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ランサーズ株式会社のプロダクトマネージャーに聞く|PdMってどんな仕事?異業種からのチャレンジも可能!

コロナ禍により、さらに人気が高まるIT業界。とくに20代・30代の若手からは、「異業種からIT転職を目指したい」「プログラミングスクールなどに通い、エンジニアとしてのキャリアを歩みたい」との声が上がることも少なくありません。

そうなると、気になってくるのが……
  • そもそも、異業種からチャレンジして、IT業界でやっていけるの?
  • 未経験からのエンジニア転職って、やっぱり無謀?
  • キャリアを進めていった先には、どのようなポジションが待っているの?(キャリアパス)
といった点。異業種からのキャリアチェンジが成功した先には、どのような世界が待っているのでしょうか?

今回は製薬会社→IT企業へ転職し、現在はプロダクトマネージャーとして働かれている清玄寺 吉彬さんに、普段のお仕事や異業種からのチャレンジについて本音でくわしく伺いました。

ランサーズ株式会社 プロダクトマネージャー(PdM)清玄寺 吉彬さん

ビジネス全体に目を配り、あらゆる穴を埋める。だから市場価値も高い

—清玄寺さんは現在、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

私は現在、ランサーズ株式会社でプロダクトマネージャー(以下、PdM)として働いております。PdMとは、Webサービスをはじめとしたプロダクトを開発するにあたり、「何を・どのように作るのか」を考えた上で、開発の進捗を管理する仕事。必要に応じてデザイナーやエンジニアと連携しながらサービスを作り上げていくのが、我々PdMの仕事です。

それから、個人としても、いくつかのスタートアップ企業と副業(業務委託)の形で関わっています。担当は本業と同じくPdMで、UXデザインを考えながら開発を推進していく役割を担っています。

—開発の進捗を管理する……なんだか大変そうなお仕事です。PdMになるには、どのようなキャリアを進む必要がありますか?

PdMは、常にビジネス全体に目配りをする必要があるため、ある程度キャリアを積んだ方に向いているポジションかなと思います。

というのも、PdMは、あらゆる穴を最終的には自分で埋めなければならないからです。たとえば、「開発」を細かいタスクに分けたときに、各タスクに適任者がいれば、もちろんその方にお任せできます。でも、リソースが足りなければ、自分が隙間を埋めるしかありません。つまり、「営業資料の作成」なども、場合によっては業務に含まれるわけです。

なお、PdMキャリアを歩む方のバックグラウンドは複数あり、大きく分けてエンジニア/UI・UXデザイン/ビジネス(営業)の3通りだと言われます。私はこのうちビジネス(営業)寄りの人材で、プロダクトが生まれた背景やお客様のニーズを含めて、トータルで把握できるのが強みです。

—お話を聞くと、確かに、新卒や未経験からいきなりPdMになるのは難しそうですね。

そうですね。PdMに限らずマネージャー職は、「マネージャーになるためのスクールがある」ような職種ではなく、どれかひとつの職種でステップアップしていった結果、マネジメント層に回っていく……というパターンが多いように思います。極端な表現をすれば、「気付いたらなっている」ポジションかもしれません。

ただ、肌感では、マネージャー系の職種はニーズが高まっていると感じます。というのも、会社が大きくなると、おのずとマネージャー職は不足するんです。しかも、今はIT業界全体が伸びているので、業界全体がマネージャー職を求めている印象があります。その意味では、転職には困りづらい職種と言えます。

—PdMとして働くにあたり、大切にされていることは。

ズバリ、「お客様の声を聞く」に尽きます。to Bのサービスでは、to Cのサービスと比較して、お客さまとの密なコミュニケーションが欠かせません。

これはどういうことかというと、to Cのサービスでは、サービスの利用者規模がそれなりに大きくなることから、「数」の指標で物事を判断しやすいんです。たとえば、A/Bテストを行えば、AとBではどちらがスムーズにご利用いただけているか?とをある程度把握できる。to Bだと、こうは行きません。

だからこそ、サービスの案出しの段階からお客様と接点を保ちつつ、本当に求めておられるものを作っていき、プロトタイプができれば、またお客様から意見をいただいてブラッシュアップする……という細かなコミュニケーションが肝になってきます。「作ってみたもののお客様のニーズに合わず、ユーザー数が伸びず」で終わってしまわないよう、丁寧なヒアリングをすることが大切になります。

—納得感があります。ただ、どれだけ工夫しても、ビジネスには運がつきもの。思うようにユーザー数が伸びない場合もありますよね。「うまくいっているかどうか」を見極めるコツはありますか?

個人的な基準は、「有料でサービスを使ってくださるユーザーが10社/10人になるまで、どれくらいかかるか」でしょうか。たとえば、ユーザー候補が1万人いたとして、すぐさまポンポンと10人から契約をいただけるようであれば、1万人に広げていける可能性は高いです。一方で、「サービス開始からかなり時間が経って、やっと10人が契約してくれた」という肌感ですと、撤退の可能性も視野に入れなければなりません。

開発継続/撤退の判断は難しいですが、PdMの重要な役目でもあります。最終目標までのロードマップを引き、実際の進捗と見比べるなどして、プロダクトが成長しそうかどうか、冷静に見極める眼が必要になると思います。

趣味をきっかけに異業種→IT企業へ。カルチャーに馴染むかが肝

—非常にマルチタレントに活躍されている清玄寺さんですが、現在のキャリアに進まれるまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

私は大学生の頃から自分でWebブラウザゲームを制作していました。思い返せば、小さな頃から「迷路を描いて、人に遊んでもらう」ような遊びが好きだったので、自分で何かを作るのが好きなんでしょうね。

