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(取材)新たな角度から地域の魅力を伝えるDron é motion(ドローンエモーション)の取り組みとは?

「空の産業革命」が推し進められるなか、ドローンを活用したサービスや事業が広がりをみせています。インフラ点検や農薬散布などの事業でも利用されるドローンは、今後もわたし達の日常に浸透していくことが予想されます。

そして、数あるドローンのサービスのなかでも、空撮によって地域の観光集客をしているのが、株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)です。ドローンの身軽さ・自由さを最大限活かし、空からしか見られない美しい景色を発信する事業を行っているそう。

今回は、Dron é motionの代表である田口厚さんから、サービスの内容やドローンを活用した事業に対する思いをお伺いしました!

地元民ほど驚く、ドローンから見る景色の魅力


意欲的に小学校などの教育現場でドローンのワークショップを行われている田口さんは、ご自身でもドローン空撮を趣味とされているそう。日本初のドローン空撮映像コンテストではファイナリストに進出し、ニコニコ生放送の「ドローン運動会2」ではMVPを受賞しています。

趣味に留まらず、これまでにはドローン導入支援やドローン活用をテーマにした講義なども意欲的に行ってこられた田口さん。ドローン空撮サービスを始めるまでに、どのような経緯があったのでしょうか?


ー本日はありがとうございます。まず、Dron é motionで事業をスタートしたきっかけについて教えていただけますか?

Dron é motionの事業をはじめたきっかけは、現地の方にドローンの景色をリアルタイムでお見せすると、大変驚かれることが多かった経験からです。その土地を長年知っている人でも、空から見た景色には新たな発見があります。むしろ、その土地を熟知している人ほど、空撮映像が衝撃的に見えるようで。

ドローンを通して現地の方が喜ぶ顔を見られるのはとても嬉しいですし、有名な絶景地だけでなく、皆が知らない絶景地を見つけるのも楽しいもの。このような背景から、ドローンを通じて土地の魅力を発信できないかと考えるようになり、同事業のアイディアへとつながっていきました。

ーということは、田口さんご自身も、趣味で空撮に取り組まれていたのですね。

そうですね。空撮は長年やっていまして、特にお城を撮影するのが好きです。お城って要塞なので、本丸の天守に行くまでにさまざまな門があり、道がジグザグに構成されていることも珍しくありません。実際に足を運んでみると、自分がどこにいるのかわからなくなってしまうこともあるくらいです。

ところが、ドローンの視点で高さ50mくらいから撮影すると、城の全体像が見えて、自分がどこにいて、その先の道がどうなっているかが全体的に把握できます。空撮をすると、「城側の人間が守るとしたらどこに隠れる」とか「どこから責めたらこの城は弱いのか?」というポイントまでわかるんです。“城マニア”的には、ちょっとたまらない光景ですよ。

「許可取りで心が折れる」ドローン撮影の課題を解決した観光PR空撮事業


そんな田口さんが経営されるDron é motionでは、観光PR空撮事業、ドローン観光事業、教育・研修事業の3本柱で事業を展開されています。中でも、四季折々の景色の魅力を空撮する観光PR空撮事業では、SNSやメディアで発信するための術も提案されているそう。

また、ドローン観光事業では、ドローンのレンタルと講習をセットにしたドローン撮影会などを行い、「現地でドローンを飛ばす楽しさ」を伝える取り組みを行っています。スクール関連卒業生が600名を超える教育・研修事業では、長年の空撮で培ったノウハウを丁寧に生徒に指導されています。

幅広くドローンを活用できるサービスを展開されている田口さんに、事業内容や空撮することで生まれる効果について、詳しく教えていただきました。


ーそれでは、現在のDron é motionさんの事業について、教えてください。

弊社では、空撮素材をツールとして観光集客の仕組みを作ろうとしています。つまり、撮影するだけではなく、「その映像コンテンツをどのように見てもらうか」や「どう届けるか」まで考えて戦略を練るわけですね。また、それに関連し、最近では人材育成にも力を注いでいます。

ちなみに、Dron é motionという社名は、“dorone(ドローン)”の最後の「e」をあえて離すことで、“emotion”とかけているんです。émotionは、フランス語として読むと、「感動」という意味にもなりますので、「ドローンで感動を提案する」という意味を込めた社名ということになります。

