この記事では「未経験からネットワークエンジニアになることはできるの?」という疑問を解消すべく、巷で「やめとけ」と言われている理由や、どんな人に向いているのかといった内容についてまで、徹底解説していきます。
未経験からネットワークエンジニアになるのは難しい?
結論として、未経験からネットワークエンジニアになることは決して不可能ではありません。というのも、専門性の高さゆえ独学で学ぶのにも限界があるため、大抵の企業は働きながら知識を身につけるOJT形式を採用しているからです。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」を見てみても、「入職前の実務経験は必要ない」と回答した現役エンジニアが4割近くいることが分かっています。とはいえ技術的な知識・スキルが求められることは確かなうえ、年齢等によっても未経験就職の難易度は大きく変わってきます。以下では、20~40歳の年代別に、未経験からのネットワークエンジニア就職の実現性について説明していきます。
20代未経験の場合
どんな職種においても若い世代は転職に有利と言われていますが、ことネットワークエンジニアにおいてもそれは例外ではありません。未経験だったとしても20代であれば吸収力・柔軟性といったポテンシャルが高いため、成長に期待して採用してくれる企業も数多く存在するでしょう。昨今のIT人材不足の潮流も相まって、若い世代に対しては未経験から育成する意欲が高まっています。20代でネットワークエンジニアを志したのであれば、出来るだけ早く就・転職活動に動き出し、未経験可の求人を探してみてください。
30代未経験の場合
30代からのキャリアチェンジとなると若干の難しさが伴いますが、他業種での実務経験や社会経験等のポータブルスキルを活かすことで、転職のチャンスは十分あるでしょう。やはり20代の頃よりは劣るものの、30代前半であればまだまだ転職を成功させている人は多数存在します。転職した年代 | 転職した割合 |
---|---|
~24歳 | 15% |
25~29歳 | 43% |
30~34歳 | 26% |
35~39歳 | 7% |
40歳以上 | 10% |
30代までにIT・Web業界での経験がある人であればなおさら。ITに関する基本的な知識を有することを説明しつつこれまでの実績をアピールすれば、OJTを経てすぐに実践に移っていくことも十分可能です。可能であれば、30代後半になる前に転職を成功させたいところ。
40代未経験の場合
40代のようなミドル世代は即戦力を求められる傾向が強いため、未経験となると転職を成功させることは容易ではないでしょう。ネットワークエンジニアに限らず40代での転職は難易度が高く、成功率はわずか5〜10%程度とのデータも。過去の職務経験が転職後にどう活かせるのか、今後のキャリアはどのように考えているのか等をしっかりと説明し、闇雲な転職でないことを伝えることが重要です。また、他の未経験人材よりも出遅れたスタートになることを理解して、事前にスクールで知識を養ったり、関連資格を取得したりするのも効果的でしょう。40代未経験からの転職は、戦略性がカギになります。
ネットワークエンジニアはやめとけって本当?つらいこととは
ネットワークエンジニアは、各種通信機器に関する豊富な知識や技術力、さらにはトラブルシューティング能力等が求められるため、決して楽な職業とは言えません。ネットワークは基本的に24時間365日稼働してデータ取得等を行なっているため、職場によっては夜勤もありますし、緊急時には定時後・休日問わず対応に追われることもあるでしょう。長時間の労働が伴うことで、ストレスを感じてしまうケースも少なくありません。ネットワークエンジニアが大変であることは間違いありませんが、日々業務に取り組みながら新しい知識を吸収し、自分のスキルを磨いていけるという点では挑戦的な職種であるとも言えます。つらさを乗り越えることで、大きな達成感や成長を得られる仕事です。
ネットワークエンジニアに向いている人の特徴
ネットワークエンジニアに興味がわいたものの「本当に自分には向いているのかな?」と不安になることもあるでしょう。ここでは「こんな人ならおすすめ!」という、ネットワークエンジニアに向いている人の特徴について解説していきます。もちろん、当てはまらないからと言って適性が全くないというわけではありませんので、あくまで参考としてご活用ください。- PC・その他通信機器に関心がある人
- 新しい情報を自分から積極的にキャッチできる人
- コミュニケーション能力・協調性がある人
PC・その他通信機器に関心がある人
ネットワークエンジニアは、PCやその周辺機器機器、その他ネットワーク関連の部品に、日常的に触れる機会が多い職業です。そのため、機器に対して興味・関心がある人、自分で部品を組み立ててシステムを構築するのが好きな人等にとっては、非常に魅力的な仕事と言えるでしょう。「興味を持つ」ということは、新しい技術を自主的に学べる原動力となり、日々の作業を楽しめるようになります。いわゆる「やらされている感」を感じることなく、やりがいを感じながらのびのびと働いていけるはずです。
新しい情報を自分から積極的にキャッチできる人
ネットワーク技術の進化は非常に早いため、常に最新の情報をキャッチするリサーチ力が求められます。ネットワークエンジニアは、新しい情報に敏感であり、スキルアップを怠らない姿勢が大切です。自分から新しい技術について調べ、学ぶという工程を楽しめる人は、変化の激しい業界で成功を収めやすいでしょう。積極的に情報をキャッチし、それを業務にどう活かすかを考える力は、ネットワークエンジニアとして働くうえでの重要な要素となります。
コミュニケーション能力・協調性がある人
ネットワークエンジニアは技術面の専門的な知識を備えているだけでは不十分で、コミュニケーション能力も不可欠です。クライアントからの要望を丁寧にヒアリングしたり、システムエンジニアやサーバーエンジニアといったチームメンバーと連携を図ったりと、内外問わず人と関わる場面が多々訪れます。自分の意見を的確に伝える「発信力」がある人はもちろん、相手の意見を尊重してしっかりと聞ける「傾聴力」のある人は、ネットワークエンジニアに向いていると言えるでしょう。対人スキルが高いほどより円滑なプロジェクト進行が可能になり、結果として良好な職場環境を築きやすくなるはずです。
まとめ
当記事では、未経験からネットワークエンジニアを目指している人に向けて「そもそも現実的?」「やめとけって本当?」「どんな人が向いている?」といった気になる情報を網羅的に解説してきました。数あるIT職種の中でも、ネットワークエンジニアは実務を通じて知識を身につけていく傾向の強い仕事です。教育カリキュラムがしっかりと用意された職場を見つけることができれば、未経験からのスタートでもキャリアチェンジを実現することは十分可能でしょう。
ただし、やはり年齢によっては転職しづらくなる可能性もある点には十分注意が必要です。若ければ若いほどポテンシャルでの採用も狙いやすくなるので、ネットワークエンジニアになりたいと思った暁には、可能な限り最速で動き出してみてください’。