この記事では、ドローンの国家資格制度の内容や国家ライセンス制度に対応しているおすすめのスクールなどをわかりやすく紹介します。
2022年12月5日から国家資格制度の導入が始まる
ドローンに国家資格制度が導入されるようになった背景として、以下の3点が挙げられます。- 国土交通省の作業工数を削減
- 労働力不足を解決する産業の創出
- 有人地帯でのドローンの活用
ドローンの飛行許可申請は、令和3年には75,000件を突破しています。年々、増加傾向となっている飛行許可申請の承認作業を行う国土交通省では、業務負担が大きくなっていることが問題視されていました。
そのため、一定以上のスキルや知識のあるパイロットは申請無しでドローンの飛行が行えるようになることを目指しています。また、2024年の4月1日以降はトラックドライバーの年間時間外労働時間の上限が制限されるようになります。
これによって、トラックドライバーが大幅に不足することが懸念されています。不足する労働力を補うために、ドローンを活用した物流サービスが推し進められることが予想されます。
また、ドローンの国家資格を取得することで、レベル4飛行(第三者上空での補助者なし、目視外飛行)が可能となります。レベル4飛行が可能となることで、スタジアムの上空からのスポーツ中継や市街地・山間部への配送、イベントの警備などもドローンが行えるようになります。
一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士とは
ドローンの国家資格は、一等無人航空機操縦士と二等航空機操縦士の2種類に区分されています。どちらの資格も有効期間は3年間となっており、限定変更を行えば目視外飛行や夜間飛行を行うことも可能です。一等無人航空機操縦士は、レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)が行えるようになることが特徴です。それに対し、二等無人航空機操縦士では飛行申請の一部省略・免除となり、カテゴリーⅡ飛行(特定飛行のうち、無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じたうえで行う飛行)が行えるようになります。
ドローン国家資格を取得する方法
ドローンの国家資格を取得するためには、登録講習機関で講習を受けてから試験を受ける方法と指定試験機関で直接試験を受ける方法の2種類があります。一般的なのは、登録講習機関で講習を受けたうえで受験する方法です。ドローン国家資格の最低受講時間数
ドローン国家資格の最低受講時間数は、1等と2等、初学者と経験者で異なります。ドローン国家資格の最低受講時間数は以下の通りです。学科 | 実地 | |
初学者 | 1等:18時間以上 2等:10時間以上 |
1等(基本):50時間以上 1等(目視外):7時間以上 2等(基本):10時間以上 2等(目視外):2時間以上 |
経験者 | 1等:9時間以上 2等:4時間以上 |
1等(基本):10時間以上 1等(目視外):5時間以上 2等(基本):2時間以上 2等(目視外):1時間以上 |
上記の表からもわかる通り、経験者が1等の目視外資格を取得する場合は合計24時間以上必要となり、初学者が1等の目視外資格を取得する際には合計75時間以上が必要となります。
国家ライセンス制度に対応しているドローンスクールの選び方
ここでは、国家ライセンス制度に対応しているドローンスクールの選び方について解説します。管理団体の規模
「ドローンスクールの選び方がわからない」と迷っている場合は、管理団体の規模からスクールを選ぶことがおすすめです。大規模な管理団体には、以下のような団体が挙げられます。
- 一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
- 一般社団法人 DPCA
- DJI JAPAN株式会社
- 一般社団法人 農林水産航空協会
上記の団体では、管理する講習団体数が70~190前後であるため、多くの受講生を輩出していることが特徴です。
講師の質
高度な操縦スキルを身に付けたいなら、講師の質もチェックしておきたいポイントの1つ。空撮や測量、農薬散布など、講師によって得意としている分野は異なります。講師の質をチェックする際には、公式サイトを確認してみましょう。しかし、ドローンの飛行経験が豊富な講師であっても、コーチングスキルが優れているとは限りません。コーチングスキルが優れた講師を見つけたい場合は、実際の利用者の口コミをチェックすることがおすすめです。
実技訓練の充実度
実技訓練は大人数で受講する場合、「実技10時間」と定められていても操縦時間が短くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。ドローンの操縦スキルを向上させたいなら、マンツーマンか少人数制を採用しているスクールを選びましょう。少人数制のスクールなら、1人あたりの操縦時間を長く確保できます。受講生の人数が少なければ、操縦で不安に感じる点も講師に相談しやすいでしょう。
また、シミュレーターを利用して飛行訓練を行うスクールもありますが、実際にドローンを操縦するのと感覚は異なります。シミュレーターの飛行訓練の時間が長いスクールよりも、ドローンを用いる飛行訓練の時間が長いスクールを選んだ方が実践的なスキルが身に付きやすいでしょう。
屋外訓練施設の有無
ドローンスクールを選ぶ際には、屋内訓練施設だけではなく屋外訓練施設もあるスクールを選ぶことが重要です。なぜなら、卒業後にドローンを飛ばすのは、基本的に屋外になるためです。屋外で操縦訓練を行うことで、自然環境下でドローンを飛ばす際のリスクにも対応できるようになります。強い日差しや風、障害物などに対しても、屋外で操縦することで対処しやすくなります。
アフターフォローの有無
ドローンスクールのアフターフォローには、以下のような内容があります。- 練習場の無料貸し出し
- 就職・転職のバックアップ