ーなるほど。まさに、観光地の魅力をドローンで発見する事業にピッタリの社名ですね。

ええ。ドローン撮影の魅力は、豊富な情報量を盛り込める点だと思っています。というのも、ドローンが飛べる空域は、これまで人間が利用してこなかった空域なんです。具体的には、飛行機やヘリコプターは原則150m以上を飛ばなければいけませんが、ドローンは原則として150m未満を飛ぶ必要があります。この「150m」というのがミソで、有名な観光地にある展望台の高さって、およそ50m前後なんです。つまり、ドローンでの映像は、展望台から見た景色に近くなる。しかも、高すぎず、低すぎずなので、「あそこに建物がある」「あちらに誰がいる」と土地の雰囲気がわかりやすいんです。

ただ、展望台があるような場所は、だいたいが有名な観光地。展望台がない地域では、ドローンを使わないと、こうした景色が見られません。そういった理由から、地域の新しい魅力を引き出すには、ドローンからの空撮が非常に効果的だと考えています。


ードローン施策を具体的に取り入れている観光地はありますか?

最近では、石川県の珠洲市という能登半島の最先端の場所で取り入れてもらっています。珠洲市は、日の出と夕日が同じ場所から見える岬がある場所としても有名です。そこでは空撮のコンテストを催しており、私は全体的な企画や仕組みづくりの全体的なアドバイスを行いながら、審査員もやらせていただいています。

でも、普通に「ドローンの空撮コンテストをやります!」と宣伝しても、人はなかなか集まらないもの。そこで、同市では、空撮地を解放することにしました。現在のところ、ドローンで空撮するためには、飛ばす場所や飛ばす方法によっては、国土交通省が管轄している「航空法」に基づく許可・承認が必要になります。これは「人口が密集している地域でドローンを飛行させてはいけない」などのルールが定められた法律で、撮影をする前に手続きをしなければいけません。

手続き自体はオンライン申請できるので、それほど大変ではありません。ただ、意外と大変なのが、民法上の許可を取ることなんです。土地の上空は、その土地の管理者の管轄になりますから、たとえば、灯台の上空を飛行する場合は、その灯台の管理者の許可が必要になります。

ところが、海岸や滝など、どこが管轄しているかもわからない土地だと、許可を取りづらいことが多々あるんです。「誰が管理しているか」から調べて、管理者がわかってから、ようやく申請を出せる。こうした手続きを個人で行うと、「めんどうくさいから、やめよう!」と諦めてしまう人も多いようです。


ー一般の人にとっては、ドローンで空撮するまでのハードルが高いものなんですね。

そうなんです。このステップをクリアできないと、現地で撮った映像をネットに公開することもできません。視聴者から、「この映像は土地の許可を取っているんですか?」指摘されるリスクがあるためです。時間をかけて遠出をして空撮しても、SNSに載せることもできない……これは、その地域にとってもパイロットにとっても非常にもったいない状況だと考えています。

そのため、同イベントでは、100%許可がとれた状態を用意することで、遠方からも足を運んでもらいやすい環境を作りました。コンテストでは、参加者はパスの提示をするだけで自由に撮影ができるようにしました。


ー素晴らしい配慮ですね。コンテストには、空撮経験がない一般の方も参加されたのでしょうか?

未経験者の方も、もちろん歓迎しています。ただ、東京から珠洲市までは車で8時間くらいかかりますので、アクセスが不便なのがネックですね。ドローンの空撮は良くも悪くも、現地まで足を運ばなければ撮影できないんです。

ただ、これは、現地の方にとってはプラスでもあります。なぜなら、「石川県珠洲市のお土産や名産品がほしい」だけなら、通販を利用すれば自宅で入手できるからです。でも、「珠洲市で絶景を撮りたい」と思ったら、珠洲市まで足を運ぶ必要があります。それならば、絶景が撮影できる場所を開放して、珠洲市で1~2泊して現地での観光も楽しんでもらえたら……というのが、同イベントのねらいです。

ドローンを“悪者”にしない、地域の理解を得る仕掛け


ードローンの魅力と可能性が少しずつ見えてきました。次に、Dron é motionさんで行われている空撮ツアーとは、どのようなサービスなのでしょうか?

