(取材)東京工芸大学×AUTC|大学でドローンを学び、国家ライセンスと単位を取得!

(取材)東京工芸大学×AUTC|大学でドローンを学び、国家ライセンスと単位を取得!
2023年度で100周年を迎えた東京工芸大学(神奈川県)。ここでは、ドローンの国家ライセンスを取得できるような関連の講義が設けられており、
また、大学内の研究室ではドローンの操縦技術を学ぶことができます。さらに、在学中に資格を取得すると履修単位として認定される制度も始まり、学生がドローンの資格を取得しやすい環境の整備が進んでいます。

同大学でのドローン教育をサポートするのは、株式会社先端技術無人航空機トレーニングセンター(AUTC)。AUTC認定教育機関の支部として「AUTC東京工芸大学ドローン・サイエンス研究会支部」を設置し、資格取得に関する座学や教習の支援を行っています。

「大学でドローンの操縦を学ぶ講義を設け、国家ライセンス取得をサポートする」という珍しい取り組みは、どのような背景で行われているのでしょうか。3月31日に開催された東京工芸大学厚木キャンパスのオープンキャンパスに伺い、AUTC本部所長伊藤 与志雄さん、東京工芸大学で授業を担当する内田 孝幸さんにお話を聞きました。

AUTC本部・所長の伊藤 与志雄さん


東京工芸大学 教授の内田 孝幸さん


ドローン講習に学割を設けるAUTCの思い

AUTCは、北海道から沖縄まで、全国各地の11か所にキャンパスを持つドローンスクールです。本部キャンパスは同大学厚木キャンパスにあり、屋外のグラウンドと屋内のアリーナを使って教習を行っています。

AUTC 本部キャンパスの評判・口コミ・料金

AUTC 本部キャンパス(運営:株式会社先端技術無人航空機トレーニングセンター)のカリキュラム(座学・知識、対象(受講資格・条件))、料金(受講料・諸費用)、取得できる免許・資格や特徴など解説。

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特徴の一つは、「たくさんの学生にドローンの操縦を学んでほしい」という思いから学割料金を設けている点
AUTC東京工芸大ドローンサイエンス研究会支部での学生の講習料は、一般価格の約半額。同大学で始まる講習でも学生が国家ライセンスを取得しやすいように配慮し、国指定試験機関での試験料とほぼ同じ価格で無人航空機国家技能資格の取得ができます。

教育機関のドローン教育への関心は近年ますます高まっているそうで、AUTCは国家ライセンス教習に必要な学内講師の育成や機体の購入サポート、申請許可の手続き、教習カリキュラムの作成などを担っています。同大学のほかに、東京工業高等専門学校とも連携。学生や関係者向けにドローン教育を行い、国家資格の取得を支援しています。

ドローンを活用した画像取得・3D構築を学問として実践

厚木キャンパスにある東京工芸大学工学部には、「情報」「機械」「電気電子」「建築」の4コースが設けられています。このうち情報コースのカリキュラムには、2024年度から「フォトグラメトリとLiDARの基礎」、「無人航空機と画像センシング」といった科目が新設されました。

写真専門学校を前身とする同大学では、3Dデータの画像解析などを学ぶにあたり、データや画像を取得する手段の一つとしてドローンに着目ドローンで撮影した画像を利用して、3Dモデル構築やインデックスマッピングなどの原理・応用を学ぶことにつなげたいというねらいから、ドローンの国家ライセンス取得や応用科目の新設へと発展したそうです。

4月からは、ドローンのシミュレーターを完備した講義室も新しく用意しました。88台のPCすべてにシミュレーターソフトやフォトグラメトリ(SfM、多視点画像からの3D構築)のソフトがインストールされており、学生たちが学びやすい環境を万全にしています。

さらに、在学中に国家ライセンスを取得することで、「一等無人航空機操縦士」は2単位、「二等無人航空機操縦士」は1単位を付与。
AUTC本部・所長の伊藤さんも「ドローンを活用した画像取得・3D構築を学問として実践しているのは、日本では東京工芸大学が初めてだと思います」と話すように、大学が学生のドローン国家ライセンス取得を手厚くサポートする取り組みは、かなり珍しいといえます。

「より多くの学生が体験し、学んでもらいたい」

同大学に設けられた練習場は、屋外グラウンドとメインアリーナ、体育館の3か所。学生たちにドローンを教えるのは、同大学教授の内田孝幸さんです。AUTCの講師は直接学生を指導するのではなく、内田さんにドローンの講習について指導。ライセンス発行などの事務手続きはAUTCが担います。

伊藤さんによると、単独で登録講習機関開設免許を取得するには膨大な労力がかかるため、運営開始にはさまざまなハードルがあるとのこと。そのため、ドローン以外の教育を主な業務とする教育機関にとっては、実地教習の指導のみに集中するのが最も負担が軽い方法だといいます。

最後に、開講に先立ち実際に同大学でドローンについて学んだ学生や、伊藤さん、内田さんにお話を聞きました。

ーードローンを学ぼうと思ったきっかけは何ですか。

学生:
電子画像に関する研究室に在籍しており、ドローンを使った3Dデータの構築について研究していました。そこで先生から、『実際にドローンを操縦するところまで学んでみないか』と話があったのがきっかけです。これまでも資格を取りたい人は取ってね、という形でしたが、新しく制度や環境が整備されたことで、より取得しやすくなったと思います

ーードローンを実際に学んでみて、メリットに感じたことはありますか。

学生:
就職活動に有利だったと感じています。大手の警備会社に就職が決まっており、最初は実際にドローンを操縦する業務に就くわけではありませんが、将来的にドローンを扱う部署への配属もありえるので、キャリアの幅が広がりましたね

ーー伊藤さんと内田さんにお聞きします。開講にあたり、これからどのような学生に受講してほしいと考えていますか。

伊藤さん:
工学部だけでなく、中野キャンパスの芸術学部の学生さんにも来てほしいですね。

内田さん:
中野キャンパスは写真や映像に関わる学科もあるので、ドローンに関連する要素もあるはずです。キャンパスの垣根を超えて、たくさんの学生を巻き込んで受講者を増やしていきたいです

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