- 卒業生限定コミュニティへの参加
- ドローン購入時に特別割引
ドローンスクールによってアフターフォローの内容は異なるため、入会前に確認しておくことをおすすめします。卒業後も操縦スキルを向上していきたいなら、アフターフォローが手厚いドローンスクールを選びたいですね。
国家ライセンス制度に対応しているおすすめドローンスクール
ここでは、コエテコが厳選する国家ライセンス制度に対応しているおすすめドローンスクールを紹介します。エス・ティー・ワールド ドローンスクール
出典:エス・ティー・ワールド ドローンスクールドローンの国家資格を取得できるのは、エス・ティーワールド ドローンスクールです。大阪和歌山校には広大な敷地の宿泊施設が併設しており、ドローンの学習に集中できる環境が整えられています。
二等無人航空機操縦士講習プランは、計2日間~で受講費が145,200円~となっています。ほかにも、水中ドローンやJUIDA操縦技能証明証が取得できるプランも用意されています。
なお、合宿プランは完全プライベート型と複数人で学習するグループ型に分けられているため、操縦スキルに合わせて選択したいですね。
福岡ドローンスクール
出典:福岡ドローンスクール国家資格の二等ライセンスが取得できるのは、福岡ドローンスクールです。国家資格二等無人航空機操縦士コースでは、初学者と経験者で通学日数は異なります。限定変更コースは、目視外と目視外・夜間飛行の2種類が用意されています。
2名の受講生に対し1名のインストラクターが担当するため、きめ細やかな指導を行えることがメリット。学科講習はオンライン受講も可能であるため、遠方の受講者でも利用しやすいことが特徴です。卒業生へのアフターフォローも充実しており、新機種の操作方法などを指導してもらうことも可能です。
基本コースの受講費は、初学者が183,700円(税込)で経験者が70,400円(税込)となっています。実地補講料金や修了審査再受講料金は別途料金が発生するため、注意しましょう。
ドローン免許センター横浜町田IC校
出典:ドローンスクールナビドローンスクールとして17年の指導実績を誇るのは、ドローン免許センター横浜町田IC校です。ドローン免許センター横浜町田IC校では、JUIDA認定コースや二等無人航空機試験実技免許コースなどが用意されています。
二等無人航空機試験実技免除コースでは、コーチモードを採用したトレーニング専用機で実技練習を行います。受講料は350,000円(税込)となっており、カリキュラムを修了すると二等無人航空機実技免除証を取得することが可能です。
ドローンオペレーターアカデミー【DOA】本校・泉大津
出典:ドローンオペレーターアカデミー【DOA】本校・泉大津初心者向けから国土交通省飛行許可対策まで幅広いコースが用意されているのは、ドローンオペレーターアカデミー【DOA】本校・泉大津です。会員特典として空撮ツアーや動画編集講座なども充実しているため、ドローン初心者も安心して受講しやすいでしょう。
受講費は初心者入門コースが27,500円~で、国交省飛行許可対策技能認証コースが3日間で165,000円(税込)となっています。カリキュラムのなかでは、操縦訓練のほか関係法規などについても基礎から学習を行います。
実技演習は2人の受講生に対し1人の講師が担当するから、苦手な操縦方法も克服しやすいでしょう。屋内コートと屋外コートが完備されており、天候に左右されず操縦練習を行うことが可能です。
ラボテックドローンアカデミー
出典:ラボテックドローンアカデミー和歌山県でドローンの国家資格が取得できるのは、ラボテックドローンアカデミーです。なお、一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の資格が取得できるコースの開設は、令和5年3月1日を予定しています。
受講生から人気を得ている操縦技能+安全運航管理4日間コースは、受講費が252,450円(税込)となっています。飛行訓練の時間が十分に確保されているため、初心者でも操縦スキルを習得しやすいでしょう。
卒業生は飛行場の使用が無料など、アフターフォローも充実しています。また、ドローン無料体験やデモ飛行、セミナーなどのイベントも盛んに開催されているため、気軽に参加したいですね。
マジオドローンスクール
出典:マジオドローンスクール自動車教習所を運営している株式会社パルプランニングが運営しているのは、マジオドローンスクールです。日本ドローンスクール協会コースでは、最短2日間でドローン操縦士の資格が取得できます。
実技はマンツーマンで講習するため、操縦スキルを短期間で習得しやすいことがメリット。高高度飛行や物件投下・危険物輸送などが学べるコースもあるため、目的に合わせてコースを選択したいですね。スクールの雰囲気を知りたい場合は、無料体験に参加してみましょう。
AONE DRONE埼玉
出典:AONE DRONE埼玉民間ライセンスから国家資格まで、幅広い資格を取得できるのはAONE DRONE埼玉です。機体購入やメンテナンスなど、卒業後のサポートも充実していることがメリット。入会後は練習場が無料開放となるため、納得するまで操縦練習を行えます。
受講料は198,000円~となっており、ドローンスクールのなかでは低価格でスキルを習得しやすいことが特徴です。気になる場合は、公式サイトから無料体験やオンライン面談などに申し込んでみましょう。
ドローンスクールに通って国家資格を取得してみよう!
ドローンスクールに通うことで、国家資格がスムーズに取得しやすくなります。ドローン初心者の場合は、講師の質が高いスクールやアフターフォローが充実しているスクールを選びたいですね。ドローンスクール選びに迷っている場合は、実際の利用者の口コミをチェックするのがおすすめです。短期間で集中的にドローンのスキルを習得したいなら、合宿プランがあるスクールを選びましょう。ドローンの国家資格を取得して、安全にドローンを飛行できるスキルを身に付けたいですね。