航空技術者はなぜ一等マルチローターの次に固定翼ドローン資格へ挑戦したのか|VTOLにも必要な国家資格【関西ドローン安全協議会 大阪スクール】

航空技術者はなぜ一等マルチローターの次に固定翼ドローン資格へ挑戦したのか|VTOLにも必要な国家資格【関西ドローン安全協議会 大阪スクール】
  • 今回お話を伺った方
    • 株式会社SkyShotWorld 執行役員・副社長

      髙本 浩一氏

      関西ドローン安全協議会 大阪スクールで固定翼の指導を担当。長年にわたる固定翼機の操縦経験を活かし、マンツーマンで受講生の技能習得を支援している。

VTOL(垂直離着陸)型ドローンを国家資格に基づいて運航するには、マルチローターに加えて飛行機(固定翼)の技能証明が必要です。

ところが、飛行機の登録講習機関は、国土交通省の一覧(2026年2月28日時点)で全国に2機関しかありません。本記事では、そのひとつである一般社団法人 関西ドローン安全協議会 大阪スクールを取材しました。

話を聞いたのは、同スクールの固定翼コースを卒業し、二等飛行機の技能証明を取得した航空技術者のNさんと、固定翼の指導を担う事務局長・髙本浩一さん(株式会社SkyShotWorld執行役員・副社長)です。固定翼ならではの難しさと講習の実際を紹介します。

* 国家資格では、固定翼の機体を「飛行機」と呼びます。本記事では、機体を指すときは「マルチコプター」「固定翼」、資格名は「二等マルチローター」「二等飛行機」のように表記します。

VTOL機の操縦に必要なドローン国家資格は「マルチローター」と「飛行機」の両方

VTOL機講習の前に話し合う生徒とインストラクター

固定翼受講生と飛行プランのブリーフィング中!


VTOL専用の国家資格はなく、運航にはマルチローターと飛行機(固定翼)の技能証明を両方そろえる必要があります。二等で運航するなら、二等マルチローターと二等飛行機の2つが必要です。

VTOL機はマルチコプターと固定翼のハイブリッド

VTOL機の特徴

VTOL機は、1機でマルチコプターと固定翼の両方の飛び方をする機体です。

VTOL機の特徴
離着陸:マルチコプターのように垂直
巡航:固定翼として前進飛行
強み:長距離・広範囲の飛行

ドローン国家資格は「等級」と「機体の種類」の2軸で管理される

ドローン国家資格の種類
無人航空機の技能証明は、一等・二等という「等級」と、マルチローター・ヘリコプター・飛行機という「機体の種類」の組み合わせで決まります。普通自動車免許で大型トラックを運転できないのと同じで、二等マルチローターを持っていても固定翼の機体は飛ばせません。

さらに機体の種類ごとに、最大離陸重量25kg以上の機体の操縦や、夜間・目視外飛行に対応するための限定解除(「昼間限定」などの制限を外すこと)があります。

VTOLを二等で運航するなら二等マルチローターと二等飛行機が必要

国土交通省は、VTOL機を操縦できる技能証明について「回転翼航空機(マルチローター)及び飛行機の両方の技能証明を取得していただく必要がございます」と示しています*。
* 出典:国土交通省「無人航空機操縦者技能証明に関するよくある質問」

保有している技能証明 VTOL機を二等で運航できるか
二等マルチローターのみ できない(飛行機が不足)
二等飛行機のみ できない(マルチローターが不足)
二等マルチローター+二等飛行機 できる

VTOL機の操縦は固定翼の技術が土台になる

操縦技術の面でも、固定翼の知識と技術は欠かせません。VTOL機は離着陸こそマルチコプターのように垂直ですが、巡航時はホバリングできない固定翼と同じ飛び方になるためです。
「固定翼の基本がないと、VTOLも無理だと思うんですよ。まずは固定翼をしっかり勉強してほしいですね」(髙本さん)
資格の上でも操縦の上でも、VTOLの土台は固定翼にあるといえます。

固定翼(飛行機)の登録講習機関は全国に2機関のみ

関西ドローン安全協議会 大阪スクールの無人航空機 固定翼国家ライセンス取得用の訓練機

関西ドローン安全協議会 大阪スクールの無人航空機 固定翼国家ライセンス取得用の訓練機


固定翼の講習を受けられる場所は限られています。国土交通省の登録講習機関一覧(2026年2月28日時点)で、飛行機の講習を行う機関は全国に2機関。関西ドローン安全協議会 大阪スクールはそのうちのひとつです。
「マルチローターの一等・二等を学べるスクールはたくさんありますが、固定翼の登録講習機関はまだ全国に少ししかないんです」(Nさん)
しかも関西ドローン安全協議会 大阪スクールでは、マルチローターの一等・二等も取得できます。VTOLの運航に必要なマルチローターと飛行機の両方を、同じスクールでそろえられるわけです。

