(イベントレポート)『女性ドローンパイロットリアル交流会イベント』ドローン業界の女性活躍を応援
GMOインターネットグループのプレスリリース(2023年10月3日 11時00分)「コエテコドローン byGMO」が女性のドローンパイロットを応援するリアルイベントを開催!【GMOメディア】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004156.000000136.html >
この数年、ドローン市場は年々右肩上がりで成長を続けています。しかし、今もドローン業界は男性が9割以上を占めているため、女性ならではの悩みを共有する機会が少ないことが課題です。
本イベントでは、これまでドローンに興味を抱きつつも一歩踏み出せなかった女性や、女性が少ない業界で悩みを抱いていた女性に対し、情報交換の場を企画することで、ドローン業界におけるさらなる女性の活躍を支援することを目的として開催しています。
GMOメディア株式会社の高橋がモデレーターを務め、業界で活躍する4名の女性パイロットをゲストとして迎えたパネルディスカッションでは、ドローンに関わることになったきっかけや現在の取り組み、女性に合うスクールの選び方、今後の女性ドローンパイロットへの期待などについて、リアルな本音を伺いました。

■パネリスト
・白石 麻衣(しろまい)さん
ドローンレース世界選手権日本代表団長、Wednesday Tokyo Whoopers代表
X(Twitter):@namaikicastle
・えりんぬさん
フリーランスFPVドローンパイロット
X(Twitter):@eringorirappant
・柳本 めぐみさん
楽天ドローン インストラクター・オペレーター
ドローンの"知りたい"をお届けする『ソラエモン学校 』❗️❗️ 「ドローンを初めてみたいけど聞ける人がいない」「初めてみたけどわからないことがある」という方に向けて、プロのドローンインストラクターが役に立つ情報を発信していきます❗️❗️YouTubeは毎週金曜日に更新です❗️
https://youtube.com/@SoraemonSchool >
・ドローンアーティスト夏知さん
Zeromus合同会社 代表社員CEO
Instagram:@drone_nachi
■後援
バウンダリ行政書士法人
ドローン飛行許可申請お任せください。 ドローン関連日本トップクラスの法務実績を誇る当社が お客さまの手続きを完全サポートいたします。 年間相談件数3000件突破!業界NO1の実績 ※当社調べ 全国のドローン飛行許可取得は当社に是非一度ご相談ください。
https://boundary.or.jp >
一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)
国交省登録管理団体である一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA:ディーパ)は、産業用ドローンの普及およびドローン操縦士育成を目的とし、ドローン操縦士回転翼3級、インストラクター資格等ドローン操縦に関する資格認定事業を展開しています。
https://d-pa.or.jp >
■協賛
株式会社ココパ
CoCoPAでは"Drone for All. 日本にもっとドローンパイロットを。" という考えに基づき、登録講習機関に向けた学科講習用eラーニングを提供します。技能証明学科講習の要件に完全対応したeラーニングプラットフォームのお申込み受付中!
https://d-cocopa.co.jp/ >
ドローンに興味を持ったきっかけは?
ーードローン業界はまだまだ男性が圧倒的に多い世界です。また、皆さんがドローンを始めた時期は、ドローンスクールの数が今よりも少なかったと思います。どのようなきっかけでドローンに興味を持たれて、スキルアップしてきたのでしょうか。柳本さん:私がドローンを始めた2016年は、まだ世間では「ドローンって何?」と言われるような時期でした。現在所属する楽天ドローンの前身となるドローンスクールを立ち上げようとしている方から、インストラクターをやってみないかと誘われたのがきっかけです。最初はドローンについて全く知らない状態でしたが、「楽しそう!」と思いチャレンジしてみました。練習を積み重ねて今に至りますが、今も楽しみながら操縦しています。

えりんぬさん:私は大学でドローンに出会いました。国際交流を学ぼうと入学した大学で、留学生に大学のことを紹介するイベントを企画したんです。そこで、大学内にドローンサークルがあるということを知り、留学生向けにドローンの体験会を企画しました。私自身そこで初めて実際にドローンを見たのですが、企画者なのに一番夢中になってしまい翌日にはサークルに入っていました。男性が多かったものの女性の先輩もいましたね。先輩方に優しく教えていただいたことで、続けることができたと思います。
夏知さん:私がドローンを始めたきっかけは、新型コロナウイルスです。新型コロナウイルスの影響で失業してしまい、新しい仕事を探さなきゃと思っている時に、たまたまテレビで見たのがドローンを使って人命救助しようとしている映像だったんです。海で溺れている方にライフジャケットを投下したり、拡声器で声をかけて状態を確認する様子に感動しました。自分にもドローンができるだろうかという不安はありましたが、そこからいくつかのスクールの体験会に参加してみて「これで手に職をつけたい」と強く思うようになったんです。

