準天頂衛星システム(QZSS)「みちびき」の適用を想定し、QZSSの「信号認証サービス」を利用して「スプーフィング(なりすまし)」対策を加えています。
スプーフィングとは?
スプーフィングとは、米国の「GPS」などを含むGNSS(全地球航法衛星システム)の偽の測位信号を生成し、位置情報を改ざんする行為を指します。主なGNSSには偽信号を防ぐ仕組みがないので、第三者が意図的に妨害できてしまう問題があります。
偽信号があると、企業・組織のドローン運行に支障がでてしまうので、QZSSの信号認証サービスでスプーフィング対策を進めることとなりました。
信号認証サービスは、電子証明を使ってQZSSからの信号が正しいかを検証する仕組みのこと。
地上の管制局で秘密鍵を利用した電子署名を施し、衛星を介してデータを送信します。
偽信号対策をした実証実験
今回の実証実験では、ドローン運送とスプーフィング対策の2種類のデモンストレーションが行われました。ドローン運送のデモンストレーションでは、GNSSの妨害電波を実際に発すると電波法に抵触するため、ドローンへのスプーフィングは想定デモとして行われました。
ドローン運送で偽信号を受けたという想定で、有線上でのスプーフィング対応が披露されました。
一部の測位信号が偽の測位信号による妨害を受けた場合には、正常な測位信号を利用して自動走行を継続されました。
また、全ての測位信号が妨害を受けた場合はドローンをマニュアル操作に切り替えるように実証実験が行われました。
次に、スプーフィング対応のデモは、正常な測位信号と不正な偽の測位信号を混合して実施されました。
信号認証に対応した受信機は、現在地の大滝総合支所を示すことに成功。
非対応の受信機は誤った場所の三軒茶屋を示してしまいました。
これにより、信号認証サービスによって偽信号対策ができたと結論づけられました。
ライターコメント
ドローン運送の場合には、偽の測位信号で位置情報をの探知を妨害される問題があるのですね。災害での物資支援などで妨害されてしまうと人命にも関わります。
今回の実証実験によって、信号認証サービスの活用で偽信号対策ができることがわかりました。
実用化が期待されますね!