関西ドローン安全協議会 大阪スクールの固定翼コース

VTOL・固定翼ドローンの需要が高まる業界|受講生の99%以上が法人からの受講

関西ドローン安全協議会 大阪スクールは飛行機の登録講習機関で、受講生の99%以上が法人からの受講です。固定翼コースには、国の機関や鉄道、広域測量を手がける大手などから問い合わせが寄せられています。

業界 想定される用途
国の機関 監視・調査
鉄道事業者 長距離にわたる線路の点検
測量 広域測量
物流 長距離輸送(検討段階)

VTOL機の開発メーカーからの問い合わせも増えています。
「VTOLを作られている会社さんからの問い合わせが多いので、業界はVTOLを見ているのかなと感じます。行き着くところは、VTOL機のレベル3.5飛行* を意識されているんじゃないかと」(髙本さん)
* 国土交通省「本邦初の無人航空機のレベル3.5飛行初実施について飛行の承認を行いました!」

レベル3.5飛行は、技能証明の保有や保険加入などを条件に、無人地帯の目視外飛行で補助者や看板の配置を不要にした制度です(2023年12月新設)。広範囲を長く飛べるVTOL機と相性のよい制度です。

VTOL機の操縦には
\\マルチローターと飛行機のライセンスが必要!//
VTOL機の操縦について相談

一等マルチローターを持つ航空技術者が固定翼ドローン資格に挑戦した理由|卒業生Nさん

Nさんは、関西ドローン安全協議会 大阪スクールの固定翼コースの卒業生です。

航空業界で約15年、顧客への技術サポートを担当しながら、ドローンの国家資格を段階的に取得してきました。マルチローターでは講師の助言を受け、二等を経ずに一等から挑戦。10年以上前に自分でドローンを飛ばしていた経験が後押しになったそうです。

ドローン資格取得の軸は「オペレーターの視点」

Nさんは、ヘリコプターを運用する顧客の技術サポートも並行して担当しています。そのなかで、自分に欠けている視点に気づいたといいます。
「回転翼や固定翼の運用側にまったく触れずにこの業界に入りました。運用者や整備士さんの目線がどうしても欠けている。だから無人航空機に関わるなら、自分もオペレーターの視点に立てるようにと考えて、資格の取得と勉強をしてきました」(Nさん)
資格取得は、操縦者の感覚を体で覚えるための手段でした。

固定翼に挑戦した理由は「マルチの次は固定翼」という以前からの目標

飛行機は出張や旅行で乗ることはあっても、自分で操縦する機会はなかったとNさん。固定翼への挑戦は、マルチローターの資格を取る前から決めていたそうです。
「マルチコプターから、次は固定翼にステップアップしていきたいという思いは、マルチコプターを取る以前から抱いていました」(Nさん)
回転翼に続いて固定翼でも操縦者の立場を経験する。Nさんにとって二等飛行機は、オペレーターの視点を広げるための自然な次の一歩でした。

マルチコプターと固定翼ドローンの違い|操縦に求められる3つのスキル

マルチコプターと固定翼の違い

固定翼はホバリングができず、常に動き続けます。スピードに対応する瞬発力、遠くの機体を立体的に捉える空間認識力、複数の舵を組み合わせる技術が求められます。

マルチコプターと固定翼の操縦の違い

比較項目 マルチコプター 固定翼
ホバリング できる できない
後退 できる できない
エレベーター舵 前進・後退 機首の上げ下げ
スピード 比較的ゆっくり 速い
飛行範囲 比較的狭い範囲 広範囲・遠距離
舵の使い方 2〜3の舵を混ぜて操作 3つの舵を常に連動させる

固定翼の主な舵は3つです。

  • エルロン(補助翼):機体を左右に傾ける
  • ラダー(方向舵):機首を左右に向ける
  • エレベーター(昇降舵):機首を上げ下げする

旋回では、機体を傾けつつ機首の向きと高さを保つため、3つの舵を同時に操作します。

卒業生の実感|スピードに対応する瞬発力と立体的な空間認識

一等マルチローターを持つNさんでも、固定翼に乗り換えたときの違いは大きかったようです。
「マルチに比べて機体のスピードがものすごく速いので、瞬発力が求められます。飛行範囲も広いので、目視で機体の姿勢や方位を捉えて、空間を立体的に認識する力が必要だと感じました」(Nさん)
苦労したのは、シミュレーターと実機の差。実機では風などの外的要因が加わり、難しさが一段上がったと振り返ります。

