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ゲーム制作を手掛けるクリエイターの中には、今後のキャリアに不安を感じられている方もいるのではないでしょうか?

そこで今回は、ゲーム情報総合サイト「ファミ通ドットコム」とクリエイター・エージェンシーのパイオニア「クリーク・アンド・リバー社(C&R社)」によるゲーム業界特化型の転職エージェントサービス「ファミキャリ!」の事業責任者・須崎 久美子氏にインタビュー。キャリアデザインのプロに、ゲーム業界の気になる転職事情やクリエイターのキャリアプランの描き方をうかがいました。
ゲーム業界の転職市場の動向とは?キャリアサポートのプロ「ファミキャリ!」須崎さんに聞く
—本日はよろしくお願いします。まず、須崎さんのご経歴についてうかがえますか?私がC&R社でゲーム業界を担当するようになったのは、今から8年前です。それ以前はWeb系の部門で2年間、営業をしていました。「C&R社がネットワークする」Webクリエイターの方々の能力を活用してクライアントの課題を解決することが仕事で、具体的には、Webクリエイターの人材派遣や人材紹介、C&R社が持つ開発スタジオでWebサイトの制作やプロモーション施策などを行っていました。
ゲーム業界を担当する部門への異動後も、同様の仕事を通してクライアントの課題解決やクリエイターの方のキャリアサポートに携わっていましたが、4年ほど前からはキャリアアドバイザーを束ねる部門・キャリア推進室を立ち上げ、マネージャー職についています。そして同時期から「ファミキャリ!」の担当となり、クリエイターの方々のキャリア支援をメインに取り組んでいます。
—長らくゲーム業界の方々を支援されてきたんですね。そんな須崎さんから見た、現在のゲーム業界の転職市場や求人数の動向、人材不足感の有無を教えていただけますか?
ゲーム業界全体の景況感は、世界的に見て良くないと感じています。ゲームに求められるクオリティが年々高まっていることから、開発にかかる期間が長期化し、コストも高まっています。しかしながら、ヒットするかどうかはリリースしてみるまでわからないため、開発にかけた費用が必ずしも回収できるわけではなく、それに伴ってプロジェクトが縮小したり、残念ながら会社や部署ごとなくなってしまったり。海外のレイオフの話もよく聞きます。
とはいえ、引き続きユーザーに面白いゲームを届けるため、戦力となる方々を増やそうとしている企業ももちろんありますので、求人数が大幅に減っているわけではありません。
ただ、採用ハードルは高まっていて、ポテンシャルを見込んでの採用枠が減ったと感じます。というのも、先ほどお話したように、会社や部署がなくなって転職活動をせざるをえなくなった経験者層の方々が転職市場に出てきていて、その方たちと同じ枠を争わなくてはならないんです。ゲームに求められるレベルも高まっていますし、経験や実績がある方を即戦力として求める企業が多い印象です。

