Ocean Biz 2024イベントレポート:最新水中ドローン技術が集結!海の技術革新を体験
ブルーエコノミーの普及を目指すこのイベントには、海洋水中産業の振興と海の産業革命を推進するねらいがあります。
本イベントでは、国内の主要水中ドローンが一堂に会し、実際の海域でのデモンストレーションを実施。参加者は、水中ドローンの最新技術やその活用方法を実際に体験できました。

注目のイベントについて、コエテコ編集部 高橋がレポートします。
Ocean Biz 2024 in SHIZUOKAの見どころ
「水中ドローン」に特化した総合イベント
室内展示ブースには様々な水中ドローンが展示されており、参加者は最新の技術を間近で見ることができました。また、水中ドローン以外にも海洋関係の事業に携わる企業のブースが充実しており、海洋産業全体の最新動向を知る良い機会となりました。デモンストレーションは海中で!リアルな環境での性能を見られる
屋内展示のほか、複数の企業による実際の海域を利用してのデモンストレーションも行われました。他のドローンイベントで見られるような屋内の大きな水槽でのデモではなく、実際に潮の満ち引きが発生する海でのデモンストレーションだったため、水中ドローンの機能・性能や動きについてよりリアルに知ることができました。
イベントには数々の企業が集結
イベントでは、テントA〜Cまでの3つのテントが設置され、各事業者が自社の水中ドローンや事業の説明を行ったあと、実際に海水での操縦デモンストレーションを行いました。7月17日(水)
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テントA
- 10:30~11:30:FullDepth
- 12:00~13:00:東京久栄
- 13:30~14:30:スペースワン
- 15:00~16:00:SeaBreath
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テントB
- 10:00~11:00:マツイ
- 11:30~12:30:SOLASTER
- 13:00~14:00:広和
- 14:15~15:15:サイスガジェット
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テントC
- 11:00~12:00:ジュンテクノサービス
- 12:30~13:30:ミサゴ
- 14:00~15:00:JOHNAN
- 15:30~16:30:実証枠
7月18日(木)
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テントA
- 10:30~11:30:SeaBreath
- 12:00~13:00:スペースワン
- 13:30~14:30:ジュンテクノサービス
- 15:00~16:00:FullDepth
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テントB
- 10:00~11:00:広和
- 11:15~12:15:サイスガジェット
- 12:45~13:45:東京久栄
- 14:15~15:15:マツイ
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テントC
- 11:00~12:00:ミサゴ
- 12:30~13:30:JOHNAN
- 14:00~15:00:SOLASTER
- 15:30~16:30:実証枠
屋内展示(静岡港マリンターミナル)


屋内展示会場には最新の水中ドローンが一堂に会し、それぞれのブースで詳しい説明が行われました。来場者は直接製品に触れ、専門家からの説明を受けながら、その技術や応用方法について理解を深めることができました。さらに、海洋関連企業のブースも多く出展されており、幅広い分野での最新技術やサービスが紹介されました。

同会場で開催されたBLUE ECONOMY EXPO
同会場で開催されたBLUE ECONOMY EXPOも見逃せませんでした。この国際会議は「駿河湾をテストベッドとしてBlue Economyが創り出す未来」をテーマに、清水港(静岡県)を臨む地で開催されました。会議では海洋経済(ブルーエコノミー)の現状と未来について、国内外の専門家が議論を交わし、新しいビジネスチャンスや技術革新についての見解を共有しました。
事業者展示ブース
事業者展示ブースでは、多くの企業が最新の水中ドローンや関連技術を展示していました。以下に、いくつかの注目すべきブースを紹介します。SOLASTER株式会社

SOLASTER株式会社のブースでは、最新式の水中ドローン「SOLASTER ROV」が展示されていました。最新のIT技術が搭載されたこの機体は、点検から組み立てまで全て国内で行っているそうです。
SOLASTER ROVの特徴として、AI解析、位置情報マッピング、高性能シミュレーターの3つが挙げられます。AI解析技術により、海底に生息する生物を認識&識別し、水産業や海洋研究に大きく貢献します。また、音響ナビゲーションを搭載することで、作業の位置情報を効率的にデータ化し、作業報告やデータ共有が合理的に行えるようになります。さらに、高性能シミュレーションソフトを用いることで、実際に海やプールへ出向かずに水中ドローンの操縦訓練が可能です。ハードウェアだけでなくソフトウェアにも強みを持つ機体として、注目の存在です。
株式会社SeaBreath

機体を取り扱う商社である株式会社SeaBreathのブースでは、以下の製品が展示されていました。どちらの機体もフランスのメーカー製です。
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マイクロAUV(YUCO)
事前にプログラムしたルートに沿って広範囲を走る自律型無人潜水機。写真右に映っているこのマイクロAUVは、広範囲の調査やモニタリングに適しています。
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SEASAM
複数のワイヤレス水中操作を実行できるコンパクトな水中自律探査マルチドローン(写真左)。自律モードでは、指定したターゲット(ダイバー等)を追跡するだけでなく、完全に自動化された船体検査などの自律的なタスクを実行できます。
福島ロボットテストフィールド