講師の視点|固定翼はバックしない

髙本さんは、マルチコプターの経験がある人ほど最初に戸惑うポイントとして「舵の意味の違い」を挙げます。
「ドローンのエレベーターは前進・後退の舵ですが、もともと飛行機から来ていて、上昇・降下の舵なんです。飛行機はバックしないので、まずそこから違いますよね」(髙本さん)
マルチコプターなら、困ったときに止めて立て直せます。一方、固定翼はじっとしてくれないため、絶えず舵を入れ続けなければなりません。3つの舵の使い方を理解しないと、きれいな旋回もできないといいます。

固定翼の実地試験が難しい理由

髙本さんによると、固定翼の実地試験には次のような難しさがあります。

  • 墜落リスクを避けるため、高度をとって遠くで飛ばす
  • 旋回ポイントが空中にあり、位置は想像するしかない
  • 範囲内で旋回させる距離感・空間認知力が問われる

Nさんが挙げた空間認識力は、試験でもそのまま問われるわけです。

固定翼ドローンスクールの選び方|関西ドローン安全協議会 大阪スクールが選ばれた理由

関西ドローン安全協議会 大阪スクールのVTOL機講習

固定翼スクールは、講習の有無に加えて、講師の固定翼経験や指導体制、練習環境まで確認して選びたいところです。

固定翼スクールを選ぶ判断軸

判断軸 確認ポイント 関西ドローン安全協議会 大阪スクール
固定翼の登録講習機関か 飛行機の国家資格を扱っているか 全国2機関のうちの1つ
マルチローターも取れるか VTOLに必要な2資格を1か所でそろえられるか 一等・二等マルチローターも取得可能
講師の固定翼経験 固定翼機の操縦・指導経験 アクロバット飛行まで知る講師が指導
指導体制 マンツーマンか 固定翼はマンツーマン

選んだ決め手は講師・髙本さんの人柄

飛行機の講習を受けられる機関は全国に2つしかなく、選択肢はもともと限られていました。そのなかでNさんが関西ドローン安全協議会 大阪スクールを選んだ決め手は、勤務先や自宅から通える範囲にあったことと、髙本さんの人柄です。
「最終的には、勤務地から近くて、実地講習の場所へも自宅や会社から通える点が大きかったですね。あとは、髙本さんの人柄です」(Nさん)
髙本さんは固定翼を長年飛ばしてきた経験を持ち、受講生一人ひとりの上達に親身に向き合う。問い合わせの段階から、髙本さんのそんな姿勢が伝わったのでしょう。

髙本さんの周りには、固定翼ラジコンの愛好家が集まってくるほどの人望があります。その人望は、Nさんが受講中に実感することになる練習環境にもつながっていきます。

マンツーマン指導で固定翼の練習密度が上がる

Nさんには一等マルチローターの資格があり、ドローン操縦の土台はできていました。それでも、ホバリングできず常に動き続ける固定翼は、マルチとはまったく別物です。

関西ドローン安全協議会 大阪スクールでは、固定翼の講習をマンツーマンで行っています。
「固定翼の場合、常に舵を入れ続けるわけですから、1人で2人を同時に教えるのはまず無理だと思います」(髙本さん)
固定翼は、舵の入れ方をその場で直してもらえるかどうかで、上達の速さが大きく変わります。講師が隣で1対1で指導してくれる時間は、マルチの経験があるNさんにとっても密度の高い練習になったといえます。

固定翼ラジコンの経験者からも学べる練習環境

Nさんが「選んでよかった」と特に強調したのが、講師以外からも学べる環境です。実地講習のフィールドには、髙本さんを慕って、趣味や仕事で固定翼ラジコンを飛ばす人たちが集まってきます。
「マルチのときは、お手本にできるのが講師の方だけでした。今回は趣味や仕事で固定翼のラジコンを飛ばしている方が同じフィールドにいて、体験からくるコツを教えていただいたり、飛ばし方を見せてくれたり。すごく恵まれた環境だったと思います」(Nさん)
休憩中もスクールから借りたシミュレーターでひたすら練習していると、周りの固定翼経験者が画面や操作を横で見て、「私ならこうする」と助言してくれたそうです。

