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そこで今回は、クリエイターのための転職エージェント「LIG Agent(リグエージェント)」を運営している、株式会社LIGの人材事業責任者 大澤 昇平氏にインタビュー。
クリエイティブ業界における転職市場の現状や、デザイナーに求められる人物像、デザイナーとしてのキャリアパスを描く方法などについて詳しくうかがいました。

株式会社LIG 「LIGエージェント」人材事業責任者 大澤 昇平氏
1人の人材を7社以上が取り合う!?高まるデザイナーの需要
ー大澤さんはLIGエージェントの事業責任者ですが、ご自身もクリエイターとして活動されているのでしょうか。いえ、実は私自身はクリエイティブ職は全くの未経験なんです。新卒ではホテル関連の企業に入社し、2年目から採用担当として、スタッフの採用に携わりました。その後はホテル・観光関連の求人に特化した媒体社に入社し、キャリアアドバイザーや求人広告の営業職などを4年ほど勤めた経験があります。
その後、知人から「クリエイターのキャリアをサポートする仕事に興味はないか」と誘われてLIGに入社し、現在に至ります。
キャリアアドバイザー歴は8年ほどになりますが、クリエイティブ業界に関する知識は自社でクリエイティブ制作を行うIT企業であり、クリエイター採用を実施していることや社会人向けクリエイター育成スクールを運営していることから働きながら覚えました。
ー採用には長く関わっているとはいえ、ご自身もクリエイティブ業界未経験でのスタートだったとは驚きです!そんな大澤さんから見た、クリエイティブ業界の動向を教えてください。
やはり、クリエイティブ業界も人材不足が顕著です。中でも非常に売り手市場になっている職種が、デザイナーです。少し前のデータになってしまいますが、デザイナーの有効求人倍率は7.4倍。つまり1人のデザイナーを、7.4社が取り合っているような状況ですね。
ーすごい倍率ですね!なぜそこまでデザイナーが求められているのでしょうか。
多くの企業が、コンテンツやプロダクトを制作したいと考えているからですね。特に実務経験のある方を求める企業は非常に多く、デザイナー経験者はかなり希少価値がある存在だとされています。
ただ、実務経験者はすでに自分が希望する企業に転職したり、フリーランスへと転身してしまう方も多い現状です。
ですから最近は社会人向けのクリエイター育成スクールにてデザインを学んでいる実務未経験者を育成ありきで採用を行っている企業が増えてきました。
実務未経験者だったとしても採用する企業が増えた背景には、過去の社会人経験からも活かせる汎用性のあるスキルを持っている方やデザインスキルやデザインに対する考え方、成長性といったポテンシャルを持った方も評価するようになってきたという点もあります。
弊社も運営するクリエイター育成スクールでは、毎月100名以上のクリエイターを目指す方に受講いただいておりますが、その多くの方が元々、営業職や企画職、マーケティング等の様々な職種を経験されており、これまで経験した職種から身につけたビジネススキルをデザインスキルと掛け合わせて、デザイナーに転職されています。
デザイン力だけで判断せず、これまでの社会人経験や基礎的なデザインスキルやデザイナー職に対する想いを受けて、未経験者を採用している企業が増えてきていますね。
もちろん、まだ多くの企業は即戦力となる実務経験者を募集している状況ではあります。
デザイナーとしてのキャリアプランはどう描くべき?
ー一般的にデザイナー職は、どういったキャリアプランを描けばよいのでしょうか?まずやるべきは、自分の将来的なゴールをどこに置くかを考えること。最終的にどの姿を目指すかで、キャリアプランが異なります。
一言でデザイナーといっても、様々な働き方があります。
大きく分けて、制作会社で幅広いジャンルの制作を行うデザイナーや事業会社のクリエイティブ制作を行うインハウスデザイナー、業務委託や個人から案件を受注するフリーランスのデザイナーの3種類になります。
その中で、社員として企業に所属するとしてもデザイナーとしてスペシャリストを目指すのか、それともマネジメントを行う管理職を目指す方向性もあります。
将来目指すポジションに向けて、デザイナーキャリアの第一歩をどう選択するかも重要です。
ーもし現段階で、自分のキャリアプランが見えないときはどうしたらよいでしょうか?
まずは自己分析から始めていただきたいです。
そもそも自分のキャリアプランが見えていないのは、自分自身のことを理解できていないからではないでしょうか。ですから「何をしているときに一番幸せを感じるのか」「どんな働き方が自分に合っているのか」といったことを考えてみてください。
そうすると、徐々に将来どうなっていきたいのか、ということが見えてくると思います。
もちろん最初から将来の目的や理想の働き方をすぐに叶えられるわけではありませんが、その目的に向けて一つひとつキャリアステップを踏んでいく必要があります。
ーそもそものお話になりますが、デザイナーの市場価値は何で決まるのでしょうか?
大きく、次の3つです。
- 実務経験
- 担当可能範囲
- 顧客折衝経験
「実務経験」は、クライアントありきで担当された実績を指します。デザイナーの実務としては「Web」だけではなく、「グラフィック」や「アプリ」、「プロダクト」のデザイン等、様々担当していることもあるため、ご自身の手がけたデザインジャンルの幅が広い程、もちろん価値が高まります。
もちろん幅だけではなく、一つの分野でデザインを突き詰めていった実績もクライアントワークであれば実務経験として大きな価値といえます。
「担当可能範囲」とは、各プロジェクトにおいて「個人」としての担当範囲を指します。
大小様々な案件がある中で少なくとも複数名で取り組むことがほとんどかと思います。その中で個人としてどこまでが業務範囲かが重要です。
「顧客折衝経験」は、受託会社であればクライアントとの折衝経験であり、インハウスデザイナーの場合は社内の発注部署と直接どのような対応をされたかどうかが判断されます。
クライアントからの要望に対して、意図を正確に理解し、適切な提案や調整されてきた経験は大きな価値となります。
お分かりいただけたかと思いますが、デザイナーの市場価値とは実務の中でどれだけ経験があるかです。
しかしながら、採用する側の企業も企業ごとに業務内容や求められる内容は様々です。
企業目線で話すと、選考しているかたがもし自分たちの会社へ入社した場合、自社のデザイナーとしてもこれまでの経験が生かせるのか、再現性があるのかが見極めるポイントとなります。
採用されるかどうかはデザイナーとしての経験がどれだけ幅があるか、深いか、その価値で決まります。
デザイナーの転職に強い!Web制作会社が運営する「LIGエージェント」とは

