2022年12月から施行されたドローンのライセンス制度はこうした状況を背景に施行されたものですが、まだまだ歴史の浅い領域だけに、十分な指導ノウハウが溜まっているスクールは限られています。
そんな中、2018年に設立された都南ドローンスクールでは、6年間蓄積されたドローンの知見をもとに実践的な指導を展開しているとのこと。
同スクールでドローンインストラクターを務める中丸知幸氏、運営会社である株式会社都南・専務取締役の菊地一博氏に、スクールの強みや特徴などについて取材しました。
「空の安全」を守る教習所として新規事業を展開
――スクールの概要と、開講の背景についてお聞かせください。菊地:
当スクールの母体は、昭和51年から営業を続ける自動車教習所です。教習所では企業様向けの講習や、国土交通大臣認定の運送事業者向けの各種適性診断・運行管理者講習なども手がけており、長年地域の「安全教育」に貢献してまいりました。
2010年代中盤から後半にかけて、「空の産業革命」としてドローンへの期待が高まる中、「空の安全」という新しい分野への挑戦として、2018年にドローンスクールを開校しました。なお開校当初は、日本ドローンコンソーシアム(JDC)という民間のライセンス講習団体として活動を行っていました。
中丸:
現在は国家資格の二等の講習を中心に行っており、初学者コースは最短4日間、経験者コースは最短2日間で受講可能です。JDCライセンス所持者又は他団体の民間ライセンス所持者であれば、経験者として受講できます。
一等資格も開講準備を進めており、二等の経験者を対象とした講習からスタートする方針で検討しています。
――他にも御校の魅力があれば教えてください。
中丸:
最大の特徴は駅から徒歩5分という好アクセスにありながら、実技練習場は緑に囲まれた環境という点です。学科講習と実技講習を同じ場所で実施できるため、通学の負担が少ないのも特徴ですね。
指導面では少人数制を採用しており、1対1や2対1といった形で質問しやすい雰囲気作りを心がけています。
自動車教習所やフォークリフト、クレーンなどの安全教育のノウハウを活かした、安全意識の高い指導も大きな特徴です。
菊地:
また、早期に参入することでドローンに関する多くの知見や情報を得られたため、競合他社とは情報やノウハウの点で大きな違いがあります。現在では登録講習機関の数が非常に多くなっていますが、この積み重ねたノウハウや情報量が生徒さんからの信頼につながっていると感じますね。
初めてドローンを購入された方が安心して練習できる環境を整えているのも、当スクールならではの特徴です。
――多くの方がアクセスしやすい環境にありますが、受講生はどのような方が多いのでしょうか。
中丸:
年齢層は20歳から70歳超えまでと幅広く、主に30代・40代の方が中心となっています。30代・40代は仕事として将来活用したい方が多く、若い方・ご高齢の方は趣味として受講される方が多いです。
活用方法としては空撮だけでなく、インフラ整備や特殊な環境下での救助、施設警備など、さまざまな目的を持った方が受講されています。
また女性の割合が2割程度と、他のスクールと比べると女性の比率が高いのも特徴です。これは駅から近い教習所という場所柄、安心して通えることが要因かもしれません。
受講生の「手と指の使い方」を見て教える実践的な指導
――教習所ならではの指導の工夫はありますか?中丸:
自動車の運転指導では「目と手と足の使い方」が重要と言われていますが、ドローンの場合は特に手指の動き・使い方が重要です。飛んでいるドローンを見るだけでなく、受講生の手の動きをよく観察し、きめ細かな指導を心がけています。
各受講生によって学習のペースや得意不得意が異なるので、臨機応変に個別指導を行っています。この「受講生一人一人の特性を見極め、適切な指導を行う」ノウハウは教習所での指導経験が生きていますね。
上達してくると、休憩を勧めても「もっと練習したい」という方も多くいらっしゃるので、その意欲に応えられるよう柔軟に対応しています。
また当校のインストラクターはドローンだけでなく、フォークリフトやクレーン、玉掛けなどさまざまな安全教育に携わっています。そのため安全に対する意識が非常に高く、これが技能講習の指導にも活かされています。
特に屋外での実技講習では、風などの環境要因にも配慮しながら、安全かつ効果的な指導を心がけています。
――実技指導で特に気をつけている点はありますか?
中丸:
二等の実技ではGPSを使った操縦がメインとなりますが、最後の課題であるATTIモードでは自分で全てをコントロールする必要があります。特に当校は屋外での実技を行っているため、風の影響を非常に受けやすく、これが受講生の不安要素となることが多いです。
そこで、まずは胸の高さ程度の低い位置でホバリングの練習を行い、そこから徐々に高度を上げていく段階的な練習方法をとっています。これにより、少しずつ風の強さや高さに慣れながら操作技術を向上させることができています。
屋内で実技を行う講習機関もありますが、当校では実際の飛行環境により近い形での練習が可能です。実践的な環境で学ぶことで、より実務に即した技能を身につけていただけると考えています。
――学科講習ではどのような工夫をされていますか?
中丸:
講師が一方的に話すのではなく、受講生とのディスカッションを取り入れながら進めています。長時間の座学では集中力が途切れがちですので、実際の経験談やエピソードを交えながら、質問しやすい雰囲気づくりを心がけて理解を深めていただけるよう工夫しています。
実際に口コミでも「あっという間に終わった」「わかりやすかった」という評価をいただいており、こうした双方向のコミュニケーションを重視した指導方針が、受講生の満足度につながっているのではないかと考えています。
卒業後もさまざまな面から継続的にサポート
――免許取得後のサポート体制について具体的に教えてください。中丸:
免許取得までには登録番号の取得や申請書類の準備など、かなり複雑な手続きがあります。当校では、電話での相談対応や来校いただいての個別説明など、免許が取得できるまでの道のりをしっかりとサポートさせていただいています。
免許取得後はドローンの購入に関するアドバイスも行っています。当校と取引のある販売店を紹介し、卒業生向けの価格で案内いただけるよう調整させていただくことも可能です。
実技練習場の開放と合わせて、卒業後も安心してドローンを活用していただける環境づくりを目指しています。
――施設面での特徴を教えてください。
中丸:
実技講習場の近くにはフォークリフトやクレーンの実習で使用している施設があり、自動販売機や空調設備の整ったコンテナハウスを休憩所として利用できます。
暑さ寒さに関わらず、快適に休憩を取れる環境が整っているのは受講生にとっても大きなメリットですね。また、卒業生の方々のために実技練習場を開放しているのも特徴です。
免許を取得してドローンを購入しても「実際に飛ばすのは不安」という声をよく聞きますが、講習が入っていない時間帯であれば、事前に連絡さえいただければ練習場所として使用していただくことが可能です。
――最後に、これから受講を考えている方へメッセージをお願いします。
菊地:
当スクールは駅から近く、利便性が非常に高い場所にあります。実際にドローンに触れる体験も可能ですので、まずはお気軽に足を運んでいただければと思います。
また、卒業生の皆様が実践の場でドローンを活用される際のサポートも、より一層充実させていきたいと考えています。
中丸:
初めての方でも安心して学べる環境を整えているので、ドローンの世界に飛び立つきっかけとして、ぜひ当スクールをご検討ください!