあたり、意識すべき点は?

社会の不確実性が高い時代となり、5年後や10年後のキャリアプランを立てることが難しくなってきました。

求められるスキルが読みづらい昨今、個人的には「こういった状態でいたい」というように、状態を目標に設定することをおすすめしています。例えば、お金に困らず平穏な生活をしたいとか、上の役職についてマネジメントするようになっていたい、などです。

さらには、明日会社をやめても良い状態」でいることも大切です。将来を予測しにくい時代だからこそ、社会の中での自分という商品の立場を把握しておくこと。今の実績やスキルから、転職先や年収の相場感を確認して、磨き続ける意識を持つことが大事になります。

僕自身もダンススタジオから再就職するときには、自分の価値がわからずとても不安でした。ですが、仕事を続けるうちに、この道のプロとしてスキルや実績を言語化できるようになり、市場価値や評価も把握できるようになりました。自分を客観視できるようになったことで、キャリアへの不安もなくなりましたね。

営業職特化の転職エージェント「SQiL Career Agent」の魅力


—営業職向けに特化した転職エージェントサービス「SQiL Career Agent(スキルキャリアエージェント)」を立ち上げた理由を教えて下さい。

1つ目の理由は、営業職はスキルがあいまいになりがちで、転職活動でアピールしにくいという課題意識です。例えばエンジニアであれば、扱える言語、経験年数、関わったプロダクトなどで実力を伝えられます。対する営業職のスキルは表現しにくく、実際には優秀であるにもかかわらず転職活動に苦労される方が少なくないのです。

2つ目の理由は、営業職の採用に苦戦している企業が増えてきていることです。営業コンサルに長けた弊社であれば、フワッとした営業スキルを解像度高く表現でき、求職者と企業を結びつけることができるのではと考えました。

—SQiL Career Agentの強みや特徴について教えて下さい。

営業コンサルと営業代行大手の会社であり、データや知見が豊富なところです。これまでに得たアセットを活用し、アドバイザーを教育したり、求職者の支援をしたりしています。

採用要件のすり合わせも丁寧で、他社のエージェントさんよりも営業職への解像度が高いと自負しています。


そのかいあって、実際にサービスを活用いただいた企業さんから、「SQiL Career Agent経由の応募者は、書類選考通過率が一番高い」と言っていただくことも多いです。通常であれば採用率が4割を切る会社さんでも、弊社経由の応募者は全員が採用されています。

書類添削や面接対策のレベルが高いことも特徴です。求職者の方を見極めて、きちんと活躍できる企業を紹介しているところが我々の強みですので、安心してご活用ください。

—最後に、読者や転職をご検討中の営業職の方に向けて、メッセージをお願いいたします。

営業職は、この15年間で150万人も減っているというデータがあります。AIも台頭するなか、将来に不安を感じている営業職の方、このまま営業職を続けるべきか悩まれている方もいるでしょう。

ただ、専門家の間では、営業職はある一定数までは減るものの、むしろ人間にしかできない仕事として残り続けると言われています。時代の変化に悩みすぎることなく、どういったスキルを伸ばしていくべきかを考えて、自らを「営業」していけば恐れることはないはずです。ともに前向きなキャリアを築いていきましょう!
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