ゲーム制作をしていた時期は、デザインもコーディング(プログラミング)も自分でしなければならず、結果的に、広く浅いスキルを得ることにつながりました。もともとの気質と、こうした経験が掛け合わさって現在のキャリアにつながっているのかなと考えています。

—原点は趣味だったのですね。

そうですね。ただ、就職については、大学の所属学部が製薬化学系だったことから、いったん、製薬会社に就職したんです。そこでは新薬の開発や品質保証に携わりましたが、趣味としての開発は続けていて。

そのような暮らしをしているうちに、「もっとフットワーク軽く、ユーザーの声を直接聞きながら開発を進める仕事ができたらいいな」と感じるようになり、Webマーケティング系の企業にWebディレクター/プロダクトマネージャーとして転職しました。

転職先(2社目)ではSaaSプロダクトの販売に関わるマネジメントを行い、実際に、ある程度の成果を残すことはできました。ただ、経験を重ねるうちに、より大きなサービスに関わってみたいと考えるように。加えて、東京で働きたい希望もあったことから、日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイトを運営するランサーズ株式会社に入社したという流れです。

—清玄寺さんは異業種(製薬会社)からIT業界に転職されたそうですが、ズバリ、異業種からのIT業界転職はどのくらい可能だと思いますか?

結論から言えば「転職は可能」とお答えできます。なぜなら、IT業界にいる者として、「人手が足りない」のは事実として感じますし、今後も流れは加速していくと考えられるからです。

ただ、異業種からチャレンジするのであれば、いわゆるポータブルスキル(業界や職種が変わっても、どんな環境でも活かせるスキル)を意識して身につけておいたほうがよいでしょうね。そのベースを持った上で、IT業界特有のカルチャーに慣れることができれば、とくに問題なく働いていけると思います。

—「IT業界特有のカルチャー」というお話が出ましたが、具体的には、どのようなカルチャーがあるのでしょうか?

代表例は、「テキストベースでのやりとり/意思決定」だと思います。他業界と比べると、IT業界は読む/書くテキスト量がかなり多めです。テキストだけで質疑応答をし、意思決定をすることも普通に行われますので、異業種出身だとはじめは慣れないかもしれませんね。

逆に言えば、具体的なツールの使い方などは、入社されてから同僚・先輩に聞きつつ覚えていってもよいのかなと思います。

—最近では会社に所属せず、はじめからフリーランスキャリアで……と考える人もいますが、清玄寺さんの考える会社員/フリーランスのメリット・デメリットは。

私は企業に所属しながら新規事業に携わっていますが、こうしたスタイルですと、運転資金の不安を抱えずにチャレンジできるメリットがあります。豊富な資金や既存の顧客基盤など、潤沢なリソースを活用できる点では、会社員には大きなメリットがあります

ただ、優秀な人材であれば、会社からの独立を考えるのはある程度、避けようがないんですよね。でも、仮に優秀な人材だからといって、独立 = 成功!に直結しないのがビジネスの難しいところ。個人的には、会社に所属してある程度経験を積んでから独立するのも悪くない手だと思います。

未経験からのエンジニア転職は可能。小手先の技術よりも謙虚さ・柔軟さを意識して

—少し質問を変えますが、たとえばプログラミングスクールに通うなどして、未経験からエンジニア転職を目指すキャリアについてはどう思われますか?

未経験からのエンジニア転職も、結論から言って「可能」だと思います。なぜなら、弊社にも未経験からエンジニアとして働かれている方がおられるからです。

私自身はスクールをよく知らないため、スクールの存在を肯定/否定することは難しいのですが、興味を持った分野に取り組むきっかけを提供してくれる点では評価できるのかなと思っています。ただ、一方で、スクールに入ったからと言って無条件に安心してしまう(=転職を人任せにしてしまう)スタンスだと転職後も苦労してしまうでしょうね。その意味では、スクールを上手に利用しつつ、自主性を発揮しながら学習されるとよいかもしれません。

—未経験からのチャレンジだと、どうしてもスキルは未知数になってきますが、その点のディスアドバンテージはありますか?

もちろん、企業が求める最低限のプログラミングスキルは必要ですが、「未経験から」となると、ある程度はポテンシャル採用(将来的な可能性を期待した採用)になってくるはずです。そうなると、より人間的なところが問われるでしょう。つまり、単純なプログラミングスキルというよりは、コミュニケーション能力のほうが求められる感覚があります。

「コミュニケーション能力」の内訳はひとことでは言い表しにくいですが、ひとつ例を挙げるなら、「柔軟さ」でしょうか。何かを考えるにあたり、「これはこういうものなんだ」と頑固に思い込んでしまうタイプだと、周りの言葉に素直に耳を傾けることができず、成長しづらくなってしまいます。

そうではなく、自分のスキルには未熟な部分があると認めた上で、周りに適宜助けてもらいながら行動できる人が評価されやすいでしょう。謙虚さを持ちつつ、成長し続ける気持ちがあれば一概に「通用しない」ことはないかと思います。ぜひ頑張ってください!

ときどき打席に立つ監督。それがPdMの仕事!

プロダクト開発の進捗をモニタリングしながら、ときには自分自身がプレイヤーとして穴を埋めるというPdMの仕事。いわば「ときには打席に立つ監督」といったお仕事で、ビジネスの潮流を把握しつつ、チームをマネジメントしつつ、良いプロダクトを考えつつ……と、八面六臂の活躍が求められるように思いました。

だからこそ、ひとたび経験を積めば、人材としての価値はグッと高まりそう。新卒からのファーストキャリアにはなりづらい職種ですが、もしもステップアップを考えるなら、なんらかのチャンスをつかんでみるとよいかもしれません。清玄寺さん、貴重なお話をありがとうございました!

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