だからこそ、多くのクリエイター採用も行ってきました。多くのクリエイターを選考してきたからこそ、クリエイターの選考基準は何よりも理解している自負があります。
昨今の業界全体に蔓延るクリエイター採用の難しさ、それはもちろん自社でも同じ思いをしています。
その業界の課題を同じクリエイターを採用してきたLIGだからこそ、解決ができる、そして業界を盛り上げていくことができる、その想いから2024年の7月にLIGエージェントをローンチしました。
ーほかの転職エージェントにはないサービスを挙げると、どういったものがあるでしょうか。
大きく2つですね。1つは、ポートフォリオの作成サポート・添削です。
昨今では事業会社のクリエイター採用も増加し、制作実績のビジュアルを見せるだけで良いポートフォリオと捉えられず、企業が求めるポイントを可視化させることが求められることが増加しています。
その理由から実務経験があるクリエイターであっても、ポートフォリオの制作は悩まれている方が多い傾向です。
クリエイティブ職種のみならず様々な職種を取り扱うエージェントやハローワーク等ではその判断が難しく、LIGエージェントにはアドバイスを求めて会員登録をいただくことが非常に増えています。
これまでの実績を何をどうアピールすべきなのか、ご一緒に伴走しながらポートフォリオを完成させることが可能です。
もう1つは、キャリアアドバイスです。クリエイターが在籍しているLIG社だからこそ、クリエイターとしてのキャリアアップを目の前で実感してきました。キャリアアップに必要なスキルや知識、経験を理解しているからこそ、直近で転職するわけではないクリエイターの方々からも現在のキャリア相談をいただくことも多いです。
多くのクリエイターの方々と長期的な関係を築き、一人でも多くのクリエイターキャリアの一途に携われたら嬉しく思います。
クリエイターの皆様のお力になることができ、業界をご一緒に盛り上げていくことができることが理想です。
求職者と企業の双方から好評!LIG Agent(リグエージェント)登録者は1,500名を突破

ーLIGエージェントのローンチから半年ほど経過しましたが、手ごたえはいかがでしょうか。
ありがたいことに、とても多くの方に好評です。会員登録者数も増え続けており、2025年4月現在で1,500名を突破しました。実際に転職された方からも「求人のミスマッチが少なくて良かった」といった声がたくさん聞かれます。
ーそれだけ、求人のミスマッチに悩むクリエイターも多いということでしょうか。
そうですね。この業界は人手不足ですが、同時にクリエイターさん自身で自分にマッチした企業を見つけるのがなかなか難しい業界なんです。
さらに転職エージェントによっては、適性を問わずどんどん求人を紹介するところもあります。そこで求職者側も勧められるままに選考を受けてしまい、自分が本当に行きたかった企業とは異なる企業に転職してしまうようですね。
その結果、心身の調子を崩してしまい、やむを得ず短期離職をしてしまうケースもあります。きちんとした理由があって短期離職をするのは致し方ないことですが、そうではなく希望に合わない企業に入社した結果、短期で離職してしまうのは、求職者にとっても痛手です。
一方LIGエージェントでは、求職者一人ひとりの適性に合う求人しか紹介しません。その分、求職者さんと企業の方の双方の負担を軽減できているようです。
ーだからこそ、厳選した求人を紹介してもらえるLIGエージェントが支持されているのですね。では、あえてLIGエージェントの弱みを挙げるとしたら何がありますか。
保有する求人の件数は、他のエージェントさんには劣るかもしれませんね。LIGエージェントがまだローンチして日が浅いこともあると思いますが、老舗の転職エージェントさんに比べたらまだまだです。
ただ、だからこそ求人を出されている企業さんのことはよく知っているつもりですし、求人が多いエージェントや求人サイトだと埋もれてしまう求人もクリエイターさんから見つけていただける機会も多いと思います。
日頃から弊社と取引のある企業の方が「(制作会社の)LIGさんだから」と求人を出していただくケースもあるため、他のエージェントでは紹介されない求人も取り扱っています。
LIG Agent(リグエージェント)でデザイナーとしての人生を、長くサポートしたい
ー最後に、デザイナーとしての転職を考えている読者にメッセージをお願いします。弊社は転職エージェント歴こそ短めですが、Web制作会社として、どこよりも多く、クリエイターさんと向き合ってきた自信があります。
この業界では何度も転職することも珍しくありません。これからデザイナーを目指す方も、さらにキャリアアップを目指したい方も、一生涯サポートしたいと思っています。多くの方に”長期的に”使っていただける転職エージェントであろうと思っていますので、ぜひ登録してみてください。