そこからスクールでライセンスを取り、ドローンを始めました。まずは、自分を知ってもらうためにSNSを立ち上げたり、YouTubeで自分がどんな映像を撮ってるかを発信していました。また、周りのいろいろな方にも「ドローンを始めました」と伝えて種まきをしていました。そこから「ちょっとこの仕事やってみない?」とお仕事をいただいたのがきっかけで会社を設立し、さらにドローンスクールを立ち上げたという経緯です。
白石さん:私がもともと働いていた映像業界では、2016年頃からドローンを持っている方が現れ始めました。一緒に撮影に行く際に見たりしていたのですが、その当時はまだ大きくて重いドローンが主流でした。私は旅行が好きで一人で行くことが多いので、ドローンがあれば旅行先でも全部自分自身で撮影できるかなと考えていた時期に、DJI ドローンの Mavic が発売されたんです。それまで撮影現場で見ていた大きくて重いドローンと違い、小さく折りたためてカバンにすっと入れられるのを見て、「これだ!」と思いました。そこからドローン人生が始まりました。

空撮、点検、インストラクター。どのような形でドローンに関われる?
ーー現在は、どのような形でドローンに関わっているのでしょうか。えりんぬさん:私はフリーランスのFPVのドローンパイロットとして撮影業をしています。おもに使っているのはFPVドローンの中でも「マイクロドローン」と呼ばれるもので、手のひらサイズの機体に収録用のGoProを載せています。小さいものでも4Kの綺麗な映像を撮影可能です。他にも、もう少し大きめの機体や、レース用で最高時速が210kmも出るような機体、アクロバティックで繊細な動きができるような機体など、さまざまなドローンを使っています。

ーー最近はFPVのキットも販売されているので、初心者も挑戦しやすそうですね。
えりんぬさん:そうですね。私が始めたときはFPVといえば自作だったり、低解像度の映像しか撮れないようなものが多かったですが、最近はキットがありますし、FPV用の機体とゴーグルがセットで販売されていたりします。リターントゥホームですぐに戻れたり、センサーが付いていて危なければ止まってくれたり、安全面を考慮して飛ばせる機体もあるので、FPVに少し不安がある方は、そういうったものを選ぶのが良いと思います。
夏知さん:私は空撮、点検業務の外壁調査、ドローンスクールの運営、インストラクターをしています。運営しているスクールでは、最近は女性の受講者が増えてきましたね。今までの経験も活かしつつお仕事としてドローンをやりたいという女性の方には、アフターフォローで営業活動もサポートしたりしました。
白石さん:私は、FPVと通常の空撮機を使った撮影業務をしています。割合としては室内撮影が多いです。時々海外での撮影の仕事もあり、タンザニアやキューバに行きました。また、仕事としてではないのですが、ドローンレース世界選手権日本代表の団長として選手と一緒に海外のレースに行ったりもしました。国家資格の「一等無人航空機操縦士」とインストラクターの資格も持っているので、時々講師や修了審査員もしています。また、メディアを通してドローンの認知を広めるような活動もしています。

柳本さん:私も空撮や点検の業務をしています。大型の機体は持ち運びが大変なので、基本的には小さめの機体でできる点検業務やプロモーション撮影です。また、最近はスクールでのカリキュラム作成にも携わっています。他にもインストラクターの育成、月1回「一等無人航空機操縦士」講習での講師もしています。
女性だから困ることは、体力面とトイレ問題?
ーー男性が多いドローン業界の中で、女性として苦労されたことはありますか。
白石さん:女性が少ないこともあり男性の皆さんはとても気遣ってくださるので、明らかに「女性だから大変だ」みたいなことは、正直あまり起こりません。
ただ、現場にいるとやっぱりまだ世間では女性がドローンを飛ばすというイメージが全然ないんだなと思うことはありますね。ドローンは撮影の現場にパイロットと補助者の2名で行くことが時々あるのですが、男性とペアで現場に入るとクライアントさんは男性に向かって「今日は撮影よろしくお願いします」とおっしゃることが多いです。
これからは「どちらがパイロットですか?」って聞かれるようになるくらい、女性パイロットがどんどん増えていくといいなと思います。

柳本さん:あとは体力面で困ることはありますね。以前、冬山に登り自然の過酷な映像を撮影する仕事のときには、女性だと機材を山頂まで持っていくのも大変で、やっぱり男性の力が必要なのが少し困るなと感じました。
トイレ問題も困りますね。山頂までの登山と撮影が終わるまでの6時間、山にはトイレがなかったのでどうしようかと思いました。水分補給は、水を口に入れて少し潤す程度にするなどして、なんとか乗り切りました。
女性に合うスクールはどうやって選べばいい?
ーーこれからスクールに通いたいと考えている女性の方も多いと思います。女性に合うスクールを選ぶポイントはありますか?夏知さん:全国にたくさんあるスクールの中から、何を見て選んだらいいのかと考えた時に、やはり「金額」と「スタッフ」ではないでしょうか。男性が多い業界なので、女性にいろいろ相談したいという方は、女性スタッフがいるスクールがいいと思います。
柳本さん:確かに、女性スタッフがいた方が気持ちとして通いやすいということはあると思います。また、見極めるのは難しいのですが、一つのポイントとして「親身になってくれるかどうか」は重要だと思います。
周りの話を聞いていると、スクールによっては流れ作業で淡々と教えていくところもある印象です。修了審査で合格レベルまでいけなくて、何度も再テストすることでお金が余計にかかってしまうことになります。
ドローンは車の運転やスポーツと同じように、人によって上達の早さは異なります。その人は何が苦手でどうすれば上達するのか、一人一人を見て助言をしてくれるスクールがいいですよね。それを見極めるには、いろいろなスクールの体験会に行って、雰囲気を感じてみるのが良いのではないでしょうか。