京都府の和束町という地域で行ったツアーを例にご説明しましょう。この和束町は京都と奈良の中間くらいにある、茶畑の美しい景色が広がる地域なんですが、観光名所ほどの認知度はありません。


日本ではただでさえ、ドローンが飛んでいるだけで現地の人から「怪しい」と警戒されがちです。そのうえ、和束町はメジャーな観光地ではなく、はなから観光だけを目当てにしたツアーを組むと、「お茶を大切に育てている場所に、ドローンを飛ばすのは迷惑だ」と嫌われてしまう可能性がありました。

そこで、和束町では初年度に、地域の体育館を借りて、その地域の子ども達にドローンの体験会行いました。体験会に参加してもらうことで、「まずはドローンを知ってもらおう」と考えたのです。子どもが操縦しているのを大人にも見てもらい、子どもと大人でドローンについて語ることで、「ドローンは危ない、怖い」認識を変えてもらいたいと考えていました。

こうして、ドローンに対する受容性を高めていただいたうえで、「観光にも活かせるドローン空撮をやりましょう」となりました。ドローンはまだまだ怖がられている側面が強いので、少しずつ受け入れてもらえる環境を作っていくのが大事かなと思います。

そして、実際のツアーでは、お茶の試飲会なども行いながら、「絶景の中にいる自分を撮れる」というトータルプランを作成しました。とくにInstagramを楽しまれる人は、「自分が中に入り込める美しい絶景」を好まれるためです。地元の方とていねいに関係を作ることで、ツアーを実現させることができました。


ー一眼レフでは決まった画角しか撮れないので、ドローンが良いというのはとてもわかります。

そうなんですよね。そのような課題を踏まえ、我が社の空撮ツアーでは、初めての方でも綺麗に写真や映像が撮れるように、2段階で体験してもらう流れにしています。

まず、体験の1段階目では、静止画を中心に撮影してもらいます。ドローンは「動く三脚」のようなもので、めぼしい場所に飛ばしてカメラの画角を変え、自分がイメージする構図を決めてからシャッターを押すだけで撮影できるのが強みです。とくに静止画は動画と違い、操縦スキル不足でドローンが揺れてしまっても作品には影響しづらいため、初心者でもそんなに難しくはありません。

こうして静止画に慣れた人は、2段階目として、動画の撮影にチャレンジしてもらいます。ドローンを動かしながら映像を撮るには、右手と左手で柔軟にスティックを操作する必要があります。操作を誤れば、ドローンが木にぶつかってしまうことも。そのため、こうして2段階で体験してもらっているのです。

現地ならではの景色を写し込むことで、印象に残る空撮映像を

ー公式サイトを拝見した際に、花火の映像が美しく、とても印象的でした。ドローンで花火を空撮するのは難しそうだと感じましたが、田口さんはどのように撮影されたのでしょうか?

空撮は、花火本来の美しさがわかりやすい撮影方法だともいえます。花火って、球体のように広がっているのですが、人の目でふつうに見ているとおせんべいみたいに平べったく見えてしまう。そこを、ドローンで動きながら撮影すると、カメラが動くことによって光の位置が変わるため、「球体である」と認識できるようになります。

東京2020オリンピックでも、数々のドローンを飛ばして地球のような形に見せる演出がありましたよね。球体に見えるのは、ドローンが動いているからなんです。


ちなみに、私が花火を撮影するときに気を付けているポイントは、2つあります。1つ目は、その土地ならではの夜景を入れることです。花火だけ撮影してしまうと「どこの花火大会か」が伝わらないんですよね。そこで、その土地の特徴的な夜景を写すことで、「どこで撮影された花火か」がわかるようにしています。鎌倉の花火大会なら、真っすぐな参道を花火と一緒に写すことで印象的な花火大会の映像を残せます。

2つ目は、地上におられるお客様に不快な思いを抱かせないことです。花火大会のメインは、あくまでも鑑賞しているお客様。いくら法律を守っていたとしても、お客様がドローン越しに花火を見るようなポジショニングになってしまったり、写真撮影を楽しまれているお客様の邪魔をしたりしてしまっては、花火大会を楽しんでいただくことができず、本末転倒になってしまいます。そのため弊社では、花火を挟んだ反対側からドローンで撮影するように心掛けています。こうした配慮も、ドローン撮影において大切なことです。

ー法令だけでなく、周囲のお客様に配慮するのも大事なのですね。

そうなんです。これは花火に限らないことで、たとえば、現地の方に「ドローンに撮影され、プライバシーを侵害されているのではないか」と不安を抱かせてしまうと、ドローンが悪者になってしまいます。ルールを遵守することはもちろん、その土地のマナーを徹底して守ることも大切にしています。

2022年には目視外飛行も。ドローンが当たり前の風景に?


ー豊富な事例で、ドローンの可能性について深く理解できました。今後、御社ではどのように事業を展開されていく予定ですか?

