ドローン免許スクール|愛媛県で本格的な測量を学べる、産業特化のドローンスクール

ドローン免許スクール|愛媛県で本格的な測量を学べる、産業特化のドローンスクール
技術革新が加速する現代社会において、ドローンは産業構造を大きく変えようとしています。少子高齢化に伴う働き手の減少をテクノロジーの力で解決することはもちろん、定年退職後の新たな趣味や副業としてドローンを使う方も増えています。

そんななか、橋梁や床下・屋根裏点検など、産業分野に特化した「ドローン免許スクール」を運営しているのが、株式会社イン・トラストです。

愛媛県でドローン人材の育成を行う同社では各種点検や農薬散布なども請け負っており、ドローン免許スクールが提供する専門コースでは、こうした実践経験を指導に落とし込んでいます

愛媛県でのドローン活用や各コースの特徴、指導で意識している点などについて、株式会社イン・トラスト代表取締役の田村修也氏に取材しました。

株式会社イン・トラスト代表取締役 田村 修也氏

「変わったことがやりたい」から始まったドローンの測量事業

――まず、スクールの運営母体と設立の経緯について教えていただけますか。

田村:

もともとは先代が車関係の仕事をしていたのですが、先代と私は30年来のラジコンヘリ仲間だったんです。飛行機からヘリコプター、エンジン機から電動機まで幅広い機体を楽しんできたのですが、年を重ねる中で「ちょっと変わったことがやりたいね」という話をしていました。

そんな中、長年の趣味を活かせるドローンの存在を知り、愛媛ではあまり参入企業が少なかったことから事業展開を決意しました。現在はイン・トラストのUAV事業部「スカイプロ」を立ち上げ、昨年から本格的な活動を開始しています。


――愛媛におけるドローン活用の機運は高まっているのでしょうか?

田村:

愛媛県内ではまだドローン産業の盛り上がりは限定的で、予想以上に時間がかかっているのが現状です。順調とは言えませんが、だからこそ地道な活動を通じて、着実な一歩を進めていきたいと考えています。

建設・土木領域はもちろんですが、愛媛においてはみかん農家をはじめとする農業分野でも高齢化が進んでおり、さまざまな分野でドローン技術による支援が期待されています。

とくに測量は国土交通省が推進するICT施策の一環として、全国的にテクノロジーの活用が進んでいる領域のため、多くの潜在需要がありました。当社でも「ICTを使って施工します」と提案して仕事を受注した企業から委託を受け、ドローンを活用した起工測量や出来形測量を行っています。

私自身も公務員を早期退職した後に測量士補の資格を取得し、公共測量を請け負いながら、ドローンを活用した測量技術の習得に取り組んできました。

経験豊富な講師が多彩なニーズに応える

――受講者層や、各コースの特徴について詳しくお聞かせください。

田村:

受講生の層は実に多様です。中高年の方々が新たな趣味や可能性を求めて参加されるケースや、企業からの派遣として若手社員が学びに来られるケースはもちろん、女性の受講生も数名ほどいらっしゃいます。

企業からの派遣は建設業に限らず、林業関係など非常に幅広い業種から受講いただいていますね。国家資格の取得支援では、16歳以上を対象とした一等・二等のライセンス取得に対応しています。

また当スクールでは農薬散布用ドローン・T-30を保有しているため、25kg以上の機体の操縦訓練も可能です。目視外飛行や夜間飛行など、すべての限定解除にも対応しています。

農薬散布用ドローン・T-30


田村:
料金体系は、基本コースに加えて限定解除のオプション料金を設定しています。特徴的なのは一等免許を取得したい初心者向けに展開している「スカイプロ操縦基礎講習」ですね。

これを受講することで経験者として扱われるため、資格取得時の費用面を安くできるんです。他にも団体割引や学割なども用意しており、より多くの方にアクセスしやすい環境を整えています。

さらに、農業用ドローンの講習やGPSが使用できない橋梁裏面の点検技術など、実践的なノウハウを提供する産業用ドローンの専門コースも設けています。

測量分野でも飛行方法や設定方法など、実務に直結する技術指導を行っているのも当校の特長です。

橋梁での講習の様子。実践的な指導が強み


――実践的なアドバイスをもらえる、専門的なコースをそろえているのですね。指導面でのこだわりについても教えてください。

田村:

30年以上のラジコン経験から得た最も重要な教訓は、電波の特性と安全管理の重要性です。ラジコンでも電波障害で機体を落とした経験が数え切れないほどありますが、ドローンにおいても予期せぬ動作停止は起こります

現在使用しているDJIの機体は安定性が高く、電波も良く届きますが、それでも常に電波が良好とは限りません。操縦者の腕が重要なのはもちろんですが、そのうえで操縦に際しては「電波を信用するな」と生徒にも言っています。

安全管理の面から見ても電波の怖さを知ることはとても重要なので、我々の実体験に基づいた知識を、次世代のパイロットたちに確実に伝えていきたいと考えています。


――座学では、どのような点を意識されているのでしょうか。

田村:

国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」を徹底的に学習します。このテキストこそが最高の教材であり、試験にも直結する内容が詰まっているんです。

受講生の中には暗記に苦手意識がある方もいらっしゃいますが、問題集などの補助教材に頼るのではなく、この基本テキストを飽きるまで読み返して徹底的に理解することで、確実な知識定着を図っています。

また、法令の遵守も徹底しています。無理な飛行は法規制の強化につながり、結果的に業界全体の成長を妨げることになります。ここは趣味で飛行場所を探してきた経験から、場所の確保の難しさを痛感しているだけに、「飛ばせる場所のありがたみ」をひしひしと感じますね。

だからこそ、飛行許可を得るための地域との対話や無理のない運用計画の立て方など、実務に直結する知識を提供することが重要だと考えています。こうした点も含め、資格取得後もドローンを安全に飛ばせるよう、とにかく安全第一を心がけた指導を行うのが当スクールの特色です。

「六十の手習い」も支援し、ドローン技術の発展に貢献

――今後の展望についても聞かせてください。

田村:

標高500メートルほどにある久万高原町の土地をお借りして、新しい練習場の設置を計画しています。ここは夏場でも涼しいため、より快適な練習環境を提供できそうです。さらにこの地域にはスキー場もあるので、多様な環境での訓練が可能になると期待しています。

また当校は2024年9月に立ち上がったえひめ産学官ドローン利活用協議会に参画しているのですが、この取り組みを広げるお手伝いができればと思っています。協議会主導で12月に練習会を行うのですが、その場所もお借りできるよう進めているところです。

こうした取り組みを通じて、地域全体でのドローン技術の発展に貢献したいと考えています。


――最後に読者へのメッセージをお願いします。

田村:

当校では産業用ドローンからラジコン機、ヘリコプターまで、幅広い技術に対応可能な体制を整えています。社内では常にドローンやヘリコプターを展示しておりますので、興味をお持ちの方はいつでも見学にお越しください。

ドローン技術は農業や測量・点検など、さまざまな分野で活用の可能性が広がっています。挑戦に年齢制限はありません。年齢や経験を問わず、新しい技術を共に学び、成長していける仲間との出会いを楽しみにしています。


まるわかりガイドでドローンを知ろう はじめに読みたい#ドローンの基本#スクール選びのコツ#飛行規則#資格
まるわかりガイドを見る

RECOMMEND

この記事を読んだ方へおすすめ