福島県南相馬市に位置するこのフィールドでは、ドローン機体の実証実験や開発が行われています。水中ドローンについても、実際の海や川を想定して濁りを再現できるプールがあり、現実に近い環境でのテストが可能です。
世界に類を見ない「陸・海・空のフィールドロボット・ドローンの開発実証拠点」として多くの研究者・事業者に活用されているのが福島ロボットテストフィールドです。広大な敷地には長い滑走路や市街地、トンネル、橋梁など実際の使用環境を再現した施設が並びます。この記事では福島ロボットテストフィールド副所長 細田 慶信さんに、施設の内容やドローンにおける今後の展望について伺いました。
2023/01/14 00:01
株式会社スペースワン


株式会社スペースワンの展示では、CHASING社の最新機種であるCHASING M2 PRO MAXのほか、ノルウェー産のblueye X3が登場しました。
国内で多くのユーザーに支持されているCHASING製品は、その優れたコストパフォーマンスで水中ドローンの普及に大きく貢献しています。
さらに、2024年内にはさらに上位機種となるCHASING Xのリリースも予定されており、産業実装への期待が一層高まっています。

また、スペースワンのブースに同時に展示していたCalTa株式会社は、空中・水中映像の解析ソフト「TRANCITY」の開発・提供をしています。このサービスは既に気中部分の3D化を高精度な生成を可能にし、現在スペースワンと共同で水中部の3D化を実証しています。これが実現することにより、水中部点検における精度の高い異常箇所の発見やアウトプットが期待されています。
株式会社チック

仙台でドローンスクールの運営を行うほか、機体の販売も行っている株式会社チックのブースでは、BlueRov2が展示されていました。この機体の優れている点はスピードで、カメラ等を搭載して高速での走行が可能です。顧客の使用用途に合わせてカスタム対応も行っており、様々なニーズに応えられる製品です。
同時開催「海のEXPO@駿河湾」
同時開催で「海のEXPO@駿河湾」が清水マリンビルにて実施されました。このイベントには国内外の有識者が集まり、ブルーエコノミーに関するセッションや基調講演が行われました。7月17日(水)
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メインセッション
- 笹川平和財団の角南篤氏、東北大学の藤田香氏、(株)N-ARKの田崎有城氏による基調講演が行われ、海洋の課題とその解決に向けた取り組みや、海洋国家日本を実現するためのスマートシティ事業について議論されました。
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サブセッション1
- 海外のブルーエコノミーに関する取り組みと日本の現状について、TMA BlueTECHのMatt Classen氏やポルトガルのForum OceanoのRuben Eiras氏、駐日ノルウェー大使Kristin Iglum氏などが意見を交換しました。
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サブセッション2
- 駿河湾をテストベッドとしたブルーエコノミー推進の拠点形成について、静岡市長の難波喬司氏や早稲田大学の高橋桂子氏、東京工業大学の阪口啓氏が議論を交わしました。
7月18日(木)
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サブセッション3
- 国や研究機関、大学の取り組みとして、JAXAの冨井直弥氏、水産研究・教育機構の中山一郎氏、京都大学の植田充美氏が、それぞれ技術の進展とマーケットの期待について発表しました。
- 産業界の取り組みとしては、日本電信電話(株)の川添雄彦氏、沖電気工業(株)の加藤洋一氏、(株)三井住友銀行の佐藤正一氏、Beyond Next Ventures(株)の有馬暁澄氏が、それぞれの取り組みと期待について発表しました。
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サブセッション4
- ブルーエコノミー進展を支える人材づくりについて、JAMSTECの大和裕幸氏や市原盛雄氏、九州工学大学の石井和男氏が取り組みを紹介しました。
(コメント)日本水中ドローン協会 事務局次長 大手山 弦氏
OceanBizの開催は、日本水中ドローン協会として水中ドローンの普及活動の新たなステップとして構想してきた企画です。これだけ多くの水中ドローンを一堂に見て比較する機会はこれまでになく、「水中ドローンの総合イベント」というキャッチフレーズで広報を行った結果、全国から多くの水中ドローン経験者にご来場いただきました。そのため、通常は「水中ドローンとはどういうものか」をゼロから説明して商談に進むところが、スムーズにコミュニケーションが取れたと伺っています。また今回は、当協会の公共会員である静岡市のご縁をいただいた一般財団法人マリンオープンイノベーション機構が開催するBLUE ECONOMY EXPOと併催することで、海洋産業振興の新たな一歩を力強く踏み出せたと感じております。来場者や皆様からは予想を超える好評を頂きましたので、成功と言えるのではないでしょうか。
これをスタートに、OceanBizは継続的かつ発展性を持って活動を続けたいと考えています。今後は当協会の公共会員とも協力し、各地でのOceanBiz開催を通じて水中ドローンに関心を持つユーザーを増やすことで、水中ロボットを運用できる人材の母数をさらに増やしていけるのが理想ですね。
今回の開催地である清水港は水中ロボットの実証フィールドとして展開しています。このイベントをきっかけに利用していただける方が増えると、とても嬉しいです。
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