(取材)トップクルー岩手フライトスクール|現役の米農家が指導⁉️各領域のプロから直接学べるドローンスクール
同校には農業や建築関係に従事する受講生が多く集うといい、運営会社の講師陣もまた、ドローンスクール運営を手掛けるかたわらで実際の業務にも携わっているそう。2023年春からは新しい校舎も開設されるそうで、その人気ゆえに今、勢いのあるスクールです。
この記事ではトップクルー岩手フライトスクール代表 古舘裕三さんに、コースの内容やスクール運営にかける想いを伺いました。

トップクルー岩手フライトスクール代表 古舘裕三さん
トップクルー岩手フライトスクールについての基本情報(料金、コース、資格)
スクール名 | トップクルー岩手フライトスクール | |
取得可能な資格 |
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開講中のコース |
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初期費用 (入会金やドローンの購入費用等) |
なし | |
受講料 | 農業コース | 250,800円(税込) |
陸上用コース | 250,800円(税込) |
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測量コース |
2508,00円(税込) |
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JUIDA操縦技能認定コース |
220,000円(税込) |
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運営会社 | 株式会社トップクルー |
農業従事者が多く集う、トップクルー岩手フライトスクール
—本日はありがとうございます。まず、トップクルー岩手フライトスクールについて教えてください。
トップクルー岩手フライトスクールは2017年、「すべての産業に大空を解き放つ」というコンセプトの下、JUIDA認定校として開校したドローンスクールです。
当校の願いは、少子高齢化の進む日本において、一人でも多くの方が豊かで幸福な生活を送れる社会をドローンで後押しすることです。そのため当校では農業や産業用、測量といった産業に使える技術に特化したカリキュラムを提供しています。
私たちが本拠地とする東北は、あの大震災を経験しました。その経験から、今でも「あのときもし、ドローンがあれば何かできたのでは」と思いを巡らせることがあります。人が入れないところに入り、赤外線でものを判別できるドローンの力があれば、もっと多くの人を救えたのではと。
ドローンでできることはまだまだ限られていますが、今後はさまざまな場面でドローンが活躍していくはずだとも確信しています。そんな未来に向け、一人でも多くの優秀なパイロットを育成すべく、日々スクール運営に取り組んでいます。

トップクルー岩手フライトスクール所長 兼教官 柘植 健さん
岩手トップクルーフライトスクール教官 佐藤 源悦さん
ーそのような背景がおありだったのですね。そんな御校では、現在のところ何種類のコースを展開されていますか。
当校では大きく分けて4つのコースをご用意しています。
1つ目は農業コースで、5日間かけてドローンの農業活用を学びます。具体的には、初めの1日で農薬の取り扱いや航空法などを座学で学び、残りの4日間で安定した散布コースの飛行、安全確認、緊急時の対応などの実技を行います。
なお、実技日程のうち1日は自動航行の練習に取り組みます。使う機体は、DJI T10/T30とNTT e‐DRONE technology AC101という2つのドローンから自由に選択できるようにしています。
2つ目は陸上用コースです。こちらは農業用無人車の操縦技術を学んでいただくコースで、全3日間で行います。このうち1日は農業用作業車安全運航カリキュラムを中心とした座学を実施し、残りの2日間で自動散布コースの設定方法や安全確認、緊急時の対応についての実技を実践していただきます。
3つ目は測量コースです。こちらはJUIDA操縦技能認定コースと合わせて4日間でご用意していますが、測量を中心に学びたい方もいらっしゃるので、細かなカリキュラムは個別に対応しております。
内容としては、JUIDA操縦技能講習に加え、写真測量の知識を学んでいただきながら高精度ドローン写真測量を行えるように指導します。最終的には、写真測量と対象地形を撮影した複数の写真の解析データを組み合わせ、3次元データを作成するところまでを学べます。
4つ目にご紹介するのはJUIDA操縦技能認定コースです。こちらは国交省の要件を満たした資格のため、飛行許可申請がしやすく、安全管理者の知識と実技両方の技能証明ができます。全行程3日間を通し、座学と実技をバランスよく学べるカリキュラムになっています。
また、2022年12月から国家ライセンス化が始まったこともあり、2023年の3月からは国家資格対策講座として1等、2等の両コースの対策ができる免許取得コースも開始する予定です。まだ準備段階ではありますが、すでに多数のお問い合わせをいただいている状況です。
—トップクルー岩手フライトスクールに来られるのは、どのような方が多いですか。
受講生の7割ほどは農業従事者ですね。年齢でいえば30代~70代の方まで、メインの年齢層は40代~50代の方が多いです。
当スクールの講師陣は私をはじめ、それぞれが担当コースのスペシャリストです。例えば、農業コースの講師は実際に米農家を営んでおり、ドローン講師と二足の草鞋を履いています。実地ノウハウを有する講師が指導にあたるメリットは大きく、受講生からご好評をいただいているポイントです。

手厚いプロの指導と実地で伝える、確実な技術力にこだわるスクール
—指導にあたっては、どのようなことにこだわられていますか。徹底的に安全に留意することです。
先ほども少し申し上げたとおり、当スクールの自慢は、各講師陣がそれぞれの分野のプロフェッショナルなことです。その経験から、講師たちは運航のどこに危険が潜んでおり、何に気を付けなくてはいけないかを身をもって伝えることができます。つまり、農家さんや建築関係に携わっている方々と同じ目線に立って指導を行うことができるんです。
私自身もラジコンを経てドローン操縦を行うようになり、飛行に関しては40年目のベテランになりました。それでも、年数を重ねるごとに「安全飛行は難しい」という思いを強くしています。操縦に慣れた私でさえ、一瞬も気を抜けない緊張感がドローンにはあります。
—他校と比較して、御校の強みはどういったところでしょうか。
より実地に近い形でレクチャーを行っている点ですね。たとえば農業コースでは、実際に稲作で使用する田んぼに行って飛ばすので、卒業してからもすぐに日々の農作業に取り組んでいただけるほどリアルな練習ができます。ここまで実地に近い練習ができるのは、講師自身が農家だったり、産業に携わる者だったりする当校の強みです。

ドローンビジネスの展望
ー今後の展望を教えていただけますか。昨今の日本では、業界を問わず高齢化と人手不足が大きな問題になっています。我々が強みとする農業や各種産業などは、その影響をもろに受けています。
そこで我々が期待を寄せるのがドローンです。農業などはどうしても過酷なイメージがあり、若い方から敬遠されがちです。もしドローンの自動航行であっという間に仕事が終われば負担が軽減できますし、最先端のかっこいいイメージが若い方の参入を後押ししてくれるかもしれません。
食は命の根源であり、たいへん尊い仕事です。ドローンを通して「農業はきつい」イメージを変え、担い手不足を解消できれば嬉しいですね。さらには、岩手から地方創生にも貢献できればこれほど嬉しいことはありません。
生きたスキルが学べるスクール。ぜひ気軽に体験を!

ー最後に、読者に向けたメッセージをお願いいたします。
当校では2023年の春から新しい校舎が開校します。明るくきれいな環境で、ぜひドローン技術を楽しく学んでください。
体験会も随時開催予定ですので、産業従事者の方はもちろん、初心者で少しでも興味のある方はお気軽にお問い合わせいただければ幸いです!
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