夏知さん:あとは、仕事としてやりたいドローンの方向性がある方は、スクールを運営する会社が「スクール以外にどんな事業をしているか」をチェックしていただくと良いと思います。
例えば、空撮がやりたいのに農業に強いスクールに入ると、自分のやりたいこととズレが生じてしまいます。自分がドローンの資格を取った後に何をしたいかを考えて、そこに強みを持ったスクールを選ぶといいですね。実際に現場でドローンを飛ばしている講師がいるスクールは、実体験の話が聞けたり、質問に対してすぐに実践的な回答をしてもらえたりするのでおすすめです。
今後のドローン業界で女性パイロットへ期待することは?
ーー最後に、今後の女性ドローンパイロットへの期待や今後の展望をお聞かせいただけますか。えりんぬさん:ドローンは年齢に関係なく何歳からでも始めることができますし、性別も関係ありません。「女性だから」という壁を一切感じることなく始められるような環境になるといいなと思っています。
以前、小学生の親子向けにドローンの組み立て教室をしたことがありました。そのとき、お父さんと一緒に来ているお子さんが多く、お母さんと一緒のお子さんが少ないなと感じたんです。また、親子体験なのでお母さんたちにもぜひ体験してもらいたかったのですが、男性が好きなものというイメージがあるためか「私には無理」と躊躇される方がいらっしゃいました。でも、実際に体験したらとても楽しまれていました。性別に関係なく、みんなが楽しめるようになるといいですね。
白石さん:私はドローンを始めてすぐに妊娠・出産を経験しましたが、ドローンを続けることができました。いつ妊娠するかは分かりませんし、いつコロナのような感染症が流行するかも予測できません。そのときに自分がどんな状態にあるかは後から考えればいいので、とりあえず始めてみることが大切だと思っています。
女性だと「ドローンは難しいかな……」と考えてしまうかもしれないですが、私は逆にチャンスだと思います。将来的には男女関係なくフラットな状態になることが理想ですが、今は女性がドローンをやっていることで注目される時代です。今ドローンを始めた皆さんがどんどん業界を底上げしていき、ドローン人口が増えることによって、国の法律や空の道の環境が変わっていけば嬉しいです。

柳本さん:まだ始めて間もない方は、この先ちゃんとドローンを飛ばせるようになるのかなと不安な人もいると思います。ここにいる4人も最初はみんな不安な状態で、練習を積み重ねて今があります。1日5分でもいいので触り続けていけば、必ず上達していくので、ドローンにワクワクする気持ちを忘れず、諦めずに続けてください。
ドローンが怖いなという気持ちは、おそらく女性の方があると思います。だからこそ、そのぶん操縦が慎重になり事故を未然に防げたり、繊細な操縦ができたりすると思うので、そういった気持ちも武器になるのではないでしょうか。まずは旅行先でドローンを使って撮影した綺麗な景色を、SNSなどで気軽に発信してくれたら嬉しいなと思います。
夏知さん:最近よく「30代半ばですがドローンできますか」「子供がいるけどできますか」といった質問をいただきます。実際にやってきて、年齢やお子さんの有無は関係なくできると思っています。年齢に関係なく、やりたいことを楽しんでやる女性が増えてほしいですね。
私はドローンを始めた頃から、女性ドローンパイロットを増やしたいと思ってきました。ですので、今日は女性ドローンパイロット、または未来のドローンパイロットの皆さんがたくさん会場に集まってお話しできることが、とても嬉しいです。
今ドローンに興味のある方は、まずはドローンをたくさん飛ばしてもっと好きになってください。そして「女性でもドローンを飛ばしてるんだ!」ということをSNSなどで発信することで、どんどん世の中にアピールしていってほしいなと思います。
ーー本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
女性もドローン業界で活躍できる!
ドローン業界はまだまだ男性が多く、女性にとってはドローンを始めるのはハードルが高いと感じたり、女性のドローン仲間と情報を共有したいと思うこともあるかもしれません。
今回の『女性ドローンパイロットリアル交流会イベント』では、4名の女性ドローンパイロットの皆さんから、ドローンを始めたきっかけや、リアルなお仕事の様子、ドローンスクールの選び方や業界における女性の挑戦についてのアドバイスもいただきました。
パネルディスカッションの後には懇親会が行われ、パネリストと参加者の皆さんが活発に意見交換をして盛り上がりました。普段は身近に女性ドローンパイロットがいない環境の中で、多くの仲間と情報を共有できる貴重な場だったのではないかと思います。

これからドローン業界がますます発展していくためには、女性ならではの視点と貢献が重要な役割を果たしていくでしょう。このイベントが、そうした将来への道を開くための一歩となれば幸いです。
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