講習の時間以外にも、練習と助言が重なる。そんな環境が、Nさんの短期間での上達を後押ししました。

VTOL・固定翼ドローン資格に挑戦したい人へ|卒業生と講師からのメッセージ

関西ドローン安全協議会 大阪スクールの講習の様子

最後に、資格に挑戦する社会人へのメッセージを聞きました。
「ドローンは、メーカーが想定するよりも幅広い用途で使われています。自分のミッションに合った訓練を、教育として受け続けながら、安全にミッションをこなしてほしいと思います」(Nさん)
「一等にしろ、固定翼にしろ、難しいですけど、練習すればなんとかなります。マルチのATTIモード(GPSによる位置保持なしの飛行)も、訓練すればできるようになりますから」(髙本さん)
隣で聞いていたNさんも「練習次第かなというところです」とうなずきます。固定翼は難しい。それでも、適切な指導のもとで練習を重ねれば、資格取得を目指せます。

VTOL・固定翼ドローン資格のよくある質問

関西ドローン安全協議会 大阪スクールのドローン講習

VTOLの操縦にはどの国家資格が必要?

マルチローターと飛行機の両方の技能証明が必要です。二等で運航するなら、二等マルチローターと二等飛行機をそろえます。

二等マルチローターを持っていればVTOLを飛ばせる?

飛ばせません。二等飛行機を追加で取得する必要があります。

固定翼(飛行機)の国家資格を取れるスクールはいくつある?

国土交通省の登録講習機関一覧(2026年2月28日時点)では、飛行機の登録講習機関は全国に2機関です。

マルチローターと飛行機を同じスクールで取得できる?

関西ドローン安全協議会 大阪スクールでは、一等・二等マルチローターと一等・二等飛行機の両方を取得できます。

マルチコプターと固定翼はどちらが難しい?

一般に固定翼のほうが難しいとされます。ホバリングや後退ができず、複数の舵を組み合わせ続ける必要があるためです。

VTOL・固定翼の国家資格なら関西ドローン安全協議会 大阪スクール

VTOL機の運航には、マルチローターと飛行機の両方の技能証明が欠かせません。関西ドローン安全協議会 大阪スクールは、全国に2機関しかない飛行機の登録講習機関のひとつで、マルチローターと飛行機の両方を同じスクールで取得できます。

マンツーマン指導と固定翼の経験者が集まる練習環境も強みです。VTOLの運航を見据えるなら、まず二等飛行機から始められる有力な選択肢といえます。

二等(飛行機)の国家資格取得講習の日程等は、受講する人の経験や保有資格、目的によって変わります。法人での受講を検討している場合も、まずは目的や受講予定者の経験を伝えて相談してみてください。
「ウェブ上だけではわからないと思うので、ぜひご相談ください。いろんなお話ができると思います」(髙本さん)
■VTOL機を飛ばしたいなら、まずは相談してみよう■
\一等・二等(飛行機)+(マルチ)の国家資格取得なら/
 スクールの詳しい情報 

関西ドローン安全協議会 大阪スクールの料金と基本情報

スクール名 一般社団法人 関西ドローン安全協議会 大阪スクール
取得できる資格
  • 一等・二等(マルチローター)
  • 一等・二等(飛行機)
  • 限定解除(夜間・目視外)
  • JUIDA
住所・アクセス 本協議会事務局・技術サポートセンター
大阪市淀川区十三東(阪急十三駅から徒歩約9分)
能勢高原ドローンフィールド
〒563-0341 大阪府豊能郡能勢町宿野473
※駐車場あり(受講者無料)
ノマックドローンフィールド
〒563-0355 大阪府豊能郡能勢町下田119
※駐車場あり(受講者無料)
特徴 受講生の99%以上が法人
固定翼はマンツーマン指導
料金 二等(マルチローター)初学者 21万円(キャンペーン価格)
2026年12月31日まで
二等(マルチローター)経験者 民間資格保有者
9万円(キャンペーン価格)
2026年12月31日まで
一等(マルチローター)初学者 飛行時間100時間以上が目安
94万4,000円
一等(マルチローター)経験者 民間資格保有者
30万7,000円
卒業生割引あり
26万2,300円
二等(飛行機) 二等マルチローター保有者
115万円〜
一等(飛行機) 一等マルチローター保有者
136万円〜
その他 マルチローター・飛行機同時受講プランもあり(CBT学科試験合格者限定、二等基本のみ)
* 料金はすべて税別
 無料体験会はこちらから 
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商号 GMOメディア株式会社 (GMO Media, Inc.)
設立年月日 2000年10月13日
GMOメディア株式会社の事業内容 メディア事業、ソリューション事業
所在地 東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー 12F
資本金 7億6197万円(2024年12月31日現在)
上場市場 東京証券取引所 グロース市場(証券コード : 6180)
主要株主 GMOインターネットグループ株式会社
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