—なるほど。ゲーム業界の中でも、大きくコンシューマゲーム(家庭用ゲーム)とソーシャルゲームに分けられるそうですが、市場の違いはありますか?
数年前まではソーシャルゲームのほうが勢いがあり、市場的にも伸びていました。ですが最近は中国や韓国発のゲームも日本市場へ続々と進出しており、国産のソーシャルゲームも飽和状態になっている中で、ガチャで売上を立てるという仕組み自体が難しくなっているように感じます。
また、コンシューマゲームに関してもソーシャルゲームに比べると活気があるように感じますが、先に述べたような開発コストの増大と、コロナ禍が一旦ピークを越えたことにより、巣ごもり需要が落ち着いたことから、ヒットタイトルの売上本数なども減少傾向にあり、この先厳しい局面が続くことが予想されます。
—では、職種についてはいかがでしょう?ゲーム業界にはさまざまな職種があるそうですが、市場価値に違いはありますか?
最近は3Dのゲームタイトルが多いことから、3Dデザイナーは特に業界から求められていますね。
同様の理由で、テクニカルアーティストの価値も高まっています。例えば3Dデザイナーが制作しやすくなるようなツールを作ったり、よりグラフィックを美しく見せるための土台や仕組みを作ったり……など、さまざまな課題解決をするポジションです。
また、いずれの職種にしても、特にUnreal Engine(アンリアルエンジン)の使用経験がある方は、ニーズが増えていると感じます。
トレンドの移り変わりが早いゲーム業界。大事なのは、求められるスキルを勉強し続けること
—ゲーム業界でキャリアプランを描く際には、どういったことを意識していくべきでしょうか?正直なところ、安定感のある業界ではないと思っています。「正社員だから安泰」「今の仕事のままで良い」というような現状維持ではなくて、会社になにかあっても市場で求められるスキルを身につけておくことが大事です。
ゲーム業界は、トレンドや技術の移り変わりが早い業界ですから、今後求められるスキルやツールを先回りして勉強する姿勢や、業界の交流会での人脈づくりといった、今の業務プラスアルファの動きをしていく必要があります。
あとは、業界内で何をしたいのか、長期的なキャリアを深く考えておくことです。目先の目標だけではなく、5年後10年後、さらにはその先のことまでしっかりと答えられる思考力がなければ、面接でキャリア設計ができていないと受け取られてしまうことがあります。
—自ら進んで学ぶことが大事になってくるんですね。では、ゲーム業界で転職サービスを選ぶにあたっては、どういったポイントを重視すべきでしょう?
1つ目は、業界に詳しいエージェントを選ぶことです。例えばまだ自分の目指すべき業界や職種自体が定まっていない方や、希望職種は決まっているものの業界を問わず仕事を探したい方であれば、業界を横断する総合型の転職エージェントが良いかもしれません。ですが、ゲーム業界などの専門性が高い仕事を希望される方においては、「ファミキャリ!」のような業界特化エージェントのほうがお伝えできる情報量が多く、マッチングの精度も高いため、今後のキャリアにプラスになる選択肢を提供できます。
2つ目は、クリエイターに寄り添ったサービスを提供しているエージェントを選ぶことです。他社の中には、応募書類の添削などはせず、ただ多くのゲーム会社に推薦して選考に落とされる、というケースもあるんですよ。業界内には1度応募すると、1年間は再応募ができない企業も多いですから、そういったエージェントを使ってしまうと選択肢が狭くなってしまいます。「ファミキャリ!」を先に活用いただいていれば、書類のブラッシュアップを行って選考通過の可能性が高まったのに…と悔やまれることもあります。
転職エージェントと面談したからといって、すぐに応募を始めなければいけないわけではありません。その場で「応募するかどうか決めてください」と焦らせてくるようなエージェントには、気をつけてください。

—ちなみに、転職エージェントを最大限活かすための心がけのようなものはありますか?
信頼のおけるエージェント会社選びはもちろん、担当エージェントとの相性も転職活動を左右する大事な要素です。ちゃんと意思疎通・関係構築が期待できるエージェントであるかどうか、しっかりとコミュニケーションをとって判断していただきたいです。
何か要望や不満があれば担当エージェントに遠慮せず伝えてほしいですし、もしもこのまま応募を進めてよいのか不安になった際には、担当変更の相談をする、複数社と面談するなどして、改めて併走してほしいと思えるエージェントを見つけるのも一つの手かと思います。
また、当たり前ですが、転職活動を自分ごととして捉えることも大切です。「ファミキャリ!」の場合は、選考通過率を高めるために、応募書類のブラッシュアップやポートフォリオのアドバイス、応募企業に合わせた面接対策を行っています。
前述した通り、採用ハードルが高まっていることに伴って、企業側も応募書類や面接の内容を細かく精査して選考されています。人生において重要な分岐点になりうる転職活動において、「もう少し応募書類を作り込んでおけば…」「面接の想定回答を準備しておけば…」と後悔することのないよう、できることは最大限一緒に取り組んでいただけたらと思っています。
—ゲーム業界の転職活動でよくある失敗例や、その対策方法について教えて下さい。
多いのは、ネームバリューで選んでしまうパターンです。求職者の中にはゲームタイトルの発売元企業を希望する方がいらっしゃいますが、発売元のパブリッシャーと制作を手掛けるディベロッパーが違うのはよくあることですし、開発をしないパブリッシャーもあるんですよ。
そういったパブリッシャーに開発をしたい方が入ってしまうとミスマッチが起こります。もちろんパブリッシャーでしかできない経験もありますが、ネームバリューよりも将来の目標や自分が積みたい経験をベースに考えるほうが良いと思います。
ほかは、リモートワークなど働き方の条件だけで選んでしまうケースです。コロナが収束した今、出社に切り替える企業も増えましたし、働き方の条件は状況に応じて変わっていきます。もちろんプライベートな事情などで、仕事探しにおいて優先すべきことが変わることもあるかは思いますが、働き方をメインの転職理由にしてしまうと入社後のミスマッチにつながりやすくなってしまうので、気をつけていただきたいところです。
—ゲーム業界に向いている方や活躍できる方は、どういった方でしょう?
一部繰り返しとなりますが、受け身ではなく、自発的に勉強できる方です。あとは、ゲームが好きというのは前提として、好きを仕事にする覚悟を持っている方です。
ゲームはリリースするまで売れるかわからないものですし、開発終盤など、心身両方のタフさが求められることもあります。ですから、好きの中で辛い経験をする覚悟を持つこと。好きな業界にいるために成長を続けられることが、大事になってくると思います。
クリエイターの生涯価値の向上、キャリアの目標達成に向き合う「ファミキャリ!」