日本社会全体で見ると、ドローンはターニングポイントにあります。というのも、2022年の6月にドローンの運用方法が変更になるんです。具体的には、今までは「機体を直接目視して飛ばす」というルールだったのが、「人がいるエリアでもドローンの目視外の飛行がOK」になる、レベル4と呼ばれる段階に移行します。
ドローンに関する技術の向上、物流等の利活用へのニーズが高まっている中、2022年度を目途に、現行では飛行を認めていない「有人地帯における補助者なし目視外飛行」(レベル4)を実現すべく、交通政策審議会等において検討を行ってきたところ。
引用:国土交通省航空局

そうなると、国主導のライセンス制度が新設されたり、安全レベルを引き上げるために管理体制を変更する需要が高まったりすると考えられます。このような社会情勢においては、人材の育成が非常に重要になりますので、これまでに得たノウハウを注ぎ、新たな形で社会に貢献できればと考えています。

それから、産業用ドローンを活用できる人材の育成にも力を注ぎたいですね。現在、ドローンスクールは盛り上がりを見せており、国土交通省のリストに載っているだけでも、1,000校を超えています。しかし、全てのスクールが産業用ドローンに対応しているわけではありません。弊社としてはeラーニング等も活用しつつ、産業に特化した人材を育成したいですね。

ーちなみに、来年からルールが変わるとのことですが、目視外飛行が可能になると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

大きく恩恵を受けるのは、デリバリーでしょう。これまでのルールでは、たとえば「5km先に荷物を送る」場合に、ドローンを監視し続ける中継員を置く必要がありました。これが必要なくなれば、デリバリー等を自動化し、効率よく配達できるようになると思います。

ただ、始めの段階では、心情的なハードルがあるかもしれません。どうしても、「ドローンは珍しく、怖いもの」というイメージを抱く人も多いためです。ただ、実証実験などを見ていると、初めの頃こそ、人々はドローンを「珍しいもの」として注視しますが、1週間も経たないうちに慣れてしまい、見上げなくなるようです。「ドローンは安全で便利なものなんだ」という認識ができ、慣れていただけるかどうかがカギになってくると思います。

ドローンプログラミングは試行錯誤の繰り返し。ぜひ体験を!


ーコエテコでは子ども向けの習い事をいろいろとご紹介しているのですが、Dron é motionで展開されているツアーや体験会には、お子様は参加できるのでしょうか?

空撮ツアーへのお子さまの参加はまだまだ少ないですが、ドローン操縦ができるワークショップには、多く参加していただいていますね。

面白いのは、ドローンの操縦は、お子さまの方が圧倒的に吸収が速いんです。大人は「ドローンを壊してはいけない」と思って、遠慮がちに操縦します。すると、技術の吸収が比較的遅くなってしまいます。対する子どもは怖いもの知らずで、思いついたことはなんでも試します。ドローンは三次元の存在ですから、とにかくなんでも試す姿勢の方が、より感覚をつかみやすいんです。

ー興味深いです。田口さんの考える、ドローンの教育的効果は?


子どもの頃からドローンやプログラミングに触れるのは、非常に意義深いと思っています。というのも、画面上でプログラミングをすると、いつも定まった結果が出ますよね。一方で、ドローンの実証実験の現場に行ってみると、風をはじめとしたさまざまな影響によって、必ずトラブルが発生するんです。

プログラミング用小型ドローンの代表的なトラブルが「熱暴走」で、連続してドローンを飛ばそうとすると、熱によってプログラミングが上手く機能しない状態に陥ることがあります。また、ドローンはセンサーによって位置や高さを測るのですが、とくに小型ドローンではそこまで精度が高くなく、部屋の明るさや床の状態によって、位置情報の精度が落ちてしまうことがあります。

このように、ドローンは、非常にリアルな状況下でプログラミングの有用性を学べる題材だと考えています。プログラミングを変更して問題解決することは、現実問題のプロジェクトの問題解決と似ています。これからの社会では、用意された答えに向かっていくのではなく、自分で答えを見つけていく学びが重要になると思います。

今後、社会インフラの一つとしてドローンが根付けば、目視のフライトから、自動飛行が増えていくでしょう。その時に使えるのが、プログラミングやロボットの考え方だと思います。ぜひ弊社の体験会や空撮ツアーを通してドローンに触れていただくとともに、ご自宅やスクールでプログラミングに触れてみられてはいかがでしょうか。

—田口さん、ありがとうございました!

Dron é motion(ドローンエモーション)はこちら

日本各地の観光課題の解決に取り組んでいるドローン空撮サービス「Dron é motion(ドローンエモーション)」の公式サイトはこちら。今回の取材に出てきたシーン以外にも、さまざまなシチュエーションで活用できます。詳しくは以下のページでご覧ください。

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