—続いて、ファミキャリ!のサービスについてうかがいます。まず、ゲーム業界に特化した転職サービスを立ち上げられた背景を教えていただけますか?
「ファミキャリ!」を運営するC&R社は、30年ほどゲーム業界と向き合ってきた、業界内でも古株の企業です。より丁寧にゲーム業界のクリエイターの皆さまと向き合い、業界全体を盛り上げたいという思いから、「ファミキャリ!」を立ち上げました。
ゲーム業界に精通するエージェントが在籍しているので、総合型のエージェントとは、一味違う情報をお伝えできると考えています。
—ファミキャリ!の特徴や強みとなるポイントは、どんなところでしょう?
ファミキャリ!を運営するC&R社は、“クリエイターの生涯価値の向上”をミッションに掲げていることです。目先の転職支援だけではなく、その方の将来的なキャリアの目標を叶えることを観点にサービスを提供するのが、他社との大きな違いですね。
ここを最重要視しているので、転職ではなく現職にとどまってキャリアアップをおすすめするケースもあります。現職に残った後の継続的なキャリアパスのご相談や、将来の転職活動を見据えた準備の支援なども行っており、ミッションの実現に向けてどの会社よりも真剣に取り組んでいると思っています。

加えて、キャリアにとってプラスになるサポートを徹底的に提供することです。応募書類添削やポートフォリオのブラッシュアップ、面接対策といった一つ一つのサポートにこだわっており、手厚く行っています。
時には「ここまで細かくやるのか」と思われるかもしれませんが、一緒に転職活動を行うからには、しっかりと選考確度を高めたいと思い取り組んでいます。

また、C&R社の社内にスタジオがあることも違いの一つです。スタジオにはC&R社のクリエイターが2,000名ほど在籍していて、ゲーム会社から制作を受託したり、共同でゲームを開発したりもしています。実は、誰もが知ってる超有名タイトルにも携わっていたりするんです。
そのため、業界内のプロデューサーやディレクターとのつながりも強く、ほしい人材について生の声を聞くこともあります。ときにはクリエイターを直接売り込み、面接確約をいただくこともあったりと、明確な求人がなくても転職につなげられるのは、スタジオを持つC&R社ならではの強みです。
—最後に、読者やゲーム業界で転職を考えている方に向けて、アドバイスをいただけますか?
厳しいお話もしてしまいましたが、ゲームは人生を彩ったり、心を揺さぶったり、必要とされ続けるものだと思っています。今後もさまざまな形に進化していくと思いますが、より業界を盛り上げていきたいですし、そこで活躍するクリエイターの方々がさらに輝けるようにサポートしていきたいと考えています。
だからこそ、転職を考えている方には、ぜひ1番目に「ファミキャリ!」を選んでほしいです。1度応募すると1年間応募できない、という企業もあるので、可能性を狭めず最善の動きをするためにも、まずは「ファミキャリ!」に来てくださると嬉しいです。